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■08/12/31

08年10月から12月に放送されたアニメ「かんなぎ」は、たまたま観た第十一幕のBGMに好きな曲の一つであるブルックナー交響曲第七番の冒頭がいきなり出てきて「なんだ、これは!!」と思った。まあ、クラシックのちょっとマイナーな曲をさらっと使って効果を上げるのは、アニメではよくある手なんだけどね。で、「わからないときは感情と直感で行動すればいいのじゃ」というわけで、かんなぎ初回から最終回まで全十三幕すべて観てみた。その最後の最後のメッセージが「応援ありがとうございました。スタッフ一同」で、その前のメッセージが「またね!」と何とも思わせぶり。近頃のアニメは本当によくできてる。その周到な戦略と高度の戦術、見習わなくちゃね!!

■08/12/13

3人組のアコースティックバンドabsorbが卒業をテーマに歌ったオリジナル曲「桜ノ雨」の初音ミク版をネットに流したところ、卒業式などで歌いたいとの希望が殺到しシングルCDが発売されることになった(08/12/13毎日.jp)。ネットにはすでに様々なバリエーションがアップされ、CDはオリコン初登場で32位とインディーズとしては上々の売り上げを記録。これから卒業式シーズンに向かって盛り上がっていこうというところで、ネット以外のメディアがどんなアプローチの仕方をするかが注目される。いまさら自分達が見付けた曲と言って紹介するわけにはいかないし、初音ミクや動画投稿サイトのことも説明しないと話に付いて来れない人が続出するだろうし、ドラマでのタイアップもこれからじゃきっと間に合わないし、既存メディアにとっては都合の悪いことが多過ぎるんじゃないか!? あるいは、そんなことは知らんふりして商売するか。ネット主導がここまできた現在、世の中の隅っこの釣り人と釣り業界はどう生きる? あと20日足らずでやってくる2009年は不景気間違いなしだし、きっとたいへんだろうなあ……。

■08/08/24

マクロスフロンティアは現在放映中の人気アニメ。その第20話で、宇宙移民船団マクロスフロンティアの居住艦アイランド1内に現れた異生体兵器バジェラ(で合ってる?)との戦闘中にクラン・クランがミハエル・ブランに告白する。「私はおまえが好きだ、ミシェル」「おまえ、こんなときに何を……」「バカ、こんなときだからだ。いいかミシェル、よく覚えておけ。アルト、貴様もだ。ミシェル……。死ぬのが怖くて恋ができるか」男よりも女の方がしっかりしてるのは、もはや世の共通認識か!? シリーズ最初の作品、超時空要塞マクロスは1982〜83年に放送されたアニメで、70年代の宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダムに続く80年代前半のアニメブームを代表する作品の一つ。60年代後半から70年代初め生まれで現在40歳前後の関根健太、杉戸繁伸プロらが、ちょうど超時空要塞マクロスの影響を一番強く受けた世代に当たる(てんちょはギリギリかすってるか知らない世代だと思う)。マクロスフロンティアはこの超時空要塞マクロスのストーリーを受けて作られていて、多くの引用やパロディーが見られるから、おっさんが観てもけっこう楽しめる作品になっている。戦闘の相手が感情のない(らしい?)生体兵器という設定も、いくら派手にじゃんじゃん殺しても観てる人に抵抗感を与えないという点でよくできてると思う。つまり、相手を悪者だと決め付けてしまうことで、いくら殺しても罪悪感を抱かせない外来種駆除と同じ仕掛けなわけ。死ぬのが怖くて、そんな短絡者を相手にできるか!! 死ぬのが怖い人達や最初から戦う気のない人達に付き合えとは言わない。どうぞ早々にS.M.S.からお引き取りを……。

■08/08/02

「天使のリール」(喜多嶋隆著・中公文庫)は海の船釣りを舞台にしたトレンディー風小説と言うか、東京の大学に通う21歳の女学生が祖父の後を継いで釣り船の船長をやってる設定からして、釣りの経験豊富な大人からすれば突っ込みどころ満点のお話。その書評を直木賞作家の高橋治が書いている。「この作者は、海の将来に関する憂慮や、釣りの現況に対する批判やらを、根深いものとして抱き続けているらしい。それが大学在学中の女船頭(私は船長の語は使わない。役所がどうきめようと船長は単なる操船責任者であって、釣りの指揮をとる人間となれば船頭である)の眼を通して、読者に語られる」釣りを題材にした小説「秘伝」(講談社文庫)で直木賞を受賞した作家が、釣りをテーマにした小説をたくさん書いてる多作家の作品評を書くのは、まあ出版社の仕掛けなんだろうけど、その歯切れの悪さは釣りという遊びが抱える様々な矛盾ゆえか。高橋の直木賞以前も以降も日本に本格釣り小説の流れが生まれないのは、そんな矛盾を吹っ切るほど釣りをしてる本物の釣り師が日本の小説家の中にはいないか、あるいは本物の釣り師だからこそ自作のテーマとして取り上げることができないからだろうね。

