Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

01/01/12

池原からレイクフォークへ
レンタルボート店スタッフ珍道中
VOL.1

 1月9日から13日までテキサス州のレイクフォークへ来ています。B.B.C.服部がレイクフォークを訪れるのは95年5月以来ですから約5年7カ月ぶりです。前回はB.A.S.S.のトーナメントシーズンを終えたばかりの大森貴洋プロ、大橋茂史プロと一緒だったんですけど、今回は奈良県池原ダムのレンタルボート店スポーツワールド、バッシングポイント池原、ワンアップヒライのスタッフらがアメリカの有名釣り場を自分達の目で見てみたいということで、総勢9人の釣り&お勉強ツアーに参加してやってきました。

 レイクフォークはアメリカでも屈指のビッグバスレイクとして有名です。テキサス州レコードの18.18lbのバスをはじめ、数多くの超ビッグバスが仕留められていて、10lbオーバーはそんなにめずらしいサイズではありません。その意味では、日本の代表的なビッグバスレイクである池原ダムで働くスタッフが、アメリカを代表するビッグバスレイクへやって来たわけですが、ただ釣りをするだけが目的ではなく、アメリカの釣り場の環境や管理のノウハウを学ぶために、いろんな所を見てみたいということで、テキサスフレッシュウオーターフィッシャリーセンターの見学なども予定に入っています。

 到着初日は少しでも早く釣りをしたいのを我慢して、ダラス・フォートワース空港のすぐ近くに最近できたバスプロショップ・アウトドアワールドへ行きました。バスプロショップは日本でも有名なんですけど、ダラスのアウトドアワールドは巨大なワンフロアにありとあらゆる釣りとアウトドア関係の用品、ウエアなどが豊富に取りそろえられてあります。もちろんボートもたくさんありますし、有名な人工の滝もちゃんとあります。その広さは、日本のフィッシングショー会場を一回り小さくしたぐらいあって、本気で見て回ろうと思えばまる1日かけても終わらないぐらいです。

 一行は残念ながら先を急がないといけないので、約1時間半の買い物時間で必要なタックル類などだけを買ってバスプロショップを後にしました。はっきり言って、時間があったらもっと長い間いたいという気持ちが全員の顔に表れていました。

 翌10日は、いよいよ朝から釣りです。9人が5艇に分かれて、夜明けと同時にガイドに連れられて出発しました。残念ながら天気がよくなくて、小雨が降ったり止んだりしています。風がとても冷たくて、気温もかなり下がっているようです。雨はみぞれまじりで、ボートで走ると小さな氷の粒が顔に当たって痛いぐらいでした。

 さすがのレイクフォークでも、こんなに寒いとバスはスローなようです。本当はスポーニングシーズンの3月とか4月に来る方がいいんでしょうけど、メンバーはレンタルボート店で働いてるスタッフが中心なので、オフシーズンにしか来ることができないのは仕方ありません。だけど、ガイドは寒さなんか気にしない様子で、バイブレーションプラグでシャローをどんどん撃っていきます。これがここのスタイルなんでしょうか。後で聞いた話では、だいたいのガイドが同じような釣りをしてたみたいです。

 この日は午後にフィッシャリーセンターの見学に行かないといけないため、午前11時に上がりました。結果は村松鉄也さん、太田徹さんが乗ったボートがガイドの分も含めて全部で7尾のバスをキャッチ。最大はガイドが釣った25inで、村松さん、太田さんも50cmクラスを釣ってました。ルアーはバイブレーションプラグとスピナーベイトだったそうです。それ以外の4艇は残念ながらノーフィッシュでした。

 午後はフィッシャリーセンターの見学です。1800万ドルの巨額を投じて建設されたテキサスフレッシュウオーターフィッシャリーセンターは、レイクフォークからちょっと離れた所にあるレイクアセンスの畔の広大な敷地に、大規模な研究施設、ふ化場、養魚池などがあり、その一部が見学者に解放されていると言うか、ちゃんと見学用のツアーコースが用意されています。

 入場者をまず最初に迎えるのが、テキサス州中部の川とファームポンド、リザーバーの環境を再現したプールで、それぞれの環境にいる魚を自然に近い状態で見ることができます。もちろんおなじみのバスやブルーギルなどもたくさんいますし、日本では見られないクラッピーやキャットフィッシュ、ホワイトバス(バスとストライパーのハイブリッド)、ガーなんかもいます。

 水槽展示のコーナーには10lbオーバーのバスがいました。だけど、一行はこのサイズのバスを見なれているのであまり驚きません。それよりも、レコードフィッシュのコーナーに展示されたばかでかいナマズやガーのレプリカの方が受けてました。このコーナーにはワールドレコードの22lb4ozのバスやレイクフォークでキャッチされたテキサス州レコードの18.18lbのバスのレプリカもあります。さらに、シアターになったホールには高さ3mほどもある巨大な水槽があって、バスやキャットフィッシュなどのフィーディングショーが見られるらしいんですけど、この日は時間が合わなくて見られませんでした。ほかにオールドタックルの展示なんかもあります。

 中でも一行が一番興味深く見たのは、バスの採卵やふ化に関する展示です。これは、詳しい説明用のビデオやパネル展示を見た後で、担当の人の説明を聞きながら本物の施設を見ることができるようになっています。B.B.C.服部も初めて見たんですけど、グラスファイバー製の大きなプールで親バスを人工的に産卵させて、その卵を取り上げて専用のチューブに入れてふ化させるシステムは、すごくよくできてると思いました。遊びの釣りのために、ここまでやるかって感じです。

 日本では、来年度の国家予算として9000万円の外来魚対策費が付きました。片やアメリカでは、このフィッシャリーセンターの建設予算が1800万ドル(約20億円)。テキサス州だけで、これと同じようなセンターが6カ所あるという話を説明員から聞いたB.B.C.服部は頭がクラクラしてきました。

 テキサスフレッシュウオーターフィッシャリーセンターで見たり聞いたりしたことは、それぞれのレンタルボート店のスタッフから様々な形で大勢のバスアングラーに伝えられていくはずです。今、日本のバスアングラーにとって大切なのは、どうしたらバスがよく釣れるか、どうしたら物が売れてお金が儲かるか、みたいなことばかりを考えるんじゃなくて、こういう勉強を1人1人がしっかりして、その結果をみんなで共有することです。そういう勉強をするために、わざわざテキサスまで来た彼らの熱意が、このレポートを通じて皆さんに少しでも伝わればと思います。

 というようなことで、この原稿を書いてるのはテキサスに着いて3日目の1月11日です。昨日の釣りが終わった後は、夜半までずっと冷たい雨が降っていました。だけど、今日の未明には雨は上がって、だんだんといい天気になってきています。明日はもっと暖かくなるそうで、「きっとでかいのが釣れるぞ」と張り切って釣りに出発していきました。それを見送ったB.B.C.服部だけが1人部屋に残ってこのレポートを書いています。釣りに行けないのは残念ですけど、ほかにも仕事があるから仕方ありません。それよりも、みんなよく釣れたらいいですね。結果は次報をお待ちください。

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