琵琶湖の湖底から
(2007/09)

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■京滋の夏 総決算 暑ーい京 史上3番目 07/09/01 京都新聞電子版
 遅い梅雨明け、過ごしやすかった7月、そして一転、記録的な猛暑が続いた8月。海で山で街で、京都と滋賀の今年の夏をまとめた。
8月「猛暑日」18日間
 今年の近畿の梅雨明けは7月24日ごろで、平年より5日遅かった。京都と彦根の両地方気象台によると、7月の平均気温は京都も滋賀も平年を1・4度下回った。日照時間も平年の6割から7割で、夏の前半は過ごしやすい日が続いた。
 それが8月は気温も一気に上昇。最高気温が35度を上回る「猛暑日」が京都市で18日を数えた。8月16日には京田辺市で39・0度、大津市でも36・6度まで気温が上がり、京都と滋賀ともこの夏最高の気温となった。
 最高気温が30度以上の「真夏日」は京都で28日、彦根で26日。月間の平均気温(30日現在)は京都が29・3度で平年より1・5度高く、京都で本格的な観測の始まった1881年以来、3番目に暑い8月となった。彦根も28・0度で平年より1・3度高く、1894年以来5番目に暑かった。
水辺にぎわう
 7、8月の気候は水辺のレジャーに直結する。京都府宮津市の天橋立や丹後由良海水浴場、京丹後市の掛津海水浴場など京都府北部は8月に入って、家族連れや若者が詰めかけた。宮津市産業振興室は「梅雨明けが例年より遅かったが、8月は暑い日が続いた。市内では計59万4000人だった昨夏並みの人出になりそうだ」という。
 一方、琵琶湖の水泳場43カ所を7、8月に訪れた遊泳客は25万人で昨年より4万人減った。滋賀県警は7月が涼しく、8月は昨年よりも雨の日が8日多かったことが影響したとみている。近江八幡市の宮ケ浜水泳場が県内で最も多い4万3000人(昨年6万5000人)、大津市の近江舞子水泳場が4万1000人(同5万3000人)だった。
海・山で犠牲も
 京都では7、8月、水難事故の死者が7人あった。宮津市の天橋立海水浴場で8月6日に男児(4つ)が水死するなど、うち5人が海で亡くなった。水難で救助された人は18人(海14人、河川4人)。山では3件の遭難があり、1人が死亡、3人が救助された。
 滋賀の水難事故は琵琶湖や安曇川などで6件あり、大津市の松の浦水泳場で京都市南区の小学2年の女児(7つ)がおぼれるなど、5人が死亡した。水上バイク同士の衝突など船舶事故も16件あった。山の事故は6件で、大津市の比良山系で神戸市の女性(71)が滑落するなどして2人が死亡した。
熱中症相次ぐ
 猛暑は救急出動にも輪をかけた。
 京都市消防局のまとめでは、熱中症の疑いで救急搬送した件数は7月1日から8月27日までで294件。特に8月は昨年同時期の2倍の265件もの出動があった。京都市で今夏最高の38・6度を記録した16日には27件が集中した。消防局は「高齢者が屋内で熱中症にかかるケースが目立った」という。
 滋賀県では大津市で登山中の男子大学生(19)が熱中症で死亡、守山市でも自宅にいた60代の男性が熱中症とみられる症状で死亡した。大津市消防局によると、七、8月の熱中症の疑いでの市内の出動は64件(64人)あり、うち22人が熱中症と診断された。
売れた扇風機
 6、7月の夏物実売期は不振だったが、8月に百貨店やスーパーが衣料品の販売を強化した。家電量販店では扇風機などが好調に売れた。
 百貨店は一時、ひと足早く秋物衣料を増やしたが、猛暑を受けて夏物衣料を拡充した。京都百貨店協会によると、売り上げは微増傾向になった。スーパーの平和堂(彦根市)は8月が夏物衣料の売り尽くしセール期間で「暑さで販売数量は伸びたが、単価が下がり、金額は落ち込んだ」(社長室)という。
 一方、家電量販店では梅雨明け以降に扇風機やエアコンの売れ行きが急伸した。家電量販店のタニヤマムセン(下京区)は「昨年も同じ天候パターンだったが、想定以上に売れた」と話す。

■海を渡った淡水魚:戦中「食料」移送物語/中 命がけで「生きたまま」 07/09/01 Mainichi Interactive茨城
 甲板に並ぶたるの中で、ソウギョの稚魚約15万匹が息苦しそうにひしめき合っていた。
 1943年1月、太平洋戦争中の東シナ海を渡る貨物船で、県水産課職員だった草野政良さん(84)たちは、自転車の空気入れに、穴をたくさん開けたホースをつないで、たるの水に酸素を送り込んだ。勢いが強すぎる時は、ひしゃくで水面に水をたらし酸素を与えた。「今では笑われちゃうようなやり方だけど」。草野さんは言う。だが、真剣だった。必ず魚を生きたまま持って帰りたかった。
   ◇   ◇
 ソウギョを求めて草野さんと課の上司ら3人が中国・上海に着いたのは42年11月だった。「戦争中だったが、敵視する雰囲気はほとんどなかった」。現地業者は友好的だった。
 業者が船に稚魚を積み次第、帰るはずだった。ところが稚魚が届かない。「揚子江沿岸の養魚場を出た船が、途中で何者かに襲われた」と聞いた。出発を2日遅らせると、今度は日本行きの船が出ない。足止めは1カ月以上にわたった。12月29日ごろ、貨物船和山丸が入港した。
 海上で年が明けた。「米軍の潜水艦が潜んでいる」との情報があった。ただでさえ「足の遅い」和山丸は、潜水艦を警戒してジグザグに進まなければならなかった。標的にされるのが怖く、甲板でうっかりたばこを吸うこともできなかった。
 1月7日ごろ、和山丸はようやく神戸に入港した。同10日の「茨城新聞」は「草魚ご入来 揚子江から13万尾」と県への到着を報じた。
   ◇   ◇
 草野さんが国内輸送担当で日本に残った翌43年度の移植では、船が現地で他の船と衝突し、稚魚は全滅。海に投げ出された県担当者が重傷を負い、台湾で救助さたが、1カ月ほど音信不通になった。
 「草魚移殖事業報告抄録」には、42年度は茨城ほか18府県が参加し、揚子江流域の九江産稚魚計約115万匹を移植したと記録されている。1匹約6〜15センチ、価格は不漁の影響で倍近くまで上がり、1匹11〜12銭(現在の約40〜44円)。県は約2万円(同約730万円、半額を国が補助)の事業費で約15万匹を持ち帰り、生き残った約6万5000匹を霞ケ浦などに放流した。【清野崇宏】

■漁師さんの「ロクロ節」再現 大津・北小松で地引き網体験 07/09/01 京都新聞電子版
 約30年前まで大津市北小松の漁師らが地引き網漁をする時に歌っていた「ロクロ節」が1日、北小松水泳場で開かれた地引き網の体験イベントで再現された。地元の地唄保存会のメンバーらが民謡調のゆっくりとした歌を湖岸一帯に響かせ、参加した親子らが歌に合わせて網を引いた。
 ロクロ節は漁師らが使っていた木製の網の巻き取り機「ロクロ」にちなみ、網を引く調子を合わせるために歌われていた。だが、ホンモロコなどの魚が捕れなくなり、地引き網漁が廃れたため、ロクロ節も歌われなくなったという。
 この日は、北小松地唄保存会員や元漁師ら8人が、手拍子を打ち、「ソーラヨイヨイ」と合いの手を入れながら、「比良や小松の磯浜がよいつまが濡れます打つ波で」「足が揃うたかロクロが軽いよ後に戻すな後引きよ」など七五調で、約20分歌い続けた。
 参加した市民ら約350人は4列になり、長さ約300メートルの大きな網をゆっくりと引いた。ヘラブナやコイも揚がったが、大半はブラックバスだった。
 元漁師の白井元次郎さん(80)は「昔ほど声は出なかったが、ホンモロコなどが捕れた当時を思い出しながら歌った」と話していた。

■県内水面漁場管理委:ブラックバスなど外来魚、再放流禁止を指示 07/09/01 Mainichi Interactive鳥取
◇生態系への影響配慮
 県内水面漁場管理委員会が31日、湯梨浜町石脇の県栽培漁業センターであり、ブラックバスなどの外来魚について、再放流を禁止する委員会指示を出すことを決めた。期間は11月1日から1年間。必要があれば、同委員会で更新される。
 スポーツフィッシングとして人気のあるバス釣りでは、釣った魚を再び放す「再放流」をすることが多いが、外来魚はフナやエビを食べるなど生態系への影響が指摘されており、漁業関係者から再放流の禁止や駆除を求める声が寄せられている。
 県が06〜07年にかけて、農業用ため池や防火水槽、公園内の池などの管理者に行った聞き取り調査では、県内全域の計10市町村の計37カ所でブラックバスやブルーギルなどの外来魚の生息が判明。外来魚の食害で、在来種が減っているとの報告もあった。
 委員会指示は、個人のため池などを除く、県内全域の公共水面などに適用。指示自体に罰則規定はないが、漁業法に基づき、違反者には知事による命令などを経て、懲役1年以下、罰金50万円以下の罰則も適用できる。【田辺佑介】

■琵琶湖岸、みんなできれいに 滋賀県内6カ所で一斉清掃 07/09/02 京都新聞電子版
 琵琶湖岸や歩道を清掃する「びわ湖クリーンキャンペーン」が2日、大津市など滋賀県内6カ所で行われた。計2380人が参加し、琵琶湖からの心地よい風を楽しみながらごみを拾い、夏のレジャー客でにぎわった砂浜をきれいにした。
 県労働者福祉協議会と連合滋賀の主催で、1975年から毎年実施している。同協議会の会員らが、大津市や彦根市、長浜市などに集まり、午前9時から一斉にごみ拾いを始めた。
 大津市では約1000人が唐橋公園、膳所公園、大津市民会館前の3カ所に分かれて実施。参加者はごみ袋を手に、湖岸約10キロを歩いて、ペットボトルや空き缶、ポリ袋などのごみを拾い集めた。
 膳所公園のごみ拾いに家族で参加した東近江市上平木の会社員安藤康博さん(30)は「今日は風が気持ち良い。湖岸がきれいになればもっと気持ちよいでしょうね」と話していた。

