Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

05/05/17

加藤誠司プロの心配は
大水槽のバス君

 ジャッカルの加藤誠司プロのこのところの気掛かりは、大水槽のバス君達です。もうすぐ6月1日だというのに、外来生物法の飼養許可をどうするか環境省に聞いても、はっきりした返事をもらえないんですね。

 外来生物法の施行規則では、観賞用や愛玩用にバスを飼うのは6カ月以内に許可を取ればいいことになってるんですけど、ジャッカルがバスを飼ってるのはルアーの研究や展示のためですから、これはちょっと話が違います。フィッシングショーなどにバスを展示するのは、鑑賞や愛玩のためではありませんからね。おまけに移動を伴いますから、そのときはどういう手続きをすればいいのか、環境省に聞いても返事がありません。今はまだ何も決まってないようです。

 そんな状態で、6月1日以降は会社が無許可で飼ったら1億円以下の罰金というのが法律の決まりですから、これは知らなかったではすみません。「もういいかげん、ちゃんとしてよ」と加藤プロが言いたくなるのも当然です。琵琶湖がリリース禁止になったときに、レンタルボート店やマリーナがバス回収用のイケスを設置して、そこに溜まったバスをどうしたらいいかと滋賀県に聞いたら、「処分はおまかせします」などとふざけた返事が帰ってきたのを昨日のことのように思い出します。現場を見ずに机の上で考えただけの法律や条令を準備不足のまま無理矢理施行しようとするから、結局は現場が困ることになるんですよね。その点、琵琶湖のリリース禁止条例も外来生物法も似たようなことになってきました。捨てカミツキガメがあちこちで見付かってるのも、同じことなんでしょうね。

 外来生物法はバス釣りやりリースを禁止するものではないというのが政府や環境省の公式見解です。つまり、バスフィッシングの現場ですぐに何かが起こるわけではないということですから、バスアングラーはへたに騒ぎ立てたりせず、淡々と6月1日を迎えようというのが加藤プロの意見です。新聞やテレビの取材に対しても、何も困ってないよという態度で臨んだ方が、釣り禁止やリリース禁止が否定されたことを強調できていいんじゃないかということですね。そうしておいて、もし釣り禁止やリリース禁止なんてことが出てきたら、そのときは話が違うじゃないかと訴えたら、その方が効果的だということです。そのためには、情報を捕まえるアンテナをしっかり張っておくこと。加藤プロはその点も強調してます。

 6月1日に外来生物法が施行されてすぐに問題になってくるのは、バストーナメントの検量に伴うバスの移動や手渡しの扱いがどうなるかということでしょうね。環境省はまだはっきりした指針を出してませんが、この点も間もなく報告できるとのことでした。6月に入ってすぐに開催されるトーナメントがいくつもありますから、そこでバスの扱いをどうすればいいのか、できるだけ早くはっきりしてもらわないと準備が間に合いません。その点も抜かりはないようで、環境省の発表を受けて、ただちにいろんなメディアを通じて情報を流す準備はできてるようです。

 5月15日に東京で開催されたライブイベントReleaseは、思ってたより真面目な内容だったとのこと。楽しく派手にバカ騒ぎするのかと加藤プロは想像してたそうなんですけど、「バスアングラーって真面目ですねえ」との感想でした。

 6月5日に予定されてる滋賀県のシンポジウムは、県庁の人が説明に来て、加藤プロは出席することに決めたそうです。まだ滋賀県から正式の発表がないので詳しいことはわからないんですけど、シンポジウム全体のテーマは琵琶湖ルールではなくて、人と自然の共生について考えようというもの。その下に二つのテーマがあって、一つは生き物から見た共生、もう一つはレジャーから見た共生と、ちょっと無理矢理な感じがしないでもないんですけど、加藤プロが出席するのは「レジャーから見た共生を考える」というテーマのシンポジウムで、そのタイトルが「琵琶湖ルールは定着したか」なんだそうです。加藤プロは「しっかり定着してますよ。実効が上がってるかどうかは知りませんけどね」ときっぱりと言ってました。シンポジウムでの発言が楽しみですね。

 それと、滋賀県が今年度の事業として計画してる琵琶湖根掛かりマップに滋賀県釣り団体協議会が協力してくれないかという打診が来てるそうです。バスアングラーの存在を無視したままで何もかもやっていけるわけがないってことを滋賀県もやっと理解したのかもしれません。これこそ、バスアングラーと釣り業界の強力な反対をテコに、県に対していろんな働きかけを続けてきた努力の成果です。来年春のリリース禁止条例の見なおしを前にして、琵琶湖の風向きが微妙にかわりかけてるのかもしれませんね。

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