Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

04/02/07

映画ザ・ラストサムライを
観てきました

 遅ればせながら、映画「ザ・ラストサムライ」を観てきました。昨年12月に公開された映画を今さら見たって言うのも恥ずかしいんですけど、気が付いた点が二三あったので書いておきます。ただし、映画の中味のことについては触れません。B.B.C.服部は映画は好きですけど素人です。そんな者が中味のことを批評したら、世に大勢おられる映画評論家の大多数はどうでもいいとして、数少ない本当のプロの方に対して失礼ですからね。それでは……。

 これって、日本の俳優や女優はたくさん出てるけど、ワーナーブラザーズ配給のれっきとしたアメリカ映画ですよねえ。昔だったら日米合作とか、そういうことになってたんでしょうけど、最早そんな作り方をする時代じゃないんでしょうか。あるいは、こんな大作をハリウッドの映画資本と組んで作れるだけの強力な資本が日本にはすでに存在しないっていうことなんでしょうか。もしそうだとしたら、うーん、ですよね。映画って、アニメや怪獣やテレビタレント主演作や人気テレビ番組の劇場版だけじゃ、ぜんぜん面白くありませんから。

 その映画で主演のトム・クルーズの向こうを張って好演したのが渡辺兼です。アカデミー賞の最優秀助演男優賞候補にノミネートされて、日本のメディアが予想通りのバカ騒ぎをしています。もし渡辺兼がアカデミー賞を取ったら、たいへんなことらしいですね。だけど、これって冷静に考えたら、アメリカ資本が日本のことをテーマにして作った映画に出た日本の俳優がアメリカの映画の賞を取れるかどうかって日本人が大騒ぎしてるっていう、なんか、ものすごいパラドックスです。

 この映画の最後のところで強く言われてた日本人の生き方や歴史のことを考えたら、はたしていいことなんでしょうか。もしかしたらアメリカの映画資本とその一味が日本の娯楽の大きな部分を支配しようとしてる、この映画はその一連の流れをはっきり示してるんじゃないか。映画の内容と実際にやってることが、これまたものすごいパラドックスなんじゃないかと、メディアの世界に生きてるB.B.C.服部は考えずにはいられませんでした。

 この映画に描かれたアメリカ人による日本理解が、自衛隊によるイラク派兵のご褒美とかじゃなかったらいいんですけどね。そこまでの心配は不要でしょうか。そんなことまで考えてしまうぐらい内容がある面白い作品ですから、お金を払って観ても決して損はしませんよ。

 あとは観る人の知識と理解力次第なんですけど、映画館に来てたのは日本の歴史のことなんかぜんぜんわかっていそうにない十代から二十代の若い人達ばかりだったんですよね。おじさんやおばさんは、こういう映画を観ないんでしょうか。もしかしたら、テレビで大騒ぎしたから引いちゃってるのかなー。その点も、ちょっと気になったんですけど、面白かったから、まあいいか……。

 いやー、映画って、本当にいいものですね。

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