Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

05/03/11

映画「ローレライ」を
封切り日に観てきました

 3月5日公開の映画「ローレライ」を観てきました。封切り日のレイトショーで、150人ぐらい入るホールに入場者は3分の1ぐらい。封切り前にテレビで盛んにプロモーションしてた割に大したことないなと思ってたら、興行成績は同時公開のシャークテイルやワンピースを押さえていきなり1位なんだそうです。今年の春はドル箱のドラえもんが不在とのことで、それで宙に浮いた30億円の売り上げをどこが持って行くかの争いになってたんですけど、東宝がドラえもんのかわりに投入したローレライがきっちり穴埋めした形です。

 B.B.C.服部が興味を引かれる映画の要素を並べると、SF、怪獣、海、恐くないということになります。外国映画も邦画も問いません。この条件のいくつかを満たしていて、面白そうだなーと思って観に行っても、大外れのときがしょっちゅうありますけどね。ローレライはSF系の戦争映画で海洋ものでもあるわけですから、条件的には十分。観た結果は、5重丸の的のど真ん中からはだいぶ外れてるけど、一番外とその次の丸の境目ぐらいだから、まあ許容範囲内かなってとこでしょうか。最後の結末とラストシーンがちょっとなー、なんていう文句は、この際、言わないことにしましょう。

 それにしても、太平洋戦争をテーマにした国産映画って、本当にひさしぶりですねえ。子供の頃は別にして、大人になってからはついぞ観た記憶がありません。野坂昭如原作の「火垂るの墓」っていうアニメの名作があるんですけど、こういうのはなかなか大受けしないんですよね。日本が関わった戦争を正面切って描くのは、この国ではある種タブーのような気がします。なにしろ戦争が終わってから60年近くたってるのに、憲法9条や国旗、国歌の問題に決着が着いてない国ですからね。

 それなら戦争をどう描くかという問題を解決するヒントが「ローレライ」にあるような気がします。できるだけたくさんの人に観てもらって、その中に戦争に対するメッセージをどう込めるかというプロの仕事ですね。これから同じユニットで、「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」と大作が夏まで続くみたいですから楽しみです。戦争や人の死を遠くから見てるなあという不満も、今はこれぐらいがせいぜいなのかもしれません。戦争映画を観ることに大勢の人達がなれていったら、もっとヘビーな映画を作れるようになるんじゃないでしょうか。

 問題は、日本で映画を観る人達が、そういう映画を受け入れるぐらい大人になれるかどうかですよね。それが無理だったら、またアニメとテレビタイアップと怪獣ばかりに戻るのかなあ……。そんなことにならないために、自分の好みに合いそうな映画は、「子供だましや!!」なんて言わずにせっせと観に行こうと思いました。

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