Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

Editorial
Vol.9(02/11/11)

できたことが一つ、できていないことはたくさん

 11月11日からBassingかわら版に「琵琶湖バスのリリース禁止まであと○日」というカウントダウンバナーを設けた。Editorial Vol.7で提案したことを他人まかせにしないで一つ実行したわけである。

 カウントダウンバナーはJava Scriptで自動更新されるようになっている。ただし、著者はそれがどういう仕組みになっているか理解していない。ネット上で見付けてきたのをそのまま利用させていただいてるだけである。そのうち何か不都合が起こるかもしれないのだが、とりあえずはちゃんと表示されているので、これで問題なければ来年3月31日まで掲載しておこうと思っている。

 こういうバナーにどのような意味があるかは、見た人がどう思うか次第なので、各自でご判断いただきたい。いいんじゃないかと思った方は、ご自分のページにも掲載していただくか、ページを持ってるお知り合いに「こういうのがあるよ」とご紹介いただければ幸いである。

 ソースは下記の通り。これを各自で改良していただくのは自由である。そのかわり、改良されたものを自由に転載、流用することを認めていただくようお願いする。掲載にあたっての注意事項はこちらをごらんいただきたい。

<BODY>
<CENTER><TABLE BORDER="0" CELLSPACING="0" CELLPADDING="2">
<TR>
<TD WIDTH="100%" BGCOLOR="#000000">
<P><CENTER><B><FONT COLOR="#ff0000" SIZE="+1"><script Language="JavaScript"><!--
yy = 2003;
mm = 04;
dd = 01;
today = new Date();
xday = new Date(yy,mm-1,dd);
countdown = (xday.getTime() - today.getTime())/(24*60*60*1000);
countdown = Math.ceil(countdown);
document.write("琵琶湖バスのリリース禁止まであと"+countdown+"日");
//--></FONT></SCRIPT></B></CENTER></TD>
</TR>
</TABLE></CENTER>
</BODY>

 こういうアイデアが世に出たら、すぐに現れるのが「琵琶湖バス最後の日まであと○日」あるいは「琵琶湖のバストーナメント最後の日まであと○日」「琵琶湖のバスプロ最後の日まであと○日」というようなパクリである。きっとどこかに出てくると思うが、賢明な皆さんは、そんなのをわざわざ探してアクセスカウンターの数字を増やすような愚かな行為はしないように。それと、上記三つのコピーの無断転載はお断りするので、もしパクってやろうというのであれば自分でコピーを考えていただきたい。

 ルアーにもオリジナルとコピーがあるが、コピーが売れるのは偉大なるオリジナルが存在するからであり、コピーがオリジナル以上に成功することはめったにない。その数少ない例は、ルブレックス社のオークラのコピー製品(ダイワ・クルセダーほか)、ヘドン社のソナーのコピー製品(コーモラン・コーモソナーほか)などである。オークラのコピーは、消耗の激しいスプーンがオリジナルと性能は同等で値段が安いということで成功した。ソナーのコピーは、値段の問題もあるが、それよりも大きかったのはオリジナルの輸入量が少なく手に入れにくかったことだろう。

 それともう一つ、ポパイのクリンクルカッツというワームがある。これはオリジナルのフレンチフライがほとんど無名だった日本の市場で、コピーの方が先に有名になってしまって成功した希有の例である。コピーに様々なアイデアが加えられた結果、オリジナル以上のものになれば成功するかもしれないが、それはもはやコピーではない。クリンクルカッツはハードとしてはコピーであっても、ソフトの部分でオリジナルは日本のバスフィールドでどう使うかというアイデアが希薄だったのに対し、コピーの方はジグヘッドリグに使うという有効なアイデアをプラスし、有名バスアングラーによる強力なプロモーションを展開した。素材の硬さが違うなどということも言われはしたが、大枠ではそういうことである。その意味でクリンクルカッツは、日本市場ではコピーであってコピーでなかったと考えるのが正解ではないだろうか。

 カウントダウンバナーのコピーの話からルアーのコピーの話にワープしてしまったので、話題を元の線に戻そう。上に掲載したソースはネット上に公開されていたものを著者が見付けてきたものなので、これを皆さんが流用されるのは自由である。「琵琶湖バスのリリース禁止まであと○日」というコピーの部分も著作権と著作者人格権に基づいて転載自由とさせていただく。自由であることから、悪意ある流用が行われるかもしれないが、そんなのはしょせん質の低いコピールアーと同じだと思う。ということでルアーのコピーの話を出した次第。あとはネットの評価におまかせしたい。

 次に、今月のお手軽スポット最終回のお約束を果たそう。サンケイスポーツ掲載時に著者が書いた原稿からカットされたのは、湖面利用税の内容に関する部分。ただし、著者はカットして掲載された原稿がどのようなものになっているか見ていない。なぜかはわからないが、サンスポの掲載紙は著者の手元へは送られてこないのである。これは、自分で買って読めということだと思うのだが、スポーツ新聞は発行されたその日にしか買うことができないからいちいち面倒だし、著者としての意地もあって今まで一度も買っていない。というような事情で、著者は、サンスポの担当者から電話で「カットさせていただきます」と言ってきたから、そうなっていると判断しているに過ぎないということをお断りしておく。

 カットの理由は、担当者が条例の名称などを確認するために滋賀県庁へ電話したところ、湖面利用税についてはまだ何も決まってないと言われたからとのことであった。つまり、バスのリリース禁止条例のときのように内容が決まって反対者が何か言ってきても無視できるだけの準備が整い、いざ発表という段階になってからでないと扱えないと、そういう意味に著者は解釈したのだが、これでは記事にする意味なんかないではないか。そのことはリリース禁止条例の一件で明白である。しかしながら様々な理由から扱えないものは扱えないと、電話を受けた著者がそのように理解したところで話は終わった。だから、ここに書いていることはあくまで著者の解釈であって、電話の相手がそういう意味で言ったかどうかは著者の知るところではない。