■東西両本願寺の門前町、魅力多彩に 下京で催し 堀の生き物展示も 07/09/02 京都新聞電子版
 東西両本願寺や周辺地域の住民や商店などを巻き込んだ街おこしイベント「下京門前町ルネッサンス」が2日、京都市下京区一帯で行われた。
 下京区役所と、住民らでつくる「下京・町衆フォーラム」の主催で、2001年から毎年開かれている。
 西本願寺では国宝「飛雲閣」「書院」の特別拝観、東本願寺でも御影堂修復工事の現場見学会などがあった。また、一帯ではスタンプラリーも行われたほか、JR京都駅ではコンサートも開かれ、周辺は多くの人でにぎわった。
 東本願寺の堀では、同寺や市内のNPO法人(特定非営利活動法人)でつくる「東本願寺と環境を考える市民プロジェクト」が、堀にすむ生き物を知ってもらおうと、捕まえた魚や昆虫を「お堀水族館」として展示した。
 琵琶湖疏水から水を引いているため流れてきた大きなブラックバスやブルーギルなどに、道行く人は足を止めて見ていた。上京区から訪れた冨田るみさん(39)は「見たことがない魚がいっぱいですね」と話していた。

■外来魚、食べて退治しよう 亀岡の住民 池の水抜き駆除作戦 07/09/02 京都新聞電子版
 京都府亀岡市宮前町神前地区の「神前ふるさとを守る会」のメンバーが2日、地区内の寺池の水を抜き、ブラックバスやブルーギルなど外来魚の捕獲に取り組んだ。作業後は外来魚を香草焼きなどに調理して舌鼓を打った。
 山間にある神前地区では、ため池が稲作などの貴重な水源になっているが、数年前から外来魚の姿が目立つようになったという。外来魚駆除とともに、多雨時の洪水調節機能も持つため池の重要性を再認識してもらおうと、同会が環境保全活動の一環として企画した。
 地元の子ども会や老人会、土地改良区などから約40人が参加。水を抜いた寺池に子どもたちが入り、コイやイトモロコなどを捕まえた後、前日までに地区内の池で捕獲したブラックバスとブルーギルをオリーブ油で焼いたり、空揚げにした。
 バジルなどとともに焼いたブラックバスの身は、臭みもなくあっさりした味わい。初めて食べる住民たちも「意外にいける」と次々にはしを伸ばし、用意した8匹分の切り身はあっという間になくなった。青野小5年の森友哉君(10)は「ちょっと骨があったけど、他の魚よりもおいしかった」と笑顔で話していた。

■「人・魚守る政策大切」 07/09/03 asahi.com滋賀
【櫻井氏と琵琶湖テーマに対談】
【ダム巡り嘉田知事治水にも配慮】
 ブラックバスなど外来生物の問題を考えるシンポジウム「『日本のガラパゴス』琵琶湖からの発信」が1日、東京都豊島区の立教大であった。琵琶湖の環境について、嘉田由紀子知事がジャーナリストの櫻井よしこ氏と対談。ダム政策を問われた知事は「どうすれば人間と魚の両方を守れるかを考えることが大切」と答えた。
 立教大の研究機関「ウエルネス研究所」が開いた。00年にブラックバス問題を考えるシンポを始め、8回目。今回は、固有の生物を守る取り組みを続けてきた琵琶湖に焦点をあてたという。
 学生ら約200人を前に、池谷奉文・日本生態系協会会長が基調講演。「持続可能な社会」をキーワードに、世界中で生態系が破壊されている現状を紹介した。ダムや高層ビルなどの人工物はすべてごみになるとしたうえで、日本の現状を「大量生産、大量輸入を改めない限り、子どもたちに自然を残すことはできない」とした。
 次に県漁連青年会の戸田直弘さん(46)が琵琶湖の現状を報告。「漁師が一生懸命駆除したことで、ブラックバスなどはだいぶ減ってきた。でも、手をゆるめたらすぐ元に戻ってしまう」と危機感を示し、「琵琶湖という国民の財産をみんなで守りたい」と呼びかけた。
 櫻井氏との対談で、嘉田知事はブラックバスなどの再放流(リリース)を禁止した琵琶湖レジャー条例を「罰則がないため条例としては弱い」とし、「レジャー利用税を導入するなどして財源を確保し、駆除や環境保全に充てることも考えている」と述べた。
 先に国土交通省近畿地方整備局が建設推進を打ち出した大戸川ダム(大津市)と丹生ダム(余呉町)について、櫻井氏が「琵琶湖の生態系を壊すのではないか」と問いかけた。嘉田知事は「環境を守る観点からはダムはよくないが、治水を望む声もある。人間と魚の両方を守る政策が大切で、まだダムを造ると決めたわけではない」と説明した。
 参加した成城大4年の藤井雄太さん(22)は「環境だけでなく、経済的な視点からも琵琶湖について考える必要があると感じた」。シンポを企画した立教大の濁川孝志教授は「ブラックバスの問題は、現代人の『自分さえ良ければ環境は後回しでいい』という考えの表れ。それに気づいてもらえれば」と話した。

■海を渡った淡水魚:戦中「食料」移送物語/下 日中人的交流に一役 07/09/03 Mainichi Interactive茨城
 体長1メートル近い魚の集団が川面から2〜3メートル跳ね上がると、夏の光を浴びた銀のうろこが川面にきらきらと輝いた。五霞町と埼玉県栗橋町の境を流れる利根川で7月、産卵期を迎えたハクレンが見せる豪快なジャンプは地元の夏の名物だ。
 だが、食用として持ち込まれたことを知る人は少ない。
   ◇   ◇
 戦時中、中国から移送されたコイ科の淡水魚ソウギョ、ハクレンは、霞ケ浦・利根川水系でだけ自然繁殖したとされる。
 戦後、食用としての普及も模索された。県や国はハクレンをあらいや、フライ、から揚げなどに調理し、たびたび試食会を開いた。しかし「身が臭く、煮ると柔らか過ぎてあまりおいしくない」といつも敬遠された。
 漁師として普及に携わったかすみがうら市の桜井謙治さん(68)は「戦後の何でも食べる時期ならともかく、飽食の時代に食べるものではないのかな」と悔しそうだ。
 1949年ごろから、当時の県水産振興場(土浦市)で霞ケ浦の魚の研究にあたり、試食会にかかわったことがある土浦市の加瀬林成夫(としお)さん(78)は「戦時中のタンパク資源という着眼点は良かった。一時的にではあれ目的は達成したと言えるのでは」と振り返る。
 環境省は「在来植物群落を壊滅させる事例もある」としてソウギョを「要注意外来生物」に挙げる。県は、地元漁業者を通じてハクレンを年間約60トン駆除し、魚粉にして飼料などに利用する。漁政課は「当初の目的と状況が異なっているのは事実」と話す。
 「国の政策に従い命がけで持ってきただけに、役に立たなかったというのは残念」。1942年度の移植に参加した水戸市の草野政良さん(84)は視線を落とす。
   ◇   ◇
 草野さんの上司で、県の責任者として中国に渡った故鈴木権次郎(ごんじろう)さんの息子たちも複雑な思いでいる。筑西市に住む成一さん(73)、捷紀(かつのり)さん(64)兄弟は、父たちがソウギョ、ハクレンを身をていして運んだ苦労を資料や草野さんの話から知り、志の高さに胸を熱くした。「移植したメリットはなかったが、国民のために命をかけた父の姿はもう少し評価されていい」と思う。「最近、日中間は緊張しているが、政治を離れた水産の現場で、戦争中も中国と人間的な協力関係を結んだ人たちがいたことを知ってもらいたい」【清野崇宏】

■夏の“なごり”一掃 ごみ拾いや除草作業 07/09/03 Chunichi Web Press滋賀
◇びわ湖クリーンキャンペーンに3700人
 夏休み中に汚れた琵琶湖岸のごみを拾い集める恒例の「びわ湖クリーンキャンペーン」が二日、県内各地で開かれた。
 県労働者福祉協議会などが一九七五年から毎年企画しており、三十三回目。企業の従業員や家族など約三千七百人が参加した。
 大津市では、本丸町の膳所城跡公園などに約千人が集まり、湖岸や歩道のごみを回収。岩の間に手を伸ばし、釣り糸やペットボトル、花火の燃えくずなどを丁寧に拾い集めていた。
 拾い集めたごみは県内全体で約六十三立方メートルに上った。ごみは年々、減少傾向にあるといい、協議会の森修一郎事務局長は「今後も積極的に取り組みたい」と意欲を燃やしていた。(妹尾聡太)
◇“コスモスの町”一丸で除草作業
 守山市今浜町の住民が二日、同町の「今浜コスモス園」で、除草作業を行った。
 コスモス園は、以前は雑草が茂る荒れ地だったが、隣接地に県の管理する公園「びわこ地球市民の森」があり、観光客の目を楽しませようと住民が整備。二〇〇四年七月に開園され、約千八百平方メートルの敷地に、約三十五万本のコスモスが育ち、コススを目当てに訪れる人は増えている。

 除草作業は毎年行われており、四回目。参加した住民約百五十人が午前八時から約三時間、作業に汗を流した。雨でぬかるんだ地面に足を取られながらも、コスモスを傷つけないよう、丁寧に草を抜いていた。
 八月の種まきから九月の除草、十月の開花まで住民が協力して管理しており、十月中旬には鑑賞会が開かれる。
 同町まちづくり推進委員会の今井茂嗣委員長(63)は「コスモスを町のシンボルとして定着させるため、さらに頑張っていきたい」と、張り切っていた。(札木良)

