■医療費助成10億円圧縮 県の財政構造改革 07/12/04 Chunichi Web
県は、今後見込まれる大幅な財源不足に対応するため、来年度から2010年度までの3カ年で取り組む「新たな財政構造改革プログラム」の内容を明らかにした。事業の廃止や縮小など見直しは約90項目に及ぶ。うち、補助金カットや事業廃止に伴い、市町に影響が及ぶ額は単年度で30億円以上。本年度の当初予算と比べ4割以上が削減されるため、市町の反発が予想される。
県によると、08年度に400億円、09年度に460億円、10年度には450億円の財源不足が見込まれる。このため、県は事業費の削減と県債の発行などで対応する。事業費は、来年度から3年計画で毎年度150億円前後を削減していく。
主な見直し事業として、挙げたのは87項目。県単独の道路や河川事業は維持管理だけに絞り、約28億円をカットする。
県立芸術劇場「びわ湖ホール」は、自主事業の公演数を大幅に減らし、運営費で約1億5000万円を圧縮。琵琶湖環境科学研究センターや琵琶湖博物館の研究費もそれぞれ約1億円削る。
県内各市町への助成や補助の割合を従来の2分の1から3分の1に抑え、交付団体数も削減。障害者や就学前の乳幼児、母子・父子家庭への福祉医療費助成は、対象を見直し、10億円以上を圧縮する。
教育関係では、当初09年度の予定だった安曇川、虎姫での中高一貫教育校の開校を11年度以降に延期する。
県は先月末、市町の担当者にプログラムの内容を説明。その際、「これで県民のくらしが守れるのか」「福祉医療費の見直しは、大きな影響を及ぼす」と、疑問の声が上がったという。
この日開かれた県議会の地方分権・財政対策特別委員会でも、「現場の状況を十分に加味したものか」「県の方針を押しつけると、県と市町の関係は大変なことになる」との厳しい指摘が相次いだ。(本安幸則)
■学校運営、福祉施策も切り詰め 滋賀県が主要事業見直し案 07/12/04 京都新聞電子版
滋賀県は4日、来年度から3年間かけて実施する新たな財政構造改革プログラムの策定に伴う主要事業の見直し案を明らかにした。2009年4月に予定されていた虎姫高(虎姫町)と安曇川高(高島市)の中高一貫校への移行を11年度以降に延期するほか、乳幼児などの通院・入院費の自己負担分の値上げなど、県民生活に身近な事業の見直しも多く含まれており、今後、論議を呼びそうだ。
県は08年度から10年度にかけ、毎年400億円を超える財源不足を見込んでいる。今回の見直しでは、道路や農村整備などの公共工事を厳選したり補助率を切り下げるほか、事業の大胆な統廃合などで徹底した経費節減に努める。
新たな県民負担も予定されている。例えば、福祉医療費助成では、乳幼児や母子(父子)家庭などへの助成が見直され、通院、入院の自己負担費は最大で現行の2−3倍に増加する。福祉医療費助成制度では、65−69歳の高齢者や独居女性らが対象外となる。
県営施設では、障害者福祉施設「しゃくなげ園」(日野町)を閉園し、「琵琶湖文化館」(大津市)と森林体験施設「荒神山少年自然の家」(彦根市)を休館する。
県は、初年度の08年度、400億円の財源不足を見込んでおり、事業見直しで140億円を確保する。それでも足りない260億円分は、県債発行で約90億円、基金取り崩しや人件費削減などで約170億円をまかなう、としている。
県財政課は「このままでは財政再建団体に転落する恐れもある。事業見直しは、県と市町の役割を考慮して実施する」としている。
■琵琶湖予算もピンチ 財政難で大幅削減へ 07/12/05 Chunichi Web
滋賀県のシンボル琵琶湖をめぐる県予算が、厳しい財政状況のあおりで大幅削減を迫られている。予算編成のトップに立つのは長年、研究者として琵琶湖の環境保護に取り組んできた嘉田由紀子知事。かつての“同志”たちは「何のために知事になったのか」と反発している。
滋賀県の予算は一般会計が5000億円規模。しかし県債残高は現在、約9000億円に達し2008年度は約400億円の歳入不足が予想されている。
歳出削減は待ったなし。現在作業中の08年度予算案とりまとめでは、琵琶湖についても「研究分野だけが聖域という訳にはいかない」(知事)状況だ。
具体的には、知事がかつて勤務していた県立琵琶湖博物館が、07年度約3億5500万円だった資料収集・展示事業費を2億円程度に圧縮。水質調査や基礎研究を担う琵琶湖環境科学研究センターは、約1億8300万円の試験研究費を半分以下にする方針だ。
アユへの食害が指摘されるカワウ駆除の補助や、魚の産卵場所にもなるヨシ群落の造成事業なども削減対象だ。(共同)
■県財政構造改革プログラム:市民生活に影響必至−−県議会で報告 07/12/05 毎日jp滋賀
◇福祉医療費引き上げや琵琶湖研究費カットなど−−市町への補助金4割削減
県は4日、08〜10年度の3年間の「財政構造改革プログラム」の概要を発表した。この日の県議会地方分権・財政対策特別委で県側が報告した。福祉医療費の本人負担額の引き上げや県立中高一貫校の開校延期などの市民生活に影響がある項目のほか、琵琶湖の試験研究費を5割カット。同プログラムに列挙した主な事業だけでも、市町への補助金を今年度の約4割、33億円以上を削減する方針で、市町の反発が予想される。【蒔田備憲】
県は今後3年間、毎年400億円以上の財源不足が出ると試算。収支改善のため毎年140〜160億の事業費を減らす必要があるとしてゼロベースで見直した。
このうち、乳幼児や障害者の医療費の本人負担額を助成する「福祉医療費」は今年度予算26億7300万円から16億3800万円に削減する。
具体的には、通院の本人負担額を月額500円から1500円に引き上げ▽助成対象の1人親家庭の所得制限を約339万から230万円に引き下げ▽低所得の65〜69歳の高齢者や1人暮らしの寡婦(かふ)を対象から外す−−など見直す。この改革については、先月末の説明会で、市長らから「住民に影響を及ぼすので再考を」「県が説明責任を果たすべき」と反発が出ていた。
◇琵琶湖文化館は休館
一方、県立琵琶湖環境科学研究センターの試験研究は「琵琶湖のモニタリングと解析に重点化する」として今年度の約1億8300万円から約8200万円に半減。県文化財保護連盟が嘉田由紀子知事に存続を要望した琵琶湖文化館(大津市打出浜)は休館とした。
◇中高一貫化は11年度以降に
また、09年度にも中高一貫化を目指していた安曇川高(高島市)と虎姫(虎姫町)高の改組は11年度以降に繰り延べる。
■赤野井湾に「湖面」戻る 琵琶湖、水草を除去 07/12/05 京都新聞電子版
滋賀県が守山市の琵琶湖・赤野井湾に大発生した水草のボタンウキクサの除去を始めて1週間たった5日、湾内を埋め尽くしていた水草の約8割が取り除かれ、緑に覆われていた湖面が元の姿に戻った。
外来種のボタンウキクサは9月に発生したとみられ、同湾内の岸に沿って約6000平方メートルに群生していた。生態系への影響を懸念した県が先月29日に初めて水草刈り取り船による除去に乗り出し、これまでに計109・2トンを回収した。
残る水草も7日ごろまでに除去する予定で、県自然環境保全課は「刈り取り船による除去が有効なことが分かった。越冬する個体が出る可能性もあり、今後も注意深く見守る必要がある」としている。
■コイ・フナ類の産卵数激減 琵琶湖河川事務所が報告 07/12/05 京都新聞電子版
琵琶湖の環境に配慮した水位操作を試行している国土交通省琵琶湖河川事務所は5日、本年度の取り組み状況を専門家に説明する「水陸移行帯ワーキンググループ会議」を京都市内で開いた。琵琶湖での本年度のコイ・フナ類の産卵数が、2004年度以降で最も少なくなったことなどを報告した。
同事務所は、琵琶湖の水位操作が魚類の産卵に与える影響を調べるため、高島市針江地区、湖北町延勝寺地区などで産卵調査を続けている。04年度は針江地区で計958万粒、延勝寺地区で559万粒を確認した。だが以降は毎年減り続け、本年度は針江地区で36万粒と3年前の3・7%、延勝寺地区で49万粒と同8・7%にまで激減した。
専門家は「減少の理由をどう分析しているのか。漁獲量との関係は」などと質問。同事務所は、漁獲量に大きな変化がないことなどから原因は不明とした。
来年度の水位操作は本年度と同様、10万粒以上の「大産卵」があった場合に水位を5日間高めに維持してふ化を助ける方針を示した。
■瀬田川の川面 まるで『紅葉』 07/12/06 asahi.com滋賀
【正体は外来の水生シダ/生態系に悪影響懸念】
大津市の瀬田川などで、浮草が川面を真っ赤に染めている。「まるで川が紅葉したようだ」との声もあがるが、正体は「アゾラ」と呼ばれる外来の水生シダだ。10月ごろから瀬田唐橋付近などで目立つようになり、増えすぎれば生態系や水質に悪影響を及ぼすおそれがあることから、専門家らが注視している。
兵庫県立人と自然の博物館の鈴木武学芸員(植物分類学)によると、アカウキクサ科のアゾラには、外来生物法で栽培が禁止された南北アメリカ原産の「アゾラ・クリスタータ」と、これを肥料などとして農業用に改良した「雑種アゾラ」がある。瀬田川や琵琶湖で繁殖しているのは雑種アゾラ。アゾラ・クリスタータが特定外来種に指定され、雑種アゾラの農業利用は減っているが、かつて水田などから流出したものが繁殖しているとみられている。
琵琶湖では約10年前から確認され、ここ数年で全域でみられるようになった。同じアカウキクサ科でも、在来種のオオアカウキクサは絶滅危惧(きぐ)種だが、琵琶湖では9割以上が外来種だという。
鈴木学芸員は「繁殖したアゾラは水面をびっしりと覆う。小さい水域で増えると、魚が酸欠で死んでしまう」と心配している。(大高敦)
■ブラックバスなど外来魚の再放流、原則禁止へ 07/12/06 新毎web
県内水面漁場管理委員会(会長・沖野外輝夫信大名誉教授、13人)は5日、長野市内で開き、漁業法に基づき、ブラックバスなど外来魚の再放流(リリース)を禁止する指示を出す方針を固めた。年明けに開く次回会合で、実施時期を含めて正式決定する。ただ、「バス釣り」が観光資源となっている地域に配慮し、漁協などが申請した場合に水域を限定して条件付きで再放流を認める道も残す方針だ。
再放流禁止は、生態系を破壊するとされる外来魚を減らす目的。生きたまま持ち出すことは禁止されているため、釣った場所で処理することが義務付けられる。これに対し、バス釣りでは釣った魚を逃がす「キャッチ・アンド・リリース」が一般的。再放流禁止には愛好者の間に強い反発がある。
同管理委は2003年4月に禁止指示を出すことを決めたが、当時の田中康夫知事が「有効性が明確でない」と指摘。知事には漁業法に基づいて指示を取り消す権限があることから、管理委は指示の実施を延期していた。
この日は外来魚問題を集中審議してきた小委員会が、県内の全水域を対象に禁止する案と一部水域を除いて禁止する案を示し、委員に意見を求めた。
研究者らは「一部(水域での再放流)を認めると拡散する」と全面禁止を主張。釣り人や漁協代表者の一部は「釣り人が減り、地域の観光産業への影響が大きい」などとして一部除外する案を支持した。
沖野会長はこれを踏まえ、ブラックバスとブルーギルについて県内の全水域で禁止指示を出した上で、漁協などの解除申請に基づいて同管理委が「当該水域からの拡散・逸出が防止されている」と認めた場合に解除できるとの案を示し、了承された。
■県内全水域で外来魚のリリース禁止 内水面漁場管理委員会 07/12/06 Yah 長野県の内水面漁場管理委員会が5日、長野市の県職員センターで開催され、ブラックバスなど外来魚のリリース(再放流)について、漁業権者から解除申請があった水域を除き、県内全水域を対象に禁止指示を出す方針を決めた。
リリース禁止を解除するには外来魚の拡散防止策などを条件に付すが、「防止策が妥当かどうかの判断基準」「実際に禁止する時期」「県が実施する支援策」などについては、来年1月に予定されている次回委員会で話し合う。
