琵琶湖の湖底から
(2007/04)

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■4月から長江下流で3ヶ月の禁漁 07/04/01 エクスプロア上海
 2002年から行われている4月1日から3ヶ月にわたる長江葛洲ダム以下での禁漁で、今年も水産物資源の保護が行われる。今年で6回目だ。
 上海エリアでは、長江から水揚げされる淡水の魚はそれほど多くなく、山東省から浙江省近海などから運ばれてくるものが多いため、影響は少ない。最近では、海の魚や養殖魚が増えているため、正真正銘の長江の魚は殆ど口にしなくなった。
 しかし、解禁となる6月末には、長江鮒魚や鱸魚(ブラックバス)、桂魚などが大量に水揚げされるようになる。

■犀川“外来魚”天国 「自然界流出禁止」の信州サーモンも 07/04/02 Sankei Web長野
 安曇野市など県中部を流れる犀川で、本来は生息していないはずの2種類の“外来魚”が釣れ、話題になっている。信州サーモンは、ニジマスとブラウントラウトを交配させて県水産試験場が開発した新品種。北海道のみに生息するイトウも2月の釣り解禁から次々と竿(さお)にかかっている。ともに大雨や台風で増水した周辺の養魚場から流出したという。犀川の流域では漁協がニジマスを放流しているほか、水産試験場がかつて放流したブラウントラウト、ブルックトラウトも繁殖。県内を代表する清流はいまや全国で他に例をみない“外来魚天国”に変貌(へんぼう)している。(高砂利章)
▼「自然界流出禁止」のはずの信州サーモン
 信州サーモンは、「新しい信州の名物に」と平成16年に水産庁に養殖魚として承認された新品種。刺し身にしてもおいしいきめ細かな肉質が特徴で、病気に強いうえ、わずか2年で体長50〜60センチほどに育つ。水産試験場が毎年、稚魚約20万匹を供給しており、犀川周辺などの養魚場で食用に出荷されるため大切に育てられている。成長させれば1メートルを超えるとされる。
 水産試験場によると、昨年7月に県内を襲った豪雨で養魚場の水があふれ、犀川の支流に大量に流出。釣り人によるインターネット上のブログでは、その直後の犀川で「信州サーモンが釣れ過ぎて手が痛い」などと書かれている。しかし、県内の釣具店によると、それ以前から信州サーモンは犀川で釣れていて、定期的に自然界へ流出しているとみられる。
 信州サーモンは、水産庁から「自然界へ流出しない」という条件で養殖が認可された。しかし、水産試験場では豪雨後に犀川へ流出したことを把握していたが水産庁に報告せず、また川を管理する地元の犀川漁協にも知らせなかった。水産庁研究指導課も「自然界への放流についてはまったく想定していない」として、その影響を懸念している。
▼1メートル超えるイトウも
 一方のイトウは、今年2月16日の釣り解禁から1週間ほどで、確認できただけでも4匹が釣られた。小さいもので60センチ、大きなものは1メートル以上と、北海道でもめったに釣れないような大型も混じった。
 イトウは3年前の大型台風の後、やはり周辺の養魚場から大量に流出。その翌年春から犀川で釣れ始めた。水産試験場では「夏の高水温を乗り切れないのでは」「すぐに釣り人が釣り切るだろう」とみていたが、それから2年半が経過しても定着したまま。逃走直後は70センチが最大サイズだったが、現在は大きく成長しているようだ。
 全国的にみても北海道以外でイトウが生息するのは犀川だけで、環境省外来生物対策室は「そこにもともといなかったことは明らかなので、生物の多様性の観点から好ましくない」と指摘する。
▼“外来魚”のるつぼ
 犀川(梓川)の最上流域にあたる上高地の大正池では、大正時代から水産試験場が放流していた米国原産のブルックトラウトが繁殖しているほか、犀川全域とその上流の梓川でも同時代に放流された欧州原産のブラウントラウトが繁殖。北米原産のニジマスと合わせ、世界を代表する“マス族”が勢ぞろい。さらに人工品種の信州サーモンとイトウが加わった。
 一方で、犀川で在来種のヤマメやイワナの姿を見かけるのは、極めてまれとなっている。
 水産試験場増殖部では、信州サーモンに生殖能力はなく、またイトウについても「水温の問題で成熟して出産することはない」と結論。「産卵して増えなければ問題ない」として、そのまま静観する構えだ。
 しかし、イトウなどは寿命が20年ともいわれ、「自然界で産卵しなくても、定期的に流出すれば状況は同じ」と指摘する生態系の専門家もいる。

■湖と人と:琵琶湖博物館の10年/1 川那部浩哉館長に聞く 07/04/03 Mainichi Interactive滋賀
◇多色のままで見せる−−地域に根ざし、目指すは国際的成果
 滋賀県のほぼ全域から水が流れ込む世界有数の古代湖、琵琶湖。県立琵琶湖博物館(草津市下物町)はそのほとりにあって、独自のテーマ設定や地域住民と一緒になった調査で存在感を発揮しています。開館10年を機に、これから毎週火曜日に「湖と人と −琵琶湖博物館の10年−」のタイトルで、学芸員や関係者の皆さんに日ごろの活動や考えていることを披露してもらいます。初回は、川那部浩哉館長のインタビューです。【聞き手・黒川昭良大津支局長、まとめ・森田真潮】
−−琵琶湖博物館の目指してきたものとは?
 ここは、「湖と人間」というテーマを掲げて創(つく)った博物館。テーマを絞ったのは、とても上手なことなんです。自然史博物館だったら例えば、大きなほ乳類の化石が無いと、世界で一流の存在にはなれない。でも、「琵琶湖とその周り」ということなら世界一、少なくとも日本一でしょ。
 滋賀県はえらい。開館8年前から準備室を置いて、学芸員たちが大いに議論しながら展示を作り上げた。国際的には当たり前やけど、日本ではまだ極めて珍しかった。
−−館長を引き受けたのは?
 この博物館は入り口で、ここを通って外に出てもらおうという基本姿勢。ものを集めるのは当然として、琵琶湖の周りで、今住んでいる人たちの暮らしが水や湖とどういう関係を持ってきているか、歴史的に見たらどうかと聞き回るところから始まっているんです。
 生き物の性質のうち、「形」や「働き」はともかく、「暮らし」は野外でないと調べられない。ライオンが数日間ひもじい思いをした上でシマウマを食べる関係とか。僕は、関係が面白い、野外が主という姿勢でアユなんかを研究してきたけれど、それに人間を入れると、この博物館で続きができるかなと。
−−湖の周りに住む人の暮らしを見ていこうとしているんですね。
 学芸員たちが聞いて回った相手の人たち、実際に生活している人たちが、自分らが博物館を作ったという気になってくれています。自分らが教えてやったんやと。
 だいたい、琵琶湖博物館はずるい博物館なんです。スタッフだけでは到底できないことを、平気な顔して人にやらせてしまう。うちの「はしかけ」は普通のボランティアと違って、理屈上は「『こんなことしたい』というのがある人は言ってきてください」という仕組み。学芸員で対応できない時は他の人を紹介します。そうやって活動を始めた人たちが、「琵琶湖博物館なんか関係ない。自分らがやっていく」となってくれたら、そこに博物館ができたようなもの。それが「地域だれでも・どこでも博物館」ということです。
−−他人の力を使うやり方ですね。
 実際、アマチュアでもすごい人たちが出てきて、展示にも手や口を出してくれています。トンボなどに詳しいガソリンスタンドのご主人とか、足跡化石については日本一の先生とか。魚についても、どこそこ大学の人より、それで食っている漁師さんや釣りの名人の方が詳しいものです。
 極端に言えば、琵琶湖博物館なんて知らない人のやっていることが博物館の活動になってしまっている、というのが理想の状態。琵琶湖博物館は、そういうずるいやり方で地域に根ざしながら、国際的な成果を狙う博物館なんです。
−−そこに、多くの人が訪ねて来ます。
 楽しい博物館づくりは成功した。次は、楽しかったらそれでいいのかという問題。何か今まで思わなかったことを思った、自分自身が変わったという、そういう満足を得るお手伝いができたら、非常にいいですね。
 それと、博物館として大事なのは、ものを保管していくこと。世界中で30年に1回使われるかどうかという貴重な資料を大事にしていくことと、毎日毎日たくさんの人に見に来てもらっていいなぁと言ってもらえること−−。その両方が博物館の使命なんです。
−−見せ方で気を配っていることは?
 多色のままで見せようということ。琵琶湖博物館は行政から離れた立場で、滋賀や日本、地球上の各人にかかわっていこうとしています。これからの暮らしや自然との付き合い方を考えるために過去を調べていくのは確かだけれど、その時に「こうすべきだ」という見せ方はしない。
 外来魚の問題にしても何にしても、無理にでも違う意見を並べて、「皆さんどっちやと思いますか?」と尋ねてみたい。見に来てくださったグループが、帰りのバスの中で「そうだ、私たちの生活をこうしなければならない」と皆で一致してしまったら、博物館としては失敗。違う意見が次々に出てきて、わあわあと議論が起きたとしたら成功です。
−−「多色」って、民主主義も一緒ですよね。
 うーん、私は格好いいことよう言わんけど、ほんまはそうでしょうね。そういう展示の仕方が、これからの課題です。
◇人物略歴
かわなべ・ひろや
 1932年京都市生まれ。京都大生態学研究センター長、日本生態学会長、国際生態学連合副会長などを歴任。96年の琵琶湖博物館開館時から館長。
◇琵琶博短信
 ギャラリー展示 鉱物・化石展「続 湖国の大地に夢を掘る」 5月6日まで、琵琶湖博物館企画展示室。地域の人々が長い年月をかけて採集してきた美しい鉱物や珍しい化石を展示。入場無料。湖国もぐらの会・同博物館(077・568・4811)主催。