■101地点で暑さ過去最高 記録ずくめ「8月酷暑」 07/09/03 Chunichi Web Press
 気象庁は3日、今夏(6−8月)の天候まとめを発表した。埼玉県の熊谷と岐阜県の多治見で8月16日に40・9度と、国内最高気温の記録を74年ぶりに塗り替えたほか、7月下旬から8月にかけて全国の101地点で気温がそれぞれの地点での観測史上最高(過去タイ記録も含む、以下同)を記録した。
 さらに夏の間に、北海道の苫小牧35・5度、沖縄の与那国島35・0度と、観測史上初めて35度以上の「猛暑日」を記録。8月の猛暑日の日数は熊谷など8地点で過去最多(過去タイ記録含む)だった。
 気象庁は8月猛暑の原因について(1)「ラニーニャ現象」が日本の南海上で対流活動を活発にし、太平洋高気圧が勢力を増した(2)太平洋、チベット両高気圧が8月、2重に日本列島を覆った−などを挙げている。
 過去最高の暑さを記録した101地点は、群馬県の館林40・3度、岡山県の高梁39・0度、栃木県の佐野38・9度など。うち81地点は8月13−16日の4日間に出た。(共同)

■外来魚リリース禁止 鳥取、11月から1年間 07/09/03 山陰中央新報Web News
 在来の生態系に影響を及ぼす外来魚のブラックバスとブルーギルについて、鳥取県内水面漁場管理委員会(山崎賀津雄会長)は31日、湯梨浜町石脇の県栽培漁業センターで会合を開き、スポーツフィッシングの愛好者が釣った魚を元の池や川に戻すリリース行為を県内で禁止することにした。近く告示する。
 リリースの禁止期間は当面、11月1日から1年間。この間、啓発に努めながら状況によって延長も検討する。告示によって直接の罰則はつかないが、違反者に対して、知事命令で罰則を科すことは可能。
 ブラックバス、ブルーギルなど外来種を、外部から持ち込んで放流することは法律で禁止されている。しかし、釣った時の反応が大きいことから、ルアーなどを使うスポーツフィッシングファンなどに人気で、無断放流が相次いでいる。県内には1960年代始めごろに持ち込まれたと言われる。
 繁殖力が強く、食欲が旺盛でフナ、アユなど在来の魚類を餌とすることから、在来魚の絶滅が危惧(きぐ)されている。
 スポーツフィッシング愛好者のリリースは「生き物を殺生しない」というのが主な理由とされるが、結果的にこれが、他の種を絶やすことにつながっているのが実態。
 県内の内水面漁協関係者によると、湖山池ではブルーギルの急増で漁業に影響が出ているほか、天神川河口でも生息が確認され、アユそ上減少の一因ではないかとみられている。
 県が県内の農業用ため池を対象に実施したアンケートでは、約1割のため池で生息が確認されている。いずれも無断放流によるものだった。

■親アユ放流始まる/8日まで34万匹 07/09/04 asahi.com滋賀
【県が高島の安曇川人工河川に】
 琵琶湖のアユ資源を安定的に維持するため、県水産課は3日、高島市安曇川町北船木の安曇川人工河川で親アユの放流を始めた=写真。卵を持った体長約15センチのアユで、トラックに積んだ水槽からホースを使って約1トン分を放した。8日までに計約10トン(約34万匹)を放流するという。
 アユは、県の委託を受けた県淡水養殖漁業協同組合が育てた。2〜3日後には産卵し、約2週間で計約20億匹が孵化(ふか)するという。体長が7〜8ミリになると、人工河川から琵琶湖に放ち、11月末から始まるエリ漁、5月に始まる刺し網漁などで漁獲され、コアユは佃煮(つくだに)や天ぷらの材料になる。
 人工河川はアユ産卵の孵化場として80年度に完成、翌年度から放流が始まった。幅約7メートル、長さ約650メートルの円形で、産卵しやすいよう揺るやかな流れにして砂利が敷き詰めてある。

■えり漁の仕組みやカワウの生態学ぶ 湖北で環境講座 07/09/04 Chunichi Web Press滋賀
 「琵琶湖と生き物観察ガイド養成講座」が湖北町尾上の尾上漁港で開かれた。環境に興味を持った人たちなど約二十人が参加し、琵琶湖の現状について考え、学んだ。
 講師を務めた朝日漁業組合の松岡正富副組合長は「湖で起きているさまざまな問題は、周辺の川や人々のくらしなど全体を見つめなければいけない」と説明。その上で、県内の総漁獲量は現在、一九七〇年代に比べて三分の一程度に減っていることや、カワウのふん害による竹生島の木々の消失など、湖の実情を紹介した。
 参加者はこの後、湖上タクシーに乗り、えり漁の仕組みやカワウの生態などについて説明を受けた。
 湖北地域振興局の主催事業。四年前から毎年夏にテーマを変えながら環境を学ぶ講座を開催している。(多園尚樹)

■ブログで女性中傷 名誉棄損の疑いで海保職員逮捕 塩釜署 07/09/05 河北新報社Kolnet
 インターネットのブログ(日記風サイト)に以前交際していた女性を中傷する文章などを載せたとして、塩釜署は5日、名誉棄損の疑いで、青森市茶屋町、青森海上保安部機関士補、中村正幸容疑者(38)を逮捕した。
 調べでは、中村容疑者は5月29日、自分のブログに、宮城県塩釜市の無職女性(31)の裸の写真や「あなたのせいで祖父が死んだ」「祖母がうつになった」などと中傷する文章を数回掲載。ブログを閲覧可能な状態にして、女性の名誉を傷つけた疑い。容疑を認めているという。
 同署によると、中村容疑者は、塩釜海上保安部(現宮城海上保安部)に勤務していた2005年8月ごろ、釣り愛好者の出会い系サイトで女性と知り合った。
 女性はブログの内容を知人から教えられ、塩釜署に5月31日、被害届を出した。

■二本松の鏡ヶ池でブラックバスの駆除作戦 07/09/06 福島放送ホームページ
 二本松市は県の外来魚駆除事業補助金を受け、同市岳温泉の鏡ヶ池のブラックバス駆除を今月末まで行っている。
 同市で初めての外来魚駆除事業。
 面積9000平方メートル、深さ最大2メートルの岳温泉の観光名所の池の水を、整備以来初めて完全に抜いたブラックバス撲滅作戦には、池の浄化に取り組んでいる安達太良小の6年生が授業の一環として加わり、魚類の体長調査や清掃活動などを手伝った。

■江の川でブラックバス大繁殖 07/09/07 山陰中央新報Web News
 広島県北東部を流れる江の川水系河川で、外来魚のブラックバスが大量に繁殖し、特産のアユなどの漁獲に影響を与えている。広島県内水面漁場管理委員会はリリース(釣魚の再放流)禁止の委員会指示を発動して釣り人への規制を強め、地元漁協は刺し網による駆除や釣り大会の開催で捕獲に躍起だ。江の川は県境を越えて島根県南西部に流れ込んでおり、被害が越境して広がる懸念もある。
 バスが繁殖しているのは三次市を流れる馬洗川など十河川。江の川漁協(三次市)によるとアユの漁獲は二〇〇一年の九十七トンから、〇五年は六十トンにまで38%減少。バスだけが直接の要因と断定できないが、その魚食性や在来種が減少した他地域の事例からも、影響が推測できるという。
 事態を重く見た同管理委員会は今年三月、三次市周辺の十河川と一ダムでのリリースを禁止するルールを新設し、指示に従わない場合は漁業法に基づいて違反者には五十万円以下の罰金か一年以内の懲役を科すことになった。
 だが、県内水面漁協連合会の崎長威志専務理事は「釣り人のマナー違反の一掃は難しく、被害は収束しない」と言う。刺し網による大量駆除や定期的なバス釣り大会を実施するが、魚影は薄くならない。今後は水中の小石などに産卵する習性を利用し、人工産卵床を用いたふ化する前の駆除などにも注力する考えだ。
 江の川が県越を越えて流れる島根側にとっても無視できない問題だ。江川漁協(島根県川本町)の二本木俊二参事は「浜原ダム(同県美郷町)などで刺し網を使った駆除も毎年実施しており、今のところバスが増えた様子はない」と現況を説明しながらも、「広島の繁殖状況に懸念はしている」と話した。
 バスの移動の習性について、環境省外来生物対策室の田中英二移入生物専門官は「バスは止水域を好むが、流水域でも移動する種類がおり、河川を伝って移動する可能性もある」と話す。
 全国では長野、新潟県境を流れる関川をバスが移動し、繁殖域を拡大した例などが報告されている。

■琵琶湖研究費削減に危機感 県の来年度予算編成で研究者 07/09/08 京都新聞電子版
 滋賀県が来年度予算の編成で大幅な歳出削減を検討している中、琵琶湖行政の根幹を支える県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の研究者から不安の声が上がっている。削減の検討に、琵琶湖研究に必要な調査船の削減や研究内容の見直しも含まれているためだ。研究者は「環境面は県政の柱。琵琶湖研究の在り方が問われている」と危機感を募らせている。
 関係者によると、同センターは、本年度の一般財源のうち調査費や資材費などに充てる約2億6000万円を対象に、60−70%削減した場合の予算配分をシミュレーションしているという。
 削減案として、県が保有する2隻の調査船を1隻に減らしたり、モニタリングの方法や緊急性の低い基礎研究などを見直し、優先度の高い行政課題に応じたプロジェクト研究に集中する案などが浮上している。
 来年度以降の研究内容を示す次期中期計画と合わせて検討している。真貝卓哉副センター長は「いろんなケースを想定し、ゼロベースで検討している段階。蓄積を生かしながら研究のやり方を工夫し、県民ニーズに応えたい」と話している。
 これに対し、研究者からは「データはお金に代え難い貴重な財産。一度でも欠ければ、後世にとって大きな損失」「研究費は抑えられても道具は必要」「琵琶湖のメカニズムがよく分かっていない状況で行政課題を設定できるのか」などと不安視する声も出ている。
 県琵琶湖環境部の山仲善彰部長は「これまでの研究の中には、やらなくていいものもある。既存の事業を洗い直し、優先順位の低いものから止めていく必要がある」としている。