また委員会では、絶滅が危惧(きぐ)されるヤマトイワナ保護のため、遠山漁業協同組合(飯田市)が提出した遠山川の支流1本を禁漁とする遊漁規則の変更について、これを認めた。(産経新聞)
■ブラックバス・ブルーギル再放流禁止へ 県漁管委が指示方針 07/12/06 長野日報ネット版
県内水面漁場管理委員会(沖野外輝夫会長、13人)は5日、長野市内で開き、外来魚のブラックバスやブルーギルについて、県内の河川・湖沼で釣った後の再放流(リリース)禁止を指示する方針を決めた。ただ、バス釣りを観光振興に利用する湖もあり、漁業権者から指示の解除申請があった水域は、一定の条件を満たせば解除できるといった規定を盛り込む考えだ。年度内に開く次回委員会で開始時期を含めた指示内容を決定する。
再放流の禁止をめぐっては、委員会が2003年4月に1度は決めたものの、「有効性が明確ではない」とする前知事の指摘を受けて実施を見送った経緯がある。約5年を経てようやく指示が出される見通しとなった。
魚食性が強く、生態系を乱す恐れがあるオオクチバス、コクチバス、ブルーギルが対象。指示に従わない釣り人には知事が改善命令を出し、それでも従わない場合は「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられる。個体を減らすことなどが狙いで、他の12県が委員会指示や条例で既に定めている。
この日は、再放流禁止の扱いを協議するため委員会が6月に設置した小委員会が、方向性として▽県内全水域での再放流禁止▽一部水域を除いた再放流禁止─の2案をまとめたと報告し、全委員に見解を聞いた。
前諏訪湖漁協組合長の中沢章委員は「一部を除いた場合はそこから拡散の恐れがある。全域禁止とし、1匹でも少なくしていくべき」と主張。犀川漁協組合長の三枝守委員も、オオクチバスなどが特定外来生物に指定されたことに触れ、「完全駆除は難しいが、減らしていくことが委員会の使命だ」と全水域での実施を訴えた。
一方、野尻湖漁協組合長の松木照武委員は「ブラックバスは貴重な観光資源。釣り人が集まって町(信濃町)も喜んでいる」と述べ、益魚として利用する水域は除外することを要望。「バス釣りの基本は『キャッチ・アンド・リリース(釣って放す)』。釣って殺すとなれば客は減る」との意見もあった。
最終的には、全水域を対象に指示を出すとした上で、漁業権者から指示の解除申請があり、外来魚の拡散・流出防止対策が講じられた水域は除外できると規定した案を承認した。次回にその判断基準などを決め、委員会指示に付則する考えだ。
諏訪湖漁協・岩本博幸専務理事の話 諏訪湖でもエビやフナなどに影響が出ている。諏訪湖はリール釣りが禁止されているが、県内湖沼・河川の外来魚を減らすために再放流禁止は歓迎だ。
日本釣振興会外来魚委員会オブザーバー真嶋茂さんの話 魚が生態系を変えるのではなく、人間が環境を変えたために起こった問題だ。被害者はブラックバスとブルーギル。冷静な話し合いのもと問題解決の糸口が見つかることを期待する。
■捨て魚に多摩川泣く 清流戻り、「ポイ」続々 07/12/06 asahi.com
アマゾンや北米にしか生息しないはずの珍魚・怪魚が、多摩川で相次いで見つかっている。観賞用の魚をもてあまして捨てたり、釣りを楽しむために魚を放したりする人が後を絶たないためだ。せっかく浄化が進み、アユが戻ってきた川の生態系が、このままでは大きく乱れかねない。「多摩川を『外来魚のデパート』にしてはならない」。川で漁に携わる人たちは危機感を強めている。
7月、東京都大田区の多摩川下流でスズキを釣っていた釣り人の竿(さお)に、幅広の刀のような銀色の魚がかかった。体長60センチもある南米産の熱帯魚シルバーアロワナだった。
数日後、約2キロ離れた場所で、今度はアヒルのような口をした虎模様の魚が釣れた。同じく南米産のタイガーショベルノーズキャットだ。
アマゾンの魚ばかりではない。北米産の肉食魚ロングノーズガーや、北海道にすみ、国際自然保護連合(IUCN)から「絶滅危惧(きぐ)1A類」に指定されて「幻の魚」と言われるイトウも見つかった。イトウは90センチもある大物だった。
川崎河川漁協の調べでは、近年見つかった多摩川の外来魚は、名前のわかったものだけで約100種類。その多くが観賞用として世界中から輸入された魚だった。90年代に水槽で魚や水草を育てるアクアリウムのブームの到来とともに、「捨て魚」の数が増えたという。
かつての多摩川は「魚がすめない」と言われたが、下水道が整備され、流域住民が洗剤を選ぶなどの努力を重ねた結果、年間にアユ200万匹が遡上(そじょう)してくるまでに清流が回復した。そのことも放流を助長しているらしい。
「大きくなって飼えなくなったが、かわいそうで殺せず、川に放流するのだろう。魚がすめる川になった途端、いろんな魚が捨てられ出した」と、同漁協の山崎充哲(みつあき)さん(48)は嘆く。
山崎さんは漁協に提案し、05年5月に「お魚ポスト」を設置した。川崎市多摩区の河川敷公園にある漁協のコンクリート製の水槽に5メートル四方のいけすを設け、観賞魚を川に捨てようと近くまで来た人に、代わりに入れてもらうというものだ。
ポストには設置直後から次々と熱帯魚が入れられた。グッピー、エンゼルフィッシュ、コリドラス。昨夏にはピラニア3匹が入れられた。「多摩川に放流されていたらと思うとぞっとする」と山崎さん。ポストに入っていた熱帯魚の多くは、近所の小中学校などに飼育してもらっているという。
多摩川では04年ごろから、釣り用に持ち込まれたとされる北米産のコクチバスも見つかっている。在来魚を食い荒らして問題になっているブラックバスの仲間で、生態系や漁業への影響が最も心配される魚だ。今夏にはそのコクチバスの稚魚と親魚が見つかり、繁殖が確認された。親の腹からは食べられたアユも見つかった。
「いろいろな外来魚が簡単に捨てられるうちに、第二、第三のブラックバスやコクチバスになる恐れもある。多摩川にも独自の生態系があり、アユやシマドジョウ、カマツカなどの魚たちが懸命に生きていることを知ってほしい」と山崎さんは訴えている。
■西の湖・長命寺川 ラムサール条約申請へ 07/12/07 京都新聞電子版
滋賀県近江八幡市と安土町は、琵琶湖の内湖、西の湖とその下流、長命寺川のラムサール条約登録を目指す方針を6日までに固めた。来年2月に県に地元合意を伝え、県と環境省が協議、早ければ来秋にも条約締約国会議に申請、認定される見通し。
西の湖は約220ヘクタールあり、約20ある琵琶湖の内湖で最も大きい。近江八幡市によると、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されているサンカノゴイをはじめ、37科124種の鳥類の生息が確認されている。長命寺川は西の湖と琵琶湖を結び、延長3320メートル。
琵琶湖は1993年に同条約に登録されたが、内湖を含んでおらず、今回は琵琶湖の登録対象地拡大の形で申請することにしている。
両市町は条約登録について、すでに周辺住民への説明会を始めた。環境省は県との協議を経て、来年10月に韓国・昌原市で開かれる第10回条約締約国会議での登録認定に向け申請する予定。
西の湖の大半を占める安土町の津村孝司町長は「登録されれば、県外にまちの魅力を発信する際に箔(はく)が付く」と期待している。
湿地の生態系を守るラムサール条約には約150カ国が参加、約1500カ所が登録されている。
■琵琶湖・北湖底は低酸素化? 魚の大量死を確認 07/12/07 京都新聞電子版
低酸素化が懸念されている琵琶湖・北湖の湖底で、イサザなどの魚類やスジエビの死がいが広範囲にわたって見つかっていたことが7日、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの熊谷道夫研究情報統括員の調査で分かった。昨冬に湖底の酸素循環が不十分だったことが影響し、大量死した可能性があるという。低酸素化が要因とみられる生態系への広範な被害の確認は初めて。
同日、大津市で開催された「環境・エネルギー・材料に関する国際シンポジウム」で発表した。
熊谷統括員によると、調査は3日から、自律型潜水ロボット「淡探(たんたん)」で北湖の湖底を撮影する方法で行った。酸素濃度の低い水深86メートル以下の水域を南北に約6キロ航行させ、データを集めた。
その結果、死がいとみられる個体数を静止画像で確認したところ、1平方メートル当たり魚類が0・87匹、スジエビ0・99匹が見つかった。同時に撮影した動画でも、計測値はほぼ一致した。
死がいは、生物が生息できる限界とされる1リットル当たり2ミリグラムの酸素濃度を下回る水域で、広範囲に散乱していた。病原菌の可能性は低いとみられることから、熊谷統括員は、低酸素が原因との見方を強めている。
熊谷統括員は「これほどの死がいは異常に多く、湖底環境の急激な悪化を示している。詳細に原因を調べ、生物への影響を注視しなくてはならない」と話している。
今年は暖冬の影響で、通常1月ごろから3月にかけ琵琶湖が湖底に酸素を供給する「全循環」が2カ月遅れたため、例年最も濃度が低くなる秋に酸素不足になるのではないか、と研究者らが懸念していた。10月22日には観測史上、最低水準となる酸素濃度0・3ミリグラムを記録した。
■琵琶湖で異常繁茂の水草 県が刈り取り事業4割削減へ 07/12/07 京都新聞電子版
琵琶湖の南湖を中心に異常繁茂が問題となっている水草について、滋賀県は来年度から、漁協などの要請で行う刈り取りなどの事業費を、本年度比で約4割削減する。刈り取り量も大幅減となることは避けられず、県は「財政難の中、支障の大きいところを重点的に刈ることで理解を得たい」としている。
来年度から3カ年の財政構造改革プログラム策定に伴う事業見直しで、県は刈り取りやイベント運営に関する淡海環境保全財団への委託料を、本年度(7700万円)に対し2800万円削減することを盛り込んだ。
水草の異常繁茂は、船舶の運航の支障になっているほか、生態系への影響などが懸念される湖底の低酸素化の一因とも指摘されている。県は漁協や市町から要請を受け、所有する2隻の刈り取り船を運航し、年平均で3000トン前後を刈っている。
県漁連の永松正昭専務理事は「水草は南湖全域に広がる。もともと漁場が少ない南湖で、漁船の航路確保がさらに困難になれば、漁業者には深刻だ」と懸念している。
事業費削減に合わせ、嘉田由紀子知事が発案した水草刈り体験イベント「びわ湖・藻刈りまっか大会」も中止する方針。同大会は、竹ざおを使うなど昭和30年代ごろまで行われていた作業風景を体験するイベントで、これまで2回開かれた。県自然環境保全課は「刈り取りそのものを縮小するなかで、中止することにした」としている。
■琵琶湖湖底に多数の魚の死骸 深層部の酸欠影響か? 07/12/06 asahi.com
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)は7日、同県高島市沖の琵琶湖北湖の深層部(水深約90メートル)で、魚類やエビ類が大量に死んでいるとみられる画像を撮影した、と発表した。琵琶湖では昨冬の記録的な暖冬の影響で湖水の循環が滞り、今年10月の調査で深層部の酸素濃度が過去最低の水準を記録していた。石川俊之研究員は「今後、湖底の魚を採取し、低酸素の影響も視野に要因の特定を進めたい」と話している。
同センターによると、今月3〜6日、潜水ロボット「淡探(たんたん)」を使い、高島市沖の北湖第一湖盆の湖底(水深約60〜90メートル)を調査。約1900枚の静止画像に写っていた魚58匹のうち、体の一部が欠け、死んだと判断できるものや、仰向けや横向きになるなど異常な様子を示したものを42匹確認できたという。01年からの潜水調査で、こうした画像の撮影は初めて。
魚は湖底に生息するハゼ科のイサザ(琵琶湖固有種)とみられる。一般的に魚類が生息するには、水1リットル中に含まれる酸素量が3ミリグラム程度必要とされるが、撮影地点の酸素量は最低で0.6ミリグラムだった。
