Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

07/04/05

琵琶湖のボートはどうなる!?
菱田敬一さんに聞いてみました

 ひさしぶりにバイタルスピリットの菱田敬一さんの登場です。となると当然、滋賀県琵琶湖のボートの話ですよね。

 滋賀県は琵琶湖レジャー利用適正化条例にもとづくマリーナ協定を20業者と結んで3月末に発表しました。非環境対策型エンジン搭載艇の琵琶湖での使用は、条例施行当初は08年4月から禁止されることになっていたのが、3年後の見なおしにより条件付きで11年3月まで猶予されることになりました。その条件というのが、県と協定を結んだマリーナに保管した上で08年3月までに県に認定申請をして認められることです。つまり、非環境対策型エンジン搭載艇は今後、県の管理下に置かれるようになるわけですね。本当にそうなるかどうかは、滋賀県のことですからまったくわかりませんが……。

 まず協定を結んだ20業者にバスフィッシング関係のマリーナがいくつ含まれるかですが、バスフィッシング用のボートを少しだけ保管してる業者もあったりするから線引きが難しいけど、まあざっと10業者以内だそうです。Bassingかわら版と関係が深いところではリブレ、イシヅカマリンはちゃんと含まれてます。20業者は県のホームページに掲載されてますので、そちらをご確認ください。ここにボートを置いてるバスアングラーは、とりあえず一安心ですね。

 県に協定の申請をしたマリーナは51業者あったそうです。その中から20業者だけが認められたわけですが、中には最初から無理な業者もあるし、冬の間にやることをちゃんとやっておけば認められたのに手を抜いたために認められなかった業者もあるとのこと。これらの業者について、二次審査のようなことがあるのかどうかは、今のところわかりません。県としても、言うことを聞く業者だけを生き残らせる方向に持って行きたいわけですからね。だけど、あまりきついことをしたら、またぞろ県みずから条例の形骸化を押し進めることになってしまわないとも限りませんから、判断が分かれるところです。

 認められた業者の条件、これがまたなんとも見えてこないそうです。明白な違法行為がないことは当然として、かなりグレーなのにどうして認められたの!?と言いたくなるような業者もあったりして、どうもよくわかりません。もしかしたら代議士を動かしたりとか、そういう日本の行政にありがちなことが行われたのかもしれません。どこまでちゃんとすれば認めるというようなことを県は一切公表してないから、すべてはグレーのままです。琵琶湖レジャー条例が元々とてもグレーな条例ですから、こうなるのは仕方ないんでしょうね。

 滋賀県に登録してる約7300隻のボートのうち非環境対策型エンジン搭載艇が約5500隻。そのうちの約1000隻が今回の協定でカバーされたことになるそうです。ということは、このままだと残り約4500隻は08年4月から琵琶湖で走れなくなってスクラップか県外への環境汚染持ち出しということになります。県外からの持ち込み艇については、まったく救済措置なし。後のことは知らん、やることはやったから、もうどうにでもしてくれーっ!!と滋賀県はバンザイしてるとしか思えません。これすべて、無理矢理な条例を押し通してしまった結果です。

 では、バスアングラーはどうすればいいか。今すぐ動かないといけない状況ではないと菱田さんは言います。非環境対策型2ストロークエンジンが使えなくなるとしても最速08年4月から。それまでに協定を結んだマリーナが増えるかもしれないし、「使えなくなる」のが「バスをリリースできなくなる」のと同程度かもしれない可能性だって大いにあります。あわててエンジンを載せかえたり、マリーナをかわったりして、正直者がバカを見る結果にならないとも限りません。なぜなら、今回協定を結んだマリーナだけでとても収容し切れるものでないことは県だってはっきりとわかり切った上でやってるわけですからね。それで蓋を開けたらこんなひどいことになっちゃったじゃないかと結果を突き付けられて困るのは、やってるのかやらされてるのか知りませんが、どっちにしてもあちら側の人達です。その結果、臭いものに蓋もせずプンプン匂ってるのに知らん顔する滋賀県の得意技が、また見られるかもしれませんよ。えっ!? 自分の体臭が臭いから匂ってることに気付いてないんだって!! まあ、その通りかもしれませんね。

 良心的なバスアングラーとしては、ここはあわてず騒がず様子見するのが一番いいんじゃないでしょうか。どうしても不安な方はマリーナを移動するか、お金があればエンジンを載せかえてもいいし、冬になるまで動かずにいてどうしようもなくなっても、そのときはそのときでなんとか方策はあるはず。その方策はここでは書けませんが、今までそれで生き残ってきたじゃないかというわけです。まあ最低限の保険としては、そういう方策について相談することができる本当に信頼できる業者なり何なりを冬になるまでに確保しておいた方がいいということですね。最終的に08年3月末までには、農林水産大臣に見習って法律の定めるところに従って適正に処理できるように、業者だけでなくバスアングラーの皆さんも含めて、みんなでがんばりましょう。

 菱田さんの本業のボート販売とメンテナンスでは、環境対策型2ストロークエンジンを搭載しようという動きがはっきりと出てきてるそうです。時勢が時勢だけに新艇はごく少ないけど売れれば100%直噴型エンジンなのはもちろん、程度のいい中古艇ならエンジンを新しく直噴型に載せかえるケースもあります。中古艇価の安さがその流れを作り、ボート業者もニューエンジンを安く提供して後押ししてます。つまり、普通に中古艇を買う値段にいくらかプラスすれば新しいエンジンが付いてきて、琵琶湖でずっと乗り続けられるというわけです。

 ただし、エンジンを載せかえるとなると100万円以上のお金がかかるわけですから、全部が全部というわけにはいきません。さすがに非環境対策型エンジンを搭載した中古艇がそのままで売れるケースは次第に減ってるそうです。出てくる中古艇自体も少なくなって、中古艇市場に一時ほどの勢いはありません。そうなると安売り合戦がさらに拍車をかけることになります。それでも琵琶湖で乗れない古いボートはいくら安くしても売れないかもしれません。これから数年の間に古い船外機艇は琵琶湖から一掃される可能性だってあります。マリーナやボート業者にとっては、これからが本当の生き残り競争かもしれませんね。

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