Teck Performer Vol.1

杉戸繁伸
春のビッグミノーイング

Teck Performer

■春の琵琶湖×ビッグミノー=ビッグバスの公式

 春に効くルアーと言えば、必ずサスペンドミノーが頭に浮かんでくるアングラーは多いはず。私もその1人で、春の訪れを知る、すなわち季節を感じる有効なルアーとなっています。春と言っても3月頃であれば、水温10度を切っている状態で、魚にとっては活発に動き回れる水温ではありません。またこの時期になると、雪解けの冷たい水が琵琶湖本湖に入るなど、かえってボトムの方が、水温が低い状態となることがあり、魚も浮き気味となります。魚が浮き気味で、かつ低水温で魚の活性はそれほど高くない。そうなると中層で止まってアピールできるサスペンドミノーの登場になるわけです。しかもこの季節、まず最初に動き始める魚は体力のある魚、すなわちデカイ個体が多い。だから春の琵琶湖=サスペンドミノーになるわけです。

■なぜショートリップミノーなのか

 さて、今回紹介させていただくルドラですが、130mmの20g。ほかにはなかなかないビッグサイズのショートリップミノーになります。通常のショートリップのミノーであれば、シャローを狙うルアーということになりますが、このルドラにおいては、そのサイズと潜行力から、さらにミドルをも狙えるミノーに仕上がっています。しかもバスに対するアピール力は通常サイズのミノーの比ではありません。強いアクションとリフレクションが生み出す刺激は、ロングリップミノーとも違うことは明らかです。つまり、ビッグサイズのショートリップミノーが春のミドルレンジにおける新しい可能性を切り開いてくれたわけです。

■ルドラというルアー

 ルドラを投げてすぐに体感できるのが、その飛距離。多少の向かい風でもお構いなしで飛んでいきます。これは特に琵琶湖のような広い水域では高いアドバンテージを得ることになりますが、この抜群の飛距離も固定ウエイトで低重心化を図った設計だけでなく、ここでショートリップが効いており、最後は全体のバランスで成り立っています。クランクベイトでも同じですが、リップが長くなると飛距離が出にくくなりますからね〜。

 このルアーのさらなる秘密は、その潜行深度にあり、普通に使って1.5〜1.8m程度、使い方によっては2mを超えることも可能です。これが先程触れた、ただのショートリップミノーではない所以です。同じ潜行深度でも潜っていくときの軌跡がロングリップミノーとは違っていて、ビッグサイズのショートリップミノーであれば狙いの水深をより長くキープすることが可能です。ロングキャストと狙いのレンジを長くキープすることの両立によるアドバンテージは、琵琶湖のウィードエリアのような広大な水域でビッグバスを狙い撃ちするときに最大限の威力を発揮することになります。


ルドラ130SPの潜行軌跡OSPホームページより)

 抜群の飛距離で広い水域を効率よく探れ、一段深いレンジをキープしながらアピールし続けることができる。さらに20gのフルフラットボデイが生み出す強烈なフラッシングとその波動は、やはりビックサイズを引き寄せる何かがあるのは間違いないでしょう。事実、琵琶湖においては抜群の結果が出ており、その実力はすでに証明ずみです。

■タックル

ロッド シマノ・FD TS-160L、TS-1610MF
リール アンタレスDC、スコーピオン1000MG
ライン サンライン FCスナイパー12lb
ルアー OSP・ルドラ130SP

■テクニック

 さて、ルドラの使い方ですが、よく紹介されているトゥイッチ、ジャーキング、ポンプリトリーブが基本で、そのときの状況で使い分けます。まさに今の琵琶湖(3月上旬)なら、まだ水温10度前後なので、トゥイッチにポーズを入れる、またはポンプリトリーブがメインで、要は止める動作を確実に入れることが釣果を伸ばす秘訣となります。

 そしてエリアですが、琵琶湖ならワンド状になっている少し沖合いの水深2.3〜3mが安定して結果を出すことができるでしょう。要はスポーニングエリアの沖に位置するウィードエリアということになります。さらにその中でも、地形に変化があったり、良質のウィードがあったりと魚が止まりやすいスポットを効率的に流せば、よりサイズUPが期待できます。ただ、春は魚の動きが早いので、どの水深に魚が溜まっているかをその日その日で探す必要があります。そこでいかに効率的に探れるかが広い琵琶湖においては重要になり、ルドラの抜群の飛距離が生きてきます。

 さらに釣果を伸ばす秘訣として、グラス等や低弾性カーボンなどのバイトを弾かないロッドの使用をお勧めします。まだまだ低水温だけに、ルアーの尻尾を軽くくわえるだけのバイトが多く、リアフック1本だけに掛かっていることが多々あります。こうなると、魚の引きにロッドが付いていかないと、すぐにバレてしまうことになります。またバイトのほとんどはルアーを止めているときにあるので、ロッドが硬いとその小さなバイトが出ない=掛からない、ということになり、その差はかなり大きいです。20gのルドラを難なくキャストできるバットのしっかりしたグラスコンポジットロッドなんかがお勧めです。

 最後に、私がルドラを最初に使用したのが2005年5月。発売後1週間ぐらいでした。OSPから送られてきて、すぐにテストに行き、他のミノーではサイズUPが難しい中、このルドラで59.3cm、3400gをゲットすることに成功。それからというもの、ルドラは常に私の一軍ルアーとなっています。そして今年の春もすでにガイドで大活躍中!! それは皆さんもご存知の通りですよね〜。バスのサイズが選べるミノー。今まさに旬のルアー。ぜひお試しあれ。船長からのお勧めの一品です。

解説
杉戸繁伸
(すぎと・しげのぶ)

1970年生まれ。滋賀県大津市在住。週末及び休日主体のフィッシングガイドとして大津市今堅田のリブレに所属。琵琶湖では20年以上のキャリアを持ち、ラバージグ、ジグヘッドリグ、ミノー、バイブレーションプラグ、クランクベイト、スピナーベイトなどを使った沖のウィードエリアや浚渫エリアでの釣りを得意としている。元JBプロとして94年4月に河口湖で開催されたJBプロトーナメントで、発売3日後のベビーシャッドを使って優勝したことはあまりにも有名。ハネラバの開発者で、シマノ・ファイナルディメンジョン開発チームの一員でもあり、そのタックル評価能力は高く評価されている。

データ
杉戸繁伸の琵琶湖ガイド情報
07/02/17
初ガイドで50UPキャッチ
07/02/25
爆風の後のミノー勝負

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