■フナの卵や稚魚を水位低下から守れ 高島の琵琶湖岸、堰や水路完成 07/04/03 京都新聞電子版
 梅雨前の琵琶湖の水位低下でフナの卵や稚魚が干上がるのを防ぐため、川から水を供給する人工水路や堰(せき)がこのほど、滋賀県高島市新旭町針江の湖岸に完成した。国土交通省琵琶湖河川事務所が進めていた取り組みで、瀬田川洗堰の操作による環境への悪影響を緩和するのが狙い。
 同事務所が市民団体や地元住民と進めている「針江浜うおじまプロジェクト」の一環。琵琶湖に注ぐ針江浜川に可動式の堰を設け、水路で湖岸のヨシ帯に水を供給し、卵や稚魚が干からびて死滅するのを防ぐ。ふ化して成長した稚魚は、ヨシ帯の池から押し流されるように琵琶湖へと泳ぎ出す仕組みだ。
 瀬田川洗堰の操作が見直された1992年以降、琵琶湖の水位は梅雨の出水期に備え、5月中旬から1カ月余りで50センチ下げられる。しかしこの時期はフナなどコイ科魚類の産卵と重なっており、急激な水位低下で卵や稚魚が成育できないことが琵琶湖の魚類減少の一因ではないかといわれてきた。
 そのため琵琶湖河川事務所は洗堰の操作方法を見直すとともに、約2500万円かけて堰などの施設整備を進めてきた。同事務所は今後、堰や水路の効果を5年間かけて検証する。
 「うおじま」とは、かつて湖岸に大挙して産卵に押し寄せる様子が島のように見えたという魚の群れ。同事務所は「92年の洗堰操作の見直しで失われた自然のリズムの回復を目指したい」としている。

■早崎内湖再生 滋賀県が計画案 10年後、生態系復活へ 07/04/04 京都新聞電子版
 長浜市と湖北町にまたがる早崎内湖干拓地の内湖再生に向けて、滋賀県はこのほど、再生の目標像を描いた早崎内湖再生計画案をまとめた。在来生物が豊かに息づく▽安全で活力ある地域社会を支える▽世界の湿地再生活動を勇気づける−など六つの目標像を掲げた。
 目標像を示した上で、琵琶湖固有種のニゴロブナやゲンゴロウブナにとって最大の産卵場だった豊かな生態系を10年後をめどに復活させ、水辺の植物帯や鳥類の大飛来地の再生を目指す。自然観察や体験学習の場としても位置づけた。
 地元住民や学識経験者、関係機関でつくる検討委員会で2005年12月から協議してきた。
 県は、01年度から干拓農地89ヘクタールのうち17ヘクタールで試験的に水をため、再生の可能性を探ってきた。現在は干拓地の中央を流れる丁野木川を介して、琵琶湖とつなげる工事を進めている。
 琵琶湖との接続方法については、内湖の水の流れや外来魚の侵入対策などを踏まえ、今後も引き続き検討していくという。

■琵琶湖:VOC濃度上昇、水上バイク影響大 「琵琶湖市民大学」が調査 07/04/04 Mainichi Interactive滋賀
◇ガソリン燃焼の影響?水道原水取水口からも検出
◇市民グループ、14日に報告会
 大津市の水道原水の取水口があり、多くの水上バイクが走行する同市柳が崎の琵琶湖で、走行時のガソリンの燃焼によって排出されるとみられるベンゼンやトルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)の濃度が上昇する現象を、市民グループが確認した。ベンゼンは最高で環境基準値の約7割を検出、トルエンは水道水の水質管理目標値を超えた。VOCは取水口でも値は低いが検出され、同グループは「本来清浄であるべき水道水源から検出されるのは問題」と指摘している。
 研究者や学生らによる「琵琶湖市民大学」(代表、讃岐田訓・京都学園大教授)が調査した。80年代に琵琶湖の水質悪化を懸念し総合調査を行った当時の若手研究者らが03年に再結成した「20年目の琵琶湖調査団」を継承したグループで、05年から琵琶湖と水上バイクの関係に着目し、調査を進めていた。
 06年5月、8月、10月に調査。有害物質の▽ベンゼン▽トルエン▽キシレンは、それぞれ1リットル当たり▽7・4マイクログラム▽230マイクログラム▽39マイクログラムの最高濃度を10月22日の調査で検出した。これらの値を環境基準(要監視項目を含む)値と比較すると、ベンゼンは約7割、トルエンは約4割、キシレンは約1割に当たり、トルエンは水質管理目標値の同200マイクログラムを超えた。
 また、水道原水の取水位置の水では、最高値が1リットル当たり▽ベンゼン0・44マイクログラム▽トルエン10マイクログラム▽キシレン1・8マイクログラム−−検出された。「水道水質基準」の0・5〜5%程度の低い値だが、同グループは検出自体が問題としている。
 同グループは水上バイクの走行実態から、発がん性のあるベンゼンを環境基準の10分の1程度に抑えるには、常時走行台数を5台以下に規制する必要があると結論づけた他、騒音問題が存在することも科学的に裏付けた。県による水上バイクと環境影響の詳細な調査の実施などを提言している。
 同グループの調査結果報告会が14日午後2時、大津市におの浜1のピアザ淡海である。参加費(資料代)500円。申し込み不要。問い合わせは環境監視研究所(06・6574・8002)。【服部正法】

■琵琶湖:南湖の水草異常繁茂、「抑制要因が消えた」−−大津 07/04/04 Mainichi Interactive滋賀
◇芳賀・琵琶湖博物館主任学芸員が指摘
 県琵琶湖・環境科学研究センターや県立琵琶湖博物館などの「琵琶湖と滋賀県の環境に関する試験研究機関連絡会議」のワークショップがこのほど、大津市柳が崎の同センターで開かれた。発表者の一人、芳賀裕樹・琵琶湖博物館主任学芸員が琵琶湖南湖の水草の増加について、従来指摘される94年の大渇水の影響よりも、80年代ごろまでは存在した何らかの水草発生への抑制要因がなくなった可能性が高いことを指摘した。
 近年の水草の異常繁茂は航行障害などを引き起こし問題となっている。芳賀さんらの研究では、南湖の水草の現存量(乾燥重量)は02年には約1万トン(誤差はプラスマイナス約3000トン)となり過去最大で、分布面積は南湖全体の4分の3近くに。
 異常繁茂は大渇水時の水位低下で湖底に強い光が当たったことがきっかけで、繁茂の進行で透明度が向上しさらに増加につながった、というのが定説とされてきた。
 しかし芳賀さんらはこれまでのデータを精査し、湖底の光環境は94年以前、80年代でも同程度の状況があったのに、当時は水草が増加することはなかったことなどに着目。94年の水位低下だけでは水草増加は説明できないとし、それまで存在していた何らかの抑制要因が94年前後ごろに消えたのではと推論した。
 「抑制要因」が何かは不明だが、芳賀さんは質問に対し、湖底の耕耘(こううん)作業の衰退やある種の除草剤の使用の減少の可能性を挙げた。【服部正法】

■やめて!外来魚リリース 江の川水系  07/04/05 Sankei Web広島
 フナやコイ、アユなど国内種を食い荒らすブラックバスなどの外来魚について、県内水面漁場管理委員会(後藤文好会長)は3日までに、三次市や安芸高田市を流れる江の川水系で、釣り人らに外来種の再放流(リリース)を禁止する指示を出した。外来種対策では、琵琶湖がある滋賀県など2県1市でリリース禁止の条例を設けているほか、山梨や新潟、岩手など9県で委員会指示が出されている。
 ブラックバスはオオクチバスやコクチバスなどの総称。北米が原産で外敵が少ないうえ繁殖力が強く、フナやアユなどの国内種が減少する原因となっているという。
 このため、県内水面漁業協同組合連合会が平成17年5月、同委員会に再放流の禁止指示を要請。漁業の振興と生態系保全の観点から、漁協で刺し網による駆除を行い、アユ漁が盛んな江の川水系でリリースを禁止する指示を3月26日に出した。
 指示の期間は同日から1年間。釣り人らの協力など効果をみたうえで、継続するか判断する。委員会指示では罰則はないが、守らない釣り人に対しては、同委員会からの申請に基づき、県が命令。それでも守らなければ漁業法で罰せられることになる。

■外来魚:再放流禁止へ、罰則規定付きで今年度にも−−県が方針 07/04/06 Mainichi Interactive鳥取
◇ブラックバスやブルーギルなど 庁内で対立、漁業者から不満も
 生態系に影響を及ぼすとして全国で問題になっている外来魚を巡り、県は07年度にも、県内全域で再放流を禁止する方針を決めた。特定外来生物法でも再放流を禁止できるが、県庁内での意見対立もあり、県水産課は罰則規定がある規則に基づき対応することにした。同課は、県内の漁業関係者らを対象に5月に開く意見交換会を経て決定する。【田辺佑介】
 県内では90年代以降、鳥取市の多鯰ケ池や湖山池でブラックバスなど外来漁の生息を確認。県は確認前の86年にブラックバスの放流を禁止し、04年にブルーギルも禁止したが、近年はスポーツやレジャーの一環としてバス釣りが人気を集め、釣った後も生きたまま再放流(リリース)する行為が問題視されるようになった。
 この事態を受け、同課は、県漁業調整規則による再放流禁止の検討を開始。県内水面漁場管理委員会を先月26日に湯梨浜町内で開き、違反者には懲役6カ月以下罰金10万円以下の罰則規定を適用して対応する方針を決めた。同課は遊漁団体や釣具店などを通して周知した後、意見交換会を5月の連休明けごろに開催。再放流禁止の是非や条件などについて話し合う。
 県は「生態系を守るため、バス釣り愛好家にも理解してもらいたい」としている。
 外来魚は繁殖力が強く、生態系への影響が全国で問題化。漁業関係者らから再放流の禁止や駆除を求める声が強くなり、特定外来生物法が制定された。県内で具体的な被害状況は把握されていないが、生息区域ではコイやフナが少なくなるなどの報告もある。
 外来魚の再放流が問題になる中、県庁内で意見がまとまらず、1年以上も対策がストップしていたことが分かった。水産課と公園自然課の対立が原因で、駆除方法などを話し合う県外来種検討連絡会は05年12月の設置後、一度も開催されていない。当面は水産課が対応することになったが、漁業関係者からは「どっちでもいいから、しっかりした措置を」と不満の声が出ている。