■琵琶湖の生態系を知り、守る お魚ネットワーク 07/09/09 Sankei Web
 子供と大人が一緒になって魚捕りを楽しみ、捕まえた魚の種類や場所を調査票に書き込む活動が琵琶湖周辺で盛んに行われている。湖とその周辺の生態系のデータを将来に残していこうと、県立琵琶湖博物館(草津市)や住民グループでつくる「琵琶湖お魚ネットワーク」が始めた取り組みだ。すでに1万カ所に上る膨大なデータが集まっており、参加者らは「環境回復に役立てば」と期待している。(川西健士郎)
 護岸工事、水質汚濁、外来魚の流入などさまざまな要因が重なり、琵琶湖の生態系はこの半世紀の間に悪化したといわれる。しかし、漁獲高の減少以外に琵琶湖の生態系の変化を示すデータはなく、当たり前のように語られる「生態系の異常事態」は、学術的には今ひとつ説得力に乏しい。
 せめて次の世代に向けて湖の「今」のデータを残そうと、生態調査の経験豊富なメンバーが多い琵琶湖博物館のボランティア団体「うおの会」と、WWF(世界自然保護基金)ジャパンが平成16年2月に結成したのが、お魚ネットワーク(事務局・同博物館)だった。
 ネットワークでは地域のNGOや企業、行政、学校、専門家が琵琶湖岸や湖への流入河川で別々に行っている観察会などに、専門家を指導員として派遣。参加者に魚の種類や捕れた場所、水辺の状況などについて統一の調査票に記入してもらっている。これまでに400近い団体や個人が参加し、集まったデータは約1万カ所分にも上った。
 調査票の整理と分析はうおの会が担当。地図情報システム(GIS)で地図化し、魚の生息場所が種類ごとに分かる分布図を作成している。
 指導員として各地の調査に立ち会っている琵琶湖博物館特別研究員の中尾博行さん(30)は「子供たちに、100年後に残すデータになると説明すると、うれしそうに目を輝かせます。いないと思い込んでいた魚を見つけて『今もおるんや』と驚く大人も多いですよ」と話す。
 環境教育に適しているだけでなく、身近な水環境を再発見する楽しみを得られることが、活動を活発化させている。

■水上バイクとボートが接触 琵琶湖 男性1人が重傷 07/09/10 京都新聞電子版
 9日午後2時20分ごろ、大津市今堅田3丁目の琵琶湖の沖合約300メートルで、大阪府四条畷市蔀屋、内装工淡路健一郎さん(30)の水上バイクと、同枚方市香里ヶ丘、大工鼎(かなえ)真太郎さん(29)のモーターボートが接触した。水上バイクに同乗していた四条畷市の男性がボートのスクリューに当たり、腰の骨を折るなど重傷を負った。
 大津北署によると、淡路さんと鼎さんらは計8人で遊びに来ていた。二艇で並走していた際、水上バイクが蛇行して接触した、という。

■台風:少ない発生、多い直撃 温暖化が後押し 07/09/11 Mainichi Interactive
 2年ぶりに関東地方に上陸して列島を縦断、大きな被害をもたらした台風9号。今年は台風の発生数が少なく、平年同時期の約6割程度だが、日本上陸はすでに3個。上陸する確率は3割と高いのが特徴だ。この「上陸率」の高さの背景には、地球温暖化の影響が指摘される。【鈴木梢】
●00年代から増加
 気象庁の1951年以降の統計では、台風の年間発生数が最も少ないのは98年の16個。この年は8月末までに4個しか発生しておらず、今年の9個は史上5番目に少ない。今年は発生数に比べ、日本への上陸数が目立つ。7月14日に九州南部を直撃し太平洋沿岸を横断した4号、8月2日に東九州に上陸して日本海側へ抜けた5号と9号と、既に3個が上陸。「上陸率」の高さを、気象庁は近年の傾向と指摘する。
 過去30年間の年間発生数は平均26.1個。88〜94年は平年を上回ったが、以降はほぼ下回っている。同庁は「二十数年の周期で発生の波が変動しており、今年はこの減少傾向期にある」。一方、上陸数は00年代から増加傾向にあり、04年は史上最多の10個を記録した。
●行き場困った?
 だが、経年変化による周期の変動だけが要因ではなさそうだ。
 気象庁の研究では、地球温暖化が台風の発生を抑える一方、強い勢力の台風を増やしているとの研究結果がある。温暖化が進むと、上空は熱が吸収されるのに対して大気の下層部分は暖められにくくなる。そのため大気は安定し、台風発生の条件が整わなくなる。だがいったん発生すれば、海面水温が高いため効率的にエネルギーが補給され、発達しやすくなる。
 また、今年は気圧配置にも異変がある。日本の西から東へまっすぐ流れる偏西風が、今年は朝鮮半島付近で流れを変え、Vの字を描いて北に向かっている。この大蛇行のため、日本の南にある太平洋高気圧が北東側に押し寄せられ、台風の進路を阻んでいるという。
 このような要因で、台風9号は秋台風としては異例のコースをたどった。神奈川県に上陸後は列島を北上、北海道に再上陸した。気象庁は「進路となる行き場が見つからず、恐らく困ったことだろう」と振り返る。
●今月は?
 台風は通常、フィリピンの東海上に当たる北緯10〜20度で発生。日本の南海上から太平洋高気圧の北の縁に沿って放物線を描き、さらに北の偏西風に乗って東に抜けるのが典型的なコースだ。
 9月はその放物線が日本列島と重なるため、直撃を受けやすい。34年の室戸台風や59年の伊勢湾台風など過去に大災害をもたらした台風はいずれも9月に発生。この経路を取ったためとされる。
 今年は9月も発生は少ないのか。9号が北海道に再上陸する直前の今月7日、小笠原諸島で10号の発生が確認された。9月は8月に次いで台風が発生しやすい時期。特に暦の「二百十日」(9月1日)から「二百二十日」(11日)は昔から台風の集中期とされる。気象庁は「過去の統計を見ても、夏までに台風発生のペースが遅いからといって、秋になっても少ないとは限らない」と注意を呼びかけている。

■セタシジミを取り戻せ 滋賀県が琵琶湖再生事業を実施へ 07/09/11 asahi.com関西
 琵琶湖の特産セタシジミが繁殖できる環境を取り戻そうと、滋賀県は湖底の再生事業に乗り出す。泥化した湖底を下流の瀬田川から採った砂で覆い、砂地を好むセタシジミの繁殖場所を生み出す。約10年かけて水揚げ高を倍増させ、「湖国の味」の復活をねらう。9月県議会に提案する補正予算案に初年度事業費として約1億円を計上する。
 セタシジミは琵琶湖の固有種で、本州各地で採れるヤマトシジミと比べて厚みがあり、美味とされる。県水産課によると、最盛期の50年代半ばには琵琶湖の各地や瀬田川で採れ、年間約5千トンの水揚げがあったが、05年には161トンまで激減した。
 ダム建設で琵琶湖に流入する河川からの良質な砂の供給が減り、湖底が泥化したことに加え、砂利採取によって湖底にできたくぼ地の貧酸素化などが原因とみられる。
 計画によると、事業は同県草津市の沖合400〜500メートルの琵琶湖で実施。初年度は約2.5ヘクタールの湖底を厚さ30センチほどの砂で覆い、セタシジミの生育環境を整える。砂は、国土交通省琵琶湖河川事務所が瀬田川で浚渫(しゅんせつ)したものを使うため、捨てていた砂の有効活用にもつながる。事業費の2分の1を水産庁が補助する方針。
 県はさらに3年かけて環境への影響などを調べた後、くぼ地の埋め戻し事業も始める。約10年後には、約64ヘクタール分の湖底を砂で覆い、セタシジミの生育場所を広げる計画だ。
 県はすでに今回と同じ琵琶湖岸で、水質浄化に有効で水鳥や魚の産卵場所となるヨシの植栽を始めているほか、セタシジミなどの産卵・生育場所を確保するため、水草の除去を続けている。これらの事業を総合的に進め、2018年にはセタシジミの漁獲量を現在の倍の年320トンに増やしたいとしている。
 県水政課は「開発などで損なわれた湖岸の環境を取り戻し、セタシジミをはじめニゴロブナやホンモロコなど琵琶湖固有種が命を育む自然のゆりかごを再生させたい」と話している。

■琵琶湖の船舶衝突事故を想定 近江八幡で救急救助訓練 07/09/11 京都新聞電子版
 琵琶湖での船の衝突事故を想定した集団救急救助訓練が11日、滋賀県近江八幡市の長命寺港で行われ、消防隊員らが救出活動などの連携を確認した。
 東近江行政組合消防本部が、5年前から実施しており、今回は消防、警察、行政、医師会の関係者約80人が参加した。
 訓練は長命寺港と沖島を結ぶ通学船「わかば」が、港から約100メートル沖合の湖上で漁船と衝突、乗っていた19人が投げ出されたという想定で実施した。同消防本部のゴムボートや近江八幡署の警備艇が水面に浮かぶ人たちを次々と救出、陸上の仮設テントに運び、治療をした。火災を想定して船に向けた放水もした。
 訓練後、近江八幡市蒲生郡医師会の小西眞会長が「今後もあらゆる場面を想定して訓練を続けてほしい」と講評した。