■酸欠湖底に魚の死がい 琵琶湖、酸素濃度10分の1 07/12/08 Chunichi Web
滋賀県の琵琶湖の湖底で、魚やエビ類が死ぬ異変が起きていることが、県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の調査で分かった。琵琶湖は昨シーズンの暖冬の影響で湖水が例年のように循環せず、湖底周辺の酸素濃度は過去最低レベルになっている。センターは今後、酸素濃度と異変との関連を調べる。
センターは3日から6日にかけて、琵琶湖の最深部にあたる同県高島市沖で、水深約90メートルの湖底付近を潜水ロボットカメラで記録。南北約10キロにわたり、約1900枚の静止画像を撮影した。
画像には、ハゼ科の琵琶湖固有種「イサザ」とみられる魚58匹が写っており、うち7割以上に頭がなかったり、あおむけになっていたりしていた。エビ類も同様だった。
併せて、湖底の溶存酸素濃度を計測すると、最も低い地点では1リットル中0・6ミリグラムを観測。水産資源のために必要とされる環境省の基準の10分の1程度だった。濃度が低くなるにつれ、異変が多く見られた。
調査は2001年度から毎年、生物分布と、酸素濃度を把握するために同じ場所で実施。過去の調査では今回のような異変は確認されていない。
琵琶湖は、冬に上層の水が冷やされて湖底に移動。1年かけて上下層の水が循環し、湖底に酸素が供給される。
だが、温暖化が進むと、循環が十分に起こらず、酸素不足に。酸素濃度が低いと、湖底に蓄積された有機物の分解が進まず、水質悪化につながるとされる。
■琵琶湖底で魚大量死 潜水ロボットが撮影 07/12/08 Chunichi Web
滋賀県高島市沖の琵琶湖北部の湖底で、多数の魚やエビが死んでいるのが、潜水ロボット「淡探」を使った同県琵琶湖環境科学研究センターの8日までの調査で分かった。2001年度から毎年実施しているが、死骸が見つかったのは初めて。
センターによると、今月3日−6日、水深約90メートル地点の写真約1900枚を撮影したところ、主に琵琶湖の固有種のイサザとみられる魚58匹のうち42匹が死んでおり、ほかにエビの死骸も写っていた。
水質センサーで酸素量を調べると、1リットル当たり最低0・6ミリグラムで、一般的に魚類が生息可能な量を下回っていたという。センターは今後、関連を調べる方針。
琵琶湖の低酸素状態は、昨年から今年にかけての暖冬で湖水の循環が悪くなったのが直接の原因と考えられ、今年10月の調査では、酸素量が0・3ミリグラムと過去に例のない低水準の地点もあった。(共同)
■無許可飼育:県内初の摘発 カミツキガメとワニガメ、男性書類送検 07/12/08 毎日jp山梨
国などの許可なくカミツキガメとワニガメを飼育していたとして、南アルプス署は7日、南アルプス市に住む男性会社員(27)を特定外来生物被害防止法違反(無許可飼育)と動物愛護法違反(同)の両容疑で甲府地検に書類送検した。無許可飼育の摘発は県内で初めて。会社員は「届け出が必要なことは知っていたが、面倒だった」などと話しているという。
調べでは、会社員は市内にある自宅の水槽で、法律で特定外来生物に指定されているカミツキガメ(体長約45センチ)を05年12月から、特定動物のワニガメ(体長約15センチ)を06年6月から1匹ずつ無許可で飼っていた疑い。
会社員は04年8月ごろにカミツキガメ、05年7月ごろにワニガメを県外の同一業者から、インターネットを通じてそれぞれ約9000円で購入。05〜06年の法改正などで、カミツキガメの飼育には環境相、ワニガメは県知事の許可が必要となったが、会社員は怠っていた。会社員は現在、許可を得たうえで飼っているという。【曹美河】
■秋田・八郎湖、5年以内に濁水防止 指定湖沼決定 07/12/08 河北新報社Kolnet
政府は7日の閣議で、秋田県の八郎湖を湖沼法に基づき、全国11番目の指定湖沼と決定した。11日告示する。県は閣議決定を受け、2012年度までの水質保全計画案を策定。大潟村全域を「流出水対策地区」に指定し、5年以内に濁水流出防止を100%実施する対策などを盛り込んだ。
指定湖沼になると、県は環境相の同意を得た水質保全計画に基づき、流出水対策地区の農家に対し、濁水流出防止や減農薬栽培などを求めることができ、国の補助事業にも選ばれやすくなる。
計画案によると、大潟村は水田への引水量を減らしたり、きれいな上水だけ流出させる「落水管理」に取り組み、12年度に実施面積7810ヘクタールを目指す。06年度は300ヘクタールの無代かき栽培も1000ヘクタールへ拡大させる。
田んぼを耕さない不耕起栽培は、06年度の40ヘクタールを10倍の400ヘクタールまで増やす。じかまき栽培も23ヘクタールから600ヘクタールへと広げて、大潟村の水稲作付面積に占める濁水流出防止面積の割合を、06年度の3.7%から100%に引き上げる。
大潟村を含む八郎湖流域の下水道などの普及率や接続率を向上させ、工場排水や生活排水による負荷も軽減。湖岸にヨシ原などの植生を回復させ、ブラックバスなど外来魚の捕獲量も増やす。
県はこうした対策を講じない場合、八郎湖の調整池や東部承水路で、COD(化学的酸素要求量)は1リットル当たり10グラムから11グラムへ悪化するが、対策を講じれば9.5グラムに改善するとみている。
計画案は来年1月7日まで、県のホームページ(HP)で公表し、県民から意見を募った後、3月には国の承認を得る。
■宮城県が海づくり大会辞退 財政難で 07/12/08 河北新報社Kolnet
宮城県は7日、水産資源維持などを国民に訴える「全国豊かな海づくり大会」の2009年度の開催要請を、財政難のため辞退したことを明らかにした。
県議会産業経済委員会で伊東則夫農林水産部長が説明した。委員からは開催を再検討するよう求める意見があった。
県によると、2002年以降、水産庁や全国漁業協同組合連合会(全漁連)から再三、開催を求められたが固辞してきた。10月には、村井嘉浩知事が農林水産省幹部に「財政難のため開催は困難」と説明した。
豊かな海づくり大会は1981年、大分県で始まった。毎年9―11月に開催され、ことしは滋賀県で行われた。大会には毎回、天皇、皇后両陛下が出席している。歓迎行事や稚魚放流、企画プロデュース委託、警備、交通といった大会経費は全額を開催県が負担。ここ数年は3億―7億円程度の費用がかかっている。
委員の1人は「行事を少なくして民間にも負担してもらえば、県負担は1億5000万円程度で開催できる。水産県をアピールするためにも開催してほしい」と語った。
■滋賀県内の中小GS厳しい冬 ガソリン150円台突入 07/12/09 京都新聞電子版
12月に入り、滋賀県内でガソリンスタンド(GS)が一斉に値上げに踏み切り、レギュラーガソリン価格が150円台に突入した。全国平均に比べると2円以上の安値だが、価格の高止まりは当面続きそうな見通しだ。原油高による相次ぐ食料品の値上げで家計はすでに冷え込んでおり、中小GSにとっても厳しい冬場となりそうだ。
石油情報センター(東京都)が発表した県内のガソリンの店頭平均価格(3日現在)は、1リットル当たりレギュラーで152・5円、ハイオクで163・4円。全国平均からそれぞれ2・4円低いものの、前週に比べて5円近く上昇した。元売り各社が1日から原油高騰で値上げしたのに合わせたためとみられる。
県内で直営GSと販売店で43店を抱える上原成商事(京都市中京区)の価格調査によると、レギュラーガソリンは、フルサービス型の153円に対して、割安のセルフ型でも151円と大台を超えたという。
地場大手の尾賀亀(近江八幡市)や伊藤佑(日野町)なども同様の価格傾向だ。GS激戦区で価格が比較的安いとされる甲賀市周辺の国道1号、長浜市−彦根市間の国道8号、大津市堅田の国道161号沿線などでも、150円台で販売しているとしている。
各社は割安となる前払い式のプリペイドカードの発行や洗車など石油以外の収入の獲得を強化しているが、関係者からは「家計は完全に冷え込んでおり、営業努力の限度を超えている」という声も出ている。
原油価格は調整局面で落ち着きを見せつつあるが、「ガソリン価格は12月下旬ごろに正月準備の需要に合わせてやや下がるものの、高水準が続くだろう」(上原成商事)としている。
■野鳥被害:マナー違反 電線の釣り糸に気づかず絡む−−山口市の椹野川近く 07/12/09 毎日jp山口
8日午前8時20分ごろ、山口市黒川の椹野川にかかる石津橋近くで、電線から垂れ下がった釣り糸の針に野鳥が引っかかり死んでいるのを日本野鳥の会県支部幹事、岩井清陸さん(68)=同市平井=が発見した。
岩井さんによると、野鳥は体長約30センチの成鳥のカイツブリ。飛んでいて、透明の釣り糸に気づかず針にかかったらしい。電線は川面から約30メートル上空を通り、糸は1、2メートル。針の部分はルアー仕掛けらしい。
県立きらら浜自然観察公園(山口市)の川元武園長によると、カイツブリは県の「レッドデータブックやまぐち」で準絶滅危惧種に指定。個体数が減り、生息条件が悪化しているという。
岩井さんは週明けに電力会社に処理を依頼するが「海でも川でも釣り糸による野鳥被害は後を絶たない。マナーを守ってほしい」と話している。【長谷川隆】
■西日本の秋、記録的少雨 ラニーニャが影響 気象庁 07/12/10 asahi.com
西日本周辺の少雨について、気象庁は10日、ラニーニャ現象と関連して発生したとの見方を示した。この秋の世界の天候の特徴をまとめた中で指摘した。
同庁によると、この秋(9〜11月)の降水量は、金沢市、大阪市、鹿児島県の種子島など9地点で観測史上最も少なかった。西日本(近畿〜九州)の地域平均では平年に比べ55%と少なく、統計が残る1946年以降で最も少なかった。
ラニーニャ現象で太平洋西部の対流活動が活発化したため、日本付近は高気圧に覆われ、高温少雨になったという。ラニーニャ現象は来春まで続く見込み。
■痛っ! くちばしに疑似餌 豊橋に飛来のオオハクチョウ 07/12/11 Chunichi Web
愛知県豊橋市石巻町の三ツ口池に飛来しているオオハクチョウのくちばしに疑似餌のようなものが引っかかっていることが分かった。オオハクチョウは北海道や東北地方で越冬することが多いが、今年は珍しく豊橋まで南下して思わぬ災難に遭った格好だ。
オオハクチョウは10日現在、11羽いる。うち2羽は親鳥らしい。この親鳥の1羽のくちばしの左端から緑色の物体が出ている。
口を開けることはでき、この物体が下のくちばしにからまっているようにも見える。
東三河野鳥同好会の皿井信会長(71)=豊橋市弥生町=は「釣り針が刺さっていれば人間ほどではないかもしれないが痛いし、えさも食べにくいはず。動物園の飼育係など、専門家が協力して取ってあげてほしい」と願う。
三ツ口池は豊川用水の調整池で7・2ヘクタールある。水資源機構豊川用水総合事業部(豊橋市)が管理しており、危険防止と水質保全のため魚釣りを禁止している。地元住民によると、同池には外来魚が生息しており、ルアー愛好者が多い。
■潜水ロボット「淡探」調査継続を 滋賀県に市民グループが要望 07/12/11 京都新聞電子版
琵琶湖を調査する自律型潜水ロボット「淡探(たんたん)」と淡探を運用する実験調査船「はっけん号」による調査が、財政難から中止も含めて検討されている問題で、調査の存続を求める市民グループ「淡探・はっけん号を守る会」(山内陽子代表)は10日、滋賀県の嘉田由紀子知事あてに、市町などとの共同利用の提案などを盛り込んだ要望書を3129人分の署名とともに提出した。
要望では、温暖化の進行による影響も懸念される湖底の状況を調査・発信し、改善を進めるため、県環境科学研究センター(大津市)で行っている淡探を使った調査研究の継続と拡充を求めている。その上で県が市町や企業、大学などに要請し、共同利用で存続を図ってほしいと訴えている。
山内さんは「調査を止めた時点で継続データは価値を失う。存続するよう検討してほしい」と話している。