■ホンモロコ養殖重ねると体形変化 草津市に調査研究会が報告 07/04/06 京都新聞電子版
 琵琶湖の固有種ホンモロコの養殖実験に取り組んだ草津市ホンモロコ養殖調査研究会が、実験の研究成果をまとめ、6日に市に報告した。養殖を重ねると天然魚とは体形が変化することや、田植えの後の水田では稚魚が成育しやすいことが明らかになった。
 研究会は、市や市内の水産業者などで構成する。滋賀県草津市北山田町で2005、06年度に養殖実験を実施した。
 水田を掘削しての養殖方式を採用し、天然のホンモロコから3代目の個体(天然系)と、4代以上の個体(養殖系)で養殖結果を比較した。ともに体長8−10センチに育ったが、養殖系の個体が天然に比べ、体高が高くなる傾向が見られたという。
 田植え後の水田に稚魚を放すと栄養状態がよく、肥満度が高くなる、との結果が出た。
 実験結果をふまえ養殖を成功させるポイントとして▽体形維持のため天然の親魚を随時加える▽水温などに応じた給餌表の作成▽田植え後の水田に稚魚を放す−などを挙げている。
 草津市は休耕田の活用や水産業の活性化を目指して養殖実験に取り組み、06年度には民間養殖業者へ稚魚を提供した。今後は販路拡大や養殖技術の支援にあたる。

■15指定外来種の放流・廃棄に罰金 滋賀県、5月から届け出制に 07/04/07 京都新聞電子版
 滋賀県は5月1日付で、独自の指定外来種制度に基づき、琵琶湖や野山に放流したり廃棄することを禁じる動植物に、観賞魚のピラニア類やガー科など計15種類を指定する。県内での飼育や栽培に届け出を義務付け、違反者には全国初の罰則規定を設けており、地域固有の生態系保全に向けて本格的に動き出す。
 この制度は、県が定めた「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」に基づく。指定外来種には、国の特定外来生物法では規制されていないが、県内で定着しているハクビシンや他府県で希少種とされる在来のオヤニラミなどが含まれている。
 指定外来種を飼育、栽培する人は、飼育開始日から30日以内に種類や数量、目的、飼育場所を所定用紙に記し、県地域振興局に申請する義務がある。指定以前から飼育する人も5月1日から30日以内の届け出が必要となる。届け出をしなかったり虚偽の届け出をした場合は30万円以下の罰金を科す。
 県の調査によると、県内約60店のペットショップのうち、県の指定外来種を扱っているのは少なくとも6店あるという。条例では販売業者にも、購入者に対して生態系への影響を説明する義務を負わせている。
 ハリヨやイチモンジタナゴなど計22種も同時に、捕獲、採取を禁じる指定希少野生動物種にする。
 県自然環境保全課は「最後まで責任持って飼育してもらうことが新制度の狙い。現在飼っている人をどう把握するかが課題だ」としている。
 県の指定外来種は次の通り。
 【植物】イチビ、ワルナスビ【哺乳(ほにゅう)類・爬虫(はちゅう)類】ハクビシン、ワニガメ【魚類】タイリクバラタナゴ、オオタナゴ、ヨーロッパオオナマズ、ピラニア類全種、カワマス、ブラウントラウト、ガー科全種、オヤニラミ【貝類】スクミリンゴガイ、コモチカワツボ【その他】オオミジンコ

■ニュースの焦点 来魚駆除 誰がする? 07/04/07 Net Nihonkai
 鳥取県が実施した湖沼などに生息する外来魚の調査で、県内三十七カ所でブラックバス(オオクチバス、コクチバス)やブルーギルなど外来魚が確認された。生態系の破壊や漁業不振など外来魚による被害も徐々に広がっている。早期に外来魚の駆除を求める声は強まる一方だが、対応する県の所管課のとらえ方はちぐはぐで、駆除の姿勢が定まっていない。
----------------------------------------------------------------鳥取県の対応ちぐはぐ
 外来魚の問題については、二〇〇五年に施行された外来種被害防止法で放流などに厳しい規制が設けてあるが、釣り人らによる密放流のうわさも絶えない。規制の網をくぐるように外来魚の生息区域が広がっている。今回の調査でも密放流の可能性を裏付ける結果が出た。
迫られる対応策
 では、外来魚に対する行政の対応はどうなっているのか。県では、外来種が在来種の駆逐など生態系や農林水産業へ影響を及ぼす恐れがあるとして、県外来種検討委員会を設置し、生息状況や駆除方法を検討することにしている。事務局は生活環境部公園自然課。さらに、同委員会に情報提供を行うために、同課と農林水産部の水産課など関係部署により、県外来種検討連絡会が置かれている。
縦割りの弊害
 一見、県が一体となって外来種対策に取り組んでいるように見えるが、外来魚の場合、生態系と漁業被害の両面を合わせ持つ問題であるのに対して、生態系への影響など環境面での被害対策については公園自然課が手掛け、漁業被害対策は水産課が担当するなど、縦割りの対応となっている。これまでに行われた現状調査は、公園自然課が鳥取市の多鯰ケ池で、水産課が同市の湖山池で実施するといった具合だ。
 外来魚の駆除に対する見解もかみ合っていない。公園自然課は「被害を被る側の担当課が対応を取るべき」とするが、水産課では「外来生物を所管する公園自然課が主体となって対応を行い、水産業に被害が及ぶ場合は協力する」との受け止めで、どちらが主体となるのかちぐはぐだ。
所管課の連携を
 公園自然課と水産課が連携を取って委員会へ情報提供を行うはずの連絡会についても、公園自然課では「知らない」としており、県庁内での調整がうまく取れていないことをうかがわせる。
 外来魚は環境、漁業の両面で影響を与える問題で、対策が遅れればそれだけ確実に被害が拡大する。被害を食い止めるためには、両課が足並みをそろえることが必要ではないか。

■ナマズやフナに「魚道」を 東近江 住民ら排水路に堰づくり 07/04/08 京都新聞電子版
 琵琶湖にすむナマズやフナなどが水田に上がれるようにと、滋賀県東近江市栗見出在家町で8日、地元自治会などでつくる「栗見出在家魚のゆりかご水田協議会」が既存の排水路に堰を設け、魚道の役割を果たすようにした。
 この日は、地元の自治会や農協などから約80人が参加した。集落を流れる排水路5本の27カ所に、木材(高さ約30センチ、幅約1メートル)をはめ込んだ。この堰が水田と約30メートル先の琵琶湖との水位の差をなくし、魚が行き来できるようになるという。
 グリーン近江農協によると、この水田の栽培面積は県内で最大規模。魚が上がることで在来魚保護や低農薬米栽培をPRし、収穫されるコメは「魚のゆりかご米」として出荷する。
 自治会長の村林忠夫さん(57)は「田植えの済んだ後に、水かさが増せば、水田に産卵に来てくれる」と話していた。

■自民惨敗、過半数割れ 滋賀県議選 「対話」公認は4人 07/04/09 京都新聞電子版
 第16回統一地方選前半戦の滋賀県議選は8日投開票され、全議席が決まった。滋賀県議選(定数47)は、嘉田由紀子知事を支援する「対話でつなごう滋賀の会」が4人を当選させ、善戦した。自民は公認24人のうち8人を落として過去最低の16議席にとどまり、推薦の無所属を足しても19議席にとどまる見通しで、自民党系会派(改選前27議席)は過半数割れが確定的になった。嘉田知事と対立してきた自民の後退は、県政運営にも大きな影響を与えそうだ。
 滋賀県議選は、「対話でつなごう滋賀の会」が公認4人のほか、単独推薦1人、他党との重複推薦7人も当選した。民主は2議席増の13議席とし、推薦3人も当選した。共産は現有2から16年ぶりに3議席を確保した。公明も初の2議席を確保した。
 自民党は、大津、長浜で各2議席を減らしたほか、東近江、米原、高島で相次いで現職が落選した。「対話の会」は大津、長浜、東近江、高島で各1議席を獲得した。民主は大津、栗東で議席を伸ばした。共産党は草津で初めて議席を確保した
 無所属は大津、長浜で1人ずつ当選した。

■「対話の会」が第3勢力に 県議選 07/04/09 Chunichi Web Press滋賀
 もったいないの風が昨夏の知事選に次いで、また吹いた。八日投開票された県議選。無投票当選した四人を含め、四十七人の新しい顔ぶれが決まった。嘉田由紀子知事の支援団体「対話の会」が公認、推薦を合わせて十二人が当選。「もったいない」の風を受け、自民、民主に続く第三勢力に躍り出た。自民は各選挙区で議席を失い、過半数を割った。民主は公認候補だけで現有十二議席を上回る十三議席を獲得。大津市などで議席を獲得した共産、公明はそろって議席を増やした。女性議員は八人となり、過去最多だった前回の七人を上回った。
 全当選者の内訳は、現職二十六人、新人二十人、元職が一人。党派別では自民十六人、民主十三人、対話の会四人、公明二人、共産三人、無所属九人だった。平均年齢は五六・七二歳で、これまでより四・一六歳の若返りとなる。
 公認と推薦を合わせ十五選挙区に十九人を擁立し、県議選の“台風の目”となった対話の会は、現職三人、新人八人、元職一人が当選して躍進した。
 自民は米原市や東近江市など四選挙区で現職五人が落選し、長浜市・東浅井郡では議席を失った。自民と対話の会から推薦を受けた二人を含め、自民の公認、推薦は計十九人が当選したが、現有の二十七議席に及ばなかった。
 民主は公認と推薦を合わせて十八人を擁立。大津市や栗東市などで現職八人、新人八人が当選し、現在より六議席を増やした。
 六選挙区に七人を立て、現有二議席に上乗せを目指した共産は一議席の増。公明は組織票を固め、大津市で初めて二議席を獲得した。
 無所属では、長浜市・東浅井郡で新人が議席を確保。大津市では二期目に挑んだ現職女性候補が、組織を持たない選挙戦ながら市内全域から票を集めた。
 昨年七月の嘉田知事就任以来続く県政の“もったいない”論争。新駅の地元栗東市などでは新幹線新駅問題が、湖北や湖西などでは地域格差や医師不足への対応などが争点の柱となった。(統一地方選取材班)

