Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

98年4月17日

開通したばかりの明石海峡大橋を渡って
香川までゴミ拾いに行ってきました

 4月11日から12日にかけて、開通したばかりの明石海峡大橋を渡って香川県高松市へ出かけた。といっても、バスを釣りに行ったのではなく、12日に高松市内にある公淵公園で開かれたアングラーによるゴミ拾いの集まり、第2回エコトレッキングに参加することが目的だ。

 エコトレッキングは香川県内で釣りとアウトドア関係のインターネットホームページを運営している人たちによって結成された「エコトレッキング事務局」が中心となり、いろんなメディアを通じて呼びかけを行い開かれているもので、昨年秋に第1回が今回と同じ公淵公園で開催されている。今回はその2回目で、前回を上回る57人の参加者があり、同公園内の公淵池と城池の周辺でゴミ拾いをした結果、ゴミ袋に約60杯分のポイ捨て込みと単車の部品やタイヤ、冷蔵庫などの粗大ゴミが回収された。

 香川県内には潅漑用の大小の貯水池が数多くあり、バスの好釣り場も少なくない。しかし、ここでも90年代後半にバスフィッシングがブームになった結果、ポイ捨て込みやめいわく駐車、田畑のあぜ道を荒らすなどの問題が起きて、釣り禁止、立入禁止となる場所が増えつつある。そんな状況を少しでも好転させるために、エコトレッキングが開催されるようになったというわけだ。

 事務局代表の原内淳二さんの話によると、エコトレッキングは元々、公淵公園内でのゴミ拾いだけを目的としたものではなく、次回はぜひ、海の釣り場でゴミ拾いをしたいということだった。ただし、女性や家族連れを含むいろんな人が大勢集まったときの安全確保の問題や、集めたゴミをどうやって始末するかという問題があるため、ゴミ拾いといっても、安易にどこでも開催できるというものではない。このあたりの問題を一つ一つ解決しながらノウハウを積み上げていくことが、今後の課題になりそうだ。

 エコトレッキングの3週間前の3月22日に兵庫県青野ダムで、パソコン通信のニフティーサーブの釣り関係のフォーラムのメンバーが中心となった第4回ゴミ拾いOLM(オフラインミーティング)が開催された。昨年5月に始まったこの活動はすっかり定着して、42人のアングラーが集まり2トントラックに山積みのゴミが回収されている。

 著者は両方のゴミ拾いに参加したわけだが、実際にゴミ拾いをしてみて気が付くのは、確かにアングラーが捨てたゴミも少なくないが、それ以外の生活廃品や粗大ゴミもゴミ拾いのたびに大量に回収されることだ。青野ダムでも公淵公園でも、いかにも盗難単車を解体した後のような普通には捨てそうにない部品とか、どこかからわざわざ運んで捨てに来たとしか思えない大型ゴミが回収されている。それと、やはり多いのは飲み物や食べ物のパッケージだ。このあたりは、アングラーによるゴミ拾い活動だけではどうにもならない部分もあれば、メーカーによるパッケーズの工夫などですぐにでも解決できそうな部分もある。問題は、そのようなことに積極的に取り組もうという意志を日本の社会全体が持つかどうかだろう。

 アングラーによるゴミ拾い活動は、各地で具体的な成果を上げつつある。大阪府淀川では、関西釣り場とマナーを守る会のメンバーが中心となったゴミ拾いの集まりが5月17日に開催される予定だし、青野ダムのゴミ拾いOLMには名古屋でゴミ拾い活動を始めたいというアングラーが見学に来ていた。それ以外にも、すでに多くのゴミ拾い活動が各地で行われている。これまでは点の活動でしかなかった釣り場のゴミ拾い活動が、網の目状に全国の釣り場を覆いつつある、現在はその発展段階なのかもしれない。

 このような活動の影響が深く静かに一般のアングラーに伝わって、釣り場が見違えるほどきれいになる日がそう遠くないかもしれない。アングラーがゴミ拾いだけのために釣り場に集まるという活動を通じて、最終的には普段の釣り場で一般のアングラーがゴミを捨てない、あるいは拾えるゴミを少しでも拾う、といったマナーの向上につながれば、というのがこのような活動を主宰している人たちの願いである。

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