■集団救命救助訓練:スクール船、漁船と衝突炎上を想定 水陸連携、けが人救出 07/09/12 Mainichi Interactive滋賀
 東近江消防本部は11日、近江八幡市の長命寺港沖で、集団救命救助訓練を行い、同消防本部をはじめ近江八幡署や同市などから78人が参加した。
 訓練は「同市のスクール船『わかば』と漁船が衝突し、けが人が多数出てスクール船が炎上した」との想定で実施。湖上で警備艇や消防艇でけが人の救出をしたり、潜水で行方不明者を捜索したほか、陸上では多数の負傷者をけがの程度で分けて処置するトリアージの訓練などをした。
 万一の特殊災害に備え、同消防本部は5年前から集団救命救助訓練をしているが、湖上での訓練は初めて。水陸の連携もまずまずで、正木仙治郎・副市長らも「連携プレーもうまく、大変心強い」と講評していた。【斎藤和夫】

■伝統の味、湖魚の調理法知って 大津の住民ら、10月に展示会 07/09/12 京都新聞電子版
 ウロリのつくだ煮やセタシジミのしぐれ煮、鯉濃(こいこく)など、湖国の伝統の味を伝えようと、大津市の住民らが湖魚の調理方法を写真などで紹介する展示会を10月に開く。湖魚の調理に慣れない人のために、ポイントをまとめた写真付きのレシピも配布するという。
 準備を進めているのは市内の専門学校料理教室講師を務める増田朱美さん(61)=同市追分町=ら5人。全国豊かな海づくり大会など今秋に相次いで催される全国大会に合わせ、人々の生活を支えてきた湖魚料理に光を当てようと企画した。
 展示会では、コイ、フナ、ウナギ、アユ、その他の小魚の5つのコーナーに分けて、それぞれの調理方法をパネルを使って解説する。料理の手順や魚の旬のほか、「ウロリのつくだ煮は離乳食として重宝されていた」「鯉濃を食べると母乳の出がよくなる」などと人々の間で語り伝えられてきた小話も紹介する。つくだ煮の試食コーナーも設ける予定だ。
 展示会は10月26日から3日間、同市浜大津1丁目の市社会教育会館で催される。

■カミツキガメを路上で捕獲/三浦 07/09/12 神奈川新聞ニュースカナロコ
 「特定外来生物」に指定されているカミツキガメが三浦市内の路上で見つかり、三崎署員が捕獲した。
 発見されたカメは甲羅の長さ約二十センチ。八日午後四時二十分ごろ、同市初声町和田の路上を歩いているのを住民が見つけ、同署に通報した。
 カミツキガメは北米や中米が原産。陸に上げられると攻撃的で、大型のものにかまれた場合には大けがの恐れもある。外来生物法で特定外来生物に指定され、研究など特別に許可された場合を除き、飼うこととなどは禁止されている。
 ペットのカメが逃げたか、捨てられたとみられ、同署が飼い主を捜している。

■県:一般会計補正予算案 15億5300万円の減額−−公共事業の内示に伴い 07/09/12 Mainichi Interactive滋賀
 県は11日、15億5300万円を減額する一般会計補正予算案など27議案を発表した。18日開会の9月議会に提案する。
 道路など公共事業の国の内示に伴う減額などで、補正後の一般会計の累計は5066億8500万円。同議会は、21日に代表質問▽27、28日、10月1日が一般質問▽10月12日閉会−−の日程。
 県公害防止条例の改正案では、地下水汚染への対策を強化。工場に対し▽溶剤を入れるタンクや配管などの施設の使用状況の届け出▽敷地内に井戸を設置し、井戸水の検査を実施▽地下水汚染の場合に改善計画を作成し提出−−などを義務化する。県琵琶湖再生課によると、強化策としては先駆的な内容という。
 補正予算案の中には、琵琶湖南湖(琵琶湖大橋以南)の湖底環境改善事業(1億1200万円)が含まれる。同事業は国土交通省や水資源機構などと連携した長期事業で、2018年度で琵琶湖全体でセタシジミの漁獲を現状の2倍の約320トン(うち南湖は160トン)にするのが目標。湖底を耕うんし、砂をかぶせるなどしてセタシジミに適した砂地を回復する。
 砂利採取などでできた一部の窪地を埋め戻すが、矢橋帰帆島(草津市)沖合の約500平方メートル四方にわたり、周辺湖底より約10メートル落ち込む巨大な窪地は埋め戻す計画に入っていない。
 9月の補正予算案では砂をかぶせる工事の一部などが計上された。【服部正法】

■シナイモツゴがお墨付きの米 来年度から認証制度 大崎 07/09/17 河北新報社Kolnet
 宮城県大崎市鹿島台のNPO法人「シナイモツゴ郷(さと)の会」(安住祥理事長)が、希少性の高い在来種の淡水魚シナイモツゴがすむ池の水で作ったコメを、独自に環境保全米「シナイモツゴ郷の米」として認証する取り組みを来年度から始める。水質の良い水で作られたコメをブランド化することで、環境保全に取り組む農家を支援する。
 認証は手始めに鹿島台周辺の農家が対象となる。認証を受けるには(1)シナイモツゴが生息するため池の水をコメ作りに活用し、ため池の環境保全に積極的に取り組む(2)環境保全型(減農薬栽培)の農業、または収穫後にボイラーなどを使わない自然乾燥を行う―という2つの条件が求められる。
 ため池にシナイモツゴがいない場合でも、ブラックバスなどの外来魚がいないことや水質が良いなどの条件が満たされていれば、会が養殖したシナイモツゴを放流するなどして、収穫したコメを「郷の米」として認証する。認証を証明するシナイモツゴをモチーフにしたロゴも考案した。
 絶滅の恐れがあるシナイモツゴは水環境のバロメーターとされ、会はシナイモツゴの繁殖や水質浄化のためのヒシの栽培など環境保全活動に取り組んでいる。昨年度は活動が評価され、農水省主催の田園自然再生活動コンクールで最優秀賞の大臣賞を受賞した。
 認証制度は、米価下落に悩む農業者に環境保全活動に積極的に取り組んでもらうことでコメをブランド化するのが狙い。環境が良くなることで米価が上がり、消費者にも安心して食べてもらえるコメを提供できる好循環を目指す企画だ。
 安住理事長は「安全、安心なコメを消費者に届けるとともに、農家の生き残りの一助にもなれば」と成果に期待している。

■外来魚:コイやドジョウ、在来種を守ろう ブルーギル駆除−−亀山・入谷池 07/09/17 Mainichi Interactive三重
◇亀山・入谷池で水利組合など
 亀山市辺法寺町の農業用ため池、入谷池で16日、池の権利者・入谷池水利組合(川戸利一代表)などによる外来魚の駆除作業が行われた。
 池には以前、ウナギ、フナ、コイ、モロコが多数いた。しかし、最近は何者かが放流した北米産のブルーギルが増え、従来の魚が少なくなったという。
 作業には、在来種を守る活動をしている市民団体「水辺づくりの会鈴鹿川のうお座」と、「亀山の自然環境を愛する会」が協力。ポンプで水を抜いていき、2〜3センチの幼魚などブルーギル1万尾以上を確認。かろうじて生息していた大型のコイ、ドジョウをすくって保護した後、ブルーギルを死滅させるため消石灰をまいた。両団体は来年にも、市内の安楽川から採取したフナやモロコを放流する。
 「うお座」のメンバー、栗原勉さんによると、市内には約400のため池があり、その半数で外来魚が生息しているという。03年から毎年、一つの池を選んで外来魚の駆除作業を進めており、入谷池が5例目。【中島幸男】

■亀山で外来魚駆除の池干し 肥料用石灰まき捕獲 07/09/17 Chunichi Web Press三重
 鈴鹿川流域にある池の生態調査と外来種の駆除に取り組む亀山市のボランティア団体が十六日、同市伝法寺町にある農業用水池「入谷池」の池干しをし、外来魚「ブルーギル」の駆除作業に励んだ。
 池は約千二百平方メートル。釣り人が放したとみられるブルーギルが繁殖し、フナなどの卵を食べてしまい、既存の生物が大幅に減少した。また用水路でつながる安楽川でも生息が確認されている。
 このため「水辺づくりの会 鈴鹿川のうお座」のメンバーが入谷池水利組合に協力を呼び掛け、初の池干しが実現した。
 この日、同会と水利組合のメンバー約二十人が参加。ブルーギルを一カ所に集めるため、池の水を減らし、残った水面に肥料用の石灰をまいた。水質の急激な変化で呼吸ができず、水面に浮かんだブルーギルを網ですくい上げた。一万匹以上が生息していたという。
 作業は二時間ほどで終えた。池の水は二、三日でもとの水質に戻るという。(宇田薫)

