Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

Editorial
Vol.39(04/03/27)

琵琶湖4.1リリース禁止から1年

 滋賀県が制定した琵琶湖レジャー利用適正化条例により琵琶湖でバスを釣ったら否応なく殺すことを強要されるようになってから1年がたった。その間、殺すことを強要した滋賀県の側と、強要されたバスアングラーの側のそれぞれの動きを整理しておきたい。まずは県の側から。

 琵琶湖で釣った外来魚のリリース禁止する条例案を県議会に出した県知事や行政の担当部署も、それを深く考えもせず満場一致で成立させた議員達も、これほどの大問題になるとは思ってもいなかったであろう。条例案が示された時点で、前例を見ない2万件以上のパブリックコメントが寄せられ、そのうちの9割以上がリリース禁止に反対。条例の制定に反対する署名も5万を越え、日本釣振興会から知事に提出された。それを無視して条例案は何ら本質的修正を加えることなく滋賀県議会の9月定例会に出され、最終日に可決成立。翌2003年4月1日からのリリース禁止がまぎれもない事実となった。

 滋賀県はその後、リリース禁止に向かっての準備モードに入る。釣り場に外来魚回収ボックスや回収イケスを設置したり、監視員に琵琶湖を巡回させたり、駆除釣り大会を開催したり、外来魚を金券と引きかえたりといった施策を次々と考えていった。そんなさなかに、とんでもないスキャンダルが相次いで発覚する。琵琶湖の自然環境の番人のごとく振る舞い、リリース禁止を最も切望した漁業者の代表である滋賀県漁連会長が、あろうことか河川工事にからんで施工業者を恐喝していたというのである。さらに続いて、琵琶湖で使われてる漁船の多くが、漁業調整規則に違反する高出力エンジンを搭載していることが発覚。県水産課の立ち入り検査で漁船登録を取り消され、漁業免許を取り消される漁業者が続出した。琵琶湖にブルーギルを拡散させたのは滋賀県水産試験場であることを裏付け、滋賀県の隠蔽工作を覆すに足る資料も、琵琶湖のレンタルボート業者らの調査により発見された。

 この頃から滋賀県のリリース禁止に関する表現は、一気にトーンダウンする。最初のうちは駆除の効率を上げるためと言ってたリリース禁止の主目的は、いつの間にか啓蒙的効果にすりかえられた。何としてもリリースさせないぞと言わんばかりの高圧的な態度は影を潜めて、「バス釣り愛好者の皆さんにも、ご理解いただいた上で、ご協力いただく」というような表現にかわっていく。

 ところが、本気でご理解いただこうとする行動は、ついに今日に至るまでなかった。駆除釣り大会のようなメディア向け、一般市民向けのイベントは熱心に開催したが、バスアングラーへの本気のアプローチは、知事がアポなしで日釣振本部を訪れて、たまたま居合わせた役員に一方的に説明して帰ったのと、形ばかりのフォーラムを開催したのと、加藤誠司プロを琵琶湖レジャー利用適正化審議会の審議委員に迎え入れた以外、何も行われていない。つまり、リリース禁止が決まる前も決まった後も、バスアングラーへの説明は行われないままである。

 これは条例案の審議が始まる前に日釣振が滋賀県に提出した公開質問状に何の回答もなかったのと同様、相手を説得できるだけの論理的根拠を滋賀県は持ち合わせてないから、説明したくてもできないだけのことだ。だから知事や県が「ご理解いただいて」と言うのも、あくまでポーズにしか過ぎない。すでに早い時点で知事も県も、自分達がやろうとしてるリース禁止が、実は科学的に証明された裏付けもなく、利権や名誉欲に目がくらんだ連中の口車に乗ってやらされてるだけなのではないかと気付き始めていたはず。でなかったら、聡明であるはずの知事がアポなしで日釣振本部へなんか行くはずがない。最初から十分な話し合いにも何もならないのを計算の上でアポなし訪問しておいて、「わざわざ私の方から説明に出向いた」ということをアピールしたかったのか。あるいは釣り人側の強硬姿勢を強調したかったのか。

