Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

03/04/08

外来魚回収ボックス
最初の日曜日は13打数3安打

 滋賀県琵琶湖で外来魚のリリースが禁止されてから最初の日曜日となった4月6日に南湖を反時計回りに車で一周してバスフィッシングの様子を見て回りました。なんで反時計回りかというと、その方が湖岸側の車線を走れるので琵琶湖の様子がよく見えるのと、湖岸緑地の駐車場などへの出入りがしやすいからです。

 リリース禁止の直前に、予告通り外来魚回収ボックスが設置されました。大津市なぎさ公園に9カ所、草津市の湖岸緑地に6カ所、守山市の湖岸緑地に6カ所の計21カ所です。それがどれぐらい有効に利用されてるかもチェックしました。なぎさ公園で4カ所と草津、守山で9カ所の計13カ所を午前11時頃から午後1時頃の間に確認したうち、魚が入ってたのはなぎさ公園の2カ所と草津の1カ所の計3カ所だけでした。天気のいい日曜日で、バスアングラーの姿はどこでも見られたんですけどね。リリース禁止になって最初の日曜日の外来魚回収ボックスの成績は21打席13打数3安打です。これではレギュラー失格です。そのかわり、ゴミは半分ぐらいのボックスに入ってました。ゴミなら打率5割です。

 リリース禁止初日の4月1日の夕方に確認した県のデータでは、なぎさ公園で合計約20kgの外来魚が入れられてたそうです。雨模様だった1日よりも、6日の方がどう考えてもアングラーは何倍も多いはずなんですけど、なぎさ公園の9カ所のうち4カ所を確認して、魚が入ってたのは2カ所で、多めに見積もっても合計5kgぐらいのものでした。見て回ったのがお昼ごろだったということを割り引いても、リリース禁止初日に20kgっていうのは、本当かなと思ってしまう数字です。

 今まで滋賀県がやってきたことを考えると、これも例によってお得意の推定値とか、見た目とか、そういうことなんでしょうか。あるいは、誰かが県に協力してがんばって釣ったのかもしれません。それと、なぎさ公園の回収ボックスだけのデータを発表するのは、どう考えてもフェアじゃありませんよね。まあ、琵琶湖の外来魚問題に関して滋賀県がフェアじゃないのは、最初からわかり切った話なんですけど……。それをそのまま報道してるメディアは……。もう、やめときましょう。

 なぎさ公園の回収ボックスは、等間隔に配置されてるとか、そういうことではありません。立派なトイレがある所には、それとセットで置かれてることが多いようです。ただし、そういうボックスにはゴミしか入ってません。

 魚が入ってたのは、におの浜の川尻の所に集中的に三つ置かれたうちの二つでした。ちょっと前まで、いいサイズのバスがよく釣れてて、今もアングラーが多いポイントです。入ってたのはほとんどがブルーギルで、バスは1尾だけでした。写真でざっとカウントしたところ、二つのボックスの合計でブルーギルが約50尾とバスが1尾です。三つのボックスのうち残り一つは、なぜか魚が入ってたボックスから30mぐらいしか離れてない所に置かれてるにもかかわらず、ゴミしか入ってません。回収ボックスの立地条件って、とても厳しいようです。

 南湖東岸の草津から守山にかけては、きれいに整備された湖岸緑地が延々と続いています。護岸緑地じゃありませんよ。湖岸緑地ですから、お間違えのないように。その湖岸緑地の駐車場に回収ボックスが置かれてるんですけど、ボックスの数が合計12で、駐車場はもっとたくさんありますから、全部に置かれてるわけではありません。ここもなぎさ公園と同じで、しっかりしたトイレがある駐車場にはボックスがあるとか、そういうことのようです。釣り場の管理が行き届いてる国だったら、ボックスがある駐車場の入り口に、わかりやすい看板があるんですけどね。滋賀県はとてもそんなところまで気が回らないようです。

