「アマダイは釣れてますか」という問い合わせの電話がかかってきます。「このくそ暑いときに!?」と思うんですけど、アマダイ釣りが好きな人は年がら年中アマダイを釣りたいんですね。
台風9号が行った後、和歌山県三輪崎沖はシビ子(クロマグロの子)がよく釣れるようになりました。9月8日は昼までに21尾。9日も夜明けと同時に出漁。朝早い間にシビ子を釣って、時合いが終わったらアマダイを釣ってみることにしました。秋になっても戻りガツオが来なかったら、アマダイを釣らないといけませんからね。ちょっと早いかもしれないけど、様子を見ておこうというわけです。
シビ子は前日と同じようによく釣れました。朝のうちだけで13尾。まわりの漁船もケンケン(引き縄)釣りで次から次へと釣ってます。前日よりも調子がいいぐらいです。台風の後、7日から釣れ続いて3日目ですから、かなり大きな群れが三輪崎沖に居着いてるようです。こういう釣れ方をするシーズンは、戻りガツオもよく釣れる確率が高いから楽しみです。
予定通り午前9時からアマダイ釣りに切りかえたけど、これがアタリが遠いのなんの。おまけに日が高くなると暑いっ!! アマダイ釣りはパラシュートアンカーを使ってボートを潮に乗せて流すから、バウがまともに風上になって、スターンの釣座はキャビンの風裏になってしまいます。冬はこれが寒くなくていいんですけど、夏は暑くてやってられません。釣果はゲスト2人で30cmぐらいのアマダイが2尾。くそ暑いときにやる釣りではないことがよくわかりました。
シビ子を釣ってる最中、近くへトローリングに来てたクルーザーがカジキを掛けたという無線交信が入ってきました。三輪崎からカジキ釣りに出てた漁船に位置を教えたら、しばらくしてカジキが釣れたという無線連絡が来ました。
「ネコさん、ネコさん」
「???」
「服部さ〜ん」
「はーい、ワイルドキャットです」
「カジキが釣れたよー」
「それはよかったですねー」
「教えてもろうたとこやー。ありがとうねー」
「よかった、よかった」
後はほかの漁船が無線でしゃべりだして、そうなったら漁師言葉同士のやり取りですから何を言ってるのか半分ぐらいしかわかりません。こんな調子で漁師のおっちゃんと会話できるようになるまで8年かかりました。それでもまだ全部は聞き取れません。
この日、近くの海域で3尾のカジキがキャッチされてます。三輪崎の漁船が1尾と潮岬を越えて回り込んできたクルーザーが2尾。台風が行った後でもカジキはまだ近くにたくさんいるみたいです。シビ子やアマダイと遊んでる場合とちゃうやんか!! くそーっ、うまいこといかんなあ……。