Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

00/07/29

下野正希inGUAM後編
フライでカツオとビッグファイト

 グアムへやって来て2日目の7月26日、下野正希プロは170lbのカジキをタグ&リリースしました。そのビッグファイトの疲れも見せず、夜はドッグレースを見に行きました。下野プロはドッグレースが気に入ったようで、なかなかのエキサイトぶりです。まあ、2、3時間で軽くお金を賭けて遊ぶには、ちょうどいいんでしょうね。ラスベガスのカジノほど熱くならないし、最終レースが終わったら嫌でも帰らないといけないし、グアムの夜のナイスな遊びを見付けたって感じです。

 そして翌27日、前日と同じくグアム島の北にあるレティディアン岬の沖でルアーを引き始めてロタバンクへ向かいます。タックルは80lbと50lbクラスで、ルアーも全部カジキ用なんですけど、トローリングをしながらフライのタックルも準備しました。カツオのナブラが見えたら、フライで釣ってやろうという作戦です。

 ルアーを引き始めて約30分後、遠くに細かい波しぶきが見えてきました。カツオのナブラです。始めは小さく見えてたんですけど、近付くとけっこう大きなカツオの群れです。トローリングしながら近付いていくと、初めのうちは群れの動きが激しくてなかなかうまく近寄れなかったんですけど、だんだんとナブラが大きく、しかもあちこちに何カ所も見えるようになってきました。ナブラが出る時間帯にうまくボートがポイントに入るように、キャプテンがタイミングに合わせてくれたようです。

 下野プロがフライロッドを手に舳先に陣取ります。ボートは静かにカツオのナブラに近付いていきます。10mぐらいまで近付いたところでキャスティング開始。ほとんど養殖場のイケスの中で釣ってるような状態なんですけど、カツオはなかなかフライに反応しません。下野プロはストリーマータイプのフライからバスバグに取りかえました。つい先日、八郎潟でバスを釣るために巻いたフライなんだそうです。

 このフライに即反応がありました。最初は一瞬ロッドが曲がっただけでハリが外れてしまったんですけど、次のはがっちりフッキングして猛烈に走り始めました。7番のフライロッドですから、カツオが掛かったらたいへんです。手元から曲がって、ティップが水面に入りそうになってます。魚が走ると、一瞬で10m以上、ラインを持って行かれてしまいます。それをゆっくりポンピングしながら5mぐらい寄せてくると、また10mぐらい走られて、バッキングがなくなりそうなぐらいまで出てしまいました。

 下野プロは魚の走りに合わせて、ゆっくりと船尾へ移動しながら、少しずつラインを取り返していきます。フライのタックルで、魚はカツオなんですけど、前日のカジキと同じぐらいエキサイティングなファイトです。なんとか引き寄せてランディングネットに納めたのは、3kgぐらいのカツオでした。下野プロ、前日に続いて汗だくです。右手のひらに何カ所かラインを押さえた跡が残ってました。

 そんな下野プロのファイトをながめながら、B.B.C.服部はルアーをキャストしてたんですけど、なんと5回連続バラシてしまいました。フックには掛かるんですけど、走り回られてるうちに外れてしまいます。カツオの口って、トローリングでもドラグをちょっと強くしているとバレてしまうぐらいで、とっても弱いんですね。真剣に狙うなら、ルアーやフックのサイズとかをちゃんと考えないといけないと思いました。それと、伸びのないPEラインを使ってたのがいけなかったのかもしれません。こういうときはやっぱりナイロンラインですよね。

 そんなこんなで、1時間半ほどバタバタやっているうちに、カツオのナブラがだんだんとなくなってきました。本当に時間帯なんですね。こうなるとどうしようもないので、トローリングを再開します。それから夕方まで、トローリングは1回のストライクもなく終わりました。当たりも触りもしなかった2日前と同じです。先週まであんなにいたカジキは、やっぱりどっかへ行っちゃったんでしょうか。

 最終日の28日は80lbのタックルをボートから降ろして、30lbと50lbのタックルでトローリングをすることにしました。もしカジキがヒットしたら、ちょっとたいへんです。

 朝一番のロタバンクは、やっぱり前日と同じようにカツオのナブラがすごいことになってます。カツオ用のルアーにかえてやると、すぐに釣れてきました。大きいのは4kgぐらいはあります。これは一緒に行ってた子供達が上げました。釣るだけなら、キャスティングよりもトローリングの方がはるかに効率がいいし、ルアーへの反応もよさそうな感じです。やってるうちにカジキのストライクがくる可能性もありますしね。今日は最後までトローリングでいこうということになりました。

 カツオのナブラがなくなると、また静かな時間がやってきます。こうなると、緊張感を保ち続けるのがたいへんです。ちょっと眠気が襲い始めた正午前、いきなりアウトリガーのルアーにストライクがきて、ラインが走り始めました。けっこうな勢いで走ってるんですけど、魚がジャンプする姿は見えません。150mぐらいは走ったでしょうか。魚が止まったところでリールを巻き始めると、意外に軽く寄ってきます。ラインがどんどん巻けます。どうやらカジキではなさそうです。残念。上がってきたのは1mオーバーのオキサワラでした。

 その後はストライクなく、下野プロのグアムカジキ取材は4日間で1タグ&リリースで終わりました。1週間前までは、ちょっと異常なぐらい釣れてたんですけど、普通はこんなもんなんですよね。それよりも、すごいファイトシーンが撮影できたし、こういう状況でもカジキは釣るわ、フライでカツオは釣るわ、さすが下野プロです。

 今回の取材の模様は、CS釣りビジョンで10月頃放送の予定なんだそうです。下野プロの次回のカジキ釣り挑戦は、8月に和歌山へ行きます。B.B.C.服部も一緒です。グアムより和歌山のカジキの方がはるかに難しそうだし、そんなに簡単に釣れるとは思えないんですけど、B.B.C.服部のカジキ熱が下野プロに伝染して、えらいことになってきました。

 下野プロにはくれぐれもバスの方も手を抜かないで、がんばってもらいたいと思います。でないと、バスフィッシングの屋台骨が傾いたらえらいことですからね。お願いしますよ、下野さん。

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