Teck Performer Vol.17

森田哲広
エアークラッシュ6.6ヘビテキ活用法

Teck Performer

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■ヘビテキとはどんな釣りか?


 いまや琵琶湖南湖での夏から秋前半にかけての定番、なくてはならない釣りとなったヘビーテキサスリグによるカナダモ攻略を解説します。


 5月頃から南湖のほぼ全域でササバモにかわりカナダモが成長しだします。7月20日頃の梅雨明けで成長は加速し水面近くまで成長します。梅雨明けにより雨量が減り琵琶湖に注ぎ込む水は激減、そして連日のピーカン無風により水の動きはなくなり水質はスーパークリアー化します。バスは直射日光を避けるためシェードを求めるようになりカナダモの葉により形成されたシェードに集中しだすのが例年7月末〜8月上旬。


 ここで活躍するのが1〜1.5オンスのヘビーウエイトタングステンシンカーを使用したテキサスリグ。繁茂したカナダモの葉の密集部分を効率よく貫通、一気にボトムまで到達させ、葉の密集部分の層の下〜ボトムまでの隙間に潜むバスを攻略するメソッドです。


■どんな場所を狙うか


 水深4mのカナダモエリアを中心に浚渫や時期により1m前後の変動。つまり、3〜5mでも釣れるが基本は4mのカナダモ。


 6本柱周辺の南湖中央エリアか?岸寄りのエリアか?は状況により変化する。ボディウオーターの水が悪い状態ならば離れた岸寄り、ボディウオーターの状況がよいと判断したら隣接するカナダモを狙うなどエリア選択するとよいでしょう。


カナダモの高さは高ければ高い方が◎ 葉層の下の隙間が広く、たくさんのバス、でかいバス、ベイトシィッシュが入りやすい。


葉の密度は隙間なく濃い方が◎ バスが安心してステイできるシェードが濃い。


葉層の下のボトムまでの隙間の高さが均等なエリアは◎ バスがスクールでクルーズしやすい。


堅くフレッシュなカナダモが◎ 水質がよく、ボトムにササバモなど他のウィードが少なくハードボトムが多い。


■キャスト、アクション、合わせ


 私がガイド時にゲストに説明することなのですが、以下の通りです。


1>カナダモが丸見えの場合は、高い所、濃い所の真上から直撃する。穴は絶対に狙わない。


2>キャスト後のフォールは絶対にフリーフォール。


3>アクションは葉層の下の隙間の高さを確かめる様に上下に3回誘い、このときはテンションをかけていてもよい。


4>アクションは必ず両手で上下し、ロッドの角度は10時から12時の間で行う。


5>バイトを感じたらテンションをかけず必ずラインを十分に送り込む。リールのクラッチを切るくらいでもよい。


6>バイト後、少しでもバスが泳ぎだしてから合わせる。


7>合わせはラインスラックを取り、一気にウィードから出すようにスゥイープに行う。


 以上が森田流ヘビテキ7カ条。


■ヘビテキ上達への心構え、考え方


 カバーの中の狭いスペースにいるバスを1オンスの重く、完全にハリ先を隠したルアーで狙っていることを常に頭に入れておくことです。オープンウオーターで軽いルアー、フック剥き出しのルアーで釣っているのではないのです。


 具体的には、バスはバイトしてから大きく泳いだり、隙間から出てルアーを追うようなことはないと思った方がよいでしょう。バイトは小さく、最初のバイトは視界に入ってきたルアーに食性よりリアクションでバイトしており、完全に一口でルアーが口の中に入っているとは限りません。乱暴なアクションでは小さなバイトを逃したり、すぐに離してしまいます。フックポイントが出ていないため、完全に合わせないとフックアップしません。つまり偶然釣れる釣り方ではなく、狙って獲る釣りです。


 かなり断定的に書きましたがこのくらい強く想像、考えないとバスに出会うことはできない、難易度の高いメソッドです。”釣れてしまった”はほぼありません。だから楽しい!!