■魚道:琵琶湖の魚に安心なお産と子育てを 住民ら水田の水路に整備−−東近江 07/04/10 Mainichi Interactive滋賀
 ニゴロブナなど琵琶湖の魚が田んぼに来て産卵したり稚魚が育てられるようにと、琵琶湖に接する東近江市栗見出在家町の田んぼで8日、地域の住民らが総出で水田の水路などに魚道を作る作業に汗を流した。
 県などが進めている「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」事業の一環で、県などの指導で同町の自治会やJAグリーン近江、地元子ども会などで作った「栗見出在家魚のゆりかご水田協議会」(会長、村林忠夫自治会長)が開催した。
 小学生からお年寄りまで約100人が参加。集落を取り囲む約37・5ヘクタールの田んぼの水路(幅約1メートル、深さ約60センチ)5本に、少しの雨でも魚が遡上(そじょう)できるように段差の付いた堰(せき)板を設けたり土のうを設置、各田んぼから魚が出入りできるマスなどを設けた。
 魚道が整備された水田では田植えの後、魚に配慮して除草剤はこれまでの半分以下に抑える。収穫した米は環境にこだわった「魚のゆりかご水田米」として出荷する。ニゴロブナなどが産卵してふ化、琵琶湖に帰るころには堰板を外し、元の水路に戻す。
 同協議会の村林会長は「住民に参加を呼び掛けたら1軒に1人は参加してくれ、人と人とのつながりにも役立ったような気がする。魚のゆりかご水田の取り組みは5年続けるがいろいろな成果が期待できそう」と胸を弾ませている。【斎藤和夫】

■湖と人と:琵琶湖博物館の10年/2 これまでの活動と未来像 07/04/10 Mainichi Interactive滋賀
◇企画の多様性が安定感に−−用田政晴さん(県立琵琶湖博物館総括学芸員)
開館10周年を迎えて
 琵琶湖博物館は、平成8(1996)年10月20日に開館し、昨年の秋に10周年を迎えた。
 10年はひと昔というが、10年前の朝9時半、正面玄関入り口に並ばれたたくさんの来館者を横目に、緊張感を持って玄関ドアを開けた時が、昨日のことのようである=写真<1>。あれから琵琶湖博物館は、地域の人びととともにいろいろな活動を行ってきた。
 昨年、10周年を迎えるにあたって、どういう形でこの10年間を振り返ればいいかと考えた。しかし学芸員の意見はまとまらず、苦しまぎれに企画展示を中心にして、琵琶湖博物館の10年史を小さな展示として振り返ってみた。開館から一昨年まで開催された13の企画展示のポスターを眺めてみると、テーマはもとよりタイトルやデザインがバラバラなことに驚いてしまう=写真<2>。32名の学芸員が、ある意味、好き勝手にやってきたのであるが、言い換えればこうした多様性が、逆に安定感をもたらしてきたようである。
10年間の企画展示と活動
 取り上げた企画展示の名前は、開館記念特別展『里山 生命の小宇宙』にはじまり、『博物館ができるまで』『古代湖の世界』『私とあなたの琵琶湖アルバム』『近江はトンボの宝庫』『絶滅と進化』『湖の船』『湖の魚・漁・食』『鯰』『中世のむら探検』『外来生物』『のびる・ひらく・ひろがる』『歩く宝石オサムシ』であり、世界古代湖会議、パリ国立自然史博物館などとの協力覚書、漁師修行の旅、伯母川探検隊の活動なども年度ごとに振り返った。
 一方で、展示交流員や水族飼育員の活動紹介、国際交流の様子、ウエブ・電子図鑑の紹介、それに「はしかけ」やフィールドレポーターの地域での活動も忘れることはできなかった。特に「はしかけ」は、湖北・長浜などでは「仲人」を意味する独特の表現であるが、琵琶湖博物館の独自の活動を表す用語として、全国の博物館関係者の中ではすっかり有名になった。
これからの琵琶湖博物館
 琵琶湖博物館の将来像は、平成27(2015)年までに実現をめざす『地域だれでも・どこでも博物館』である。これは琵琶湖博物館中長期基本計画に記し、平成17(2005)年3月にまとめて公表した。
 琵琶湖博物館は、その活動を通じて地域の人びとと協働し、それぞれの地域が博物館となるように応援していくのである。そして琵琶湖地域の人びととともに「湖と人間」の新しい共存関係を築いていこうとしているのであるが、ちょうど私が滋賀県を定年退職するその年に、この未来像が実現できているかどうか、不安でもあり楽しみでもある。もし実現できていれば、その時私は、地域で本当の学芸員になれるかも知れない。
人物略歴
◇ようだ・まさはる
 1955年、彦根市生まれ。岡山大で考古学を学び、同県県史編纂(へんさん)室、滋賀県教委文化財保護課、琵琶湖博物館開設準備室を経て、96年の開館時から同博物館勤務。主な専門分野は▽弥生・古墳時代の集団関係▽湖上交通史の考古学的研究▽山城・山岳寺院の歴史的展開。「歴史科学であるべき考古学の王道を、考古学徒として地道に、世界を眺めつつ、地域に根ざしてボツボツと遊牧民のように歩いていこうと思っています」(個人ホームページhttp://www.lbm.go.jp/mappie/から)

■海津大崎の桜が見ごろ 高島・マキノ町 07/04/10 京都新聞電子版
 琵琶湖北端にあり、「日本のさくら名所百選」に選ばれている滋賀県高島市マキノ町海津の海津大崎の桜が見ごろを迎え、連日、大勢の花見客でにぎわっている。
 海津大崎の桜は、湖岸道路沿い約4キロに約600本のソメイヨシノが並ぶ。水辺に桜のトンネルが続くところから人気が高く、開花シーズンには県内や京阪神などから毎年12万人前後が訪れるという。
 コース途中の湖岸園地や大崎寺付近では花見客が記念撮影をしたり、弁当を広げたりし、車座になって歌うグループも見られ、思い思いに春の1日を楽しんでいる。今年は開花が例年より遅れ、マキノ町観光協会によると9日現在で6分咲き。今週後半に満開になりそうという。

■入場者10万人を突破 07/04/11 asahi.com滋賀
【好調、予想より3日早く】
 3月21日に開幕した国宝・彦根城築城400年祭の入場者が8日、10万人を突破した。人出が好調で、当初の予想よりも3日早かった。
 10万人目は、甲賀市水口町の会社員山本和志さん(36)と妻の真紀さん(32)、長男翔太君(8)、次男洸希ちゃん(5)、三男大雅ちゃん(3)の一家。午後4時半に記念セレモニーがあり、5人は待機していた北村昌造・同祭実行委会長らと直径90センチのくす玉を割って祝った=写真。記念品として、法被とマスコットキャラクター・ひこにゃんのバッジとぬいぐるみが贈られた。
 山本さんは「楽しみにしていた花見も兼ねて彦根城に来ました。ひこにゃんには初めて会って、子どもたちも喜んでいます」と話していた。
 この日は、天守に上がるのに1時間半待ちになるほど混雑していた。

■ラニーニャ発生の可能性 東海の梅雨入り早め? 07/04/11 Chunichi Web Press
 気象庁は十日、南米ペルー沖の東部太平洋赤道海域で、海面水温の低い状態が長期間続く「ラニーニャ現象」が今後、一、二カ月の間に発生する可能性が高いとの監視速報を発表した。
 ラニーニャは、ペルー沖で海面水温が上がるエルニーニョと逆の現象。今シーズンの記録的暖冬をもたらしたエルニーニョと同様に、地球規模で大気の対流活動に影響し、世界的な異常気象をもたらす恐れがある。
 過去の統計によると、ラニーニャ発生時の日本列島の天候は、梅雨入りが東海で早く沖縄で遅い傾向、梅雨明けは東北、四国、九州南部で早い傾向がみられる。梅雨期間の降水量は、西日本太平洋側と東日本で多くなる可能性がある。
 夏の天候は、西・東日本で高温、西・東日本の太平洋側と沖縄など南西諸島で多雨の傾向。
 監視速報によると、ペルー沖の監視海域の平均海面水温は三月、基準値(過去三十年の平均)を〇・五度下回った。同庁は秋ごろにかけて、基準値を下回る状態が続くとみている。

■湖国、桜花らんまん 彦根地方気象台「満開宣言」 07/04/11 京都新聞電子版
 彦根地方気象台は11日、桜の満開宣言をした。琵琶湖最北部にある滋賀県高島市マキノ町の海津大崎の桜も満開で、切り立った湖岸沿いに並ぶソメイヨシノ約600本が薄桃色の花を付け、山や岩肌、湖水と鮮やかなコントラストを見せている。
 開花宣言は、気象台内のソメイヨシノに基づいており、平年より1日遅く、昨年より1日早い。
 滋賀県内の桜の名所はこの日も花見客でにぎわった。マキノ町や彦根市から海津大崎に向かう遊覧船は観光客でいっぱいで、岸に近づくにつれて「きれい」「すごい」などと歓声を上げ、湖上からの桜を楽しんでいた。
 海津大崎の桜は今週末にかけてが見ごろとなる見通し。高島署は14、15の両日、海津大崎付近の県道を東行きの一方通行に規制する。

■『ホンモロコ』の休耕田養殖で成果 草津市研究会が報告 07/04/13 Chunichi Web Press滋賀
 休耕田を利用して琵琶湖の固有魚「ホンモロコ」を養殖する研究をしていた「草津市ホンモロコ養殖研究会」が最終報告書をまとめた。報告によると、人件費や初期投資を除いて千平方メートル当たり約十八万円の黒字が出ることから、市は今後、市民に養殖を勧めていく方針だ。 (中村禎一郎)
 ホンモロコの生息数は外来魚の増加や、産卵場所であるヨシ帯の減少に伴い激減。年間漁獲量は約十年前は百五十−三百トンあったが、二〇〇四年には五トンにまで落ち込んだ。
 このため、市は養殖に市内の休耕田約三百ヘクタールを活用することを発案。〇四年度に、漁業者や養殖業者八人でつくる養殖研究会に、生業として可能性を探るリサーチを依頼した。
 報告書には、〇五年度に四百三十キロ、翌〇六年度に二百五十キロを養殖し、販売した成果を収録。農業用水が休耕地に来ない十月から翌四月までの水の確保や、いつも出荷できるだけの生産量を確保することなどが課題として挙げられている。
 研究会の吉本吉之助会長らが市役所を訪問。「今後もホンモロコの養殖に支援をお願いしたい」と、伊庭嘉兵衛市長に報告書を手渡した。市長はその後、養殖のホンモロコを試食し、「おいしいねぇ」と笑顔を見せていた。

