Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

97年9月12日

JBジャパンプロトーナメント琵琶湖最終戦
ベテラン久保克彦プロが10年ぶりの優勝

 9月6日から7日にかけて滋賀県琵琶湖でダイワカップJBジャパンプロトーナメントが開催された。今年のトーナメントシーズンもそろそろ大詰めにさしかかっており、同シリーズが琵琶湖で開催されるのはこれが最後になる。JBウエスタンプロトーナメントシリーズは1週間前の8月31日に最終戦が行われており、琵琶湖のJBトーナメントは10月4、5日に開催されるワールドトップ30の最終戦を残すだけとなった。

 9月に入ってからの琵琶湖は、8月末よりも暑い日が続いていた。ところが、トーナメント前に2日間のプラクティスが行われるころには曇り空が広がるようになり、9月5日夜には雨模様になった。琵琶湖周辺でまとまった雨が降るのは、夏場に多い夕立を除けば約1カ月ぶりのことだ。

 トーナメントの初日は小雨が降る中でのスタートとなった。雨は一時的に強く降り、この日は終日、雲が切れることはなかった。そのためバスの活性は高めで、スピナーベイトやクランクベイトなどのハード系のルアーにもかなりのヒットがあったようだ。

 JBジャパンプロトーナメントは2日間の合計得点で争われる。各日の得点は、トップの200点から順位が一つ下がるごとに1点ずつ引かれて190位が11点。それ以下は全員5点という配点になる。その合計で争われるわけだが、この場合、2日間それぞれのバスの釣れ具合によって、同じウエイトを出していても得点が大きくかわってしまうことがある。これまでの例では、トーナメント2日目に全体のスコアが大きく下がって、この日に少しでもよい成績を出した選手が大幅に順位を上げることが多かった。

 今回のトーナメントでは、初日の足切りライン、つまり190位の得点圏内に入れるウエイトが3000gちょっとであったのに対して、2日目は1700g台に大きく落ち込んでいる。これは初日が雨模様でバスの活性がトーナメント開催日にしては高かったのに対して、2日目は曇りがちながら一時的に晴れ間がのぞいたりしてバスの活性が下がったためと考えられる。さらには500人以上の選手が一度に釣りをすることのプレッシャーも大きく影響しているのは間違いない。

 この成績を1週間前のJBウエスタンプロトーナメントとくらべてみると、ウエスタンプロ戦の190位のスコアは2100g台だった。その後、2日間のプラクティスが行われてからジャパンプロ戦が開かれたにもかかわらず、初日のスコアが上昇したことから、この時期のバスフィッシングに天候の影響がいかに大きいかがよくわかると思う。

 今回のトーナメントで上位に入った選手の多くは、木浜沖、赤野井沖、下物沖、北山田沖などのウィードエリアでグッドサイズのバスをそろえていた。優勝の久保克彦プロは北山田のかなり沖のウィードエリアでスピナーベイトだけを使い、ただ1人2日とも5kgオーバーのスコアをマーク。2位の堀江健司プロは下物沖と赤野井沖でジグヘッドリグとスピナーベイトを使用。3位の反町裕之プロもやはり沖のウィードエリアでスピナーベイトを使っている。4位の泉和摩プロと5位の庄司淳プロのエリアは木浜沖で、泉プロは常吉リグ、庄司プロはヘビー常吉リグを使った。

■成績は次の通り(2日間それぞれの得点の合計)
1位974pt(198、196)久保克彦/2位374pt(184、190)堀江建次/3位370pt(191、179)反町裕之/4位356pt(163、193)泉和摩/5位356pt(193、163)庄司潤(4位と5位はゼッケン順で決定)

 今年50歳の久保克彦プロは、JBトーナメントにその初期から参加しているベテランの1人。年間成績で今江克隆プロに次いで2位になったこともある実力の持ち主だ。優勝は10年ぶり2回目。ウィードエリアの釣りとスピナーベイトが得意な選手で、数年ぶりにトーナメント活動を再開した今年、安定した成績を出し続けていた。往年のスマートな戦いぶりを思い出すファンも少なくないはずで、今後の活躍に期待したい。

B.B.C.ホット情報データベースへ
B.B.C.ホット情報のテーマ別インデックスへ