Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

01/07/04

グアムのカジキは
台風とともに去りぬ???

 グアムに残った下野正希プロは、6月25日から27日までさらに3日間釣りをして2本のカジキを上げました。27日に釣れた100lbが最大ですから、サイズ的にはそんなに大きくはなかったんですけど、下野プロが7日間連続でトローリングをしている間に、トータルで3本のカジキが上がったわけですから、確率的には悪くありません。何回挑戦しても釣ることができない人がいることを考えたら、いい成績です。

 下野プロが帰ってくるなり、先にグアムから帰ったB.B.C.服部の携帯に電話がかかってきました。すぐに駆け付けて、自慢話をたっぷりと聞かせられちゃいました。それと、「タックルが多過ぎて全部持って帰れなかったから、残してきたのを次に行ったときに持って帰ってきてね」だって。

 下野プロもB.B.C.服部も一通りのタックルを持って行ったんですけど、グアムで釣りをしている間にその量は最後には倍以上に増えてました。トローリングのタックルってロッドにしてもリールにしてもルアーにしても重くてかさばりますよね。一度に持って帰れないから、誰かが帰るたびに分けて持って帰ろうということで、一足お先に帰ったB.B.C.服部とみたらーが一部を預かって持って帰りました。それでも、まだ全部持って帰れなかったから、残してきたというわけです。

 それで仕方ないので、B.B.C.服部は7月1日に再びグアムへ下野プロの荷物を取りに行ってきました。というのは嘘です。本当は7月1日から3日までの釣りの予定が先に決まってたところへ、下野プロが6月21日からグアムへ行くことになったので、そちらも付き合って、6月下旬から7月上旬にかけて2回グアムへ行くことになったんです。ですから、潮まわりは7月1日からの方がいいはずなんです。下野プロが後半の3日間で2本もカジキを上げたという話を聞いて、これは7月1日にB.B.C.服部が釣りをする頃には、さらにたくさんのカジキがグアム島のまわりに集まってきて、ばっちりのタイミングになってるぞと内心ワクワクしてました。

 ところがです、7月1日のグアムの海は大荒れになってました。発達中の低気圧が近くにあって、その影響が出始めたんだそうです。突風みたいな風が吹いて、島の風裏でもちょっと沖へ出るととがった波が立って水しぶきが飛んでいます。ほかのトローリングボートとかイルカウオッチングのボートとかはぜんぶキャンセルになってたんですけど、「服部さんは止めないでしょ」ってテンボートチャーターのオーナーの天畠正雄さんに言われちゃいました。こうなったら後へは引けません。それに、海は荒れてるけど、たくさんのカジキが集まってきてるはずですからね。ほかのボートが出てないこういうときが、まさにチャンスと言うものです。

 あまり沖へ出ることができないので、島影伝いに恋人岬の沖からグアム島の北端にあるリティディアンポイント沖へとルアーを引きながら走って行きました。リティディアンポイント沖でしばらくトリヤマを追いかけた後、Uターンして再び島影伝いに南へ走り始めたときです。何の前触れもなく、いきなりカジキのストライクがきました。センターにセットした80lbのタックルから、ものすごいスピードでラインを引き出していきます。400mぐらい走ったところで一度止まったんですけど、ファイトに入ろうとするとまた走りだして、結局600mぐらいラインを持っていかれました。

 ストライクがきた場所は島影とは言っても、けっこう波があります。ザブン、ザブンと船べりに打ち付ける波の中をボートをバックさせながらリールを巻いてラインを取り返していきます。30分ほどのファイトで上がってきたのは150lbのカジキでした。釣り始めてから3時間もたってません。サイズもまあまあです。やっぱりたくさんのカジキが集まってきてるんだ。これからお祭りが始まるぞ。

 ところがです。その後はルアーを引いていくら走り回っても何のストライクもありません。カジキどころか、トリヤマの近くを走って小さいルアーを引いてもカツオも釣れない始末です。翌2日の朝、NHK国際放送の天気予報を見ると、グアムの近くにあった低気圧はさらに発達して台風4号になってました。グアムからは遠ざかる方向へ移動してるので、風と波はいくらかはましです。今日こそチャンスとばかりにがんばりましたが、当たりもかすりもしません。ボートのまわりをイルカが泳ぎ回って、楽しそうにジャンプしてるだけでした。

 3日は風が止んで、沖から台風のウネリはきてるんですけど、行こうと思えばどこへでも行ける好条件です。行けるポイントはぜんぶチェックして、もうこれ以上行く所がないというぐらい走り回りましたが、やっぱりストライクはありません。この日はトローリングのチャーターボートが4隻出てたんですけど、全部が全部当たりも触りもしなかったそうです。普通、カジキがいたらストライクぐらいはあるはずなんですけどね。いったいどうなっちゃったんでしょうか。

 今シーズン2回目のグアムは3日間でストライクがたったの1回。それを幸運にもタグ&リリースできたわけなんですけど、この1回がなかったら本当に何もなかったというきわどい結果でした。帰りがけに天畠さんが言ってたんですけど、グアムのカジキって、夏になると台風が移動するのと一緒になって北の方へ泳いで行っちゃうんだそうです。「グアムのまわりにいたカジキが台風4号と一緒にどっかへ行っちゃったんじゃないか。台風4号が日本の方へ行ったら、カジキも日本の近海へ移動してるかもしれないから、帰ったらよく釣れますよ」って言われたんですけど本当でしょうか。

 単なるなぐさめだと思うんですけど、もしかしたら期待してもいいのかなーと思いながら、今、この原稿を書いています。今日の朝、グアムから帰ったばかりなんですけど、今夜には和歌山の三輪崎漁港へ行って、明日からワイルドキャットで釣りをする予定です。三輪崎へ行って、台風の影響のウネリが出始めてるようだったら……。冗談だとは思っていても、あんなこと言われたら期待しちゃいますよね。

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