■水上バイクの有害物質 市民団体が調査 琵琶湖大津市沖 07/04/13 京都新聞電子版
 大津市沖の琵琶湖で、早朝から夕方にかけ水中の有害物質の濃度を調べた結果、水上バイクの走行台数が増えるに連れ、濃度も高くなることが、市民団体の調査で確認された。水道水の基準値は大きく下回っているが、市民団体は「水道の取水源付近では走行禁止や台数の制限が望ましい」としている。
 調査は、琵琶湖の環境問題に取り組む研究者や市民でつくる「琵琶湖市民大学」が2006年5−10月にかけ、大津市柳が崎で実施した。
 調査対象としたのは、発がん性が指摘されるベンゼン、中枢神経に影響があるとされるトルエンとキシレンの3種類。早朝にはこれらの物質はほとんど検出されなかったが、時間がたち水上バイクの走行が活発になるに連れてその濃度が上がり、夕方に最も高い値を記録した。
 大津市柳が崎浄水場の取水口付近でも検出されており、水道水の基準値に比べると、濃度は0・5−5%のレベルだった。
 調査結果は、14日に大津市におの浜1丁目のピアザ淡海で開く報告会で発表する。午後2時−同4時。参加費500円。問い合わせは同研究所TEL06(6574)8002へ。

■生態系守れ ブルーギル駆除 京都学園大バイオ環境学部生ら 07/04/14 京都新聞電子版
 京都学園大(亀岡市曽我部町)バイオ環境学部の教員と学生たちが、キャンパス内の「洗心池」に生息する外来魚ブルーギルの駆除作戦を展開している。数は推定で約5000匹。国の天然記念物アユモドキが生息する周囲の川へ入り込む恐れもあることから、教員らは「生態系を破壊するブルーギルを放置しておくわけにはいかない」と作業を進めている。
 洗心池(表面積約2000平方メートル、深さ約1・5メートル)は通常、周囲の流域と隔てられているが、大雨で池の水があふれると、水路を伝ってキャンパス脇を流れる曽我谷川へブルーギルが入る危険性がある。同川の流域には、亀岡市と岡山県にしかいないとされるアユモドキの生息域がある。
 池のブルーギルは誰かが放流し、ほかの生き物を食べながら5000匹まで増殖したとみられる。同学部の石田紀郎教授(67)=環境毒性学=と大西信弘准教授(40)=生態学=、学生約20人が今月上旬から、講義の合間に駆除を始めた。
 これまでに、池の水を抜いて水深を50センチまで下げ、投網や手網を使って、水中や池底の泥の中にいるブルーギル約1200匹を捕らえた。他の在来種を調べると、コイとフナの成魚が計7匹、トンボのヤゴが4匹しかいなかった。ブルーギルも体長5センチ未満が大半を占めており、石田教授は「生態系がブルーギルで占拠された上、えさがないため育たない。異常な世界だ」と青ざめる。捕獲したブルーギルは標本にして研究材料とする。
 繁殖期が迫っていることから、今月中に駆除を済ませる予定。その後は、池で生育しやすいメダカなどを放ち、「在地の生態系を再生させたい」(大西准教授)という。

■琵琶湖:深層の溶存酸素濃度に異変 温暖化影響?遅れて回復 07/04/19 Mainichi Interactive滋賀
◇“深呼吸”保ったが今後も監視が必要−−京大生態学研究センター
 記録的な暖冬の影響で、琵琶湖北湖(琵琶湖大橋以北)で例年冬から春にかけて起きる表面と深層の水の混合「全循環」が、観測史上初めて3月上旬になっても確認できず、深層の水に溶ける酸素(溶存酸素)の濃度回復が進まない状況が懸念されていた問題で、深層の溶存酸素濃度が3月末になってほぼ回復したことが、京都大生態学研究センター(大津市)などの調査で分かった。年に1回、湖底付近も含み湖水全体が酸素を回復する“琵琶湖の深呼吸”はなんとか保った形だが、温暖化の進行に伴い、似たケースが今後起こることも考えられる。【服部正法】
 北湖では湖面が冷やされて、例年1〜2月に循環が起き、深層まで酸素濃度を回復するとされる。しかし今季は、3月上旬になっても深層の酸素回復が十分でない状態であることが京都大や県琵琶湖・環境科学研究センターなど各研究機関の調査で判明。3月10日には懸念を深めた有志の研究者らが危機感を表明する異例の緊急声明を発表していた。研究者たちは、回復程度が本当に十分だったかなどを検証し、引き続き監視していく方針だ。
 姉川沖から北湖を横断する形で行った京大生態学研究センターの調査では、昨年は2月上旬の段階で酸素が十分湖底付近まで行き渡っている状態だったが、今年は2月下旬でも酸素飽和度が60%程度の低酸素状態が見られた。3月上旬にも調べたが、高島市・今津沖の深層で飽和度が50%程度の低酸素地域も発見される事態に。3月中旬の寒波の後も低酸素状態が確認されていたが、同28日になってすべての観測地点(11地点)で飽和度が80%以上に回復していたという。
 京大生態学研究センターの永田俊教授は「酸素濃度は一応回復したが、完全に回復したかどうかは検討が必要。また回復時期がずれ込んだことで、低酸素状況にさらされたことがどう影響するのかや湖底の堆積(たいせき)物への影響も見ていく必要がある」などとした上で「仮に温暖化の影響なら、今後も同様の状態が起きることや循環がなくなることも考えられる。酸素分布などだけでなく、循環の物理的プロセスなど総合的にとらえて、今後どうなるか予測していくことが必要だ」と話している。

■琵琶湖いきもの図鑑:/44 コハクチョウ 情に厚い優美な希少種 07/04/19 Mainichi Interactive滋賀
 ◇コハクチョウ(カモ科、全長約120センチ)
 毎年秋になると、琵琶湖に300〜500羽飛来(ひらい)し、春に北へ帰るまでの間、純白の優美(ゆうび)な姿を見せてくれます。首を水中に入れて水草を食べたり、田んぼで落ち穂を食べたりして過ごし、水に囲まれた浅瀬(あさせ)をねぐらにします。家族のつながりがとても強く、北へ帰る時、具合が悪くて一羽でも飛べないでいると、家族全員でぎりぎりまで待つそうです。仲良く2羽で並んでいるのは、たいていつがい。一度ペアになるとずっと相手を変えないといいます。県レッドデータブック05年版では希少種に指定されています。
 草津の湖岸でコハクチョウの愛護(あいご)活動をしている環境ボランティア・草津湖岸コハクチョウを愛する会によると、草津市沖に来るのは毎シーズン同じ顔ぶれで、彼らにとってここが故郷。しかし、今年3月5日、足に釣(つ)り針(ばり)が刺さったままの1羽を同会が発見しました。北へ帰る時期なのにけがをしており、保護して治療後の同月末に放たれました。
 湖岸の清掃活動もしている同会の吉岡美佐子さんによると、釣り糸や釣り針がヨシ原などに放置されているといい、過去にも糸が体にからまるなど鳥が被害を受けているといいます。ごみや釣り針、糸を持ち帰るマナーを守り、水をきれいに保つなど、飛来地の環境を整えることが呼びかけられています。【岡村恵子】

■絶滅危惧種ゼニタナゴ 伊豆沼で6年ぶり確認 07/04/20 河北新報社Kolnet宮城
 環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されている淡水魚・ゼニタナゴが、ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県栗原、登米市)の集水域で6年ぶりに見つかったことが分かった。県伊豆沼・内沼環境保全財団が、19日までに発行した論文集「伊豆沼・内沼研究報告」で発表した。
 ゼニタナゴは、1970年代ごろまでは関東以北の本州各地に生息していたが、開発による環境悪化や外来魚の食害で激減。99年に環境省の絶滅危惧種に指定された。県内で生息は確認されているが、伊豆沼・内沼とその周辺では2000年春以降全く見られなくなり、絶滅の可能性も指摘されていた。
 県伊豆沼・内沼環境保全財団によると、06年9月に財団の研修生が、沼の集水域でメス1匹を発見。全長5センチ、体重1.2グラムのメスで、1年以内に生まれた個体と見られる。調査のため財団で飼育していたが、今年3月31日に死んだ。
 伊豆沼・内沼では03年から、財団や民間団体がゼニタナゴ復元プロジェクトを実施、ブラックバス駆除などを展開している。ただ、ゼニタナゴが発見された水域ではバスも多数見つかっており、今回の生息確認が環境改善の結果であるとは言い切れないという。
 財団の進東健太郎研究員は「親魚がいて繁殖している可能性も考えられ、復元プロジェクトに大きな弾みになる。さらに調査を進めていく」と話している。
[ゼニタナゴ]タナゴ亜科の淡水魚。体長7―9センチ。1970年代以降に生息数が減少。2005年に確認されたのは宮城、岩手、秋田、福島の東北4県のみ。

■中1生、深泥池で自然観察 ノートルダム女学院中学高等学校 07/04/21 京都新聞電子版
 国の天然記念物に指定されている深泥池(京都市北区)で21日、ノートルダム女学院中学高等学校の自然観察会があり、中学1年の生徒130人が池の周囲を散策し、生き物や植物に触れて自然と親しんだ。
 自然観察会は、同校の理科の授業の一環。氷河期の生物群集が残る深泥池で中学生に自然に興味を持ってもらう狙いで毎年この時期に開いている。
 観察会には深泥池自然観察会のメンバーがボランティアで参加。生徒たちは深泥池にすむ生物や生えている植物の説明を聞いた後、ミツガシワの白い花が咲き誇る池の周囲を散策。池で研究用に捕獲したブルーギルなどに触れ、外来魚がもたらす生態系への影響などについて説明を熱心に聞いていた。

■バス・バスターズ出陣 効率的駆除図る 伊豆沼・内沼 07/04/21 河北新報社Kolnet宮城
 人工産卵床を使ったブラックバス駆除で注目を集めるボランティア組織、バス・バスターズが15日、伊豆沼・内沼(宮城県栗原、登米市)湖畔の県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンターで今季の活動をスタートさせた。
 県内外からボランティア約40人が参加。会合では県伊豆沼・内沼環境保全財団の進東健太郎研究員と、産卵床考案者であるシナイモツゴ郷の会の高橋清孝副理事長が、これまでの活動の検証と課題についてそれぞれ説明した。
 今季活動計画については、昨季から新たに使っているセンサー付き産卵床の設置数を増やすことや、参加者の役割分担を明確にして効率的に作業を進めることなどを確認。また、音波式の探知機で沼底の様子を調べ、バスの産卵実態をより詳しく調査することも決めた。会合終了後、参加者は、昨年使った人工産卵床の補修作業を行った。
 伊豆沼・内沼で人工産卵床によるバス駆除が始まって今年で四季目。親バスと卵、稚魚を効率的に駆除できることや、ボランティア参加といった形式が注目を集め、同様の取り組みは全国に広がっている。事務局の県伊豆沼・内沼環境保全財団はボランティアを募集している。連絡先は保全財団のホームページか県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター0228(33)2216。

