■2月の琵琶湖バッシング

1年でもっとも水温が低いシーズンは
やっぱりストラクチャーが強い
春の訪れが早いか遅いかも要チェック


 96年11月末から12月始めにかけて、琵琶湖周辺にはまとまった雪が降って、例年よりも早く銀世界が見られた。長期予報でも、11月は暖かく、12月に入ってから寒くなるということだったので、いよいよこれから寒くなるぞと覚悟を決めたバスアングラーも少なくなかったはずだ。

 ところが、この雪が解けた後は例年よりも暖かい日が続いた。年が明けて、1月3日ごろから寒い日が何日が続いたが、その後の寒さは、やはり例年ほどではない。例年この時期になると、本当に凍り付くような寒さと強風で、とても釣りどころではないという日がしばしばある。それにくらべると、97年の1月中旬までは、寒いことは寒いのだが、いつもの冬よりははるかにましな状態が続いた。

 95年末から96年始めにかけての同時期は、12月後半から1月にかけて何回も大雪が降り、積もった雪が解けたと思ったら、また積もるという繰り返しだった。雪解け水が大量に琵琶湖へ流れ込んだため、水温は早くから下がって、1月前半には1年間で最低レベルの6度前後に達していた。また、南湖の広い範囲で、それよりも低い5度とか4度の水温が観測された。

 この影響がバスフィッシングにも強く表れて、ディープエリアのストラクチャーの釣りがほとんど壊滅状態になってしまった。有名な名鉄沖の導水管なども、普通なら水深4m前後の場所の導水管狙いで釣れるのが、95年の1月から2月にかけては3mちょっとまでのエリアで、導水管よりもウィードを狙う方がよかった。これは比重の重い冷たい水が大量にディープエリアに流れ込んだためと考えられる。

 普通なら、少々の雪解け水が流れ込んでも、琵琶湖には豊富な湧き水があるため、真冬のディープエリアのストラクチャーというのが不動の好ポイントとして揺るがない。ところが昨シーズンは、あまりにも大量の雪解け水が流れ込んだために、バスの多くがこのポイントを避けたか、または、いてもルアーに反応できない状態になってしまったのではないだろうか。

 97年の状況はどうかというと、1月後半になって琵琶湖周辺はふたたび大雪に見舞われたものの、雪解け水の量は昨シーズンほど多くはなかった。水温の下がり方も、平年並みか平年よりもやや高めを保っている。平年と違うのは、水位が異常に高いことで、1月に入って下がる傾向を見せはしたものの、その後も大きく減水するということなかった。

 毎年2月は、琵琶湖の水温がもっとも低くなる、本当の真冬ともいうべきシーズンだ。バスが釣れるのは、越冬に適したディープエリアのストラクチャーやマリーナ、港の中などに限られる。それと、早い場所では、2月末ごろにはプリスポーニングの一番最初の動きも見え始める。

 その代表的なものとして、南湖のウィードが豊富なエリアや沖島周辺の岩場などでは、水深2〜3mのポイントでロングビルサスペンドミノーが効果を発揮し始める。ただし、この釣りに関してはルアーの操作、エリアの絞り込み方ともに簡単なものではなく最高級のテクニックが要求される。

 96年の1月から3月にかけて爆発的に釣れた膳所の舟だまりやなぎさ漁港などは、港外の状況が雪解け水などの影響で水温が異常に下がって厳しくなったから、港内にたくさんんのバスが集まってよく釣れたと考えることができる。ということは、水温が平年並なら大爆発は期待できないということになるが、両港とも毎年真冬に必ずよく釣れるチャンスがやってくる好ポイントだ。過去の釣れ方から考えても、2月中にチャンスがやってくることは十分考えられるので、チェックを欠かさない方がいいだろう。

 プリスポーニングに向かってのバスの動きは、水位の高いシーズンほど早めに起こるようだ。いつもなら3月に入ってから本格化するスピナーベイトやジグヘッドリグなどを使った釣りが、2月末ごろには可能になることもある。これらのパターン変化は、2月の冷え込み方と水位の変化次第だ。

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