Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

96年12月13日

強風と濃霧に悩まされ続ける琵琶湖で
港の岸釣りがよくなってきたぞ

 12月に入って滋賀県琵琶湖は強風で大荒れの日が多くなった。風が吹かなければ朝のうち濃い霧がかかることが多く、どちらにしても天候に悩まされる日並みが多い。このような天候は毎年12月後半になるまで続き、特に琵琶湖大橋より南の南湖では、南寄りの強風が吹き荒れる日が続く。

 トーナメントシーズンはすでに約1カ月前に終わり、さすがに琵琶湖に出ているバスフィッシングのボートの数はいくらか少なくなった。ただし、少なくなったといっても、これまでのシーズン中が異常に多かっただけのことで、あいかわらず多くのバスアングラーが釣りをしていることにかわりはない。

 ところが12月に入ってからは、週末ごとに大荒れになり、ボートでは満足に釣りができないことが続いている。このところ、ボートアングラーはいささか欲求不満気味だ。

 その一方で、冬場が好シーズンである港の岸釣りが盛り上がってきた。この週刊ルアーニュースをごらんになっている方は、すでにお気付きのことかもしれないが、11月末になったあたりから雄琴港で多くのバスがキャッチされるようになっている。例年、雄琴港は11月にはよく釣れるようになるので、それにくらべると今シーズンは多少遅れ気味と考えてよいかもしれない。

 岸釣りの状況が全般に上向きになっているためか、琵琶湖の各港にはバスアングラーの姿が次第に増えつつある。普段から人気の高い膳所の舟だまりなども、毎年12月末ごろから恒例の爆釣シーズンに入るが、バスの群れが港内に入り込むのに先駆けて、多くのアングラーが港内に集まり始めている。

 真冬の琵琶湖にボートを出しているバスアングラーの中には、トーナメントがシーズンオフの間に練習にやってくるバスプロも少なくない。彼らは冬の間にトーナメントのための釣りの練習をするのと、もう一つは魚探を使ってのフィールドチェックに多くの時間を使っている。このような努力によって、沖合の湖底の地形の変化をチェックし、その中のバスがつくスポットを見付けだして、トーナメントに役立てているのだ。

 このような方法で96年にもっとも成功したのが吉田秀雄プロである。彼は9月15日に開かれたJBウエスタンプロトーナメントに優勝し、その直後に交通事故にあって右手首を骨折したにもかかわらず、10月2、3日に開かれたJBジャパンプロトーナメントで3位に入賞している。また、その次の週の7、10日のJBジャパンプロトーナメントでも上位入賞しており、もしけがをしていなければ3連勝も夢ではなかった。

 吉田プロは95年9月23日のJBウエスタンプロトーナメントで初優勝し、その実力を証明した。96年のシーズンは前半に目立った成績がなかったが、後半の琵琶湖で大活躍し、その結果、現在の琵琶湖で最強のバスプロと多くのトーナメンターから評価されている。大荒れの12月8日に吉田プロの取材を行ったが、そのときに出てきた話の中で、彼の釣りがはまっているときの破壊的とも言える威力を感じたことがあったので紹介しよう。

 吉田プロが調子のよいとき、トーナメントの本番にセットしているタックルのうち3本がジャンボグラブのテキサスリグで、シンカーもグラブのカラーもまったく同じものがセットしてある。別の3本は、これもすべてビッグクランクベイト。ルアーのカラーは2本は同じで、1本だけ別のカラーがセットしてある。残りの2本はスピナーベイトで、これも同じスピナーベイトがセットしてある。

 同じタックルのセットをいくつも用意するのはトラブルに備えるためだから、基本的にはジャンボグラブのテキサスリグとビッグクランクベイト、スピナーベイトの3種類があれば釣れるということになる。これほどの強さを秘めた吉田プロの成功の大きな部分が冬の間の努力によってもたらされている。このことは、一般のアングラーにも大いに参考になるだろう。

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