■タックル


 ロッドは6.5〜7フィートまでのあまり高弾性でないMH〜Hクラスのもの。7フィート以上のロッドはルアーを持ち上げる際、遠くの重いルアーを持ち上げるため必要以上に力が入り過ぎ、バスのバイトに気付かず持ち上げてしまう。硬過ぎると合わせ切れが多発します。1オンスシンカーを上下にあおってティップが曲がり過ぎてしまうファーストアクションのモノは×。レギュラーテーパーが◎。


 ラインはフロロカーボン20〜25ポンド。普通は20ポンドでよいでしょう。しかし高活性で50cmクラスが連発するようなときには25ポンドが◎。逆に低活性時にはフォールスピードが遅くなるためリアクションが効かなくなります。


 リールはローギヤードよりハイギヤード。とにかくいち早くウィードからバスを出すことが必要。


 フックはフッキング率、ウィードレスを考えストレートフック。ロングキャストはしないのでオフセットの必要性はまったく感じませんし、ストレートフックはこのようなメソッドのためにあるフックです。


 ワームはとにかくカナダモの葉、トロロモに絡み難く、一気にボトムまで到達しやすいモノ。ストレートワームやチューブワームなど。複雑な付属物が付いたホグ系ワームなどはフォールスピードが遅くウィードに乗ったり、リアクションバイトが期待できません。


 私の使用タックルは以下の通り。


通常のタックル

ロッド モンスタークィーンNEO 68XX
リール シマノ・1501
ライン よつあみ・D-ARM20lb
ルアー フィッシュアロー・エアークラッシュ6.6
フック がまかつ・ワーム310 #2/0、#3/0(おそらく廃盤になっているので市場には少ないです)
シンカー バレーヒル・タングステンシンカー28g


デカバスラッシュ用タックル
ロッド モンスタークィーンNEO 70XX
リール シマノ・1501
ライン よつあみ・D-ARM25lb
ルアー フィッシュアロー・エアークラッシュ6.6 & 8in(プロト)、クラッシュ クロー(プロト)
フック がまかつ・ワーム310 #3/0、#4/0
シンカー ガイア・タングステンシンカー1.5oz、バレーヒル・タングステンシンカー28g


■ヘビテキに特化したエアークラッシュ6.6


 今年4月、フィッシュアローから発売されたエアークラッシュ6.6はヘビーテキサス専用のワームではありませんが、ヘビーテキサスに特化したワームです。細かい気泡とソルトを同時に閉じ込めたエアークラッシュ素材は水中での高浮力とキャスト時に必要な重さという相反する性質を実現しました。


 ヘビーテキサスではその形状ゆえにストレスなくカナダモの下に滑り込み、完全にペグ止めされ1オンスシンカーに固定されている状態でも高浮力なのでボトムで立ち上がりバスにアピールします。高比重ワームや5インチ位のクローワームなどはボトムで倒れ込み、枯れたササバモ、背の低いキンギョモ、沈殿したヘドロなどにボディ全体が隠れてバスは見失ってしまいます。


 エアークラッシュのヘビーテキサスもボトムではシンカー、フックの部分はこれらに隠れていると思います。しかしボディの半分以上は立ち上がり、しっかりバスにアピールします。でも早合わせは厳禁ですよ。
 ガイドでのエアークラッシュ6.6ヘビテキでの主な釣果を紹介します。