淡探とはっけん号を使った調査について、県は「県財政構造改革プログラムの議論の中で、議会とともに方向性を検討していく」(環境政策課)としている。
■湖魚の環境問題提示 琵琶湖博物館でギャラリー展開幕 07/12/12 Chunichi Web滋賀
琵琶湖の魚が直面している問題を紹介するギャラリー展「漁業・環境ミュージアム『注文の多い湖魚の料理店』」が十一日、草津市下物町の県立琵琶湖博物館で始まった。来年二月十七日まで。入場無料。
湖魚のためにできることを考えてもらおうと、博物館と「全国豊かな海づくり大会滋賀県実行委員会」が主催した。
会場では、環境保全の大切さを体験できるコーナーを開設。琵琶湖の固有種や外来魚に見立てたボールを分類する「獲(と)った魚を木箱に分けて入れて」など三つの注文が来館者に提示される。
その後、琵琶湖で増えるカワウによる被害や、湖の水位が急に下がると魚の卵が干上がることなどをパネルで説明。琵琶湖が抱える現状を知ることで、注文の意味を知ることができる仕組みとなっている。
また、注文の多い湖魚の料理店開催に合わせ、現在の琵琶湖に生息する二十種類の魚約四百匹を水族企画展示室に展示。博物館は「今、湖魚のために自分ができることを考えるきっかけにしてもらえたら」としている。
水族企画展示室に入るには入園料が必要。大人六百円、高校・大学生四百円、小中学生二百五十円。月曜休館。祝日の月曜は開館し、翌日が休みとなる。十二月二十五日−来年一月二日も閉館。問い合わせは博物館=電077(568)4812=へ。(中村禎一郎)
■<クロツラヘラサギ>くちばしに釣り糸 沖縄・豊見城 07/12/09 毎日jp
沖縄県豊見城(とみぐすく)市与根(よね)の池で羽根を休めている渡り鳥、クロツラヘラサギのくちばしに釣り糸のような糸が巻き付いている。えさがとれず衰弱する恐れがあり、環境省那覇自然環境事務所が捕獲を検討している。
池にいる約20羽のうちの1羽。環境事務所に情報が寄せられ、7日に職員が確認した。くちばし中央部に糸が何重にも巻き付き、くちばしをほとんど開けられない状態。職員が毎日観察しているが、えさを取っているかどうかは確認できていない。
クロツラヘラサギは環境省のレッドリストで、近い将来絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧1A」に分類されている。【三森輝久】
■東岸より西岸が快適性欠ける 琵琶湖の水質 目、耳、鼻でチェック 07/12/12 京都新聞電子版
ボランティアで毎年、琵琶湖の水質調査に取り組んでいるプラント設計会社「システムエイト」(草津市)がこのほど、市民の目や耳、鼻で琵琶湖の快適性を採点した一斉調査の結果をまとめた。市民の感覚で判定すると、水草の有無などが快適性を左右し「快適性に欠けるのは、東岸より西岸」との結果が出た。
調査は、今年8月から9月にかけて実施。南湖を中心に、なぎさ公園(大津市)など西岸35地点、琵琶湖博物館周辺(草津市)など東岸29地点で、同社の社員や市民ら延べ約240人が調査員を務めた。
水の濁りやにおい、音などの10項目を零点−10点で、調査員の感覚により採点。合計を「自然豊かで快適」(80点以上)、「不快感を生じない程度」(79−51点)、「快適性に欠ける」(50点以下)の3段階に分類した。
採点割合を東岸と西岸別にまとめると、東岸は「快適」が6・9%、「不快感を生じない程度」が79・3%、「快適性に欠ける」が13・8%だった。一方、西岸は、順に17・1%、51・4%、31・4%と、「快適性に欠ける」との判定が東岸を大きく上回った。
調査を集計した同社の岡本陸奥夫技術顧問(63)は、護岸が整備された東岸に比べ、西岸では水位の低下もあり、水草や藻の大量繁殖が目につきやすく得点が下がった、と分析。「琵琶湖の環境改善には県が沖合で調査している水質だけでなく、市民の目に触れる部分も重要。腐れば水質悪化にもつながる水草の回収システムを整備する必要があるのでは」と話している。
■守山の8河川 水質やや改善 NPOが調査マップ発行 07/12/12 京都新聞電子版
滋賀県守山市内を流れる中小の河川に含まれる窒素やリンの濃度が10年前と比べて全体的に低下し、水質がやや改善していることが、同市のNPO法人(特定非営利活動法人)「びわこ豊穣(ほうじょう)の郷(さと)」の調査で分かった。調査結果を基に10年間の変化を図表で示した「水環境マップV」も発行、近く市役所や自治会などに配布する。
調査は、琵琶湖・赤野井湾の水質浄化を目指して結成された同郷の前身の「豊穣の郷赤野井湾流域協議会」が1997年に始めた。調査は年6回行い、会員約30人が市内の8河川、約100地点でCOD(化学的酸素要求量)、窒素、リンの各濃度、透視度を計測した。
結果は、アオコなど植物プランクトン発生の要因になる窒素とリンの濃度の年平均値が、2006年までの10年間で、おおむね窒素は1リットル中1−3ミリグラムが同1ミリグラム未満に、リンも1リットル中0・1−0・3ミリグラムが同0・05−0・1ミリグラムに減り、改善傾向がみられた。CODと透視度の数値は、ほぼ横ばいだった。
水環境マップの製作は調査1年目と5年目に続く3回目で、今回初めて7つの学区別に調査結果を収録。写真やグラフを挿入し、一目で変化が分かるように工夫した。
調査に当たった辻ひとみさん(60)=同市吉身2丁目=は「窒素やリン濃度の低下は、農作物栽培での減農薬など農業者の努力が大きいと思う。マップを見て身近な川への関心を高めてほしい」と話している。マップはA4判、22ページ。2000部発行し、図書館や小中学校などにも配る予定という。
■ヨシ刈りに100人が汗 高島でボランティアら 07/12/13 京都新聞電子版
ヨシ群落の環境を保全するヨシ刈りボランティアが滋賀県高島市新旭町針江でこのほど行われ、約100人がヨシの刈り取りに汗を流した。
2002年から旧新旭町が行い、市になって2回目。高島市はじめ、京都市、大阪市などからも参加があった。手間がかかるカマ刈りと草刈り機を使う部分を分けて行った。面積は約1ヘクタール。参加者は「腰をあまり降ろさず、ヨシの根元を刈るように」とコツを教わったあと、3メートルほどもあるヨシを約2時間かけ、黙々と刈った。
作業後は、地元の針江生水(しょうず)の郷委員会が用意した有機米のおにぎりと市提供のぶた汁をおいしく食べた。刈られたヨシ群落は来年2月末から3月初めの乾燥した時期に火入れが行われる。
■コハクチョウ観察小屋「ノー」 滋賀県「不法占用」、市民団体困惑 07/12/14 京都新聞電子版
コハクチョウが飛来する滋賀県草津市の琵琶湖岸で、市民団体が水鳥の観察や環境学習拠点として冬季に限り仮設してきた観察小屋を、滋賀県が「不法占用に当たる」として、今季は設置を認めず、団体や市民から疑問の声が上がっている。環境保全活動の拠点の一つでもある観察小屋を認めない県の対応に「県は環境保護を重視しているはずなのに」と訴えている。
市内の愛鳥家などでつくるボランティアグループ「琵琶湖岸草津コハクチョウを愛する会」が6年ほど前から、コハクチョウが飛来する12月−3月の間、同市志那町の湖岸緑地に木組みの仮設小屋を設置してきた。
湖面から強く吹き付ける風よけとなるほか、内側にコハクチョウや放棄された釣り糸に苦しむ水鳥などの写真を展示して、県内外から毎年延べ2万人近く訪れる愛鳥家や子どもたちに、琵琶湖の環境保全を訴える役割を果たしてきた。
しかし、湖岸緑地を管理する県は「河川法に基づく規則では、不法占用にあたる」(県南部振興局)として10月、現地に設置を認めない旨を記載した看板を立てた。
湖岸を訪れる愛鳥家からは「もう小屋はできないのか」と心配する声が寄せられている。愛する会は「琵琶湖の環境保全をPRするのに大きな役割を果たしている」と訴え、嘉田由紀子県知事に面会を申し込むなど設置継続に向けて働きかけている。しかし、県は「悪質な占用でないことは理解しているが、従来も設置しないよう指導してきた」(同振興局)として、設置を認めない方針。
県によると、自治体や教育機関が研究目的などで建造物を設置する場合は認められることがあるといい、愛する会の吉岡美佐子事務局長(60)は「河川法だけでなく、環境保全の観点から、観察小屋の設置を認めてほしい」と訴えている。
■琵琶湖の外来魚が半減 駆除事業強化が奏功 07/12/14 Chunichi Web滋賀
琵琶湖に生息するブラックバスやブルーギルなどの外来魚が2002年と比べ、半減していると推測されることが、県の調べで分かった。
13日の県議会で、県側が推計値を明らかにした。
県水産課によると、外来魚の推定生息量は02年春の3000トンから、07年春には約1600トンまで減少。毎年、100トン程度のペースで減っている。
一方で、在来種の漁獲量は増加傾向に転じている。外来魚が餌として好むスジエビは、93年以前は年間600トン以上あったが、01年には167トンに減少。近年では増加に転じ、05年は285トンに回復した。
琵琶湖での外来魚駆除事業は県漁連が1984年から実施。85年から県が補助している。02年から取り組みを強化し、過去5年の駆除量は年間400−500トン以上に上っている。
同課は「ニゴロブナやホンモロコも最近は捕れるようになったと聞いている。漁業者からの要望もあり、外来魚の駆除はできる限り継続していきたい」としている。(本安幸則)
■糸絡んだサギ救出へ 国も乗り出し“大作戦” 07/12/14 琉球新報ネット版
くちばしに糸が絡まったクロツラヘラサギの“保護作戦”に向けた取り組みが14日午前、始まった。環境省那覇自然環境事務所はクロツラヘラサギの捕獲に向けて網を用意。13日までに豊見城市与根の遊水池の下草を除去、池を管理する同市から捕獲作業の許可も得た。県獣医師会野生生物保護対策委員の高良淳司獣医師は病院で待機している。くちばしに絡まっているのは釣り糸であることも14日、確認された。
釣り糸がくちばしに巻き付いたクロツラヘラサギは6日に見つかった。その後、13日午後6時ごろ、沖縄野鳥の会の大城亀信さんが餌を食べているのを同市豊崎の干潟で確認。14日午前7時ごろには、与根の第1遊水池で盛んに餌を探しているのが目撃された。しかし、午前7時半すぎには第1遊水池を離れ、午前11時現在、居場所が分からなくなっている。
14日は朝から環境省のほか、県、沖縄野鳥の会、南部自然を守る会など関係者が集まり、対策を協議している。
那覇自然環境事務所の渡邊雄児自然保護官は「一般の方からも保護してほしいとの連絡が寄せられている」と話した。県文化環境部自然保護課の岸本敦獣医師は「捕獲できたら県の事業で治療、保護していきたい」と話した。那覇自然環境事務所は捕獲に向けて環境省を通し山階(やましな)鳥類研究所(東京)にロケットネットを使用しての捕獲技術を持つ専門家の派遣を要請しているが、沖縄入りは約1カ月後という。同事務所は「それまで個体が元気でいる保証がない」として捕獲することを検討していた。
クロツラヘラサギは環境省日本版レッドリストで絶滅の危機が最も高いとされる絶滅危惧(きぐ)IA類に指定されている。くちばしに絡まっているのが釣り糸だったことから同省では、マナーを守るよう呼び掛けている。
■異なる算出法比較可能? 07/12/14 Yomiuri On Line滋賀
13日の県議会一般質問で、琵琶湖の外来魚対策などについて問われた但馬甚一・県農政水産部長が、「推定では、2002年春に約3000トンだった外来魚の生息量は、今春には約1600トンまで減少している」と答弁した。
県水産試験場に聞くと、生息量はブルーギルの駆除量や漁獲率などを基に、係数を用いて算出した推定値。ただ、現行の計算式は04年から使用しており、02年春の値の算出方法は記録が残っておらず、不明という。
外来魚の駆除量は02年度が521トン、06年度は490トンで、ほぼ横ばいという。同試験場は「生息量のデータは単純に比較できず、琵琶湖の外来魚が半減しているとは言えない」とした。正直、肩すかしを食らった気持ちになった。数字を聞く限りでは、5年間で外来魚が半減したことになり、琵琶湖の生態系維持の観点から朗報だったためだ。