 しかしメディアも100%バカではないから、「面談を申し入れ、承諾は得られていなかったが……」「知事は、対応した同会の井上悦朗専務理事に……と述べた」などと冷静な報道ぶりであった。この記事を見た知人は「知事はアホか!?」と言ってたが、著者はこの時点で形勢逆転を感じた。それ以前は「湖のギャング」「小魚を全部食ってしまう害魚」などと書いていた一部新聞記者達も、バスアングラーの猛烈な反対ぶりを横目で見ながら取材を続けていくうちに、リリース禁止の矛盾に次第に気付き始め、ちょっとおかしいぞと思い始めていたのであろう。テレビも大幅に遅れてそれに続くが、琵琶湖のリリース禁止に関しては完全に手遅れ。リリース禁止に関してメディアが果たした役割については、一方的な言い分と多くの間違った事実を世の中に伝搬し、一部利権を大いに助ける結果になってしまった。現在はそんな状況が少しはかわってきている。バスアングラーによる反対活動はリリース禁止を止めることはできなかったが、まったく無駄になったわけでもないのである。

 そのような経過で2003年4月1日から琵琶湖でリリース禁止がスタートした。外来魚回収ボックスは湖岸公園に、回収イケスは漁港に、人気釣り場かそうでないか、バスアングラーが多いか少ないかには関係なく設置しやすい所に設置。リリース禁止直後とゴールデンウィーク、夏休みにはボートや車を使っての宣伝活動が行われ、駆除釣り大会も滞りなく開催された。

 滋賀県から任命された監視員は今も琵琶湖を回っている。どういうことをやってるかと言うと、湖岸の車で行きやすい所だけを手早く見て回り、チョイチョイとゴミ拾いなどもし、バスアングラーがいたらそのごく一部だけに「釣ったら逃がさないでね」などと軽く言うだけで、ことさら監視するとか、逃がそうとするのをやめさせるとか、そういうことはしていない。

 バスアングラーの多くは、リリース禁止以降の琵琶湖でバスフィッシングをしてる所へ監視員が来て、見張られたり、うるさいことを言われたりしたら嫌だなと身構えていたのだが、実際にそういうことは一切なかった。ジロジロと監視されたとか、バスをリリースしていて監視員に制止されたとか、何か言われたとか、そういう話も聞いていない。監視員の名の通り、見て回るだけである。

 面白いことに、自分の漁船に漁業調整規則に違反する高出力エンジンを搭載していたため漁船登録を取り消され漁業免許も取り消された漁業者が、その監視員の1人に選ばれていた。監視員というのは漁業者の失業対策ではないはず。滋賀県はいったいどういう選考基準で監視員を任命してるのか。できたらバスフィッシングをしてる所へこの人物に来てもらって、いろいろお話を聞いてみたいものだと仲間内で話し合ったのを琵琶湖で監視員の姿を見るたびに今でも思い出す。

 次にバスアングラーの動きを見てみよう。バスアングラーにとっての2003年4月1日は、琵琶湖で釣ったバスは必ず殺すことを強要されるようになった日である。それと同時に、日本の国が自分達が思ってるほど民主的でもなく、正義よりも利権やお金の方が力が強く、新聞やテレビは決して国民の味方でもなく、普段偉そうなことを言ってたアングラーや業界人や釣り団体の偉い人達の多くは、本当はお金儲けがうまいか有名かたまたまその地位にあるだけで、偉そうなことを言う資格なんかないということを思い知らされた日でもある。

 琵琶湖で釣ったバスを外来魚回収イケスに入れれば自分の手で殺すことは免れるが、それでも誰かが殺すことにかわりはない。そんなリリース禁止をバスアングラーの反対も顧みず強行したらどうなるか。リリース禁止直後はさすがにアングラーが激減したが、ゴールデンウィーク頃から様子を見に来るアングラーが増え始め、その後も徐々に回復して、現在はまあまあ気持ちよく釣りができる適正なレベルになっている。リリース禁止前の日釣振のアンケートで、70%のバスアングラーがリリース禁止の琵琶湖へは釣りに行かないと答えてたのは、いったい何だったんだって感じだ。アンケートの設問の仕方が間違ってたんだろうか。あるいは、リリース禁止を望む人達の多くが言ってるように、バスアングラーというのは全員が根っから嘘つきの犯罪者なんだろうか。