 8月9日は西岸4mでエアークラッシュ6.6 & 5.9インチの1オンスTXなどで55〜50.5cm×9本、48〜40cm×20本以上キャッチ。カラーはスモーク/ブルーフレーク、ブルーギル、グーリンパンプキンシード、グリーンパンプキン/グリーンフレーク、ウオーターメロン/グリーンフレークなど。中でもスモーク/ブルーフレーク、ブルーギルのブルー系2色が圧倒的に釣れていますが、入食い時でもバイトが遠のく時間があり、そんなときはカラーローテーションが有効でパーティーゴールド、ジュンバグのようにインパクトが強い2色が◎でした。他の日にはバイトが得えられなくなったゲストがパーティーゴールドにローテーションし1投目に50UPをキャッチ。また違う日には釣っても釣っても40UPでしたが、パーティーゴールドにかえ50UP。ジュンバグに変更した1投目にロクマルクラス、ゲストもジュンバグに変更し数投目に50UPの連発開始!!など。


 8月6、7、9日に行ったガイドでエアークラッシュが供給してくれたバスは50UPが19本、40UP33本と本当によく釣れました。


 お盆過ぎからの冷え込みでヘビテキにかわりビッグベイトでのガイドを行っていた8月中旬でしたが、夏が戻ってきた8月29日から再びエアークラッシュ6.6ヘビーテキサスでのガイドを組み立て、29日は50UP〜40UP×10数本。カラーはパーティーゴールド、スモーク/ブルーフレークが好調。


 8月30日は53〜50cm×3本、45UP前後数本。カラーはパーティーゴールド。


 9月1日は55,54、53,51cm、48cm×3本、40UP×2本。カラーはウオーターメロン/グリーンフレーク、スモーク/ブルーフレーク。


 9月2日はYahoo!動画“ストロングパワーベイト”の取材で59,56、53、,50cm、45cm×2本。カラーはパーティーゴールド、スモーク/ブルーフレーク。


 9月4日は56〜50cm×5本、49〜40cm×10数本。カラーはスモーク/ブルーフレーク。


 9月6日は53〜45cm×13本。カラーはパーティーゴールド、スモーク/ブルーフレーク。


 9月8日は55〜50cm×5本、48〜40cm×5本。カラーはスモーク/ブルーフレーク。


 9月10日は55cm、52cm×2本、48〜40UP×5本。カラーはスモーク/ブルーフレーク。


 9月11日はフィッシュアロー松本氏とエアークラッシュ6.6、来春発売予定のエアークラッシュ8インチ、エアークラッシュクローのヘビーテキサスで58〜50cm×6本、48〜40UP×5本とエアークラッシュ素材とヘビーテキサスの相性を実感しました。


 エアークラッシュ8インチとエアークラッシュクローはさらなる改良、テストを重ね“釣れる!ワーム”を目指しています。


■天候、水質、光量による使い分け


 今年の実績です。


 晴天時にはスモーク/ブルーフレーク、ウオーターメロン/グリーンフレーク、スカッパノン、ブルーギル。


 曇り、雨はパーティーゴールド、ジュンバグ、ブルーギル、スカッパノン、グリーンパンプキン/グリーンフレーク。


 濁りの中ではパーティーゴールド、ジュンバグ、グリーンパンプキンシード、スカッパノン。


 クリアーウオーターではスモーク/ブルーフレーク、ウオーターメロン/グリーンフレーク、スカッパノン、ウォーターメロンシードです。


 10月1日配信予定のYahoo!動画“ストロングパワーベイト”でエアークラッシュ6.6ヘビーテキサスの釣りを解説&実釣していますのでお楽しみに!!

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解説
森田哲広
(もりた・てつひろ)

フルタイムのプロガイドとして年間釣行250日。湖上で一際目立つ182cm、85kgの体躯とは裏腹の繊細な観察眼から生まれるアプローチ&アドバイスは素にして要。ビッグベイトをメインにシーズン中に叩き出すビッグフィッシュの数は圧巻!! 06シーズンにゲストがキャッチした60cmオーバー4本中3本がビッグベイトというビッグベイトスペシャリスト。オリジナルハンドメイドルアーのみで1年間ガイドできることを目標にビッグベイト、クランクベイト、スピナーベイト、バズベイト、ワームなどを現在開発中。山ノ下湾ガイドグループ所属。1972年、愛知県生まれ。滋賀県在住。

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