Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

04/07/05

ビワコオープン第3戦
決め手はサスペンドバス攻略

 7月5日の滋賀県琵琶湖は、台風7号からかわった温帯性低気圧が近付いて朝のうち曇り空だったのが、午後には一時雨になりました。場所によっては1時間に数mmの強い雨が降ってます。1日に1cmのペースで下がり続けてた水位が、この雨で一瞬だけ上昇したんですけど、夜にはまた下がり始めました。気温が上昇したのにともなって、水温も南湖で26〜27度、北湖も25度台に急上昇してます。いかにも梅雨って感じなんですけど、今年は雨がドカンとまとまって降る傾向が強いみたいですね。

 まずはコイヘルペスの近況から。4日はビワコオープン第3戦の取材でボートに乗ってたんですけど、コイの死骸はほとんど見ませんでした。徹底した回収が行われてるところへ、6月下旬頃から死んで浮くコイが減って、琵琶湖に浮いてるコイの死骸は激減したようです。これでコイヘルペスウィルス(KHV)病は一段落するんでしょうか。コイ釣り師の話として、死んでるのは養殖種のヤマトゴイがほとんどで、野生種のコイは今でも多くが元気だということを聞きました。ヤマトゴイは浅場で群れるから、KHVに感染しやすいのではないかとのことです。これがもし本当だったら、野生種のコイを増やしてKHV対抗するようなことも考えられます。悲惨な状況の琵琶湖に少しだけ希望が見える話ですね。

 ビワコオープン第3戦は、優勝が5kg台というのは大方の予想通りだったんですけど、15位まで4kg台というのはよく釣れてます。3尾でこのウエイトですから、40cm台半ばから後半のバスがよく釣れたということですね。エリアは木浜の南寄り沖、赤野井沖、下物沖、草津川河口沖、北山田沖、それとプリンスホテルのはるか沖などです。そろそろ水温が上昇してきてるので、まず水通しのよいエリアであることが条件で、それにウィードや浚渫、ブレイクなどがからんでバスやベイトフィッシュが集まるスポットを形成してる所が狙い目なわけです。

 問題はそこでどう釣るかなんですけど、ビワコオープンの取材時に同船した杉戸繁伸プロは、バイブレーションプラグやスピナーベイト、キャロライナリグで40cmオーバーをポンポン釣ってました。その中に45cm前後から50cmクラスがまじるから、3尾なら5kg前後のウエイトになります。琵琶湖オープンにエントリーしてれば5位以内に入賞してお立ち台の成績です。

 釣りをしてる場所はごく普通で、まわりにたくさんのボートが浮いてます。だけどグッドサイズを釣ってるのはごく一部のアングラーだけです。多くのアングラーは釣れても30cm台までで、なかなか40cmを越えません。杉戸プロの話では、大きなバスほど浮いてるんだそうです。それがベイトを追いかけて広く動き回るから、じっとしてたのでは釣れないと言います。それをバイブやスピナベ、キャロで手早く広い範囲をカバーしながら探し出して釣ってるというわけです。

 小さいバスしか釣ってないアングラーが何をやってるかと言うと、だいたいはツネキチリグやネコリグで、いい感じにできてるウィードエッジやアイソレートパッチなどをネチネチと時間をかけて釣ってるんですね。確かにそれでも、そこそこいいサイズのバスが釣れる可能性はあるんですけど、よほどいいスポットを押さえない限り、釣れても大部分は30cm台から、よくて40cmちょっとまでです。40cm台後半や50cmクラスをそろえるには時間がかかり過ぎて、ウエイトを伸ばすことができません。釣り方的に間違ってるわけではないんですけど、トーナメントの成績を考えた場合、最善の方法ではないわけですね。

 5190gのスコアで2位になった奥村哲史プロも同じことを言ってました。ただし、奥村プロの釣り方は杉戸プロよりもスローでていねいです。それで広いエリアをどうやってカバーしてるかは、琵琶湖オープンのホームページに奥村プロのレポートが掲載されますので、そちらをごらんください。

 今の琵琶湖南湖でいいサイズのバスをそろえてこようと思ったら、浮いて動き回ってるのをいかに捕まえるかがキーのようです。それをどういう釣り方で現実のものにするか、方法はいろいろありますから、その中から自分なりのやり方をいくつか見付けて、水深やウィードの密度、高さなどに合わせて効率よく組み合わせればよいということです。ただし、もう一つ大切なキモがあって、ただひたすら広範囲をカバーすればよいというものではありません。可能性があるエリアの中から、バスが釣れるスポットの連なりとも言えるラインをいかに絞り込んで釣りの効率をアップさせるか。このことがとても大切です。

 これって、よく考えたら、琵琶湖ならではの釣りですよね。ちょっと前までは、こういうことをやろうと思っても、アングラーが多過ぎてグチャグチャになってしまってやれませんでした。今の琵琶湖は、広いエリアの中からラインを絞り込んで釣っていくだけのスペースが取れるようになってます。やったことのない人には、ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、この釣りがめちゃめちゃ面白いんです。なにしろウィードがどんどん伸びていく状況の中ですから、釣れるラインもどんどんかわっていきます。それを追いかけるには、素早いチェック能力と判断力がなくてはなりません。それでいいサイズがドカンと釣れたら、面白くないわけありませんよね。

 今の琵琶湖は、そういう面白い釣りを体験できるチャンスですから、ぜひがんばって釣りに出てください。それと、どうしてもわからないと言う人があれば、フィッシングガイドを利用するという手もあります。よく釣れる琵琶湖でガイドと一緒に釣りをすれば、わからないままやってるのとくらべて、同じ1日でも何10倍の経験ができます。今がそのチャンスですから、ぜひご一考を……。

 今回のビワコオープンはデンソーの冠大会でした。会場に設営されたデンソーブースでかき氷を配ってたのは、なにしろ暑い日でしたから、たいへん喜ばれてました。ビワコオープンって、親子で出てる人がいたり、カップルの姿があったりで、楽しいトーナメントですね。

 おまけに奥村プロのような一流選手も出てるし、今回は河口湖のトーナメントとだぶったから少なかったんですけど、ほかにも全日本クラスのバスプロがたくさんエントリーしてます。その割に手軽に参加できるし、成績は各マリーナやレンタルボート店へ選手が帰ったときには掲示されてるという素早さですから、やっぱり主催者が選手のことをよく考えてるんでしょうね。こういうトーナメントが琵琶湖にできてよかったと思います。9月26日に開催される第4戦はどんな釣れ方になってるか、ぜひ取材したいなと思いました。

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