 ボックスが駐車場のどこに置かれてるかは、まるでパズルです。トイレの横にあったり、遊歩道に出て行く所の脇にあったり、駐車場の入り口近くにあったり、奥の方にあったり、いろいろです。今のうちだったら、全部のボックスを探し出して写真を撮ってくるようなゲームが成り立つかもしれません。場所によっては、それぐらいわかり難い所にあったりします。特にわかりにくかったのは、木浜5号水路の水門の所にある駐車場です。一番奥の方の、水上バイクの人がたむろしてて、アングラーがあまり寄り付かない所の生け垣の外側にあるから、これは見付け難いと思いますよ。

 草津と守山に設置された12カ所のボックスのうち、9カ所を見て回って、魚が入ってたのは志那の1カ所だけでした。それも、ゴミの下にチラッとバスの尻尾が見えてただけです。なぎさ公園と違って、ブルーギルはぜんぜん入ってませんでした。場所がかわれば、こうもかわるかという感じです。残りの8カ所のボックスは、まったく何も入ってないか、ゴミが入ってるだけです。

 北山田の駐車場では、空っぽのボックスの横に、バーベキューグリルか何かの箱を折りたたんでゴミ袋に入れたのと、段ボール箱に入れたゴミが置かれてました。なにしろ琵琶湖岸にはゴミ箱がとても少ないから、こういうことをする人には回収ボックスは絶好のゴミ箱がわりです。これは滋賀県が想定してなかった困ったことかもしれません。かと言って、ゴミ箱は置きたくないしねー。回収ボックスの横にゴミ箱を置いたらどうかとも思うんですけど、そうしたらそうしたで、ゴミ箱に魚を入れて、ボックスにはゴミを入れるなんてことをやりかねないし……。滋賀県の担当各位におかれましては、がんばって理解と協力をお願いし続けてください。そうでないと、回収ボックスがゴミの山になりかねませんよ。

 湖岸緑地では、たくさんの人がブルーシートを敷いたりビーチパラソルを立てたりして遊んでます。釣りをしてる人も、そういう遊びのついでに釣りもしてるという感じで、護岸から沖に向かってポイッとルアーを投げてました。こういうのを見てると、滋賀県がリリースは禁止するけど釣りを禁止するわけではないからどんどん来てほしいと言ってることの意味がわかるような気がします。滋賀県が想定してる釣り人というのは、きっとこういう人達なんでしょうね。陽気に誘われて遊びに来て、護岸緑地……おっと失礼……湖岸緑地でお弁当広げて遊んで、そのついでに護岸からルアーを投げて釣りのまねごとの一つもして、バスかブルーギルが釣れたら何も考えずに回収ボックスへ入れて、適当にお金も遣って帰る。そういう人達だけがどんどん来るのが、滋賀県の理想とする姿なんじゃないかと、そう思いました。

 リリース禁止が始まったばかりで、これから試行錯誤していかないといけないということもあるんですけど、それにしても、まったく役に立ってない回収ボックスが多過ぎます。もしB.B.C.服部がテロリストだったら、魚が入ってないボックスを夜中のうちによく釣れるポイントへ勝手に移動して、外来魚の駆除に協力してあげるようなことを考えたいですね。これって、そういうことをしろとあおってるのではありませんから、誤解のないように……。平和的な手段としては、駆除ボックスミシュランみたいなホームページを作って格付けするとか、そんなことをしたくなるぐらい、滋賀県のやってることがお粗末だということです。

 6日に南湖を一周した後で、和邇の中浜漁港の様子を見に行ったんですけど、立入禁止の看板の真下に設置されたイケスには、やっぱり魚は入ってませんでした。滋賀県は、外来魚回収ボックスとイケスを今後増やしていく予定だと言ってるんですけど、魚が入らないボックスやイケスをいくら増やしても意味がありません。県が本当にちゃんとする気があるのかどうか、少しでも改善される方向に進むのかどうか、気長に監視し続ける必要がありそうです。

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