Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

Editorial
Vol.12(02/12/12)

メディアリテラシーについて

 メディアリテラシー(media literacy)とは、わかりやすく言えば一般市民がメディアの本質をよく知って、情報を賢く利用しようということ。様々なメディアが流す大量の情報に振り回されるのではなく、情報の価値や真偽を見抜き、正しく理解する方法を身に付けることで、みずからのコミュニケーションを創り出す力を獲得することも含む。欧米の多くの国ではすでに高校や大学にメディアリテラシーを教える講座があり、中学校や小学校からメディアや情報との付き合い方を教え始めている。そのために一つの学問分野ができるほど扱う分野は多岐に渡り奥深い。

 一例をあげよう。著者の知り合いのうち、ランドクルーザーに乗っていて車両盗難にあうケースが多発している。被害はランクルの100(この数字が何を意味するか著者は知らない)に集中していて、知り合いの中で半分は盗難にあっているんじゃないかと思うほどの被害率である。全国のランドクルーザー100におしなべれば、おそらく数%とか数10%とかのたいへんな被害率になるだろう。これって、とんでもない事件じゃないのか。

 盗難が特定の車種に集中しているのだから、「ランクル100の盗難が多発している」というニュースを流して所有者の注意を促せば被害はかなり減らせるはずだが、これを新聞や民放のテレビ局が扱うと「レジャー用高級車の盗難多発」というようなことになってしまうのはなぜか。「ランクル100の盗難多発」なんてニュースを流せばランクルが売れなくなるから、メーカーがいい顔するはずがない。新聞やテレビにとって自動車メーカーは外すことのできない大スポンサーの一つだから、具体的に車種を出すことは逆立ちしてもできないのである。

 もう一つの例を……。韓国製で元値は1足数100円の有名メーカーのスポーツシューズが数1000円の値段で売られている。そのメーカーは有名スポーツ選手と高額契約していて、選手はコマーシャルなどに出るだけでなく、そのメーカーのシューズを履いて競技会に出場する。ここでメディアがどのような働きをしているかは、今さら説明するまでもないだろう。

 さらにもう一つ、最新の非常に具体的な例を……。某ホームページで著者が不買運動をしていると紹介された。前回のEditorial Vol.11の内容を取り上げてのことだが、そこで著者は次のように書いただけだ。

Vol.11からの引用---------------------------------

 バスを釣らないだけでなく、著者はすでに滋賀県内でお金を使うことをできるだけ避けるようにし始めた。滋賀県にいるときにものを食べたり、車にガソリンを入れるのは仕方ないが、物を買うのはなるべく他府県に出てからにする。昨日も車のタイヤを入れかえたかったのだが、滋賀県内のガソリンスタンドではエアを入れ増しするだけにして、後日他府県で入れかえることにした。毎月5日発売の雑誌ボートクラブも滋賀県内にいた12月5日に買うのはがまんした。滋賀県内の地方銀行に預けていたお金を他府県の銀行に移しかえて、引き下ろすときに何か言われたら「バスのリリース禁止を決めた滋賀県の銀行にはお金を置いておきたくない!!」とか何とか言いたかったが、これは残高が移しかえるほどもなくてできなかった。

引用終わり---------------------------------------

 これは著者が個人的にやっていることであって、不買運動などではない。他の人にも呼びかけて協調して不買をしようとするのが、不買運動の「運動」という部分の意味ではないのか。著者の個人的な活動を指して不買運動と言うのは、明らかに誇大表示である。ほかにも某ページの引用が不正確で、素人仕事としか思えない部分があるが、いちいち指摘しても仕方ないので細かいところは無視することにする。

 現在のところEditorialの各ページにはアクセス制限をかけずに誰でも見ることができるようにしてある。その理由はEditorial Vol.11に書いた通り。だから今のうちはいいようのものの、アクセス制限がかかっていてリンク先の内容を見ることができなくなったら、某ページを見た人は著者が本当に不買運動をしていると思ってしまうのではないだろうか。リンク先の内容を確認するようなめんどうなことはせずに、某ページを見ただけでそこに書いてあることを信じ込んでしまう人もいるかもしれない。そういう人こそが、このたぐいの誤報に引っ掛かりやすく、もっともメディアリテラシーを勉強しないといけない人だと思う。