■お堀は外来生物の“たまり場”、大阪城や二条城 07/09/19 Sankei Web
 全国各地の城や城跡の堀で、人に危害を与えたり、生態系を乱す可能性が強い特定外来生物に指定されているカミツキガメやブルーギル、ヌートリアなどが相次いで見つかっていることが分かった。城や城跡は都市部のオアシスともいえるが、詳しい生物調査が行われていないケースが多く、ほとんどは放置状態で、外来生物の“たまり場”になっている。専門家の中には「堀のほとんどは閉鎖水域で、外来種の格好のすみかとなっている」との指摘もある。
 和歌山市の中心地、和歌山城がある公園内で7月初旬、市民が見慣れないカメを見つけ、公園管理事務所に届けた。県立自然博物館に引き取られたが、獰猛(どうもう)な北米原産のカミツキガメであることが判明した。同館によると、年に1〜2匹のカミツキガメが持ち込まれるという。外来種を規制する外来生物法が2年前に制定されてから、特定外来生物の飼育や保管などが原則禁止されたため、「困った飼い主が道路などに面した城の堀に安易に捨てているのではないか」という。
 こうした特定外来生物の進出は近畿各府県の城の堀でも確認されている。明石城跡がある明石公園(兵庫県明石市)の堀でも過去にカミツキガメ発見の情報が寄せられたという。また、世界文化遺産に登録されている二条城(京都市)や岸和田城(大阪府)などの堀では、肉食のブルーギルが見つかっている。
 さらに、最近は南米産の哺乳(ほにゅう)類で、戦前に持ち込まれたヌートリアが篠山城跡(兵庫県)や赤穂城跡(同県)などで確認されている。いずれも在来の生態系を乱す恐れがあるものの、広大な面積を抱える立地条件や費用の面から本格的な調査が行われていない堀が多い。
 一方、追手門学院(大阪府)が調査している大阪城(大阪市)でも外来種が幅を利かせているのは同じで、調査プロジェクトの副委員長、亀井哲夫・同学院大手前中・高校校長によると、堀に生息する生物はブルーギルやブラックバスなど、ほとんどが外来種だという。
 亀井校長は「外来の生物は肉食で獰猛なものが多く、生命力が強い。駆除は難しい」と話す。このため、堀の石垣などのすき間でハゼ科のチチブなど在来の生物がわずかに生き残るのみという。
 積極的に駆除に乗り出す動きもある。皇居でもブルーギルなどの外来魚が数年前から問題視されており、昨年から堀の水に500ボルトの電気を流し、魚を一時的に失神させて捕獲する駆除に取り組んでいる。環境省皇居外苑管理事務所は「外来種の駆除ができ、在来の魚にも影響を与えないので本格的に実施していきたい」としている。
 近畿大農学部の細谷和海教授(水圏生態学)は「城の堀に、安易に外来生物を放流すると生態系に影響する。今まで、城の堀は釣りや立ち入りが禁止されていたことで、絶滅危惧(きぐ)種が隔離され、生き残ることができた。しかし、外来魚がそこに放たれたことで、格好のエサ場に変わってしまった」と指摘している。
                   ◇
【用語解説】外来生物法
 生態系や人、農林水産業に対して害をもたらす海外原産の外来の動植物を特定外来生物として指定し、飼育や栽培、保管、運搬、輸入などを規制する法律。平成17年6月に施行された。違反した場合は懲役や罰金の罰則がある。カミツキガメやブルーギル、ヌートリアのほか、ブラックバスやタイワンザル、オオヒキガエル、フクロギツネ、セアカゴケグモなど83の動植物が特定外来生物に指定されている。

■外来魚小委員会、リリース禁止を議論 07/09/21 Sankei Web
 ブラックバスなど外来魚のリリース(再放流)禁止について議論する、長野県内水面漁場管理委員会の外来魚小委員会が20日、開催され、「全面禁止」「一部を除き禁止」の2案併記で小委員会としての意見をとりまとめることを決めた。
 リリース禁止は、同管理委が4年前にいったん指示したが、田中康夫前知事が「有効かどうか明確でない」などとして実施を棚上げ。今年6月に同小委を設置して再度、議論を重ねてきた。
 この日、全委員から意見を聞いた結果、「ブラックバス類、ブルーギルについて全水域を対象にリリース禁止指示を出す」とする委員が2人、「一部水域を除いて、リリース禁止指示を出す」とした委員が4人だった。12月に開催される漁場管理委に2案併記の形で報告され、年度内には結論を出す。

■びわ湖外来魚駆除釣り大会&びわ湖湖岸清掃 07/09/22 EICネット
こんにちは、いつもお世話になっております。琵琶湖を戻す会です。
9月9日の駆除大会の結果は以下の通りでした。
66名(滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、愛知、東京、神奈川、千葉、埼玉)の方々にご参加いただき、うち新規参加は27名でした。
31.8kgの外来魚を駆除することが出来ました。
参加頂きました皆様、協力して下さった皆様、本当にありがとうございました。
http://homepage2.nifty.com/mugituku/2007-09-09/2007-09-09b.html
つづきまして湖づくりキャンペーン委員会が主催する「びわ湖外来魚駆除釣り大会(滋賀県が開催する第27回全国豊かな海づくり大会のプレイベント)」の一環として開催いたしますびわ湖外来魚駆除釣り大会&びわ湖湖岸清掃のお知らせです。
目  的 : 琵琶湖にてブラックバス・ブルーギルなど外来魚の駆除と湖岸の清掃を行う
開 催 日 : 2007年10月28日(日) ・・・ 雨天決行
時  間 : 10:00〜15:00
※随時参加・随時解散といたします
参 加 費 : 無料 ← 滋賀県と共同開催のため
※子供(小学生以下のお子さま)は保護者の方と一緒にご参加下さい。
総合受付 : 滋賀県草津市志那中湖岸緑地
交  通 : JR琵琶湖線草津駅西口から琵琶湖博物館行きバスで22分、
終点「琵琶湖博物館前」停留所から琵琶湖沿いに徒歩約20分。
駆除方法 : エサ釣り
持 ち 物 : 釣り道具(特に釣り竿・魚を入れる容器)は出来るだけ各自でご準備下さい。
ただし、餌・仕掛けについては無料でお分けいたします。
また若干数ではありますが、竿を無料レンタルいたします。
仕掛けを準備出来る方はサンプル図を参考にして下さい。

昼食は各自ご持参下さい。(最寄りのコンビニまで徒歩約15分)

お 願 い : 会場にゴミ箱はありませんので、必ずゴミは各自でお持ち帰り下さい。
主   催 : 琵琶湖を戻す会
湖づくりキャンペーン委員会
協  力
(順不同) : 守山漁業協同組合
滋賀県漁業協同組合連合青年会
当日は会場周辺の湖岸清掃も行いますので、一人でも多くの皆さんのご協力をよろしくお願い致します。
このイベントへの参加資格や事前申し込みの必要は一切ありません。
個人での参加や飛び入り参加も大歓迎いたします。
会場は足場もよくトイレもありますので、
ご家族・ご友人をお誘い合わせの上、大勢でのご参加をお待ちしております。
琵琶湖を戻す会は農林水産省及び環境省より特定外来生物防除認定を受けています。
http://homepage2.nifty.com/mugituku/prevention/prevention.html

■探鳥会、昆虫採取など行事多彩 犬山里山学センター 07/09/23 Chunichi Web Press愛知
◆人と自然、いい関係を
 「里山」をキーワードに身近な所から環境問題を考えてもらおうと、犬山市が昨年六月に「犬山里山学センター」を開設してから一年余が経過した。環境保護活動に取り組む人材「エコアップリーダー」養成の拠点となるなど、活動が軌道に乗りつつある。
 塔野地地区にある同センターは、約二千五百平方メートルの敷地に木造平屋約三百六十平方メートル。約九十平方メートルの環境保全ボランティアセンターも併設し、県からの補助金を含め総事業費一億四百五十万円をかけ建設された。
 犬山市は市域の約七割を自然豊かな里山が占める。里山にはどんな植物が生え、どんな生き物がいるのか、そしてどんな役割を持っているのか−。そんな疑問に答え、展示や体験を通して里山に触れ人と自然の関係を見直す場となっている。展示、学習、収蔵の各スペースがあり、併設のボランティアセンターには炭焼き設備、はく製作業室、木工室が設けられ、さまざまな自然と触れ合える。エコアップリーダーをはじめとする環境保護ボランティアの活動拠点としても利用され、里山の保全活動を担う。
 受け付けと管理を受託したのが、環境学の専門家を中心に結成された特定非営利活動法人(NPO法人)「犬山里山学研究所」。常設展示として里山で見られる野鳥のはく製などが飾られ、十月末までは企画展示として「特定外来生物展〜深刻化する犬山の自然への影響」で外来生物を特集している。
 一九九八年度から市が始めたエコアップリーダー養成講座が、センター開設と同時に「里山塾」と衣替えし、ここで開かれている。受講を終えエコアップリーダーに認定されたのは昨年度までに計二百六十四人。その半数が何らかの環境保護活動に取り組んでいる。
 探鳥会、魚や昆虫を採取する野遊び塾、シイタケの菌入れ講座とセンターの行事は多彩。環境省のモデル事業に指定されている「おさかなレスキュー」ではコイやフナ、モロコ、ドジョウ、ナマズといった在来魚を守るため、池干しして外来魚のブラックバスやブルーギルを駆除する。
 昨年度は約五千五百人がセンターを利用し、今年は五月だけで利用者が千人を超えた。市環境課では「ここを入り口に森に親しんでもらい、市民の環境意識を高めていければ」と今後も利用者増を期待している。問い合わせは、犬山里山学センター=電0568(65)2121。
▽記者の目
 温暖化など地球規模の環境問題が議論される中、犬山市は二〇〇二年六月に「環境で輝くまち犬山宣言」を打ち出した。地図を広げると犬山の里山は広大で、恵まれた自然環境を生かさない手はない。里山に入り、専門家の解説を聞くと「はっ」と新鮮な驚きもあるそうだ。(早川昌幸)

■カミツキガメ捕獲 どう猛で危険な外来種 07/09/24 紀伊民報AGARA
 田辺市谷野口の殿山ダム上流にある日置川支流の前ノ川で21日、同市合川の谷口龍雄さん(68)が、どう猛で外来生物法で飼育や移動を厳しく規制されているカミツキガメを捕まえた。谷口さんは「捕獲場所の近くは、夏休み中は子どもたちが川遊びしていた場所。いま思うとぞっとする」と話した。
 谷口さんは午後5時半ごろ、投網でアユを狙おうと川に降りたところ、水深50センチほどの川底に大きなカメがいるのを発見。近くでアユ釣りをしていた釣り人2人の協力でさおやたも網を使い、暴れるカメを引き揚げた。
 捕獲したカメの甲長は32センチ。尾は25センチほどと長く、のこぎり歯のような突起が並んでおり、カミツキガメと分かった。
 カミツキガメは最大で甲長50センチまで成長。俊敏で気性が大変荒い。つめは鋭く、指を食いちぎるほどあごが強いのが特徴。谷口さんらが太さ2センチほどの木の棒を口の前に差し出すと、軽くかみ切ったという。
 本来は北米・南米の川や湖などに分布し、日本にいない生物だが、近年ペットとして持ち込まれ、成長して飼えなくなって捨てられることが多い。繁殖している例もあるという。田辺市では2002年7月に新庄町で同じ仲間のワニガメが見つかっている。
 谷口さんは「初めて見たので驚いた。夏休みは捕獲場所の100メートル上流で子どもたちが川遊びをしていた。子どもが触ったら大変危険だった」と心配そうに話した。
 県自然環境研究会の玉井済夫会長(68)=同市湊=は「カミツキガメの捕獲が近年全国的に増えているようだ。日本在来のカメが追いやられ、大きくなれば大量に餌を食べ、生態系にも影響する。飼い主が責任を持たない情けない話」と話している。