■ブラックバスから椹野川を守れ 07/04/21 Web版サンデー山口
 バス釣りの隠れたスポットとしても有名な椹野川で、ブラックバスから在来魚を守ろうと椹野川漁業協同組合などは精力的に活動している。05年度からは、卵を人工産卵床に産ませて一掃する方法を実施し、昨年度には初の産卵(約1万3800個)駆除を成功させた。今年も20基以上の仕掛けを設置し、「効率良いこの仕掛けを早く確立させ、椹野川の生態系を守りたい」と同職員は話している。
 ブラックバスは繁殖力の強い北米原産の淡水魚。日本には1925年にアメリカから神奈川県の芦ノ湖に持ち込まれ、その後、日本全土に繁殖していった。雑肉食種のため、河川や湖に生息する在来魚や他生物を食い荒らし、生態系を崩すとして、05年には特定外来生物に指定。現在では日本の各地で河川の生態系を守ろうと駆除活動が行われている。
 椹野川でブラックバスが初めて確認されたのは20年ほど前になる。琵琶湖から取り寄せた放流用のアユの稚魚に交じってきたという説と、スポーツとしてのバス釣りを楽しむ愛好家たちの手でため池に放流されたという2説がある。
 いずれにせよ、椹野川に流入後、ブラックバスは急速に増殖し、01年から04年にかけて生息量が最盛を迎える。50?を超えるサイズのブラックバスが大量に泳ぎ、釣り雑誌にバスフィッシングのスポットとして紹介されるまでになった。と同時に、そこにすむアユやゴリ、小エビ、水生昆虫などが餌となり、椹野川の在来生物の個体数は激減していった。
 同漁協と漁連などでは生態系を守ろうと、自分たちで網や釣り竿での地道な捕獲のほか、一般の人が釣ったブラックバスを1?千円(ただし1匹最大500?まで)で買い取るシステムも導入。01年〜04年には年間約2千匹の買い取り量があった。また、05年にはサイズは小さいながらも約3900匹、06年に約1600匹の一般者持ち込みがあり、同システムによる着実な駆除が行われている。そのほかに、河川に稚魚が流入してくる原因となるため池や堤を干して捕殺する方法も実践している。
 そして、05年度からは稚魚や成魚だけでなく、卵の駆除も試験的に開始。75?×45?のプラスチック製かごに砕石を敷き詰めた「人工産卵床」を作製し、それをワンドと呼ばれる川の流れの緩やかな場所の水深約1?の所に設置した。初年度は産卵数0と空振りに終わったが、昨年度は3カ所に計33個のかごを設置し、そのうちの一つのかごで1万3800個の産卵が初確認できた。今年度は13日にまず2カ所で計20基のかごを仕掛け、近日中に別の2カ所にも設置を予定している。人工産卵床は効率的な駆除ができるだけでなく、いまだに不透明な河川におけるブラックバスの産卵を調査できる方法として関係者らは期待をしている。椹野川漁協の田中実課長は「少しずつだが産卵場所や習性をつかんできた。この方法での駆除を成功させ、椹野川の生態系を守り、生産性の高いきれいな川を取り戻したい」と話している。なお、河川での人工産卵床設置は県内初で、産卵成功例は全国でも2、3例目の希少事例になる。

■ブルーギル捕獲作戦…京都学園大学の池占領5000匹!? 07/04/22 Yomiuri On Line関西発
泥だらけ 2週間で1400匹
生態系に危機 コイは数十匹
 京都府亀岡市の京都学園大キャンパスにある「洗心池」で、学生らが、外来魚ブルーギル約1400匹をつかまえた。かつては多くのコイやフナが泳いだ池の主役が代わり、現在は9割以上を占めるという。同学園大バイオ環境学部の大西信弘准教授(40)(生態学)は「池は、多くの種類の魚がいる曽我谷川につながっており、生態系を乱す供給源を断ちたい」と話す。作業は今月末まで続けるという。
 ブルーギルは北米原産で、現在は日本各地の川などに生息。体長10〜20センチで、昆虫や他の魚の卵や稚魚などを食べる。
 同学園大が今月上旬、池の生物生息状況を調査したところ、ブルーギルが推定約5000匹にのぼることが判明。コイやフナなどはそれぞれが数匹〜数十匹生息する程度に減っていた。
 大西准教授は「ブルーギル自身も増えすぎて食べ物がなく、やせた個体が目立った。その繁殖が、生態系に与えるダメージの大きさがわかった」という。
 同学園大は調査後間もなく、多すぎるブルーギルの捕獲作業を開始。約2000平方メートル、深さ約1・5メートルの池の水位を下げ、バイオ環境学部の学生ら約10人がこれまでに約2週間、泥だらけで作業している。
 投網での捕獲作業をした同学部2年今井千博さん(19)は「予想以上に多くて驚きました」と話していた。

■特産セタシジミの漁獲回復祈る 大津で祭り 琵琶湖に親貝放流 07/04/23 京都新聞電子版
 琵琶湖や瀬田川特産のセタシジミ復活を願う「セタシジミ祭」が23日、大津市沖の琵琶湖上であった。漁業関係者や市民が船から親貝を放流し、減少傾向が続く漁獲の回復を祈った。
 湖南、瀬田町、勢多川の3漁協でつくる同祭実行委が、「シジミ」の語呂に合わせて毎年4月23日ごろに開いており、今年で22回目。
 この日は市民や漁業関係者ら約170人が観光船に乗り込んで大津港を出発した。近江大橋北側の琵琶湖で、別の船に乗った漁師たちが長い竹ざおを使ってシジミをすくい取る様子を見学した。その後、セタシジミの繁殖を願いながら計100キロの親貝を放流した。
 瀬田町漁協の吉田守組合長(61)は「放流したセタシジミが昔のようにすみやすくなるよう、琵琶湖の水をきれいに保ってほしい」と話していた。

■湖国の名産復活を 琵琶湖でセタシジミ祭 07/04/24 Chunichi Web Press滋賀
 かつての漁のにぎわいを取り戻そうと、「第二十二回セタシジミ祭」が二十三日、大津市の琵琶湖で開かれ、シジミが放流された。
 四月二十三日を「シジミの日」と定め、地元漁協が毎年実施している。
 琵琶湖と瀬田川の固有種「セタシジミ」の漁獲量は一九五六年の六千トンをピークに、二〇〇〇年には八十トンにまで落ち込んだ。
 湖底の砂地が減り、水草が増えるなど環境の変化が原因と考えられている。近年は、稚貝の放流が奏功し、二百トン前後にまで回復した。
 祭では、観光船に乗り込んだ参加者約百七十人を前に、小型船四隻でシジミかきをデモンストレーション。漁師たちは長い柄のついた網を湖底に差し入れ、巧みに貝をすくい上げた。
 船上には、近く産卵期を迎えるセタシジミの親貝計百キロを用意。手渡された参加者は湖国の名産の復活を願って貝を湖に放り投げた。(妹尾聡太)

■産卵期にあわせ ブラックバス駆除 25日から苫田ダム 07/04/24 山陽新聞WEB NEWS
 国土交通省苫田ダム管理所は25日から、苫田ダム(岡山県鏡野町)の奥津湖で、生態環境に悪影響を及ぼすとされるブラックバスの駆除に乗り出す。産卵期にあわせて大量に捕獲する作戦で、繁殖抑制に効果が高いという。
 小魚などを食べるブラックバスは、在来種への被害が大きいため、05年6月施行の外来生物法で飼育、遺棄などを原則禁じる特定外来生物に指定されている。
 同管理所は、2005、06年度に奥津湖で行った調査で、流れが緩やかな水域にすむオオクチバスの成魚85匹、稚魚数1000匹を確認。生態系への被害は報告されていないが、予防的に駆除することにした。
 駆除は、プラスチック製の人工産卵床(60センチ四方)を使用。床板に砕石を敷き詰め、姿を隠すためのカバーも付けており、卵を産みやすいようにしている。水深0・5メートル―2メートルの湖底に設けて、同管理所職員が定期的に見回り、産まれた卵とともに、卵を守るため周囲にいるバスもあわせて捕獲する計画。

■体験ツアーで五湖満喫を 魚捕って調理、有機米作り 07/04/24 福井新聞ONLINE
 若狭町の地域資源を活用したビジネスの可能性を探る「若狭三方五湖やすらぎと共生プロジェクト」は、本年度から新たな企画を立ち上げ、観光客の誘致促進を目指している。五湖の魚介類などを捕獲して調理や食事も楽しむ「自捕自食(じほじしょく)ツアー」と、湖近くの田んぼで有機米作りを体験する「海湖(うみ)の里の田んぼツアー」の2つ。地域の個性と住民の専門性を生かした内容となっている。
 「自捕自食ツアー」(4―6月)は参加者自らが地元の漁師とともに漁船に乗り込んでウナギやシラウオ、ブラックバスなどの捕獲に挑戦するというユニークな企画。海、湖、里山の食材ごとに8種類のメニューを用意した。宿泊客が気軽に利用できるよう土曜日の午後と日曜日の午前中にツアーを組み込んだ。
 また、「海湖の里の田んぼツアー」(5―9月)は田んぼと湖の環境的なつながりに目を向けた。三方湖に近い同町向笠の田んぼで無農薬栽培に取り組んでいる農家が指導役となり、田植えや稲刈りの体験を提供する。梅もぎやホタル観賞といった内容も加えた。
 2つのツアーの発案者となったのは昨年11月に住民有志が設立し、新たなメンバーとして同プロジェクトに加わった民間団体「海湖(うみ)と里ネットワーク」。各団体の持ち味を生かした新規事業を展開し、地域の活性化につなげていきたいとしている。
 代表の田辺一彦さん(36)=若狭町海山=は「まずは企画を運営するノウハウの蓄積とスタッフの育成が課題。今後も地域の方々の協力を得ながら、若狭町らしい魅力的な事業を生み出していきたい」と話している。
 ツアーについての問い合わせ、申し込みは若狭三方五湖観光協会内の同プロジェクト実行委員会=電話0770(45)0113。