 某ページは数あるバスフィッシング関係のホームページの中では琵琶湖バスのリリース禁止に関してよくがんばってる方だと著者は思うのだが、こういうことがあると、その内容の信憑性に疑いを持たれても仕方がない。せっかくがんばってるのに、これではもったいなさ過ぎる。メディアの本質を見抜き情報との付き合い方を知ることは、メディアや情報をどう扱ったらどういう結果になるかを知ることと同義である。某ページのようなことをやってる人こそがメディアリテラシーについてしっかり勉強されることを老婆心ながらお勧めする次第である。

 メディアリテラシーとは、まあそのようなこと。詳しく知りたければ、ネットに数あるブックストアで検索してみれば、たくさんの本が引っ掛かってくる。その中には、わずか数100円で本当に役に立つ情報を得られる新書や文庫本もあるから、ぜひ一読をお勧めしたい。Yahooなどのネット検索でも参考になるページが見付かるはず。ここでこれ以上詳しく書く必要はないだろう。

 Yahooと言えば、Yahoo内の地域トピックスから琵琶湖レジャー規制のコーナーが姿を消した。滋賀県議会での議決成立から2カ月近くたって、情報が少なくなったからか。某ページが著者のことを取り上げたり、ちょっと前には関西発の月刊釣り新聞の編集長だったか社長だったかのことをやはりプロフィール付きで取り上げていたのも、あるいは情報が少なくなってるから、その穴埋めかと思ったりもする。それならもうちょっとなんとかと思ってしまうのは、例えば著者のプロフィールについて。どこかからの引用だと思うのだが、本人に確認もしないでプロフィールを載せるのは、メディアとしてのルール違反じゃないのか。そういうことを気にしないメディアというのは、メディアリテラシーの観点からとても引っ掛かるのである。

 それと、もう一つ。Bassingかわら版が会員制のシェアウエアだということは、ホームページの上の方にはっきり書いてある。その内容をごらんになって引用しておられる(敬語を使うのは相手がサポートメンバーだと思ってるから)ということは、もちろん某ページのエディタなりライターの方はサポートメンバーのはず。その点、間違いないでしょうな。そういうことに関してのお願いも、Editorial Vol.11の最後の方に書いておいたので、ぜひご一読のほどを……。

 最後に情報というものについて書いておこう。上の写真は琵琶湖岸で見付けたカモの死体だが、これを見る限り、ただの死体だ。では、次の写真はどうか。

 カモの死体の嘴に吸い込み仕掛けのハリが掛かっている。つまり、カモが何かの間違いで吸い込み仕掛けに食い付いてハリが掛かって死んでしまった。こういう事故は冬の琵琶湖でよくある。カモは琵琶湖岸にやって来て水中の藻を食べている。そこへコイの吸い込み釣り仕掛けが投げ込まれていると、吸い込み釣りのエサを食おうとするのか、間違って食ってしまうのかはわからないが、吸い込み釣りでカモが釣れるということになってしまうのだ。

 実は最初の写真は2番目の写真から吸い込み仕掛けの部分をAdobe PhotoShopで消してあった。消すのにかかった時間はほんの数分。著者が荒っぽくやったから、よく見れば吸い込み仕掛けを消した部分の砂の状態がおかしいことがわかると思う。しかし、ていねいにやればわからなくすることは可能だ。ということは、その逆も可能だということである。では次の写真を……。

 著者の写真の撮り方がよくないので、わかり難いのだが、カモの死体の向こう側遠くに写っているのは、コイ釣りのアングラー。こういう風に写真を構成すると、わざわざコピーで何か言わなくても、コイの吸い込み釣りのアングラーがカモを殺したという内容になってしまう。もしこれを雑誌の見開きで掲載したら、けっこう衝撃的な写真だろう。では、最後の写真を……。

 手前にカモの死体、向こう側にはバスフィッシングのボート。これでカモの嘴に引っ掛かっているのがルアーだったら……。これがメディアの怖さだ。

 メディアリテラシーには情報の正しい捉え方ということが含まれる。情報を発信するメディアの側が何を意図し、どういう狙いを持っているか。それによって情報というのは、同じ素材を扱ったとしても、その意味するところが180度とは言わないまでも、90度ぐらいは簡単にかわってしまうのだ。だからこそ情報の受け手は、そのことを知らないといけないのである。そして、情報の受け手は素人、送り手はプロである。

 バスに関する情報が様々なメディアでどう扱われているか。それはおかしいと言うのなら、何がどうおかしいかを正確に言わなければならない。そのためには、メディアと情報に関する勉強が不可欠。メディアリテラシーを学ぶということは、つまりそういうこと。今からでも遅くはない。1冊の本、一つのホームページから始められてはいかがだろうか。

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