部長答弁を準備した県水産課は「生息量はその時々の最善の方法で推定している。手法が異なっても、比較することに問題はない」とするが、同じ手法で導き出した推定値で比較しないと、混乱を招くのではないか。(井戸田崇志)
■計画上回る5万200人 「海づくり大会」交流行事参加者 07/12/14 京都新聞電子版
滋賀県は14日、大津市内で11月10日から2日間開催した「全国豊かな海づくり大会」のふれあい交流行事の参加者が当初計画の3万人を大幅に上回る約5万200人だったなどとする開催結果を県議会環境・農水常任委員会に報告した。
報告では琵琶湖の漁業や環境保全をテーマにしたアトラクションなどのふれあい交流行事に、10日には約2万3700人、11日には約2万6500人が参加した。
また市内の京阪電車の四駅ごとに無料駐車場を設け、会場周辺の交通抑制を図る「パーク&トレイン」では四駐車場で計1156台の利用があった。
総事業費は集計中だが、企業からの協賛金約1800万円や既存施設の活用などにより、当初予算の3億円を下回る見通しとした。
■琵琶湖流域の再生考える 安土町で環境フォーラム 07/12/16 京都新聞電子版
ヨシと環境フォーラムが16日、滋賀県安土町桑実寺の文芸セミナリヨで開かれ、紙芝居の上演や国土交通省の諮問機関、淀川水系流域委の宮本博司委員長の講演を通じ、琵琶湖やその流域の役割や再生について考えた。
西の湖から琵琶湖、淀川へとつながる水域について議論し、理解を深めようと近江八幡市と安土町の住民でつくる「西の湖保全自治連絡協議会」が毎年開いている。会場には約140人が集まった。
湖の自然の大切さを伝える紙芝居「ヨシの湖」が上演され、嘉田由紀子知事が講演した。その後、宮本委員長が「琵琶湖淀川水系再生は流域住民の実感で」と題して基調講演。国土交通省で勤務していた経験を交えながら「水を使うことが琵琶湖の生物に影響をもたらすことを実感している人が少ない」、「堤防を高くし続けていることで、天井川に囲まれた地域はかえって危険にさらされている」などと問題点を指摘し「琵琶湖やその水系も周辺の内湖や田などとの連続性があるなかで存在していた。土地利用を見直し、この状態を復活させるのが大きな目的だ」と訴えた。
■「びわ湖検定」08年11月実施 大津、彦根、草津の3会場で 07/12/17 京都新聞電子版
琵琶湖を中心に滋賀の知識を問う「びわ湖検定」の実行委員会(委員長・重野良寛淡海環境保全財団理事長)は17日、第1回の検定試験を来年11月下旬に行うことを決めた。試験会場は大津、彦根、草津の3市内に設ける予定で、受験者の確保に努める。
同検定の正式名称は「びわ湖検定(近江環境・観光検定)」に決まった。県や経済団体、滋賀グリーン購入ネットワークなどで構成する実行委とワーキンググループの合同会議がこの日、県庁で開催され、試験日などを盛り込んだ実施要項の骨子が承認された。
11月下旬の試験日は土日曜か祝日を選ぶ方針。同検定では難しい順に1−3級を設けるが、1級は2級合格者のみが対象のため、初回の来年は2、3級のみで試験を行う。県内の観光施設などに設置するスタンプを集めれば、得点に反映される仕組みもある。
検定試験に先がけ、実行委は来年4月、受験予定者などの参考資料となる公式の問題解説集も書店などで市販する。
■外来魚駆除へ産卵床 「池の内湖」保全で市民団体 武雄市 堆肥化装置も設置 07/12/18 西日本新聞九州ねっと
武雄市の市民団体「武雄温泉保養村の環境を考える会」(林一男代表)が18日、保養村内のため池「池の内湖」で、ブラックバスなど外来魚駆除に向け、産卵床を製作したり、釣り上げた魚の堆肥(たいひ)化装置を設置したりした。産卵床は来年3月ごろ、池の中に置く。
産卵床は外来魚の卵と親魚を駆除し、在来のコイやフナなどを守るのが目的。イネの育苗トレー(幅60センチ、奥行き40センチ)に砕石を敷いて産卵場所にし、ペットボトルなどを浮き代わりに水中に浮遊させる仕組み。水深を変えながら70個を3カ所に沈め、産卵後に引き揚げるという。
堆肥化装置は外来魚を堆肥にし、自然循環させるもので試験的に取り組むことにした。同会は「琵琶湖(滋賀)では釣り上げた外来魚を池の近くに放置し、環境悪化を招いている。処理方法の1つとして堆肥化を考えた」としている。
同会は、池の内湖を観光情報の発信や子どもの自然学習の場として活用しようと、地域住民と保養村の施設関係者、釣り愛好家らが昨年10月に発足させた。釣り大会開催や池に生息する魚の調査などもしている。
■外来魚駆除へ産卵床設置 武雄市・池の内湖 07/12/19 佐賀新聞ひびのニュース
在来種の敵、“根”から退治へ―。武雄市の保養村内にある池の内湖で生息が確認されているブラックバスやブルーギルといった外来魚の駆除を目的とした産卵床の製作が18日、始まった。外来魚の産卵が始まる来年3月ごろから同湖の周囲に設置し、本格的な在来種保護に乗り出す。
同湖にはコイやフナのほか、約10年前にはウナギやワカサギの生息も確認されているが、近年はブラックバスやブルーギルの流入が目立ち、生態系の急激な変化が懸念されている。
産卵床は、花苗のポットトレーに砂利を敷き詰め、プラスチック製のカバーで三方を囲い込んだもの。砂利に産み付けられた外来魚の卵を定期的に引き上げて、ふ化を防ぐ。同湖の付近住民らでつくる「武雄温泉保養村の環境を考える会」が春までに約70個を製作する予定。釣り愛好家に再放流禁止を呼びかけるため、成魚を堆肥(たいひ)化する処分機も併せて設置する。
全国では宮城県の伊豆沼のように、産卵床設置によってブラックバス駆除に成功した事例もあるが、ブルーギルへの「効果」は設置後の検証が必要となる。同会の林一男代表(73)は「実験的な側面もあるが、外来魚の数をこれ以上増やさないことが重要。ハヤ釣りが楽しめた昔の生態系を取り戻したい」と話す。
■研究課題項目、60→14に 琵琶湖環境科学センター、中期計画案 07/12/19 京都新聞電子版
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の来年度から3年間の中期計画案が18日、センター評議員会に提示された。県の財政構造改革プログラムで試験研究費が大幅削減されるのを受け、現在の約60項目の研究課題を14項目に集約、生態系への影響など環境保全に向けた管理シミュレーション作成に重点を置く。
水質汚濁メカニズム解明や湖岸生態系の保全・修復など、研究は基本的に県が提示した政策課題に沿って進められ、環境監視や既存データも活用して管理手法をまとめ、県に提言する。
研究者が専門分野ごとに手掛けている基礎研究は、政策課題に対応したものに限られるほか、船など大型機材を用いたフィールド調査も縮小される。このほか、外部資金を積極的に獲得することも盛り込まれた。
中期計画は2010年度までで、研究成果を11年度から始まる県のマザーレイク21第2期計画と第6期湖沼計画に反映させる。
この日の評議員会では、データの総合解析による管理シミュレーション作成の強化を評価する声があった一方で、「研究者の能力に応じた自由な研究もできるようにすべき」との意見も上がった。
■交付税、水草除去やヨシ保全に 琵琶湖境界設定での増額受け 07/12/20 京都新聞電子版
琵琶湖境界の設定で市町への配分が増額される交付税の活用方策を検討する会議が20日、大津市内で開かれ、水草除去とヨシ保全など琵琶湖の保全へ向けた取り組みに活用することで合意した。
合意にはこのほか▽NPOなどの活動に対する助成▽住民参加もしくは環境学習の分野で市町が提案する複数年の事業への補助▽台風による湖岸の漂着物の回収・処分など緊急時に備えた基金設置−なども含まれる。
ただ、水草除去とヨシ保全は現在、県が主体で行っている上、来年度から3年間の財政構造改革プログラムでともに事業費削減の方針であることから、市町側からは「県の減額分を市町が負担することになりかねない」との声もあがった。
境界線設定に伴って増額される交付税は、琵琶湖沿岸の14市町に計2億8000万円が来年度から配分される。半額の1億4000万円を県市町村振興協会に拠出、琵琶湖の保全に活用する。事業ごとの拠出金の配分など具体案を来年2月の会議で最終決定する。
■琵琶湖関連2事業、ゼロ査定に 08年度予算財務省原案 07/12/21 京都新聞電子版
20日内示された2008年度政府予算の財務省原案で、環境省が求めていた地球温暖化による水質悪化の影響調査など琵琶湖関連の2新規事業がゼロ査定となった。同省の水俣病被害者救済策の方に手厚く盛り込まれたのが影響した。財務省担当者は「限りある枠内で、緊急性があるかどうかを考慮した」と強調している。
環境省や滋賀県によると、琵琶湖などで懸念される湖底の低酸素化と、温暖化との因果関係を解明するための新たな調査費として5000万円を要求していた。しかし、財務省原案では水俣病総合対策費が07年度比10億円増となった。このため県が「来年は温暖化がテーマの北海道洞爺湖サミットがあり、ふさわしい事業」と期待していた予算計上が見送られた。
このほか新規事業でヨシを植え、水生生物の豊かな水環境づくりに3000万円を求めていたが、これも認められなかった。
県琵琶湖再生課は「残念だが、温暖化も早期に対応しないと取り返しがつかない事態になる。引き続き必要性を国に訴えたい」と話す。
■長浜港の使用料徴収へ 県、行楽客対象に来季から 07/12/21 Chunichi Web滋賀
県は長浜市の長浜港を利用してプレジャーボートや水上バイクなどを楽しむ人たちに対して、港湾使用料の徴収を検討している。早ければ2月議会に関係条例の改正案を提出、来シーズンからの有料化を目指す。
対象となるのは、ボートや水上バイクを自家用車などでけん引してくる行楽客。駐車場代のほか、ボートなどを揚げ降ろす際に利用するスロープの使用料を課す予定で、料金は合計で2000円台になる見込み。
ごみのポイ捨てやボートをけん引してきた車両の無造作な駐車に対する苦情などに端を発した措置。長浜港では昨年度から、アスファルトを敷き直して駐車スペースを整えたり、緑化整備事業が進む。徴収した料金は美化維持や監視員の人件費などに充てる。
県河港課によると、レジャー客で込み合う時期のみ料金を徴収する予定だが、具体的な期間はまだ決まっていないという。
県が管理する港は4つあり、このうち大津港は指定管理者が利用料金を徴収しているが、彦根、竹生島両港ではレジャー利用を想定していない。(多園尚樹)
■田口副知事を新たに選任 滋賀県議会、賛成多数で 07/12/21 京都新聞電子版
滋賀県の嘉田由紀子知事は21日、2人目の副知事に県政策顧問の田口宇一郎氏(65)を選任する人事案を県議会本会議に提案、賛成多数で同意された。田口氏の任期は22日から4年間。
嘉田知事は提案説明で、新幹線新駅中止後の対応や特定調停での債務処理に臨む2造林公社問題などを挙げ、「山積する県政の重要課題に適切かつ機動的に対応するため」と述べた。
採決では、自民党・湖翔クラブ(19人)が反対し、公明党(2人)が退席。民主党・県民ネットワーク(15人)や対話の会・びわこねっと(5人)など4会派の計25人が賛成した。
自民党・湖翔クラブの佐野高典議員は反対討論で「県財政を考える上で新たに副知事を設置することは疑問。財政構造改革の趣旨に反する」と批判した。一方、民主党・県民ネットワークの西川勝彦議員は採決後、「強い権限のある副知事を置く方が重要課題を早く解決できる。費用はいるが、『損して得取れ』だ」と話した。
田口氏は八幡商業高卒。1962年に県庁に採用され、琵琶湖博物館副館長や琵琶湖環境部長などを歴任して2002年3月に退職。今年4月から現職。彦根市本庄町。
■琵琶湖にコハクチョウが飛来 07/12/21 asahi.com関西