■西の湖に外来底生生物が定着 琵琶湖、廃棄の水草に付着? 07/04/25 京都新聞電子版
 琵琶湖内湖の西の湖(滋賀県安土町)に、外来の底生生物フロリダマミズヨコエビが定着していることが、県琵琶湖・環境科学研究センターの調査で24日までに分かった。琵琶湖周辺での確認は初めてで、生態系への影響が懸念される。外来の水草に付着して侵入した可能性が高く、専門家は観賞魚などの飼育が広がる中、外来の水草の廃棄に注意を呼び掛けている。
 フロリダマミズヨコエビは北米原産で、体長約5ミリ前後。繁殖力が強く、国内では1989年に千葉県で発見されて以降、関東地方を中心に湖岸や川底に生息域を広げ、近畿では2002年に京都府内の宇治川で見つかっている。
 同センターの西野麻知子・琵琶湖環境研究部門長が昨年5月、西の湖北部のヨシ群落6カ所から、ヨシの根に付着していた計34個体を採取した。このうち5個体が卵を持つ雌だった。
 琵琶湖固有種で、県の希少種に指定されているアナンデールヨコエビやナリタヨコエビ(ともに体長約1・5ミリ)と酷似しており、見分けが難しいという。両エビとの餌をめぐる競争も考えられ、生態系への影響が懸念される。
 西野部門長は「外来魚の意図的な放流とは違い、水草に付着した状態で廃棄されて広まった可能性が高い。琵琶湖への侵入は時間の問題。外来の水草を捨てる時には熱湯をかけるなど注意を払わないと、根絶は難しい」と指摘している。

■堅田内湖の水位、急激に低下 真珠養殖への影響懸念 水門誤作動か 07/04/26 京都新聞電子版
 淡水真珠の養殖が盛んな琵琶湖の堅田内湖(大津市)で25日早朝、前日より水位が約70センチ下がっているのを地元住民が見つけた。市によると、自動開閉式の水門の誤作動が原因とみられるという。水位低下で真珠の母貝が水面上に露出し、養殖業者は真珠の品質に影響が出るのではと懸念している。
 市河川課によると、25日午前6時半ごろ、住民が水位低下に気づき、市に連絡した。まもなく堅田漁協関係者も異変に気づき、本堅田2丁目の水門を手動で元の高さに戻したという。
 この水門の開閉はこれまで市が同漁協に委託していたが、先月末から水位センサーで自動開閉するように改良したばかりだった。住民の話では、昨晩まで異常はなかったといい、同課などは何らかの原因で水門が誤作動したとみて原因を調べている。
 堅田内湖は、淡水真珠の一大養殖場となっており、水位が低下した内湖では、水中につり下げられていた母貝のイケチョウガイが数多く姿を現していた。
 内湖で約1万個の母貝を養殖している田村太喜夫さん(67)=本堅田4丁目=は「こんなことは今まで一度もなかった。貝や真珠にどんな影響が出るのか心配だ」と不安げに話していた。
 市によると、琵琶湖から水をくみ上げる緊急措置で水位の回復に努めているが、元に戻るには丸2日ほどかかる見通しだという。

■奥津湖のブラックバス減らせ! ダム管理所 人工産卵床の設置開始 07/04/26 山陽新聞WEB NEWS
 国土交通省苫田ダム管理所(鏡野町久田下原)は25日、奥津湖(ダム湖)で外来魚のブラックバスを駆除する「人工産卵床」の設置を始めた。産卵期に合わせて卵と成魚を大量捕獲する“一石二鳥”の作戦。県内初の試みで、繁殖抑制効果も検証するという。
 ブラックバスは、在来魚のアユやフナの子を食べるなど、生態系への悪影響が指摘され、外来生物法で飼育・遺棄などを原則禁じる特定外来生物に指定されている。
 同管理所が2006年に奥津湖(2・2平方キロ)の13カ所で行った潜水調査で、約20センチの成魚41匹、稚魚数1000匹を捕獲したほか、3カ所の産卵場所では1カ所当たり約1000個が産み付けられていたことが分かった。繁殖原因は明らかではないが、上流の恩原湖から流入したか、何者かが放流した可能性もある。
 人工産卵床は60センチ四方のプラスチック製。深さ5センチのトレーに砕いた石7・5キロを敷き、ブラックバスが身を隠すためのカバーを付けて産卵しやすくした。26日までに、幼魚や卵が見つかった4カ所の湖底(深さ0・5―2メートル)に計20基を沈める。

■生物多様性戦略見直しへ 5年ぶり、温暖化など議論 07/04/26 Chunichi Web Press
 環境省は26日、自然保護行政の方向性を示した生物多様性国家戦略の見直し作業を始めた。地球温暖化への対応策などが議論の対象となる見通しで、多様性が失われる速度を2010年までに目立って小さくするという生物多様性条約の目標達成を目指す。見直しは02年以来、5年ぶり。
 同日開かれた中央環境審議会の会合では、議論を集中的に行う小委員会を設置し、10月をめどに最終案をまとめることを決めた。
 現行の戦略では、生物の多様性を脅かす危機として(1)開発、乱獲による生態系の破壊(2)身近な自然の荒れたままの放置(3)国外などから持ち込まれる移入種−の3つを定め、外来種被害防止法を制定するなどの対策強化を進めてきた。

■やっと5月上旬 スギ・ヒノキ花粉飛散終息予想 環境省 07/04/26 asahi.com
 環境省は26日、今春のスギ、ヒノキ花粉が飛ぶ時期の終息予測を発表した。スギ花粉の飛散は一部地域ではすでに終わっているが東北など遅い地域でも今月末まで、ヒノキ花粉は関東以西で今月末、東北で5月上旬に終わる見込み。
 今春は記録的な暖冬の影響で、平年よりおおむね10日ほど終息が早まった。飛散量は、平年と比べて関東と東海が半分、四国と九州で7割、東北、近畿、中国では同じ程度だった。症状が続く場合、イネ科など他の花粉症にかかっている可能性があるという。
(共同)

■湖畔の観覧車、来春にも復活 大津 07/04/27 京都新聞電子版
 琵琶湖岸のレジャー施設「びわ湖タワー」跡(滋賀県大津市今堅田3丁目)に残されたままだった大観覧車が早ければ来年春にも、運転を再開する。かつて「世界一の観覧車」として親しまれてきたが、経営不振で施設が閉鎖され、復活を求める声が強かった。
 関係者によると、跡地を所有する大阪市の不動産会社が滋賀県外のレジャー関連企業2社と、観覧車の運転を前提に土地の賃貸などで協議を進めている。両社は観覧車の周囲に遊園地やゲームセンターの建設を計画し、価格面などで最終合意した後、さびの目立つ観覧車を改修する予定だという。
 大観覧車「イーゴス108」は1992年に完成した。高さは108メートルあり、当時「世界最大」をうたい、最盛期には、1日1万3000人が琵琶湖の雄大な景色を楽しんだ。
 しかし来場者の減少などで、2001年8月に施設は閉鎖した。跡地に大型スーパーなどが出店したが、観覧車は取り壊しに費用がかかることなどから、取り壊されずに放置されていた。

■持続可能な湖国へ環境目標 琵琶湖環境研、2030年向け140項目 07/04/27 京都新聞電子版
 2030年の滋賀県は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量が半減し、琵琶湖の水質が昭和40年代レベルに回復する。そんな持続可能な社会に向けた環境目標とシナリオを、県琵琶湖・環境科学研究センター(大津市)がまとめた。目標を達成するため、住宅の太陽光発電の普及率向上など、事業者、生活者、自治体が取り組むべき約140項目を掲げている。
 2030年の滋賀の姿として、CO2排出量の半減▽琵琶湖に流入する汚濁負荷量の半減▽ヨシ群落面積の倍増▽美しい湖辺域の倍増▽廃棄物の最終処分量の75%削減−の5つの目標を掲げた。
 具体策として、事業者は、製造用燃料の約3割を天然ガスに転換し、自動車の貨物輸送の半分を鉄道利用で補うとした。合成ゴムや廃タイヤの再利用の向上も求めた。
 生活者には住宅の太陽光発電の普及率20%、雨水の再利用、低燃費自動車の普及などを提案している。自治体には、空き地の緑地転用やコンクリート湖岸の砂浜湖岸への転換などに努めるよう求めた。
 経済的な支援として、排気、排水に対する課徴金など環境負荷に応じた税制や、企業の環境投資への低利融資制度の導入の必要性も提案している。
 同研究センターが設置した「県持続可能社会研究会」(座長・島田幸司立命大教授)が、数値モデルを踏まえてまとめた。
 内藤正明センター長は「地球温暖化や資源の枯渇が進む中、社会の仕組みを変える覚悟が必要だ。みんなでビジョンを共有し、滋賀が先行して進めなければならない」と話している。

■遊漁税落ち込む 富士河口湖町2000万円割れ 07/04/26 Sankei Web山梨
 富士河口湖町が県内で初めて導入した法定外目的税「遊漁税」の平成18年度税収分が、釣り客の減少などから2000万円を割り込んだことが明らかになった。税収は年間約1600万円かかる維持管理費として釣り客に還元されている。だが、5月から漁具「ワーム」が河口湖で全面禁止となり、さらなる釣り客の減少が予想されるため、数年後に税収が維持管理費を下回る事態が懸念される。町は「税制の見直しが必要になる」と危機感を募らせる。
 河口湖ではバスフィッシングが人気の半面、釣り客が湖畔の道路や私有地に違法駐車し、屋外で小用するなどが問題化。町は平成13年7月に「遊漁税」を導入。釣り客1人200円を徴収し、湖畔にトイレや駐車場を整備し、清掃などを行っている。
 町税務課によると、税収は導入直後の14年度に4100万円あったが、バスフィッシング人気に陰りが見え始めた16年度に3300万円、17年度2000万円と落ち込んだ。18年度は当初2500万円を見込んでおり、減額補正を余儀なくされた。
 町管理課は「駐車場用地の地代分や湖畔の簡易トイレの設置、年間の維持管理費を含め最低1600万円がかかる」と説明。「税収が1600万円を下回った場合は一般会計からの持ち出しも考慮しなければならない。税収の蓄えがあるとはいえ、費用対効果から税制の改革、見直しを迫られる」と気をもむ。
 同町は町民税や法人税などが堅調に伸び、減少はたばこ税と遊漁税だけ。釣り客の減少傾向に歯止めをかけるには漁協の企業努力も求められるが、河口湖漁協が湖の環境保全策として5月からバス漁具の一種「ワーム」を全面禁止にする。これで釣り客がさらに減少すると予想され、現状では税収回復策が見当たらない。