 アングラーの減り方は、最初のうちは岸釣りよりもボートの少なさの方が目立った。4月、5月は季節がよいので、岸釣りは行楽ついでのアングラーやリリース禁止を気にしない人達がけっこう大勢釣りをしていた。つまり、バスアングラーと呼ぶのが正しいかどうか問題は残るが、とにかく岸からバスフィッシングのようなことをしてる人の多さに救われた形になったのである。これで外見的には「リリースは禁止するが、釣りにはどんどん来てください」と言ってた滋賀県の目論見通りになるかに思われたが、その後、ボートアングラーが様子を見ながら徐々に琵琶湖へ帰ってきたのにくらべると、岸釣りアングラーの数はなかなか回復しなかった。やっと増え方が目立つようになるのは、夏を越えて秋頃になってからのことである。

 これは岸釣りアングラーが人目を気にしたり、監視員が回ってくるのを警戒したことに原因がありそうだ。ボート釣りなら、ポイントまで行ってしまえば、まわりにいるのはバスアングラーだけ。監視船などはめったに来ないから、うるさい目線を気にせず釣りをすることができる。それにくらべて岸釣りは、場所によってはバスアングラー以外の人もウロウロするし、監視員が来てジロジロ見張られたり、うるさく言われたらかなわない。おまけに、駆除を目的に釣りをしてるキモイ連中がいたりなんかしたら、気分悪いことこの上ない。それだったら別に琵琶湖にこだわらなくても、ほかによい釣り場がいくらでもあるじゃないか。そんなことで琵琶湖以外の釣り場へ移ったアングラーがたくさんいたのではなかろうか。

 ボート釣りはそうはいかない。アルミボートなら奈良県の池原ダムなどほかにも釣り場があるが、やっぱり琵琶湖が好きだというアングラーが少なくない。ましてやバスボートとなると、琵琶湖のほかに持って行き場がない。メジャートーナメントが4月以降開催されなくなってトーナメントの練習に出るボートが激減したかわりに、各マリーナが小規模ながらも盛んにトーナメントを開催するようになったし、ビワコオープンのような新しいシリーズ戦もできて、最初は様子見していたアングラーが5月から6月頃にかけて徐々に琵琶湖へ帰ってくるようになった。リリース禁止前からボートを手放す人が続出して、新しく買う人なんかいなかったのが、秋頃からは安くなった中古艇を買ってマリーナに新規入会する件数も最低時よりかなり回復している。

 岸釣りとボート釣りのタイムラグは、琵琶湖でバスフィッシングをしても大丈夫かどうか様子を見ていた期間が、ボート釣りは比較的短く、岸釣りアングラーの方が長かったということだ。まあ、そんなタイムラグはあったが、岸釣りもボート釣りも現在はそこそこのアングラーが琵琶湖へ帰ってきて釣りをしている。レンタルボート店やマリーナはホッと一息。一番影響が大きかったのは釣具店で、店をたたんだところが何軒もあったが、生き残ったところは青息吐息ながらもまあなんとかかんとかがんばってる。ということは、リリース禁止の琵琶湖でバスフィッシングをしても大丈夫だったのか?

 その通り。大丈夫だったのである。釣ったバスをキープしようと、手が滑って水に落としてしまおうと、足元に置いといたのが自分で跳ねて水に帰ろうと、意識的にリリースしようと、誰からも何も言われない。まあ、たまには他人の釣りを見てるだけの人やフナ釣り師に小声で陰口を言われるぐらいのことはあるかもしれないが、正面切って抗議する人なんかいないし、監視員が駆け付けて制止されたり、注意されたりするようなこともない。時間がたつにつれてそのことがわかってきたから、岸釣りもボート釣りも、かなりの割合のアングラーが琵琶湖へ帰ってきたのである。

 つまり、リリース禁止にもいろいろあるということだ。大勢の監視員が蟻ん子1匹見逃さないぐらい厳しい見張りをして、もしリリースしたらすぐに駆け付けて厳重注意するようなリリース禁止もあれば、現在の琵琶湖のように監視員はどこで何やってるのかわからないようなリリース禁止もある。そんな幅がある中で、現在の琵琶湖のリリース禁止のレベルは、相当緩やかな方に属するはず。条例案が出てきた時点で、すでに覆る可能性がほとんどなかったリリース禁止をそこまで押し返すことができたのは、バスアングラーが強烈な反対運動を繰り広げた成果と言えるだろう。