■08/06/29

6月29日放送のTBS「夢の扉〜NEXT DOOR〜」はバスの駆除がテーマ。宮城県伊豆沼で人工産卵床を使ってバスの全滅を目指してる水産研究開発センター 所員で水産学博士の活動を中心に伝えた番組の内容は、あいかわらずデジャビュの繰り返しで一方的かついい加減、低次元、幼稚、子供だましで論評する気にもなれない。あえて評価するとしたら、外来魚対策の難しさ、苦しさ、無理矢理さを伝えるのに十分な内容であったと言うべきか。琵琶湖へ取材に行ったら獲れてるのはブルーギルばかりで、バスはほんのちょっぴりしか獲れてへんのんやったら、そんな素材をバス駆除の番組に無理矢理使わんでもええやんか。ほかにネタないんか!? ないんやろね、きっと!! そんな番組の中に、「ブラックバスは卵の8割が親になる」という言葉が出てきたから大笑い。なーるほど、だからバスがいつまでたっても減らんわけですなー。それをいくら仕事とは言え、人工産卵床を使って駆逐しようとしてる研究者の頭の中って、いったいどんな論理構造になってるんだろうか。あるいは、番組制作上のでっち上げ? もしそうだとしたら、バスを駆除しようと現場でがんばって人達がかわいそうだよ。なんかよーわからんけど、とりあえず番組の内容があまりにもひど過ぎるので、単独スポンサーのドコモのケイタイは今使ってる端末の拘束期間が終わったら契約解除することにした。もうすぐソフトバンクからiPhoneが出ることだしね!! あー楽しみ、ルンルン♪♪

■08/06/05

涼宮ハルヒシリーズ(角川スニーカー文庫)には釣り用語がときどき出てくる。「ライブアライブ(涼宮ハルヒの動揺に収録)」に出てくる「わはははっ。入れ食いさっ」というのは、学園祭の焼きそば模擬店で呼び込みとチケット売りを兼ねてた鶴屋さんのセリフ。「涼宮ハルヒの分裂」には「妙に食い付きのいい野郎がエサを針ごと飲み込んだ」「ハルヒと(※古泉が)友釣り状態」というのも出てくる。このあたりは釣り用語というよりも一般的な慣用句の応用と考えるべきか。同じ「分裂」には「リリース」という言葉が2回も出てくる。春の新人勧誘シーンで「面白そうなのが寄ってきたら確保して名前とクラスをメモってからリリースしなさい」というのは涼宮ハルヒのセリフ。「唖然とする少年の襟首をつかむと、小型クレーンのような力で引きずって行き、ドアを開けて廊下にリリースした」というのはこの小説の進行役であるキョンの語り。ちょっと前まではそこそこマニアックだったリリースという言葉が、いったん捕らえた生き物を解放するという意味の釣り用語と同義で、若者向けの小説にあたりまえのように使われているのは注目に値すると思う。さらにこんなのもある。涼宮ハルヒが新人勧誘から帰って来たシーンで、「五限開始ぎりぎりに戻ってきたハルヒの目は爛々と輝いていたりはしなかった。(改行)『釣果は』と尋ねた俺に(改行)『ボウズ』(改行)答えた口調はそれほど不機嫌そうでもなく、当たり前のことを淡々と告げているように聞こえる。近所の溜め池にアロワナがいなかったことを調査の結果に改めて悟ったような、そんな声だった」このアロワナの部分は、読み手によって含む意味が180度逆転する可能性がある。バスアングラーだったら、「もしかしたらいるかもしれないぞ!!」と思うかもしれない。なんせ調べてみないことには、近所の溜め池にアロワナが絶対にいないとは言い切れない時代だからね。小説には書かれてないけど、SOS団の活動には釣りや外来種調査も含まれているのか!? まあ、SOS団が探してる宇宙人や未来人、異世界人、超能力者ってある意味外来種みたいなもんだけど……。(※は編集部注)