■刺し網でバス退治 産卵期控え700キロ 登米・長沼 07/04/26 河北新報社Kolnet宮城
 在来種の魚を食い荒らす外来魚ブラックバスの産卵期を前に、宮城県登米市迫町の長沼で、地元の長沼漁協(阿部正一組合長)が刺し網を使った駆除作業を行った。
 作業は3月下旬から4月23日まで実施。沼西部の浅瀬18カ所に仕掛けた網で産卵にやってくるバスを捕まえた。駆除量は約700キロとなった。
 県内では2004年5月からバス捕獲後の再放流が禁止されているが、口付近に釣り糸を結ばれたバスも見つかった。
 阿部組合長は「再放流が後を絶たず大変迷惑。白身でうまい魚なので、釣ったら持ち帰って食べてほしい」と話す。
 同漁協による取り組みは、ヌマエビやワカサギの不漁が深刻化した7年ほど前に始まった。刺し網によるバス駆除は全国的にも珍しく「長沼方式」と呼ばれている。

■諏訪湖漁協のワカサギ採卵不振 05年に続き出荷断念 07/04/27 Chunichi Web Press長野
 諏訪湖漁協のワカサギ採卵事業が今季、不振のまま終わりそうだ。二十七日までの採卵量は約十一億粒にとどまり、例年の四十億粒の三分の一以下。同様に実績が上がらなかった二〇〇五年に続き、各地への出荷もできなかった。
 採卵事業は、諏訪湖の流入河川を遡上(そじょう)するワカサギを仕掛けで捕らえ、卵を採取する。今季も二月上旬から始まったが、最盛期の春先になっても遡上が進まず、四月上旬の採卵量は四億粒にすぎなかった。
 例年、二十億粒は諏訪湖に放流、残りは全国の湖沼に出荷しているが、注文に応える見通しが立たず、出荷を断念。採卵はその後やや持ち直したものの大きくは伸びず、すでに遡上が終わる時期に入った。同漁協は「あとわずかな日数続けても、十二億粒まで増えるかどうか…」という。
 ワカサギ採卵事業は〇四年に約二十七億粒、〇五年は約十一億粒と激減。資源保護を目的にした〇六年一−四月の全面禁漁につながった。昨年は四十億粒に回復。今年も期間を短縮して全面禁漁していた。
 諏訪湖漁協は「禁漁したからこれだけ採卵できたとも言える。遡上が進まなかった原因は水温などが考えられるが、特定は難しい」とし、あらためて対策を検討するとしている。(福沢幸光)

■琵琶湖に「浮島」出現 07/04/28 京都新聞電子版
【オープンカフェや催し】
【琵琶湖汽船きょうまで】
 大津港沖の琵琶湖に27日、浮島「びわこワクワク島」が出現した。観光船ミシガンなどを運航する琵琶湖汽船が開業120周年を記念して催した2日間限りのイベント。この日は2組の湖上結婚式があった。
 ワクワク島は、大津市のなぎさ公園の沖約1キロに浮かび、縦40メートル、横20メートル。花火の打ち上げなどに使う鉄製の台船4隻をつなげた。オープンカフェのほか、停泊している観光船ビアンカの船内ではルーレットやヨーヨー釣りなどで遊べる。
 初日は、応募22組から抽選で選ばれた2組の人前結婚式があった。午後3時から挙式した大津市の渡辺洋さん(31)と早苗さん(39)は、琵琶湖汽船の中井保社長を立会人に、家族ら約20人に見守られて結婚誓約書に署名し、指輪を交換した。早苗さんは「デートでミシガンに乗り、琵琶湖の美しさに感動しました。ここで結婚式ができて最高です」。
 28日は午前10時から午後10時まで入島できる。島発着で約1時間、南湖を巡るワクワク島クルーズ(計5便、大人2千円、小人1千円)か、午後7時発のミシガンショウボート(大人2500円、小人1250円)の乗船券が必要。島までは大津港から30分に1便、大津プリンスホテル港から1時間に1便、連絡船が出る。問い合わせは琵琶湖汽船(077・522・4115)へ。

■事件・事故:貝採り中の女性水死 07/04/28 Mainichi Interactive和歌山
 27日午後1時半ごろ、新宮市三輪崎の海岸で、貝採りをしていた近くの漁業、宮戸那智代さん(68)が海面に浮いているのを一緒に貝採りをしていた女性(70)が見つけた。駆けつけた医師が死亡を確認。水死とみられる。新宮署の調べでは、宮戸さんは午後0時半ごろから、ウエットスーツを着用し三輪崎漁協の仲間ら約10人とサザエやトコブシなどを採っていた。現場は波はなく海上は穏やかだったという。

■ソーラーカー体験、環境学ぶ 大津・明日都浜大津で「エコ祭り」 07/04/29 京都新聞電子版
 大津市の市民グループ「おおつ環境フォーラム」が主催、体験イベントや講演を通して環境問題について学ぶ「おおつエコ祭り」が29日、大津市浜大津4丁目の明日都浜大津で開かれた。
 会場には、おもちゃのソーラーカーや手回し式発電機が体験できるコーナーが設けられ、訪れた多くの親子連れや子どもらが、何度も試して遊んだり、挑戦したりしていた。
 普通は捨てている茶殻を入れたホットケーキを食べたり、琵琶湖でブルーギルを釣るイベントも行われ、環境問題に取り組んでいる市民グループ「CASA」の早川光俊専務理事の地球温暖化をテーマにした講演もあった。
 大津市内の川で取れたサワガニやタニシなどの展示を見ていた晴嵐小3年の佐田☆太朗君(8つ)=同市北大路=は「こんなにいろいろな生き物が近くにいるなんて」と驚いた様子で話していた。
 【注】☆は凛の「示」のところが「禾」です。

■猫SOS!! 顔に釣り針 守山 琵琶湖岸に放置?引っ掛ける 07/04/29 京都新聞電子版
 顔に釣り針が刺さった野良猫が、滋賀県守山市今浜町の琵琶湖岸で28日までに見つかった。針が刺さった部分ははれ上がっており、発見した主婦は「針だけでも取ってあげられないか」と助けを求めている。
 27日午前に、近くの主婦田中千代子さん(53)が見つけた。顔の右側の下ほほに数センチの釣り針が刺さっており、40センチほどの釣り糸もついている。傷の影響か左ほほに比べてはれ上がっている。周囲は釣り人が多く、捨てられた針が引っ掛かったとみられる。
 田中さんが何度か保護を試みたが、警戒心を強めたのか逃げられた。消防などに問い合わせたが、保護する機関は見つかっていないという。田中さんは「野良猫だから、と見捨てられない。何とか助けてあげられないか」と話している。

■歩道暴走6人はね、1人死亡…免許取りたて18歳逮捕 07/04/29 Yomiuri On Line関西発
 29日午後3時30分ごろ、京都市下京区中堂寺前田町の国道9号(五条通)で、同市右京区、会社員の少年(18)運転の軽ワゴン車が、道路左側に停車中の乗用車に衝突して歩道に乗り上げ、約25メートル暴走、自転車に乗っていた下京区中堂寺壬生川町、府立北嵯峨高1年坂本征彦さん(15)ら6人を次々にはねた。坂本さんは頭を強く打って約5時間後に死亡、観光に来ていた愛知県豊明市新田町、会社員渡辺香里さん(43)が腰の骨を折る重傷、4人が軽傷を負った。堀川署は少年を業務上過失致傷の現行犯で逮捕、容疑を同過失致死傷に切り替えて調べている。
 坂本さんは友人と同市内の楽器店に行った帰りだった。坂本さんの近所の男性(56)は「元気よくあいさつしてくれた。高校に入って、希望にあふれていたはずなのに」と声を落とした。
 調べでは、少年は同日朝から、友人2人と滋賀県・琵琶湖に釣りに行った帰りで、「眠たくなった」と供述しているという。3月に運転免許証を取ったばかりで、車は父親の所有だった。
 現場はJR京都駅の北西約1・2キロ。国道は片側4車線で見通しがよかった。

■バス釣り中事故?千葉の41歳会社員が死亡…秋田・八郎潟 07/04/30 Yomiuri On Line
 30日午前8時ごろ、秋田県三種町鹿渡(かど)の八郎潟東部承水路(幅約500メートル)で、千葉県松戸市上本郷、会社員吉永直哉さん(41)がうつぶせで浮いているのを、一緒に釣りに来ていた友人が見つけた。
 吉永さんは搬送先の病院で、まもなく死亡が確認された。秋田県警能代署は、岸で釣りをしていた吉永さんが誤って水路に転落したとみている。
 調べによると、吉永さんは友人5人と一緒に、4月28日からブラックバス釣りに来ていた。30日も午前6時ごろから釣りをしていたが、連絡が取れなくなり、友人が捜していた。
 八郎潟はバス釣りが盛んで、大型連休中、大勢の釣り客でにぎわっている。

■上北山の土砂崩れ:「上北山を応援」物産展にぎわう 国道169号再開PR 07/04/30 Mainichi Interactive奈良
 今年1月の土砂崩れ事故で全面通行止めになっていた上北山村の国道169号の片側通行再開をPRするキャンペーン「がんばろう上北」が29日、始まった。同村河合の道の駅・吉野路上北山駐車場で開かれた地元物産展では、午前10時のオープンから数十人の客が集い、人気のイノシシの焼き肉が昼前には売り切れるなどの繁盛ぶりだった。
 キャンペーンは村商工会などで作る実行委が主催した。物産展ではシカ肉のくん製、野菜、草もちなどを販売。道の駅近くの北山川では5月6日までアマゴ釣りも楽しめる。30日も地元物産展が午前10時〜午後4時に開かれ、「とち餅」つき大会もある。
 奈良市から来た女性(38)は「上北山を応援したいからこの物産展に来た」と話していた。村商工会の中谷守孝会長(50)は「通行再開の時は、車の音が懐かしく聞こえた。都会の人にもっと来てもらいたい」と話していた。【栗栖健】

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