Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

04/10/08

黒潮大蛇行と台風と
カツオ大漁の関係

 和歌山の海は秋の戻りガツオが好調に釣れてます。9月中は紀伊半島の東側の熊野灘で釣れてたのが、10月に入って西側にも回って、カツオ漁の本場すさみ沖でも釣れるようになりました。サイズは、戻りガツオと言うにはちょっと小さい1kg台がメインです。これから2〜3kgの大きいのがまじるようになったらいいですね。

 ワイルドキャットでもよく釣れてます。9月前半までは釣れたり釣れなかったり釣れなかったりだったのが、9月後半は18日に18尾、19日は35尾、23日は8尾と釣りに出るたびに釣れるようになりました。10月に入るとさらに調子よくなって、2日に29尾、7日は20尾です。2日に釣ったカツオは琵琶湖まで運んで、ラリー・ニクソンに食べてもらいました

 ところが、調子がいいときに限って天候が安定せず、なかなか釣りに出られないんですよね。7日は低気圧通過後の北西の風がやっとおさまって釣りに出られたと思ったら、朝から東の風がだんだんと強くなって、午前7時頃には波高2mを越える時化もようです。波が高くなるにつれてカツオがよく食うようになって、入れ食い状態になったからがまんして釣り続けたんですけど、午前8時半頃には引き上げました。漁船は昼までがんばって、ひさしぶりに大漁でした。

 その日の午後から台風接近で釣りどころでなくなってしまいました。港では船を陸揚げしたり、ロープで縛ったりの作業が始まりました。夜に降りだした雨が翌8日は土砂降りになり、東寄りの風がさらに強くなって大荒れです。台風は紀伊半島へど真ん中ストライクの列島縦断コースを進んでますから、2、3日は釣りになりそうにありません。その後もカツオが残ってるかどうかは不明です。

 この秋のカツオが好調なのは、黒潮が大蛇行してるからですね。真っ直ぐ東へ直行してた一昨年、昨年は、秋のシーズンにまともなカツオが数尾釣れるか釣れないかという不漁でした。それが潮がかわっただけで、また釣れるようになるから不思議なものです。黒潮の蛇行の影響で豊漁になったり不漁になったり、魚種によっていろいろなんですけど、秋のカツオに関してはいい方向に働いてるのかもしれませんね。

 ただし、大きなカツオは戻って来ないかもしれないという話があります。5日付Yomiuri On Lineの記事によると、今年は大蛇行の影響で房総半島のすぐ近くを黒潮が流れていて、水温の高い黒潮を避けて沿岸沿いに南下する戻りカツオが鹿島灘沖などで滞留する可能性があり、茨城や千葉で豊漁、静岡や三重では不漁と明暗が分かれるかもしれないんだそうです。つまり、黒潮が房総半島に近付き過ぎて、カツオの南下ルーツを遮って、鹿島灘沖あたりで堰き止められてしまうんですね。

 それならワイルドキャットでよく釣れてるのは何なのかと言うと、熊野灘で今釣れてる1kg台のカツオは、三陸沖まで北上したのが帰って来た本当の戻りガツオではなくて、途中までしか行ってない手抜き組かもしれないわけです。この説が本当なら、三陸沖まで行って帰って来る大きな戻りガツオは、房総半島沖あたりで南下が止まって、そこで釣られてしまって、熊野灘まで来る頃には残りわずかな貴重品なってるかもしれません。1kg台の小さいのがよく釣れてるからと言って、それにだまされてはいけないということです。

 もし房総半島の沖あたりで大きなカツオの群れが止まってるんだったら、この台風で漁に出られない間に波と風と潮流の変化に刺激されて南へ動きだしてくれたらいいんですけどね。それが誰も気付かない間に伊豆沖や遠州灘沖を一気に通り抜けて、台風が過ぎた頃にうまく熊野灘まで来てくれないでしょうか。そうなったら台風後は大きなカツオの入れ食いだぞと、時化で釣りに出られないと、そんなことばかり考えてしまいます。

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