ついでに、どこかの掲示板の意味不明書き込みの解説。


「没ね」
ハルヒはにべもなく言ってのけると、原稿を突き返した。
「ダメですかあ」
朝比奈さんは悲鳴に似た声を上げ、
「ものすごく考えたんですけど……」

(編集長★一直線!の冒頭/涼宮ハルヒの憤慨に収録)


マーラー交響曲第8番「千人の交響曲」第一楽章

(アニメ第14話で神人が暴れるシーンのBGM)

■08/05/13

「涼宮ハルヒの憂鬱」というタイトルのアニメは筆者が住む世界とは別の平行世界的あるいは未来的存在なので簡単に紹介することは不可能。形而上学的に扱うことをお許しいただきたい。そのアニメの中で一番好きなエピソード「射手座の日」で涼宮ハルヒが自分のことを指して言う。「神聖で不可侵な象徴たる存在。それがSOS団団長なの!!」大日本帝国憲法に通じるこのセリフ、「それが○○なの!!」の○○の部分を「道路特定財源」とか「琵琶湖のリリース禁止」とかいろいろ置きかえれば、とても面白い形而上学的遊びができる。このエピソードのエンディングには対照的なもう一つのセリフ、「SOS団に不可欠な無口キャラ」というのも出て来る。これを言いかえれば、「環境保護運動に不可欠な善人キャラ」てなところか。でもって、なんでこのエピソードが好きなのかと言うと、いろんなアニメのパロディーが面白いというのもあるけど、もっと大きな一番の理由は大好きなクラシックのオーケストラ曲がBGMに使われてるから。クライマックスのSOS団vsコンピュータ研のゲーム戦闘シーンに使われてる2曲のうち一つは、チャイコフスキーの交響曲第六番悲愴。もう一つは、これがちょっと難しくて、ショスタコービッチの交響曲第七番レニングラード。って、なんでこんなこと知ってるねん!! Bassingかわら版も涼宮ハルヒに負けないぐらい謎が多いね。まあ、エヴァには負けてるけど……。

■08/03/18

映画のナレーションは「昔、ある人が言いました、ヒットを生み出すことはできてもブームを仕掛けることはできないと。なぜなら、ブームとは発見されるものだからです」本広克行監督、ユースケ・サンタマリア主演でほとんど事実にもとづくという映画「UDON」のストーリー中の讃岐うどんブームはたちまち終わった。それにくらべれば、バスフィッシングブームはまだよく持った方かもしれない。だったら今、琵琶湖で起こってることはいったい何なのか。正直な話、過去の痛みを知るバスアングラーは、お金儲けだけが目当てのメディアや業者には発見してほしくない、できることならブームなんかにはなってほしくないと思ってるのではなかろうか。メジャーなメディアはこの現象をどう見てるのか。あるいは、あいかわらず何も見えてないのか。その点も含めて、これからしばらくの間、琵琶湖のバスフィッシングとそれを取り巻く人達の動きをしっかり見てれば、面白いことがいろいろわかってくるかもしれない。

■08/02/14

大場つぐみ原作、金子修介監督の映画デスノートシリーズ第2作「デスノート the Last name」の大詰め。キラ事件捜査員の銃弾に倒れた夜神月が自分を追いつめたLに、正義を守るのは自分だと訴える。「L、部屋にこもりきりの君にはわからないだろう。善人が悪人の犠牲になってる世の中のリアルを知らないんだよ。無価値な人間、抹殺した方がいい人間は山のようにいる。もう法律では救えない世界になってるんだよ」それに対して月の父親がLにかわって答える「確かに、法律は完全じゃない。法律を作った人間が完全じゃないから、完全であるはずはないんだ。だが、正しくあろうとした人類の努力の積み重ねが法律だ。お前は独りよがりだ。独りよがりで人の命を奪うことなど絶対に許されない」「もう話していてもむだだ」という月の言葉で物語は結末へと向かう。この言葉に刺激されたのかどうか、次作の「L change the World」では、Lが部屋を飛び出して大立ち回りするとか……。「わからない人には、これ以上何を話してもむだだ」という言葉で話は最後の落ちへと向かう。部屋にこもりきりの君には、わからないことが多過ぎる!!

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