 産経新聞社という大きな組織の中のサンケイスポーツという一部門の釣り欄という事情や立場もあるので、ここでこれ以上書いても意味がないと思う。もとより産経新聞社やサンスポのことを揶揄するのが目的でもない。皆さんにお伝えしたいのは、リリース禁止条例のときは要綱案に対する意見募集をきっかけに始まった反対活動のあまりの強さに県側も狼狽したが、そのときの経験から学んだこともあったであろう、湖面利用税に関しては県のやり方が一段と巧妙になってきているのを今回の一件で強く感じたということである。記事として扱える、扱えないはメディアの側だけの問題ではない。扱えないように、あるいは扱いにくいように県側が立ち回っていて、それが新聞なら最終的な記事の内容に皆さんが思ってもいないような影響を及ぼす。あらゆるメディアにそういう影響が及ぶということをご理解いただきたいのである。

 そんな複雑な力関係の中で、自分が言いたい意見を少しでも有効な形で述べるのがプロというものだと著者は思っている。言いたいことを言わせてくれないから、そのメディアとは付き合わないというのであれば、発言の場はどんどん失われ、世の中への影響力もなくなっていく。それでは本末転倒というものである。ところが残念なことに、現在の釣り関係のメディアにおいては、言いたい意見を少しでも有効な形で述べることさえできない不自由さが厳として存在する。だから、著者は釣り関係の既存メディアでほとんど仕事しなくなってしまった。唯一、最後に残っていたのがサンスポだったが、それも最終回となった。

 そこでインターネットである。ここで書いたようなことは、ネット上でなければ絶対に発表できなかったはず。その一方、著者の印刷メディアでの仕事は皆無になった。それでもかまわないと思うのは、ひたすらネットがあるからだ。著者ができたことは少なく、できていないことの方がはるかに多いが、これから先のことを考えれば、電波や紙誌面などの既存メディアを通じてできることよりも、ネットを通じてできることの方がはるかに多いという確信を持っているということを明言しておきたい。

 実はサンスポ連載の最終回には、もう一つ別の原稿があった。その内容のままではとても掲載されないだろうということで、一部書きなおしたものを原稿として送った次第。その最初の原稿を掲載しておく。商業メディアで仕事をするということがどういうことかということを少しでもご理解いただく参考になると思うので、興味のある方は今月のお手軽スポット最終回と読みくらべていただきたい。

■今月のお手軽スポット最終回 改訂前の原稿

 琵琶湖で釣ったバスのリリースを禁止する「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」が滋賀県議会9月定例会の最終日となった10月16日に可決成立した。同条例が釣りに影響する部分は次の通り。

1>法律で指定されたバス、ブルーギルを含む外来魚の琵琶湖への再放流の禁止

2>2サイクルエンジンの2006年4月からの使用禁止(既所有の2サイクルエンジン付きプレジャーボートは2008年4月から使用禁止)

 さらに加えて同議会12月定例会では「湖面利用税」についての審議が行われる予定。滋賀県から発表された湖面利用税の概要によると、琵琶湖での船舶利用者に届け出義務を課し、1隻あたり年間3000〜30000円を徴収することになっている。

 これらがすべて施行されると、バスアングラーは次のような影響を受けることになる。

 まず、琵琶湖で釣ったバスをリリースできなくなる。釣り上げたバスは持って帰って食べるか、県が設けた回収用の入れ物に入れるか、そうでなければ他の生ゴミと一緒に捨てるかしないとけない。

 ボート釣りには、さらに二重の制限が加わる。2サイクルエンジンは2006年4月から使えない。すでに所有しているものでも2008年4月からは使えなくなるので、現在の愛艇を琵琶湖に浮かべて釣りをしようと思えば、4サイクルエンジンに載せかえるしかない。

 湖面利用税については現段階で細かいところがどうなるかまではわからないのだが、県発表の概要通りだと、これまたやっかいなことだ。前もって登録しておかないといけないということは、「来週の連休は天気がよさそうだから、ひさしぶりに琵琶湖へボートを持って行って釣りをしようか」なんてことはできなくなる。年に数回しか琵琶湖で釣りをしないボートアングラーでも1年分の利用税を支払わないといけないということになったら、彼らは事実上閉め出されてしまうだろう。

 リリース禁止についてのアンケートに回答したバスアングラーの70%は、リリース禁止の琵琶湖へは釣りに行かないと答えている。さらに2サイクルエンジン使用禁止などの影響も加わって琵琶湖のバスアングラーがガタ減りした場合のことを考えると、ちょっと恐ろしくなる。リリース禁止条例が施行された直後の来年4、5月だけでもバスアングラーが激減したら、バスが激増する可能性があるのだ。

 写真はバスの産卵期である今年4月に撮影したものだが、このプレッシャーがなくなるのはたいへんなことだと思う。琵琶湖の漁師が捕獲して滋賀県が買い上げている外来魚は、大部分がブルーギルであって、バスはその一部でしかない。そのバスにかかるプレッシャーが激減する一方、バスの卵や稚魚を食べるブルーギルはあいかわらず漁師が獲り続ける。その結果、いったいどんなことが起こるか。条例が意図するのとは正反対の結果にならないとも限らない。

 同様の疑問が日本釣り振興会や滋賀県フィッシングボート組合から滋賀県に出された公開質問状や意見書の中にもあったが、県から具体的な回答は出てこずじまいであった。琵琶湖の将来が気掛かりである。

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