滋賀県湖北町の琵琶湖に、今年もシベリアからコハクチョウが越冬のため飛来。21日早朝には、岸辺で水草を探す姿が見られた。10月中旬ごろから日本海を経て集まりはじめ、いまは約400羽が琵琶湖全体で確認されている。今年は台風が少なく琵琶湖の水位が例年より下がっているため、コハクチョウは岸から遠い沖合で過ごすことが多いという。2月下旬から再びシベリアに戻っていく。
■天皇陛下74歳に、国民の食と住の不安に「残念」 07/12/23 Yomiuri On Line
天皇陛下は23日、74歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち宮殿で記者会見し、「生活の基本である食と住に関して国民に不安をもたらすような事情が明らかになったことは残念」とこの一年を振り返り、年金問題について「一生懸命まじめに働いてきた人々が、高齢になって不安を持つことがないように、解決に向かっていくことを願っています」と述べられた。
ご家族についての質問には「それぞれに幸せであってほしい」と答えたうえで、5月の訪欧前の記者会見で述べた「私どもは私的に外国を訪問したことは一度もありません」という発言が、「皇太子一家のオランダ静養に対する苦言」と一部で報じられたことに言及し、「意図したところと全く違っています」と反論された。
陛下は発言の真意について、皇太子時代の両陛下の訪問の多くが昭和天皇の名代で、相手国が天皇が来ると考えているところに皇太子が訪問するため、厳しく自らを律する必要があったこと、平成になってそうした訪問がなくなり、今の皇太子ご夫妻は様々な形で国際交流ができることを述べたと説明。「また私の意図と違ったように解釈される心配を払拭(ふっしょく)することができません。したがってこの質問へのこれ以上の答えは控えたく思います」とされた。
一方、11月に琵琶湖畔で行われた式典で外来魚のブルーギルの繁殖に「心痛む」と述べたことに関連し、釣った魚を放す「キャッチ・アンド・リリース」で繁殖したとの認識を示し、「おいしく食べられる魚と思いますので、食材として利用することにより、繁殖を抑え、日本で生活してきた魚が安全に育つ環境が整えられることを願っています」と述べられた。
■天皇陛下、74歳の誕生日 07/12/23 asahi.com
天皇陛下は23日、74歳の誕生日を迎え、これに先立って皇居・宮殿で記者会見した。一年を振り返る中で年金や社会格差の問題に触れ「みなの協力の中で安心して生活を営むことができるよう願っています」と述べた。
年金問題については「一生懸命まじめに働いてきた人々が高齢になって不安を持つことがないように」と解決を願った。また、社会格差の問題には「健康の面などで弱い立場にある人々が取り残されてしまうことなく、社会に参加していく環境をつくることが大切」とし、差別感を持つことがないような教育が必要とも述べた。
陛下は11月の大津市での式典で、外来魚ブルーギルが琵琶湖で異常繁殖したことに触れ「心を痛めています」と述べた。この発言については、キャッチ・アンド・リリース(釣った魚の再放流)の浸透で外来魚が著しく繁殖するようになったと分析。食材への利用で繁殖を抑え「日本で生活してきた魚が安全に育つことができる環境が整えられることを願っています」と話した。
◇
会見ではご家族についての質問もあったが、陛下は「私は家族がそれぞれに幸せであって欲しいと願っており、それを見守っていきたいと思っています」と述べるにとどまり、それ以上の回答を控えた。陛下は会見で、回答を控えた理由を自ら説明。5月の欧州訪問前に行った記者会見で、皇太子時代の外国訪問に触れた発言が、一部で現・皇太子一家がオランダで静養したことに苦言を呈したものと誤って解釈されたことをあげた。
陛下は「私の意図したところとまったく違っています」と述べ、「このたびの質問にこれ以上お答えしても、また私の意図と違ったように解釈される心配を払拭(ふっしょく)できません」と話した。
■天皇陛下会見全文(下) 07/12/23 asahi.com
〈問3〉生物学者でもある陛下は、外国賓客との懇談で温暖化を話題にされることも多いようですが、自然・環境をめぐる諸問題をどう見ておられますでしょうか。今年は陛下の国民と自然を分かち合いたいとのご意向で、皇居・吹上御苑で初めて自然観察会が開かれたほか、那須御用邸の一部が環境省に所管換えされることが決まりました。一方、11月の式典のお言葉で、陛下はブルーギルの異常繁殖に触れられました。こうした自然財産の共有、式典でブルーギルに触れた発言をされるにいたった思いもお聞かせください。
(回答)地球温暖化について、最近、アジア太平洋水サミットへ参加されたミクロネシア大統領、ツバル首相からは海面上昇の問題、タジキスタン大統領からはパミール高原の氷河の後退の話がありました。今年の東京は暖冬で、初めて雪が観測されたのは3月16日ということでした。明治10年の統計開始以来、最も遅い初雪とのことです。このように世界各地で温暖化の問題が起こっており、今後、人々の生活に様々な影響を与えていくことが心配されます。現在、世界各地で環境に対する関心が高まり、良好な環境のもとで人々が暮らせるよう、国境を越え、また様々な分野の人々が協力し合う状況がつくられつつあることは誠に心強いことです。世界の国々が協力して地球環境を少しでも良い方向に進めていくことを願っています。
吹上御苑の自然観察会は吹上御苑を中心とした皇居の生物相を2000年の時点で記録するという科学博物館の生物相調査の結果に基づいて行われました。この調査は動物では1996年から2000年まで、植物では1997年から2000年まで行われ、動物群の中には2006年まで続けられたものもありました。自然観察会では、この調査をされた研究者が解説に当たられ、調査の時に見いだした知見を観察会の参加者に伝えられました。このことは参加者にとって、意義深いものであったのではないかと思います。
那須御用邸附属地の調査は栃木県立博物館により1997年から2001年にかけて行われ、その翌年に「那須御用邸の動植物相」という報告書が出版されました。このたびの環境省への移管はこの調査を踏まえた上で行われました。環境省へ移管された地域が国立公園の一部として、訪れた人々の自然への理解や関心を深めるうえに、意義あるものとなればうれしいことです。この地域には炭焼きによる伐採を免れたブナが林になっており、調査した研究者と見に行ったことが印象に残っています。
ブルーギルのことですが、ちょうど30年前の1977年、淡水魚を専門にしておられた国立科学博物館の中村守純博士と、淡水魚保護協会の木村英造氏とお話ししたことが淡水魚保護協会の雑誌「淡水魚」に載せられ、その中でブルーギルのことにも触れています。琵琶湖にブルーギルが入ったのは淡水真珠をつくるイケチョウガイの養殖のために、貝の幼生が寄生する寄主としてブルーギルを使いたいということで、水産庁淡水区水産研究所から滋賀県水産試験場に移されたものが琵琶湖に逃げ出したことに始まります。当時、ブルーギルを滋賀県水産試験場に移すという話を聞いたときに、淡水真珠養殖業者の役に立てばという気持ちも働き、琵琶湖にブルーギルが入らないようにという程度のことしか言わなかったことを残念に思っています。
30年前には釣った魚は食べることが普通でした。従って、ブラック・バスやブルーギルを釣る人が多ければ、繁殖は抑えられ、地域の淡水魚相に変化をもたらすことはないと考えていましたが、現在は釣り人の間にキャッチ・アンド・リリースの習慣が浸透し、釣った獲物を食べるのではなく、そのまま放すことになったため、ブラック・バスやブルーギルが著しく繁殖するようになってしまいました。キャッチ・アンド・リリースということがこのように一般化するとは考えてもいませんでした。ブラック・バスもブルーギルもおいしく食べられる魚と思いますので、食材として利用することにより繁殖を抑え、何万年もの間、日本で生活してきた魚が安全に育つことができる環境が整えられることを願っています。この目的に添う釣り人のボランティア活動にも大きな期待が寄せられます。
なお、豊かな海づくり大会の式典で、琵琶湖水系でニッポンバラタナゴは絶滅したことを述べましたが、ニッポンバラタナゴは日本の淡水魚のなかで、最も絶滅の危機にあるものと思います。それは中国から移入された体の大きいタイリクバラタナゴとの生存競争においてニッポンバラタナゴは弱い立場にあることと、ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴとの間では雑種ができるからです。従ってニッポンバラタナゴのいる池に一尾でもタイリクバラタナゴが入れば、その池のニッポンバラタナゴの純粋性は保てません。現在、純粋なニッポンバラタナゴが住んでいるところはタイリクバラタナゴのいない閉鎖水域だけになってしまいました。誠に厳しい状況にあると言わなければなりません。タイリクバラタナゴは美しい魚ですので、水槽で飼い、その後、池や川に放したことにより各地にタイリクバラタナゴが繁殖するようになったのではないかと思われます。ニッポンバラタナゴはこのような危険な状態にあるので、タイリクバラタナゴが放される心配のないところで飼育することが必要と考え、大阪府八尾市産のニッポンバラタナゴは赤坂御用地内の池で、福岡県多々良川産のニッポンバラタナゴは常陸宮に頼み、常陸宮邸内の池で、それぞれ1983年以来飼育され、ニッポンバラタナゴ研究会が随時調査をし、また研究に用いています。
日本は大陸と離れていた期間が長く、日本の中には琵琶湖のような古い湖、本州などと長い間隔離されていた島々があり、非常に多くの固有の生物が住んでいます。このような生物が今後とも安全に過ごせるよう、日本人みなで守っていきたいものと思います。
〈関連質問〉この2年ほどの間に、昭和天皇の側近の日記などが相次いで世に出ております。昨年の富田日記に続きまして、今年は卜部侍従日記が公表されました。この中に昭和天皇が当時の入江侍従長に書き取らせた拝聴録の話がでております。入江侍従長自身も日記の中で再三拝聴録について触れております。拝聴録、確かに存在したとみられるんですが、陛下はこれをご覧になったことがございますでしょうか。また、現在お手元にあるとも言われていますが、それについてはいかがでございますでしょうか。
(回答)それは見たことがありません。
〈問〉現在、お手元にもないということでございましょうか。
(回答)ないと思います。少なくとも私が知っているところにはないということです。
■カワウ銃器駆除、本年度限りに 滋賀県「効果なし」廃止へ 07/12/23 京都新聞電子版
異常繁殖したカワウの数を10分の1に減らす総合対策計画を策定した滋賀県が、銃器駆除事業を本年度限りで廃止する方針であることが22日、分かった。財政難に加え、生息数を減らす効果が出ていないことが背景にある。3月に策定した県の総合対策計画は、1年足らずで実効性が不透明となっている。
県のカワウ総合対策計画は2011年度までにカワウの「顕著な低減」を掲げ、その後の長期目標として4000羽まで減少させるとしていた。これを受け、県は本年度の駆除目標を前年度から4400羽増の2万4400羽にまで拡大した。
県は、県漁連や市町への補助を通じ、営巣、繁殖する3月から9月にかけて、営巣地などで銃器駆除を実施している。しかし、ここ3年、飛来直後の春の生息数は3万5000羽前後で変わらず、駆除効果が出ていない。「渡り鳥で広域を移動するため、県単独で生息数を減らすのは難しい」(県水産課)と判断。財政構造改革プログラムに補助廃止を盛り込んだ。
廃止を決めた背景には、7月に竹生島で県の琵琶湖学習船「うみのこ」の児童の近くに、撃たれたカワウが落下した事故も影を落としている。
この事故で、樹木の枯死被害が懸念される竹生島南部で行っていた銃器駆除は中断された。事故を受けた調査検討会議の報告は安全対策の強化を求めた。同島南部は観光客も多いため、県は「駆除の時間帯が大幅に制限され、実際には銃器使用は困難になる」(自然環境保全課)という。