■琵琶湖に男性遺体 大津 07/09/25 京都新聞電子版
 24日午後3時15分ごろ、大津市北比良の琵琶湖岸で、男性の遺体が打ち上げられているのを近くの人(25)が見つけ110番通報した。
 大津北署の調べでは、男性は30代から40代で、身長は約170センチ。白のTシャツに深緑色のベスト、胸まである長靴をはき、ベストのポケットには釣り針と釣り糸を持っていた。
 近くで釣り竿(ざお)も見つかっており、同署は事故の可能性が高いとみて、身元と死因を調べている。

■事件・事故:琵琶湖岸で男性遺体発見 07/09/25 Mainichi Interactive滋賀
 24日午後3時15分ごろ、大津市北比良の琵琶湖岸で、近隣住民が湖岸でうつぶせになって倒れている男性を発見、110番通報した。大津北署の調べでは、男性は死亡しており、年齢30〜40歳位で、身長約170センチ。目立った外傷はなく、白色のTシャツ、深緑色のベスト、胸まである深緑色の胴付き長靴を身に着けていた。ベストのポケットに釣り針と釣り糸が入っており、同署は男性が湖で釣りをしていて流されたと見て、身元などを調べている。

■特定外来生物「ミズヒマワリ」初確認 琵琶湖、生態系への悪影響を懸念 07/09/25 京都新聞電子版
 繁殖力が強く、生態系への悪影響が懸念されている水生植物「ミズヒマワリ」がこのほど、琵琶湖では初めて確認された。放置すれば急速に繁茂して在来の植物や魚類にダメージを与える恐れがあり、専門家は「手遅れになる前に早急な対策が必要だ」と指摘している。
 人間環境大(愛知県岡崎市)の藤井伸二准教授(植物分類学)らが7月下旬、琵琶湖でほかの植物を調査していたところ、草津市の矢橋帰帆島の東側で2、3株を見つけた。今月初旬に再度周辺を調べ、同島の北側や琵琶湖に流入する草津川で計30株ほど確認したという。
 藤井准教授によると、ミズヒマワリは流れや波のない止水域を好むため、内湖への拡大が懸念される。大量に繁茂すると湖水が低酸素状態になって魚類の生息が脅かされるほか、在来の水草を駆逐する恐れがあるという。藤井准教授は「かつて観賞用に売られていたものが持ち出されて広まったのでは。放置すれば内湖を埋め尽くすほど広がり、駆除しても焼け石に水となる恐れがある」と警告している。
 県琵琶湖環境科学研究センターの西野麻知子琵琶湖環境研究部門長は「生息環境が悪化している内湖の魚類にとって追い打ちとなりかねない。今後現地を確認し、対策を検討したい」としている。

■湖岸遺体は守口の男性会社員 07/09/25 京都新聞電子版
 大津市北比良の琵琶湖岸で24日午後に見つかった遺体は、大阪府守口市の会社員の男性(51)であることが25日、大津北署の調べで分かった。死因は水死だった。

■カミツキガメを無許可で飼育 07/09/26 Sankei Web神奈川
 特定外来生物のカミツキガメを無許可で飼育したとして、神奈川県警相模原署は25日、外来生物被害防止法違反の疑いで、同県相模原市のタクシー運転手の男(39)を書類送検した。「許可なしで飼ってはいけないことを知らなかった」と供述しているという。
 調べでは、男は環境相の許可を受けずに自宅のベランダで、カミツキガメ(体長約70センチ、重さ約7キロ)をケースに入れて飼育した疑い。
 男はカメを平成13年に購入。今年8月、カメが逃げ出して自宅近くの駐車場で発見される騒ぎがあり、県警の捜査で無許可飼育が発覚した。男はその後、飼育許可を得たという。

■探鳥会、昆虫採取など行事多彩 犬山里山学センター 07/09/26 Chunichi Web Press石川
 能美市湯野小学校の四年生が二十五日、学校の近くを流れる得橋用水の水質、生態系調査などに取り組んだ。「魚(ウオ)ッチング大作戦」と銘打った用水探検で、児童五十二人と保護者、地域住民ら計約百人が参加した
 約一・五キロ区間を五つのブロックに分け、県土地改良事業団体連合会や県内水面水産センターの協力で実施。児童たちはそれぞれのポイントで水温測定や酸素消費量のパッチテストなどをした後、ごみ袋を手に用水に入り、魚を捕まえた。
 学校に持ち帰り、ウグイやウキゴリ、ギンブナなどの淡水魚やモクズガニなど計十二種を確認した。全国的にも減少傾向にある県絶滅危惧(きぐ)I類のトミヨや生態系を狂わす外来種のブラックバスなどもいた。
 児童たちは「思ったより魚が捕れてびっくりした」「こんなにごみがあると思わなかった」などと振り返り、用水への理解と環境保全の必要性を再認識していた。
 用水探検は、用水を管理する宮竹用水土地改良区が二〇〇五年度から始めた。湯野小は昨年の五年生に続いて二回目。同校の四年生は社会と総合学習で用水や川、環境について学んでいる。(田嶋豊)

■環境学習で「池干し」 生物調査に大学生ら参加 07/09/26 河北新報社Kolnet
 水田とそれにかかわる水環境の保全について考えようと、宮城県栗原市金成・有壁地区で22日、ブラックバス駆除や生き物調査を目的としたため池の「池干し」があった。
 地元の住民組織「太田杜(おおたもり)保全隊」や仙台いぐね研究会が企画し、3年前から毎年行っている。環境保全について学ぶ宮城教育大や宮城大、東北大の学生や、地元住民ら計60人が参加した。
 数日前から水を抜いて底が見え始めた沼に入り込み、網で魚をすくい捕った。へそまでどっぷりと沈むほど泥が深く、参加者は体中泥だらけになりながら網を操っていた。約2時間の作業で、コイ2匹とフナ166匹を捕獲。5年ほど前に1度池干しを行っていたためか、ブラックバスは確認されなかった。
 作業後の反省会で、学生たちから「魚を捕まえるのがとても難しかった。環境保全の理論とはまた違う、現場作業の大切さを実感しました」といった感想が出ていた。

■守山のわんわん王国跡に大型店 不動産開発会社、来年9月開業へ 07/09/28 京都新聞電子版
 滋賀県守山市今浜町の琵琶湖岸の旧「びわ湖わんわん王国」跡地に、延べ床面積約7万9000平方メートルの大型ショッピングセンター(SC)の出店が計画されている。不動産開発会社が28日にも、滋賀県に大規模小売店舗立地法(大店立地法)に基づく新設の届け出を行う。核店舗は未定だが、来年9月の開業を目指しており、湖南地域での大型SCの出店競争に拍車がかかりそうだ。
 大和システム(大阪市)とオウミ都市開発(草津市)の「琵琶湖・守山リゾートショッピングセンター(仮称)」。王国跡地13・7ヘクタールに、鉄骨2階、一部4階建ての複合商業施設を建設する。
 店舗面積(物販)は3万6700平方メートル、飲食面積1万2100平方メートル。衣料品や雑貨、生鮮食料品などの専門店と飲食店など約220店が入る予定。駐車場は3060台分を確保する。展望スペースを設けるほか、既設の琵琶湖の桟橋を使い観光船の発着も検討している。
 売上高は年200億円を見込み、11月着工、来年9月の開業を目指す。
 計画用地は、2005年1月に犬のテーマパークの同王国が閉鎖された後、大和システムとオウミ都市開発が昨年末に取得した。交通渋滞対策として琵琶湖大橋東詰めと湖岸道路に、SC進入用高架橋を建設する予定。
 湖南地域では大型SCの出店計画が相次いでおり、草津市新浜町ではイオンが約18ヘクタールの敷地に店舗面積6万平方メートルともいわれるSCを、大津市一里山地区では大和ハウス工業が約5・5ヘクタールの敷地に店舗面積3万平方メートルのSCを計画している。

■10月にホンモロコ養殖のシンポ 07/09/26 Sankei Web鳥取
 中山間地の活性化に休耕田を活用したホンモロコ養殖を普及させようと、「第1回全国ホンモロコシンポジウム」(鳥取県ホンモロコ生産組合主催)が10月4、5の両日、養殖戸数が日本一の鳥取県で開かれる。全国の生産者や研究者らが養殖の現状に関して情報交換し、一般家庭の食材としてPRする。
 ホンモロコは琵琶湖原産の淡水魚。春から夏にかけて産卵し、ふ化から半年で体長10センチ前後に成長する。川魚特有の臭みがなく、骨が柔らかいため、関西では高級魚として扱われている。
 鳥取県内では、米の減反政策や農家の高齢化などに伴って増加した中山間地の休耕田の活用策として、鳥取大や県が平成13年から養殖の研究を開始。稲作より設備費や手間がかからず、収益もあがることから全県的に普及し、先進県の埼玉県を上回る計55戸の高齢農家と建設業者が養殖に取り組んでいる。
 シンポには、養殖を行う滋賀県や新潟県、岡山県真庭市などから研究者や生産者らが出席。佃煮や唐揚げなどのホンモロコ料理の試食会や県東部の養殖池の見学(5日)も行われる。
 初日の会場は鳥取市尚徳町の県民文化会館など。問い合わせは、鳥取県水産課((電)0857・26・7317)。

■強風で運休や遅れ JR湖西線 07/09/28 京都新聞電子版
 強風のため、JR湖西線は28日夜、堅田駅−近江今津駅間で運転を見合わせるなどダイヤが大幅に乱れ、約1万5000人に影響が出た。
 JR西日本によると、普通電車は上下合わせて24本が運休したほか、12本が最大で約2時間20分遅れた。特急は大半を米原経由に切り替えたが、1本が運休し、9本が最大で2時間25分遅れた。

