■12月の琵琶湖バッシング

水位、水温ともに下がっていくシーズン
年によって異なる条件が
どこにどんな形で表れるか


 96年の琵琶湖の水位は11月後半になってもマイナス20cm前後を保ち続けた。95年は11月下旬に早くもマイナス90cmを割っているから、これはたいへんな違いだ。その後、96年12月になると水位は上昇傾向に転じ、97年1月から2月にかけてもマイナスになることはなかった。

 97年11月後半は、8月以降下がり続けた水位が上昇に転じ、いったんはマイナス70cm前後にまで達していたのが、50cm台にまで回復した。ここ数年、秋の後半から冬に向かっての水位の変動は、年によって大きな違いが発生している。

 例年、琵琶湖の水位は、夏の終わりに台風と秋雨前線の影響で急上昇したのが、10月後半ごろから本格的に下がり始めて、それが翌年の1月上旬ごろまで続く。普通なら12月末か1月上旬ごろに、その冬の最低水位を記録する。その後ふたたび上がり始めて、かなり回復したところで春を迎えるというパターンをたどる。

 これが95年は、すでに11月末に水位がマイナス90cmを割り込んだ。12月に入ってしばらくの間はマイナス90cm前後で安定していたのが、20日過ぎにふたたび下がり始めて、マイナス93cmまで下がったところで、クリスマスの大雪が降った。この雪によって水位の低下はストップし、1月にはマイナス80cm台に回復している。ただし、水位の低下は止まったものの、大雪が降っては解けの繰り返しが続いたため、南湖を中心に水温がたいへん下がり、バスアングラーにとってはすごく難しくて厳しい冬となった。

 96年は10月から11月にかけて、かなりの雨が降っており、水位は95年の同時期にくらべて約70cm高い。水温は秋を通じてやや高めだったが、11月後半になって本格的に下がり始めて、12月に入ったころには平年並みになっている。

 95年の12月を振り返ってみると、上旬から中旬になっても名鉄沖のウィードエリアで25cmクラスが釣れ続いた。この年の琵琶湖は、秋の後半から水位が非常に低いだけでなく、沖のエリアにウィードが多かった。こういう条件が重なったことにより、バスは沖寄りに集中していた。それが、12月に入っても、そのまま居付いてしまったのではないだろうか。

 この裏返しの現象として、浜大津港や雄琴港、堅田漁港などの岸釣りは、12月中旬まで好調とはいえなかった。本来なら沖から港内へ移動してくるべきバスの内の多くが、水位が低いことと沖にウィードが多く居心地がよかったことの影響で、そのまま沖に居残ってしまったためだろう。

 96年秋は水位がそれほど下がらず、その一方で水温は11月末になって本格的に下がり始めた。そのため、12月に入ってからの早い時期に各地の港でバスが活発化している。95年に膳所の舟だまりやなぎさ漁港で数が釣れ始めたのは12月末ごろからで、これが1月に入って一気に加速したが、96年のように港の岸釣りで早めに釣れだしたシーズンは、数釣りのチャンスも早めにやってくる確率が高い。

 ボート釣りの狙い方は、例年この時期の大型バスは定着型であるよりも移動型の行動パターンになる傾向が強い。そのため特定のスポットを狙えばかならず釣れるということはなく、よいスポットを何カ所か攻めて、そのうちのどこかで当たるという釣りになる。

 水温が10度前後になっても、大型のバスはベイトフィッシュを求めて行動している。だから、釣れるのはバスがエサを取っているスポットだが、バスにとっては常時そこに居続けるには厳しい時期だ。そこで、コンディションのよいときだけそのスポットでエサを取り、それ以外は少しでも寒さを避けることのできるエリアに移動するという行動パターンになる。

 冬の始めにバスがエサを取るスポット、すなわち寒さを避けることができるエリアのすぐ近くで、ベイトフィッシュが多い場所と考えればよい。琵琶湖で典型的な例は、ブレイクラインがすぐ近くにあるシャローで、その中のウィードの沖側の先端といったスポットがあげられる。そんなスポットが水通しのよいエリアの中にあれば、絶好の狙い場になる確率が高い。

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