Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

97年3月7日

花粉症のシーズンが始まった

 2月末ごろから、暖かい日が目立って多くなった。このころの天候の特徴は、暖かく晴れた日の後は、次第に曇り空になって雨が降る。雨の後はふたたび天気がよくなって北寄りの風が吹き、その後は暖かい好天なって、次に曇り始め雨が降る。この繰り返しだ。

 こういう天候のはっきりとした繰り返しが始まると、季節は冬が終わって確実に春に向かっていると思って間違いない。このときの雨がそれまでと違うのは、激しい雨足で比較的短時間に強く降ることだ。雨が降る前日ぐらいから暖かくなり、防寒着を脱ぎたくなるような日和となる。雨が降る直前から降り始めにかけては、南の風が強くなって時として大荒れとなる。この強い南風のうち、その年一番早く吹いたものを春一番と呼ぶ。

 琵琶湖周辺では、2月25日夜と28日午後から3月1日午前にかけて強い雨が降った。雨が降る前はすごく暖かくて、絵に描いたような春の始めのパターンとなった。湖上は荒れる日が多く、特に南湖では南の風が強く吹く日が急に増えている。今年、西日本に春一番が吹いたのは2月21日のことで、天候はそのころからはっきりとかわった。

 このような春の始めの天候変化と同時に、一部のアングラーに襲いかかるのがスギ花粉の飛散だ。今年は昨年にくらべて花粉の量が5倍になるなどと予想されているが、どうやら2月末から3月始めにかけて本格的にスギ花粉が飛び始めたようである。

 スギ花粉がもっとも多く飛ぶのは、雨が上がった後に天気がよくなって空気が乾燥し、風が強くなったときだ。つまり、雨が上がっていい天気になり、よし釣りに行こうというときに、ちょっと風が強めなことが、このころには多いのだが、こういう日がスギ花粉が一番多い日にあたるから、花粉症のバスアングラーにとってはやっかいなのである。

 このときの風は、北寄りの強風になることが多い。この風に乗ってスギ花粉は何10kmと飛ぶ。だから、まわりにスギの木がまったく生えていない都会に住んでいるからといって安心できない。遠くの山に生えているスギの花粉が、都会まで飛んできて花粉症の発生源になるのだ。

 これは湖の上でも同じで、広い琵琶湖の上だからスギ花粉がないということはない。むしろ、湖の上は障害物が何もないから、周囲の山々からの風が一気に吹き抜けてくる。街にいるよりも琵琶湖の上にいた方が、スギ花粉は多いと思った方がいいぐらいだ。

 今シーズン初めての本格的なトーナメントであるNBCチャプター湖南トーナメントが開かれた3月2日、琵琶湖南湖は午前10時ごろから南風が強くなり始め、午後には湖面が白波に覆われるほどの大荒れとなった。前日の3月1日の朝までは雨が降っていた。それが次第に回復して、2日は好天となり、加えて強風という、スギ花粉が飛ぶには絵に描いたような条件がそろったわけだ。

 この日、トーナメントの取材のために1日中ボートで走り回っていた。しばらく前から花粉症の気配はあったが、はっきりとした症状にはなっていなかった。それが取材中、時間を追うにつれて目がかゆくなってくるわ、鼻水は出てくるわで、ウエイインが始まるころには最悪の状態になった。翌日、朝一番にかかりつけの医院へ飛び込むまで、ボロボロの状態が続いたことは言うまでもない。

 このシーズン、花粉症のアングラーにとって防ぎ手はない。釣りに行かないのが一番である。どうしても釣りに行きたいのなら、天気のよい日は無理をせず、雨に日を選んで出かけるしかない。雨に打たれて寒くても、花粉症よりはましかもしれない。これは花粉症でないアングラーには理解できないかもしれないが、大まじめな話だ。

 ところが取材となるとそういうわけにもいかないから、毎年何回もひどいめに合うことになる。ほかのアングラーには悪いと思いながら、今度のトーナメントは雨にならないかな、なんて思ってしまうほど、花粉症のアングラーにとって春は憂鬱な季節なのだ。

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