県は「計画見直しか、別の方法を試行するか、年度内に開く検討協議会で相談したい」と話している。
■琵琶湖に新外来魚2種 妙案なく頭抱える県 07/12/25 Chunichi Web
南米の熱帯魚「ディスカス」、中国の観賞魚「エンツイ」。外来魚急増による生態系への影響が深刻化している滋賀県の琵琶湖で、2007年も新たに2種類が確認された。密放流を阻止する妙案はなく、県の担当者は頭を抱えている。
県水産試験場によると、記録が残っている1994年以降、琵琶湖で見つかった外来魚はオオクチバス(ブラックバス)やブルーギル、ピラニアなどに今年の2種を加え34種類。
ディスカスは07年8月に漁師の外来魚捕獲用の網に3匹かかっていた。エンツイは11月に漁網に全長約27センチの幼魚が引っ掛かっていた。本来はペットとして飼っていたものを放流したらしい。
夏ごろには琵琶湖に注ぐ川のダムで、ブラックバスの一種コクチバスの卵を持った成魚と稚魚を西日本で初めて捕獲。チャネルキャットフィッシュ(通称アメリカナマズ)も01年と03年に続いて発見された。
これらの外来魚が確認されているほかの川や湖では在来種のアユやエビが減少しているという。(共同)
■琵琶湖北部の低酸素化 魚の固有種大量死 07/12/26 Yomiuri On Line滋賀
琵琶湖北部の深層部(深さ約90メートル)で湖水の酸素濃度が、観測が始まって以来、最低レベルを記録。また、県レッドデータブックで絶滅危機増大種に指定されている固有種のイサザなどが多数死んでいることが判明した。原因は明確ではないが、目には見えない琵琶湖深層部の異変に、研究者らは「科学的に裏付けをするため、さらに研究を進める必要がある」と危機感を募らせている。(渡辺征庸)
「同じ深度90メートルで、なぜ酸素濃度が異なるのか」――。11月14日に県庁で開かれた「琵琶湖総合保全学術委員会」検討部会。ある研究者が示した疑問に、県琵琶湖環境科学研究センターの研究員は「低濃度の水の塊が動いていると考えられるが、詳細は分かっていない」と答えた。
県は高島市沖で1979年から、湖水1リットルに含まれる酸素量などを定点観測している。湖底付近の酸素濃度は87年と2002年に観測した0・9ミリ・グラムが最低値だったが、10月22日には、定点では1・7ミリ・グラムだったものの、約2キロ離れた地点では0・3ミリ・グラムを記録。魚類の生息には2ミリ・グラムの酸素が不可欠とされており、生態系への影響が懸念された。
原因は1〜3月が暖冬だったことが指摘されている。彦根地方気象台によると、彦根市での同期間の平均気温は6・2度(平年4・6度)。特に、2月は6・1度(同3・6度)と1894年からの観測史上2番目に高かった。
琵琶湖は冬季に酸素を多く含む湖面の水が冷え、沈降することで湖底へ酸素を供給している。しかし、「深呼吸」と呼ばれる湖水の循環サイクルが、暖冬で発生しにくくなったと考えられている。
こうした中、12月7日にはセンターの調査で、固有種・イサザとみられる魚やエビ類が多数、死んでいるのを発見。自律型潜水ロボット「淡探(たんたん)」の撮影画像(約1900枚)に写った魚43匹のうち、死んだものを38匹確認し、エビ類も49匹が死んでいた。酸素量は最低で0・6ミリ・グラムだった。
01年からの調査で、これほどの死骸(しがい)を確認した例はなく「断定はできないが、低酸素が一番の原因と疑っている」とセンターの石川俊之研究員。湖底から魚などの死骸を採取し、農薬や病気など他の死因の要素も調べ、原因を究明するという。
湖底の低酸素化は、沈殿しているリンや硫化水素、メタンガスなどが溶出、水質悪化につながる危険性もはらむ。センターの岡本高弘主任主査は「琵琶湖が持っていた自然の浄化力が落ちてきた。酸素量や湖水の流動を点ではなく、面で重点監視する必要がある」と危機感を持つ。
◇
12月には平均で4・5ミリ・グラムを示す湖底の酸素濃度は、11日が1・1〜2・8ミリ・グラム、17日が0・8〜2・7ミリ・グラムと回復していない。大阪管区気象台によると、来年1〜2月の気温は「平年並みか、やや高め」と予測されており、予断を許さない状況だ。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測では、今後100年間で気温は1〜4度上昇するとされている。嘉田知事は、21日の県議会で「温暖化の影響が、琵琶湖を通して身近に、予兆的に現れた。温暖化対策への発信、経済との調和など滋賀にしかできない取り組みを進めようと決意を新たにした年だった」と振り返った。
赤潮発生から30年。今回の異変は目には見えにくく、学術的にも未解明な点が多い深層部だ。1400万人の水源で、多くの動植物をはぐくむ琵琶湖を次世代に引き継ぐためにも県は研究を進め、対策を考える必要がある。
■ピークは新年3、4日 県内主要道の交通渋滞予想 07/12/27 Chunichi Web滋賀
県警は、年末年始の主要幹線道路の交通渋滞予想をまとめた。ピークは三、四日。原油高の影響で例年よりも車での人出は少ない。交通規制課は「冬場はいつ天候が変化するか分からない。チェーンやスノータイヤなど、冬の装備をしっかりとして出掛けて」と呼び掛けている。
年末年始とも、原油高騰の影響を受け、車での帰省や旅行を控える家庭が多いとみられ、渋滞は小規模。初もうでや帰省のUターンで正月三が日の後半を中心に渋滞する。
三日は名神高速道路上り線の八日市IC(インターチェンジ)−米原JCT(ジャンクション)で二十キロ、下り線大津IC−京都南ICで五キロの渋滞。三が日で四十八万人の人出がある多賀大社(多賀町)へ向かう国道306号へは、二、三日とも六キロの渋滞が予想されている。
積雪などの天候の変化にも注意が必要。詳しくは、日本道路交通情報センター(大津センター)=電077(522)1141=へ。(小西数紀)
■「新駅と海づくり大会」嘉田知事 07/12/27 asahi.com滋賀
【1年で最も印象に残った出来事は・・・】
嘉田由紀子知事は26日、今年最後の定例記者会見を行い、「全体としては怒濤(どとう)のような1年だった」と振り返った。最も印象に残った出来事として、10月の新幹線新駅の凍結実現と、11月に大津市であった全国豊かな海づくり大会を挙げた。新駅問題については「県民との約束を実現できた」と感慨深げに語った。
海づくり大会については、天皇陛下が式典で外来魚のブルーギルが琵琶湖で異常繁殖し、生態系への影響に言及したことに触れ、「たいへん心強く、改めて琵琶湖の再生について考えさせていただく機会になった」と話した。
また、来年1月20日投開票の大津市長選で、立候補を表明している黄瀬紀美子氏(55)を嘉田知事を支援する「対話でつなごう滋賀の会」が推薦していることから、記者側から「どのような姿勢で臨むのか」と質問が出た。嘉田知事は「中立の立場」を強調した。
■琵琶湖:原風景守られる 高島・マキノ町海津の「橋板」、県審査会が了承 07/12/27 毎日jp滋賀
◇文化的価値認め、市に許可伝達へ
高島市マキノ町海津地域の琵琶湖岸に住民らが設けた桟橋状の「橋板」の設置許可を検討する県の「琵琶湖占用審査会」が26日、県庁で開かれ、七つの橋板が了承された。河川法の占用許可がなく、撤去が求められてきたが、琵琶湖と一体の昔ながらの暮らしを象徴する文化的価値が認められた。県は近く、市に許可を伝える。
橋板は長さ約3メートル、幅約30センチの木製の板で、住民らが野菜や衣類などをすすぐために設置。戦前からあるが、河川法の占用許可がないため、県と市が昨秋から協議。市が住民に代行して占用許可を県に申請していた。
この日は、座長の県土木交通部の吉田敏雄次長ら約10人が出席。県が86年に定めた「琵琶湖敷地の占用許可基準」にはないが、橋板は小型で河川法施行(64年)前からあるため、占用が了承された。反対意見はなかった。
担当の県河港課は「河川法の想定外の施設だったが、これで法的な位置付けができた」と話す。地元で橋板を掛けている小多明さん(66)は「法的に認められ安心した。これからも琵琶湖の原風景を守っていきたい」と歓迎した。【近藤修史】
■陛下の短歌、滋賀県に伝達 豊かな海づくり大会に寄せて 07/12/27 asahi.com関西
11月に大津市であった「第27回全国豊かな海づくり大会」に寄せて天皇陛下が詠んだ短歌(御製)が27日、宮内庁から滋賀県に伝達された。
御製は「古き湖(うみ)に育まれきし種々(くさぐさ)の魚安らかに住み継ぐを願ふ」。
天皇陛下は11月11日に開かれた同大会の式典で、皇太子時代の1960年に訪米した際、シカゴ市長から外来魚のブルーギルを贈られ、食用などとして水産庁の研究所に寄贈したことを明かした。ブルーギルが琵琶湖で異常繁殖していることから、生態系への影響に言及し、「心を痛めています」と述べた。
■天皇陛下が 和歌贈られる 訪問先の3道県に 07/12/27 Yahoo! News
天皇陛下は27日、皇后さまと今年訪問した北海道の全国植樹祭、秋田県の国体、滋賀県の全国豊かな海づくり大会にちなんで詠んだ和歌を、各道県に贈られた。滋賀県では琵琶湖での有害外来魚の繁殖を心配する発言をされている。(産経新聞)
◇
苫小牧の 街近く森を 造らむと あかえぞまつの 苗を植ゑたり(北海道)
競技場に 集ふ選手と 共に見る 県下各地より 火の入り来るを(秋田)
古き湖(うみ)に 育まれきし 種々(くさぐさ)の 魚安らかに 住み継ぐを願ふ(滋賀)
■湖水、茶色く濁る 草津・矢橋の湖岸 土砂流出か 07/12/27 京都新聞電子版
滋賀県草津市矢橋町の琵琶湖岸で、湖水が茶色く濁っているのが27日までに確認された。県は上流部で行われている河川工事の土砂が流出したのが原因とみている。
濁りが確認されたのは、矢橋帰帆島と湖岸の間の湖水。草津川の河口から南側の湖水を中心に、土をかき回したような濁りが広がっている。
県南部振興局によると22、23両日に降った雨で草津川の上流域が増水し、栗東市内で行っている河川工事で出た土砂が琵琶湖まで流出した可能性が高いという。
同振興局は「琵琶湖の水位が低い(27日現在、マイナス57センチ)こともあって、水が流れずに滞留しているのではないか。環境への影響はないと考えられる」(河川砂防課)と話している。
■花粉、東海・東北はご注意 来春の飛散量予測 環境省 07/12/28 asahi.com
環境省は27日、来春のスギ、ヒノキの花粉飛散量の予測(速報)を発表した。東海と東北地方で平年(過去10年平均)を上回り、それ以外の多くの地域では平年並みか平年を下回るという。飛散開始は平年並みかやや早いとみており、早めの予防や対策を呼びかけている。
夏の日照時間が長かった東海、東北地方では今春に比べて飛散量が1.5〜3倍に増加。関東も今春より増えるが、平年よりはおおむね下回る。7月の気温が前年より低かった西日本では、ほとんどが今春の半分から今春並みに減ると予測。ただ、多くの地域で、総飛散量が発症の目安となる1平方センチあたり1000個を超えるため、花粉症患者は注意が必要という。
1月後半には寒さが緩む見込みのため、花粉の飛散は南房総や伊豆など早い地域で1月末にも始まり、東京、名古屋では2月上旬、大阪、福岡では2月中旬までには始まる見通し。環境省は実際の飛散量と予測をホームページで2月から提供する。
■30日にかけ、北日本を中心に天気大荒れ予想 07/12/28 asahi.com
発達した低気圧の影響で、28日夜から30日にかけて、北日本を中心に荒れた天気になる見込みだ。気象庁は、大雨や大雪、強風に警戒を呼びかけている。
同庁によると、日本付近にある二つの低気圧が急速に発達し、29日には東日本や北日本では大雨となり、北海道では大雪になる所もあるという。北海道を中心に強風となる恐れがある。30日は強い寒気が流れ込み、西日本や東海地方の平野部など広い範囲で雪となる見込みだ。