■琵琶湖文化館 廃止、休館へ 滋賀県教委が検討 来場者激減、老朽化も 07/09/28 京都新聞電子版
 琵琶湖畔のシンボル的存在だった琵琶湖文化館(大津市打出浜)について、滋賀県教委は28日の9月定例県議会で、廃止や休館を検討していることを明らかにした。
 斎藤俊信教育長が一般質問の答弁で、入場者数がピーク時の10分の1以下であることを挙げた上で「築後46年を経過して施設の老朽化も激しく、耐震上の問題など数多くの問題を抱える」と述べた。
 文化館は1961年に県内初の公立博物館として開館した。美術品や文化財に加え、水族展示があり、文化・レジャーの一大拠点として市民らに親しまれた。64年度には約28万人が訪れたが、96年に琵琶湖博物館(草津市)が開館したことなどで来場者は激減し、昨年度は約1万8000人だった。
 県内の文化財や美術品の収蔵庫の役割も担い、現在、個人や社寺からの寄託を含め5041点の収蔵品がある。
 前琵琶湖文化館長の石丸正運・彦根城博物館長の話 文化館は県内の社寺の国宝や重要文化財を数多く預かっており、その保存や公開、活用という重要な役割を担っている。この機能はほかの施設では代替できない。文化館の行方は淡海文化そのものにかかわる。

■琵琶湖文化館、廃止も含め検討 県議会で県教育長答弁 07/09/29 Chunichi Web Press滋賀
 国宝を含む仏教美術品を収蔵する「県立琵琶湖文化館」(大津市打出浜)の来館者が減少している問題で、斎藤俊信・県教育長は二十八日、県議会で「廃止や休館も含めさまざまな角度から慎重に検討している」と述べ、初めて廃止の可能性に言及した。
 斎藤教育長は一般質問の答弁で「五千四十一点の収蔵品のうち、72%が寄託品。結果によっては県外流出が懸念される。滋賀の文化財を滋賀で鑑賞するという方針の下、後世につなげていかなければならない」とした。
 文化館は一九六一年に開館。鉄筋五階建て、延べ床面積四千七百九十二平方メートルで、博物館をはじめ、水族館やプールが設けられた。
 ピーク時の六四年度には、二十八万千六十人が来館。だが、九五年度末の水族館閉館を機に、修学旅行生や観光客が減少し、昨年度は一万八千六百六十三人と低迷した。施設の老朽化も課題となっている。
 県は〇五年二月に、九十二の公共施設の運営状況を見直し、琵琶湖文化館について「〇七年度末までにあり方について抜本的に検討する」とした。県教育委員会文化財保護課は、本年度中に「答えを出す」としている。(勝山友紀)

■人気のミニボート事故急増 規制緩和で免許不要あだに 07/09/29 Chunichi Web Press
 船舶免許が要らず手軽に釣りなど海のレジャーを楽しめるため人気上昇中の「ミニボート」の事故が急増している。海の基本的な知識を持たず、操船に不慣れなまま沖合に出ることが原因で、海上保安庁は「沖合や荒天時の使用は控えてほしい」と呼び掛けている。
 ミニボートは全長3メートル未満、エンジン出力2馬力未満の小型軽量タイプ。船体は強化プラスチックやアルミ製で、安いものだと10数万円程度。
 以前は小型船舶操縦士免許が必要だったが、国土交通省が2003年、規制緩和で免許制と船舶検査を撤廃。車に載せて運べる手軽さも受けて普及が進んだが、同時に海難事故も増え、05年は20件、06年は32件と伸び、今年はそれを上回るペースという。
 第4管区海上保安本部(名古屋)によると、愛知県常滑市沖で7月にミニボートの漂流や座礁事故が相次いだ。エンジンの整備不良や海図で浅瀬の位置を調べなかった初歩的ミスが原因だった。(共同)

■マリーナ経営者脅し修理代要求 大津署など容疑で会社役員ら逮捕 07/09/29 京都新聞電子版
 大津署と大津北署は29日までに、恐喝未遂の疑いで、大津市松山町、会社役員赤坂国孝容疑者(42)、同市中央2丁目、塗装業村井秀樹容疑者(38)、同市真野普門1丁目、内装業下野吉彦容疑者(40)、同市真野普門1丁目、自動車板金修理業谷雅史容疑者(39)の4人を逮捕した。
 調べでは、4人は6月17日から29日の間、ボートを預けている大津市内のマリーナ経営者(30)に「エンジンの調子が悪くなった」などと計3回にわたり、言いがかりを付けて脅し、修理代の名目で現金570万円を要求した疑い。
 大津署によると、4人は同マリーナに知り合いの暴力団組長の船の保管を断られたことに恨みを抱き、犯行に及んだとみられる。4人は犯行を否認しているという。

■天然記念物・アユモドキ、0歳魚激減 亀岡の桂川水系、NPO調査 07/09/29 京都新聞電子版
 全国に2カ所が残るだけとされる国の天然記念物の淡水魚・アユモドキの生息地の一つ、亀岡市で、今年生まれのアユモドキが昨年に比べて激減、繁殖率も極めて低かったことが、岩田明久・京都大准教授や地元NPO法人(特定非営利活動法人)などによる調査で、28日までに分かった。外来魚ブラックバスによる捕食も原因の一つに浮上、岩田准教授は「アユモドキの生育環境に異変が生じている可能性がある」と懸念している。
 調査は、府のアユモドキ保全対策調査事業の委託を受けた岩田准教授やNPO法人「亀岡人と自然のネットワーク」などが、今月15、23日に実施。桂川水系で唯一とされる産卵水域(同市保津町)で、一定範囲における捕獲数を基に、水域全体の生息数を推定する手法を用いた。
 この結果、今年6月の産卵期に生まれたアユモドキの9月時点の残存数は、昨年の同時期の約470−830匹に比べて大きく減少し、少なく見積もっても4分の一以下になる、という。
 また、産卵を始める生後2年以上の親魚と、その年生まれの魚(当歳魚)の個体数を比較した「繁殖率」は約0・5を下回り、府の委託調査が始まった2004年以降で、最低を記録。繁殖率が約3・25−8だった昨年とは極端な差が出た。岩田准教授は「当歳魚が産卵を始める再来年以降の繁殖にとって、大打撃」と話す。
 原因の一つに挙げられるのが、ブラックバス。調査では、この水域に生息するバスも捕獲し、昨年に比べ「感触では、10倍以上の個体数」(岩田准教授)を確認した。上流域のため池から流入したとみられる。
 アユモドキのもう一つの生息地、岡山県ではブラックバスがアユモドキを捕食した事例が報告されている。岩田准教授は「今年の産卵期に大雨が降ったことで、産卵そのものが阻害された恐れもあるが、当歳魚がバスに食べられた可能性もある」とみる。
 同ネットワークの上田稔留代表は「今後のアユモドキ保全のためには、上流域のバス駆除も必要」と指摘している。
アユモドキ コイ目ドジョウ科の日本固有種。現在、岡山県旭川・吉井川水系と亀岡市以外の地点では絶滅状態とされる。1977年に国天然記念物、2002年に府絶滅寸前種となった。04年には「種の保存法」に基づく「国内希少野生動植物種」に指定され、国が生息状況や生態の把握、生息個所の維持改善を盛り込んだ「保護増殖事業計画」を策定した。

■船上で講演やクイズ楽しむ 琵琶湖の環境テーマ 学生フェス湖上祭 07/09/30 京都新聞電子版
 滋賀県内13大学の学生の祭典「びわ湖学生フェスティバル 湖上祭」が29日、大津市の大津港と草津烏丸半島港を二往復する琵琶湖汽船「ビアンカ」船上で開かれ、琵琶湖環境をテーマに、講演会やクイズ大会などが催された。
 開会式では嘉田由紀子知事が「滋賀県を学びの場とする学生には、琵琶湖をもっと好きになってほしい」とあいさつし、船を見送った。
 講演会では彦根市の県水産試験場の澤田宣雄参事(48)が「滋賀県における外来魚駆除対策について」と題して現状を報告し、「外来魚を確実に減らすには継続的な努力が必要」と締めくくった。
 このほかにも琵琶湖の深さや面積、外来魚の名前などを問うクイズ大会も開かれ、正答の発表ごとに、乗船した乗客からは歓声が上がっていた。
 実行委員長で滋賀医科大3年の佐橋浩市さん(30)は「達成感がある。内容の濃いフェスティバルになってよかった」と話していた。

■オヤニラミが勢力拡大 滋賀の河川 在来魚へ影響懸念 07/09/30 京都新聞電子版
 肉食で繁殖力が強い淡水魚オヤニラミが滋賀県内の河川で生息範囲を広げている。国内の他地域ではもともと生息していたが、県内にはいなかった。県は「指定外来種」に定めて放流などを禁じており、滋賀の在来魚への影響が懸念される。
 県内で魚類の生息調査を続けている県立琵琶湖博物館特別研究員の中尾博行さん(30)によると、7月下旬、これまで見つかっていなかった野洲川本流で体長約3−6センチの稚魚、成魚を計5匹を確認した。8月上旬にも3匹を捕まえた。
 オヤニラミは、県内では1987年に野洲川の支流の田村川(甲賀市)で初めて確認された。以後、大石川(大津市)や日野川(日野町)などで見つかっている。観賞魚として人気が高く、飼育されていたものが放流されて定着したケースが多いとみられる。県は、地域の生態系を守るため今年5月に指定外来種に定めており、放流の禁止、飼育の届け出などを定めた。
 中尾さんは「オヤニラミは小動物を食べるため、在来魚のオイカワやカワムツの稚魚、卵を食べる可能性がある」と指摘する。琵琶湖博物館の中井克樹主任学芸員は「すぐに影響が出るとはいえないが、予防の観点から注意が必要だ」と話している。

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