 これには県側の大っぴらには言えない事情もある。リリース禁止を強行した結果、世間に知られてはまずいことやスキャンダル同然のことがいろいろ出てきた。裁判沙汰にもなった。リリース禁止の裏に何か怪しいことがあるんじゃないかと気にし始めたメディアの動きも無視できない。そんな状況の中で、誰かがリリースしてるのをとがめ立てたりして、また大騒ぎになって裁判にでもなったらどうする。滋賀県は、この上さらにバスアングラー相手に事を構えたくないのである。そのためには、「バス釣り愛好者の皆さんにもご協力いただくことができて、琵琶湖の外来魚リリース禁止はたいへんうまくいってる」ということにしておきたいのだ。

 その「ご協力いただいてる」という口実作りには、頼まれもしないのにせっせと外来魚を釣って回収ボックスに入れてる一部駆除釣り師の働きが大いに役立ってるはず。これって、一方で駆除釣り師ががんばってくれてるおかげで、バスアングラーが比較的自由に釣りができてるということじゃないのか。かと言って、せっかく駆除で釣った外来魚を1kg200円から今年は100円に値下げになったお買い物券なんかに引きかえたら、自分達のやってることがホームレスの小遣いかせぎと一緒になってしまうし、駆除の成果にもならないでお買い物券の成果に繰り込まれてしまう。それではいけないから、あくまでも毅然とした態度で、自分達はいいことしてるんだという穏やかな笑顔を崩さず、自信たっぷりに胸を張りながら回収ボックスに入れなければならない。「せっかく釣ったのにお買い物券に引きかえられないなんて、くそーっ!!」なんて態度は素振りにも見せられない彼らの立場もまた微妙である。まあ、そんなこんなも含めて、現状のリリース禁止でなんとか我慢してもらって、あとはうまくやってくださいというのが、知事や県が発する「ご理解いただいて」というメッセージの本当の意味ではないのかと著者などは思ったりもするのだが、これって深読みのし過ぎだろうか。

 メジャートーナメントは今年も開催されないことになった。某団体が一般バスアングラーの思いを無視して、行政に対する自分達を立場をよくするために開催しようとしていた駆除に協力するトーナメントも地元からの申し入れで開催されないことになった。おかしいことはおかしいと言うべきことを言って、バスアングラー自ら自分達の動きを適正にコントロールできるようになったのは、リリース禁止の後では遅過ぎるかもしれないが、それでも今まで誰もできなかったのだから画期的な進歩である。

 メジャートーナメントは開催されないが、今年も新しいシリーズ戦が増えたりして、年間を通してのトーナメント開催数は増える傾向にある。1年前にくらべたら、琵琶湖でバスフィッシングをするボートは増えることだろう。岸釣りも、やっぱり琵琶湖でないと満足できないというアングラーは、時間はかかっても帰って来ている。それでもリリース禁止前のクレージーな状態にくらべたら、気持ちよく釣りができる適正なレベルである。バスも大きいのが簡単にたくさん釣れるわけではないが、春のパターン通り狙った所でグッドサイズが釣れて、釣ってて楽しいと言うアングラーが多い。

 というような具合で、現在の琵琶湖のバスフィッシングは1年前にくらべるとはるかに落ち着いた状態になっている。そこで、これからのことだが、3年が経過した時点でリリース禁止条例の見なおしが行われることになっている。何をするにしても、まずそのあたりが目標になってくるだろう。ただし、この3年後の見なおしというのが、何を基準に3年なのか具体的な規定がない。そのことが、まず問題である。改正された条例の発効が施行3年後というのであれば、2005年秋の県議会で審議しないといけないから、改正の準備作業はそれ以前にスタートする。それに対してバスアングラーが何か働きかけるのであれば、今年末から来年初め頃には準備を始めないといけない。そうじゃなくて、見なおしの準備作業を開始するかどうかを3年たってからまず検討するんじゃないかという説もあるし、そんなもの知事がかわったらどうなるかわかったもんじゃないと言う業界人もいる。