■寒波到来、年末年始は大荒れの天気に 気象庁 07/12/28 asahi.com
気象庁は28日、年末年始(29日〜1月4日)の天気予報を発表した。この冬一番の寒波が押し寄せ、全国的に荒れた天気になる見込み。大雪や暴風で、帰省やUターンの鉄道、飛行機などに影響が出る恐れもあるという。
二つの低気圧が日本付近で急速に発達し、29日は東日本と北日本の太平洋側で大雨になる恐れがある。北海道では雪となり、多い所で50センチの降雪が見込まれる。
30日から1月1日にかけては季節風が強まり、日本海側では大雪の所も。西日本や東海地方では太平洋側の平野部でも雪が積もる可能性があるという。
寒気が流れ込み、3日ごろまで気温の低い状態が続く。元旦は、日本海側は曇り空が広がるが、関東地方では初日の出が期待できそうだ。
■海なし県で「全国海づくり大会」 県が誘致検討 07/12/29 岐阜新聞Web
県が「全国豊かな海づくり大会」の誘致に向けて検討を始めたことが28日までに分かった。同大会は天皇、皇后両陛下を迎えて開催される国民的行事。大会の名称通り、これまでは海や大きな湖に面する道府県で催されており、岐阜県での開催が決まれば“海なし県”では、琵琶湖のある滋賀県を除いて初開催となる。県は、山と海を結ぶ河川、特に長良川をメーンにしたい考えで、2012(平成24)年の「ぎふ清流国体」前の誘致を目指す意向だ。
大会は、水産業について理解を深め、かけがえのない海などの水環境や資源を守り、よりよい状態で未来に引き継ぐために住民らの意識を高めようと、1981(昭和56)年から毎年、全国持ち回りで開催されている。
今年の第27回大会は、滋賀県大津市で11月10、11日に実施され、約5万2000人が来場した。次回は来年9月、新潟県新潟市での開催が決まっている。
海なし県は全国で滋賀県を除いて7県あるが、これまで7県で開催されたことはない。
県は、来年度からの重要テーマに「水」を掲げる予定で、海づくり大会は「水」を県民の共通認識にするのにふさわしく、長良川の鮎などの水産業を売り出すには絶好の機会になるとしている。
海の環境を保全するには、河川と森林の役割は欠かせないとして、河川の重要性に多くの人に目を向けてもらうため、国の関係機関と相談しながら、県漁連などにも協力を求め、県職員が滋賀県などの開催地で情報収集に当たるなど、誘致に向けて検討を進めている。
県は12年の「ぎふ清流国体」までに開催し、海づくり大会と国体の2大大会によって、山紫水明で自然豊かな「清流・岐阜」のイメージを全国に強力にアピールしたい考え。
古田肇知事は「川で海の大会を実施するにはクリアしなければならない問題もあるが、清流・岐阜、水の国・岐阜を打ち出すためにも開催できれば」と話している。
■食用ホンモロコ 2倍の大きさに 県水産研究所が成功 関西方面に販路を求める 07/12/29 Web埼玉
料亭などで食材として用いられるコイ科の淡水魚ホンモロコを大型化する養殖技術の開発に、県農林総合研究センター水産研究所(加須市)が取り組んでいる。足かけ二年間の研究で飼育密度を低くしたり、一日の給餌時間を長くしたりすることで、従来のほぼ二倍の大きさに育て上げるめどがついた。技術が確立されれば生産農家にノウハウを広め、関西に販路を求める考えだ。
ホンモロコの養殖が県内で盛んなのは春日部市や熊谷市など北・東部。休耕田に造った池で養殖する。生産農家は四十九件あり、池の総面積は六万七千平方メートル。生産量は一九トン(本年度見込み)と、全国でも有数の養殖地だ。
県内では煮付け、空揚げで食べるのが一般的だが、関西では大型の素焼きが好まれる。同センターはこの点に注目し、昨年から三年間の計画で大型化の研究に着手した。
主なポイントは産卵時期、飼育密度、給餌の三点。ホンモロコは四―五月に産卵するが、研究過程では池の中にポリエチレン製植物を置き人工の魚巣を作り、早めの産卵を促している。従来は一平方メートル当たり四百五十粒で育ててきた卵の数も半減させるなどして成育状況を観察。さらに給餌機を制御し、少量のえさを長時間かけて食べさせる工夫もした。
試行錯誤を重ねる中で、体長約六センチ、重さ三―四グラムの個体を同約十二センチ、八グラムにまで成長させることに成功。同研究所は「大型ホンモロコの生産のめどはついた」と話す。
県内では一キロ当たり二千五百―三千円で取引されるが、県外で販売されるケースは少なかった。担当者は「新たな商品の形態として、県内を含め新境地を見いだしたい」と期待を寄せる。
研究は来年度が最終年。県は技術が確立でき次第、講習会などを開いて生産者に技術を伝授。ホンモロコの原産地・滋賀県で市場調査も行う。
■30日は全国で強風 日本海側は大雪の恐れ 気象庁 07/12/29 asahi.com
気象庁によると、三陸沖と日本海を2つの低気圧が急速に発達しながら北へ進んでいる。30日は日本海の上空5000メートルにマイナス39度の強い寒気が入り、日本付近は強い冬型の気圧配置になる。
北海道では29日夜にかけて、非常に強い風が吹き大雪が降る見込み。30日も北日本から西日本の日本海側を中心に大雪となり、全国的に強い風が吹く見込み。気象庁では、暴風や大雪などに警戒を呼びかけている。
29日午後5時から24時間の予想降雪量は、北陸50〜60センチ、北海道、東北の日本海側、甲信、東海、近畿北部、中国の各地方で30〜40センチ。
30日にかけて予想される最大風速(陸上)は、北海道が20メートルで、東北地方、東日本、西日本が13〜18メートル。
■琵琶湖を「複合遺産」に 滋賀県がプロジェクトチーム 07/12/30 Chunichi Web
滋賀県が抱える国内最大の湖「琵琶湖」について、同県が世界遺産登録を目指して検討を進めることが明らかになった。年明けにも、県庁内に専門家らを交えたプロジェクトチームを発足させる。
嘉田由紀子知事は、琵琶湖を長年フィールドワークの場としてきた環境学者でもあり、率先して構想の実現を目指す。
県幹部によると、県は自然遺産と文化遺産の両方の基準を満たした「複合遺産」での登録を目指す。
複合遺産は現在、800件を超える世界遺産のうち、中国山東省にある「泰山(たいざん)」やオーストラリアの「タスマニア原生地域」など25件にとどまる。国内での登録はない。
誕生から約400万年が経過する琵琶湖には、ニゴロブナやセタシジミなど約60種の固有種が生息。さらに、湖辺に定住する住民たちが、独特の水文化を形成してきた経緯もある。古代湖である琵琶湖と、湖がはぐくんできた人々の営みが融合した固有の価値を、前面に打ち出したい考え。
ただ、琵琶湖では近年、多数の水草が繁茂し、ブラックバスやブルーギルなど外来魚も繁殖。琵琶湖の生態系に影響を与えている。1970年代以降の琵琶湖総合開発により、湖辺の開発が進み、かつての景観は損なわれている。
複合遺産が、文化遺産と自然遺産の両方の登録基準を併せ持つことが条件とされるだけに、構想実現に向けたハードルは高いとみられる。
県内には、すでに比叡山延暦寺(大津市)が「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されている。また国宝・彦根城は暫定リストに掲載されている。
■近畿・四国・九州に積雪も 元旦にかけ大雪の予報 07/12/30 asahi.com
30日から1日にかけて、強い冬型の気圧配置の影響で北日本、東日本、西日本の日本海側では大雪となる見込み。太平洋側の平野部や四国の瀬戸内側でも雪の積もる所がありそうで、気象庁は交通などへの影響を警戒するよう呼びかけている。
同庁によると、日本海の上空約5000メートルに零下39度の強い寒気が入る。
この寒気による31日午前6時までの24時間降雪量は多い所で、北陸地方、東海地方(岐阜)=60〜70センチ▽東北地方日本海側、甲信地方(長野)=40〜50センチ▽北海道地方、近畿北部、中国地方=30〜40センチ▽九州北部地方、四国地方瀬戸内側=10〜20センチ▽近畿中部=5〜10センチ。
■日本海側を中心に大雪に 31日から1日 気象庁 07/12/30 asahi.com
冬型の気圧配置が強まり、31日から1日にかけて日本海側を中心に大雪になる見込みだ。帰省やUターンの交通機関にも影響が出る恐れがあり、気象庁は警戒を呼びかけている。
同庁によると、日本海の上空には零下39度以下のこの冬一番の寒気が入り、寒さも厳しくなるという。北日本から西日本にかけての日本海側では大雪となり、太平洋側の平野部でも雪の積もる所がある見込み。
31日夕方までに予想される降雪量は、北陸で100センチ、東北の日本海側や長野県、岐阜県では60〜70センチ、北海道、近畿北部、中国地方の山地、関東北部で30センチ、九州北部、四国、近畿中部で10〜20センチ。
■金券事業が本年度終了 外来魚の再放流禁止「びわこルール」 07/12/31 京都新聞電子版
琵琶湖の外来魚問題で、釣ったブラックバスとブルーギルの再放流を禁止する「びわこルール」定着のため発案された滋賀県の金券制度「ひろめよう券」事業が本年度で終了する。外来魚回収にも貢献していたが財政難もあり、県は「5年間続け、ルール周知の役割は終えた」としている。
ひろめよう券は、外来魚の再放流禁止を盛り込んだ県琵琶湖レジャー利用適正化条例が施行された2003年度に導入された。県内10カ所の道の駅などで500グラムごとに50円相当の券1枚と引き替え、買い物ができる仕組み。
利用は多く、導入初年度は百円だったが利用が予想以上で、翌年から半額に下げたという。年度により引き換え期間は異なるが、1日あたり約730−約470枚もの引き換えがあった。
その分、外来魚回収の貢献も大きく、県が設置する回収ボックスなど釣り人からの回収量の約153トン(5年間)中、約6割にあたる約92トンを占めた。
しかし、県は来年度から3カ年の財政構造改革プログラムを検討する中で、本年度までで廃止を決めた。担当者は「一般の人にも親しまれやすい事業だったし、続けられれば良かったのですが」とも話している。
■日本海側、大雪の恐れ 暴風や高波にも注意 07/12/31 京都新聞電子版
気象庁は30日、冬型の気圧配置が強まり、日本海側を中心に大雪になる恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。暴風や高波にも注意が必要としている。
同庁によると、日本海の上空に強い寒気が入り、甲府、岐阜、京都、松江、岡山、広島、山口、徳島、高松、高知、福岡、長崎、大分などで初雪を観測するなど、列島は広い範囲で雪が降った。
1月1日にかけて北日本、東日本、西日本の日本海側で大雪となり、太平洋側の平野部や中国、四国の瀬戸内海側でも雪が積もる所がある。
31日午後6時までの24時間降雪量はいずれも多い所で、北陸が1メートル、東海(岐阜)、東北の日本海側、甲信(長野)は60−70センチ、北海道、近畿北部、中国(山地)は40−50センチ、関東北部30センチ、九州北部、四国、近畿中部は10−20センチの見込み。
また全国的に風が強くなり、波の高さも5−6メートルになる見通し。(共同通信)
■日本海側中心に大雪 気象庁、警戒呼び掛け 07/12/31 Chunichi Web
日本列島上空に強い寒気が入り込み、日本海側を中心に31日は各地で大雪となった。元日にかけても雪が降り続き、太平洋側でも雪が積もる所があるとし、気象庁は雪による交通の乱れや暴風、高波に警戒を呼び掛けた。
大阪や神戸、和歌山、熊本でも31日、初雪を観測。午後4時までの24時間降雪量は、岐阜県の長滝や福井県の九頭竜などで88−70センチを記録した。
元日にかけても日本海側を中心に大雪になるほか、太平洋側の平野部や四国、九州でも雪の積もる所がある見込み。元日午後6時までの24時間降雪量は、北陸地方の多い所で約80センチと予想されている。
また、元日にかけて全国的に風が強い状態が続き、最大風速は陸上で15−18メートル、海上では18−20メートル、波の高さは最大で6メートルとなる見込みだ。(共同)