Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

03/04/01

ついにやってきた琵琶湖4.1
リリース禁止がスタート


立入禁止の漁港のイケスに、どうやって外来魚を入れろっちゅうねん!!

 上の写真は別にエイプリルフールに合わせて合成で作ったのではありません。4月1日に撮影した間違いない本物です。場所は滋賀県琵琶湖の中浜漁港。立入禁止、釣り禁止の看板の真下に、外来魚回収用のイケスが設置されてるという、まるでよくできたブラックジョークのようなことが、リリース禁止条例が施行された日の琵琶湖で起こってます。

 滋賀県は4月1日の条例施行にギリギリ間に合わせて、3月末に外来魚回収用のイケスと回収ボックス、プレジャーボートの航行制限区域を示すブイなどを設置しました。イケスは13漁港、ボックスは40カ所に設置される予定なんだそうですけど、確か最初は滋賀県漁連が県の助成を受けて外来魚を回収している21カ所の漁港近くにイケスを設置する予定だと言ってませんでしたっけ。

 それを聞いたときにバスアングラーの間で、外来魚回収用のイケスを設置するということは釣りを認めることになるはずだけど、釣り禁止じゃない漁港が21カ所もあるのかという話になりました。漁港の近くっていうのも、それをごまかすために言ってたんじゃないかと思うんですけど、漁港の近くのいったいどこに設置するのかと思ってたら、実際に設置されたのは港内でした。できもしないことを言うから、こういうことになるんですよね。

 4月1日のバスフィッシングの現場は次のような状況です。

 北小松漁港にもイケスが設置されてたんですけど、立入禁止の看板はいつの間にかなくなってました。これって、釣りを認めたってことでしょうか。だけど、バスアングラーは1人もいません。もちろんイケスは空っぽです。イケスの下で30尾ぐらいの小バスの群れがのほほんと泳いでました。

 中浜漁港は先に書いたように釣り禁止の看板の真下にイケスが設置されてたんですけど、バスもブルーギルも入ってません。そのかわり空き缶が一つ放り込まれてました。バスアングラーは数人いたんですけど、釣れてないとのことでした。

 近江舞子はイケスも回収ボックスも見当たりません。設置されてないか、どこかわかりにくい所に隠してあるのかもしれません。これだけバスアングラーが多い人気ポイントに見当たらないということは、やっぱり事前の予想通りアングラーの使い勝手なんかまったく考えてないということですね。

 舟だまりでは、なぜかそろいのブルーのバケツを持った子供達がエサ釣りで小さなバスを次々と釣り上げてました。これって、もしかしたら条例の施行に合わせて団体さんで釣りに来てるのかもしれません。ひょっとしたらテレビ取材用の仕込みかと思って、カメラが来ないかとしばらく待ってたんですけど、30分たっても来なかったのであきらめて引き上げました。

 外来魚回収用のイケスには死んだ魚は入れないようにと書いてあります。ということは、死んでしまった外来魚は別に処理しろということなんですけど、かといって回収ボックスがそばにあるわけでもありません。北小松、近江舞子、中浜とざっと見て回った限りでは、ボックスはどこにも見当たりませんでした。イケスだけ設置してボックスがないということは、死んでしまった魚はどうしろということなんでしょうか。それと、今のうちはいいんですけど、夏になったら水温が上昇します。イケスにたくさん入れられた魚が死んだら、きっとひどいことになるでしょうね。役所でものを考えてるだけの人達は、そんなこと予想もしてないんじゃないでしょうか。

 イケスやボックスがどこにあるのかも、ぜんぜん情報がありません。ですから、当分の間、現場はかなり混乱すると思います。滋賀県は3月末発売の釣り雑誌や新聞に大きな広告を入れてたんですけど、書いてあったのは「琵琶湖ルール」とかいうお題目で、雑誌や新聞を読んでるバスアングラーなら誰でも知ってるようなことばかりでした。イケスとボックスをこことここに用意しましたから駆除にご協力くださいというような情報こそ、条例が施行される直前の広告に入れないといけないはずです。それができないのでは、広告にかけた税金はまったく無駄に遣われてしまったことになります。バスアングラーにもちゃんと協力してもらって、本気で在来魚を保護しようという気なんかまったくないということが、このことからもよくわかります。

 4月1日の琵琶湖は本当に穏やかで、朝のうちは雨模様の曇り空だったんですけど、午後には晴れ間も見えるようになりました。バスアングラーはさすがに少ないですね。岸釣りアングラーはちらほらいる程度。ボート釣りも火曜日が休みのマリーナが多いこともあってパラパラです。レンタルボートがそこそこ出てるのは、春休みだからでしょうか。

 釣ったバスをどうするか、数人のアングラーにストレートに聞いてみました。近江舞子にいた子供達は、釣った小バスをバケツに入れてたぐらいですから、完全に駆除派ですね。岸釣りアングラーの中には、「えっ、???」という反応もあります。何のことか、ぜんぜんわからないみたいです。こういう人もいるんですね。「その前に釣りたいですわー」と言う岸釣りアングラーがいました。ボートを出すときになっても、「どうしようかなー」と決めかねてるアングラーもいます。自信たっぷりにきっぱりと「逃がします」と言うアングラーもいました。そのアングラーは遊漁船の届け出ずみだそうです。

 とりあえず、そんな感じでリリース禁止がスタートしました。琵琶湖周辺はとても暖かくて、日射しが強くなってきてます。彦根地方気象台は31日にサクラの開花宣言をしました。去年より5日遅いけど、平年よりは4日早いんだそうです。そろそろ大きなバスがスポーニングエリアにやってくるかもしれません。この週末から次の週末にかけて、どれぐらいのバスアングラーが琵琶湖へ釣りに来るかが大いに気になるところです。

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