 去年から活動を再開した滋賀県釣り団体協議会がなんとかしてくれるんじゃないと言うアングラーもいるが、これはちょっと考えが甘過ぎるのでないだろうか。もちろん釣り協はアングラーのためにある団体だし、アングラーが何かしようとするときには手助けしてくれるし、力にもなってくれる。しかし、アングラーの強い意志も結束力もない状況で釣り協に何かやれと言うのは、まったくお門違いというもの。構成員たかが数100人の滋賀釣り協に何ができるというのか。せいぜい滋賀県の釣り人の代表として、例えば県から求められたときに、ご意見申しあげるぐらいが精一杯のところ。組織力を背景に強い圧力をかけるなんてことは、現状を見る限り遠い先の夢でしかない。だから今は、滋賀釣り協に力を付けるためにアングラーを結束させるにはどうしたらいいかということに知恵をめぐらせてる段階で、積極的、具体的に何かをやるには程遠い現状である。

 それでも釣りができたらハッピーとばかり、春になった琵琶湖でバスフィッシングを楽しむアングラーが、リリース禁止以前ほどではないが、暖かくなるにつれて増えてきた。今はリリース禁止から1年たって状況が安定したところだ。このまましばらく大きな変動なく安定してる間に、次のアクションを起こす準備をしないといけない。そんなときにバスアングラーの足並みを乱したり、釣りの現場を混乱させるような動きがあれば、せっかく落ち着いた状況がまた悪くなる恐れがある。それを防ぐために、メジャートーナメントや駆除に協力するトーナメントの開催はご遠慮願うことにした。そのかわりの受け皿として、新しいシリーズ戦も始まった。岸釣りアングラーも、自分達なりの楽しみ方を模索して、それなりに遊べるようになった。クリーンアップ活動は以前にも増して盛んになっている。レンタルボート店もマリーナも釣具店も、なんとか生き残ったところはフーフー言いながらがんばってる。バスアングラーの中からも、自分達でなんとかしないといけないと考えて、釣りの回数を減らしてでもボランティアでいろんな活動に参加する人達が大勢出てきた。

 次のアクションに向かっての準備は、実はかなりいいところまで整ってるのかもしれない。それが実態として見えてこないだけで、パーツのいくつかはほぼできあがってるのもあるし、できかけてるのや現在成長中、準備中のものなどいろいろある。あと足りないのは、参加意識の薄い一般アングラー層まで巻き込むための方法論であろうか。そのあたりことも含めて、練るところは練り、固めるところは固め、タイミングを見計らって、どこかで誰かが導火線に火を付けたら、最初は小さな爆発が連鎖反応を起こして次々と大きくなっていくであろう。

 今はそのための小休止期間で、一息入れる人は路傍の切り株に腰掛け、ナイフを研ぐ人はアーカンソーストーンを取り出し、飯を炊く人は焚き火を起こしながら米を研ぎ、見張り番は油断しないように双眼鏡に目を凝らし、情報を集める人はあちこち聞き回り、策を練る人はあれこれ思い巡らしているところである。ただし、小休止期間といっても油断は大敵。災いはどこからやってくるかわからない。自ら墓穴を掘るようなことは、厳に慎むべきである。業者間の足の引っ張り合い、バスアングラー内部の諍い、外部との意味のない小競り合いなどは百害あって一理なし。そんなことしてる暇があったら、仕事か釣りでもしてる方がよほどましであろう。

 それと、気持ちはわからないでもないが、バスアングラーの側から「リリース禁止なんて守られてない」「みんな平気でリリースしてる」「滋賀県の監視はなってない」「本当にやる気があるのか」なんて言って回るのもいかがなものか。せっかくみんなでがんばってリリース禁止を今の状態まで押し返したんだから、そんなところにわざわざ波風立てることもなかろう。現在の琵琶湖では、そういう大人の判断も必要とされることをくれぐれも忘れてはいけない。リリース禁止が確定した中で、なんとか保たれてる現在のバランスを崩さないためにも、そのことは改めて心しておいた方がいいと思う。

琵琶湖のリリース禁止に関する情報はBassingかわら版EditorialのバックナンバーとB.B.C.ホット情報データベースでごらんになることができます。

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