時期外れの台風14号襲来を伝えた時事通信10月29日付記事の一節。比較の対象になった90年の台風28号(国際名ペイジ Page)は、11月30日午後2時頃、中心気圧975ミリバール(当時の気圧単位)、最大風速30m/sの勢力を保ったまま和歌山県白浜町付近に上陸、琵琶湖のすぐ東を通って翌12月1日に日本海に抜けた後、東北、北海道を襲って各地に大きな被害をもたらした。琵琶湖は台風の西側だったため、強い北風が吹いて大荒れとなり、季節的に枯れかけて弱っていた南湖のウィードを大波が根こそぎにした。台風が去った直後の1日(土)だったか2日(日)に釣りに出たときに、まだかなり残っているはずのウィードが忽然となくなっているのを目の当たりにしてびっくりしたのを今でもよく覚えている。14号襲来のニュースを見て、そのときのことをひさしぶりに思いだした。今から20年前の話である。
90年は紀伊半島南部に台風が4個も上陸。いずれも琵琶湖は台風の北または西側に位置したため、強い北寄りの風に見舞われた。28号以前からウィードが大量に切れて流れるお膳立てができていたわけだ。そこへ11月末に台風が襲ったものだからたまらない。南湖の湖底は数時間のうちにずるむけになり、このとき以来琵琶湖のバスフィッシングがかわった。それまではスライダーワームのスプリットショットリグをウィードに投げていれば簡単にバスが釣れたのに、翌年からはストラクチャーや地形変化を正確に狙わないと釣れなくなった。ライトリグ全盛の時代から地形変化を釣る時代へと移行したのである。下物沖、ディープホールなどの浚渫エリアが一躍脚光を浴びるようになった、まさにそのきっかけが11月末の台風襲来だったわけだ。
かわったのはバスフィッシングだけではない。琵琶湖のスジエビはシラサエビ、湖産エビとも呼ばれ、スズキやチヌ、メバルなどの海釣りに生きたまま使う、関西ではメジャーな釣りエサの一つだが、その漁獲が激減した。供給源の大部分を占める琵琶湖で獲れなくなったため、値段が一気に上昇し、好シーズンの休み前などは取り合いになった。おそらくほかにもウィードがなくなったことで影響を受けた生き物達が在来種、外来種を問わずたくさんいたことと思うが、事実確認をしてないしデータもないのでわからない。スジエビの減少も世間的には外来魚が原因ということになっていて、台風の影響でウィードが減ったから、あるいは他との複合原因による現象だというのは、93年に琵琶湖のスジエビ漁を現場取材した経験のある筆者による、あくまでも仮説であることを念のため付記しておく。そうしないと、単なる憶測や風説を根拠や裏付けのないまま事実であるかのごとく流布し続けている大中小極小署名匿名各種メディアと一緒になっちゃうからね。
時は流れて、再びウィードの釣り全盛となった今思うのは、紀伊半島沖を東へ抜けた台風14号が、もし北寄りの進路を取って琵琶湖の近くを通り、ウィードを吹っ飛ばすほどの大荒れになってたらどんなことが起こったかということだ。水草除去に使われるはずの税金が不要になってよかったかもって? それは甘い!! その分の予算が外来魚駆除に回される。エビや希少固有種漁が不振になって、外来魚への風当たりがますます強くなる。20年前の台風のことなんか誰も調べようとも語ろうとしない滋賀県のやることだから、どの道そんなことなんじゃないのかなあ……。まあいずれにせよ、台風が来なくてよかった!!
さあゲームの始まりです。
愚鈍な釣り業者、釣り人諸君、ボクを止めてみたまえ。
ボクは環境破壊者共が怯え狼狽える姿を見るのが愉快でたまらない。
一人また一人と琵琶湖から去っていくのを見たくて見たくてしょうがない。
汚い野菜共には死の制裁を
積年の大怨に流血の裁きを。
ALIEN KILLER 邪魔者殺死の酒鬼鵜薇
原文は97年3月から6月に起こった神戸連続児童殺傷事件の犯行声明
「I'll be back.」は意訳すると「また来るぜ!!」って感じかな。映画ターミネーターシリーズ第1作の中でアーノルド・シュワルツェネッガー扮する未来のアンドロイドが例のちょっとこもり気味の低い声で言って、その後、ことあるごとに使われ多くのパロディーを生み出し続けている、アメリカ映画の決めゼリフ中の決めゼリフ。あれっ、ここにもかの偉大なるJ.C.の名が……。で、誰がどこに帰って来るって!?
小野不由美の屍鬼(新潮文庫、全5巻)は、不死身の吸血鬼との闘いの中で人間の良心が繰り返し繰り返しこれでもかというほど試され続ける、とても重いテーマの長編小説。各500ページにもなろうかという文庫本5冊に及ぶ長い小説だけど、文章にスピード感があってとても面白い。ただし、好みは分かれると思う。以下、文庫本第5巻36ページからの引用。
「もう、うんだりだ」と敏夫は吐き捨てる。「この夏以来、一体どれだけの人間が死んだと思う。それに対して、村の連中が何をした。何も、だ。変だ、おかしい、どうかしていると言いながら、何が起こっているのか知ろうとするわけでもなく、食い止めるために指一本、動かすわけでもない。声高に不平を言うだけだ。そうすれば誰かが連中の口に旨いものを放り込んでくれるものだと思っている」
敏夫は掴んだ腕を投げ出した。
「だから俺は結果を放り込んでやろうとしたんじゃないか。(以下略)」
そういや、あと10日で金で動く有名人の大集合だね。あんなのと一緒にされたくないという某プロアングラーの気持ちがよくわかる昨今。さて今年は、どんなことやったろーかなー。「金で動く人間はだめだ。名誉で動く人間もだめだった。ならば残された理由はたった一つ、愛だ。愛で動く人間は信用できる」は1月26日から始まった西尾維新原作のアニメ「刀語(かたながたり)」のコンセプト。毎月1本1時間、1年がかりで12本のアニメを深夜放送するという気の長いプロジェクトは、とても今の余裕のない釣り業界では考えられませんなあ……。