琵琶湖の湖底から
(2007/10)

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■奥琵琶湖ドライブイン閉鎖 利用者減、親しまれて33年 07/10/01 Chunichi Web Press滋賀
 琵琶湖北端の木之本町飯浦の湖畔に位置する奥琵琶湖ドライブインが九月三十日、関係者が惜しむ中、三十三年間の営業に幕を下ろした。北陸自動車道の開通などで利用者が減り、経営する近江鉄道(彦根市)が閉鎖を決めた。
 ドライブインは一九七四年四月に開業。観光客やトラックなど長距離ドライバーの休憩所としてにぎわい、二十四時間営業をした時期もあった。
 だが、北陸自動車道の開通で交通量が激減。九六年には、付近にトンネルが整備されたことや、大型駐車場を備えたコンビニや道の駅などの登場で、利用者も九二年度の十二万三千人から昨年度は四万三千人に減り、売上高も最盛期の半分以下に落ち込んでいた。
 営業最終日の三十日、ドライブインで二十年近く働いた女性従業員(70)は「顔なじみのお客さんから、ご苦労さま、ありがとうと声をかけられ、しみじみ終わるのだなと感じ、本当に寂しい」と残念そうだった。
 また、近江鉄道が経営する彦根市松原町の「近江ボウルプラザ」と大津市粟津町の「近江ボウル石山」の二つのボウリング場も、施設の老朽化と利用者の減少を理由に九月三十日に営業を終了した。跡地利用について同社は「集客でき、地域の活性化につながる施設にしたい」としている。(近藤歩)

■奥琵琶湖ドライブインが閉鎖 33年の歴史に幕 観光客ら惜しむ声も 07/10/02 京都新聞電子版
 長年観光客らに親しまれてきた「奥琵琶湖ドライブイン」(滋賀県木之本町)が9月末で営業を停止し、33年の歴史に幕を閉じた。経営する近江鉄道(彦根市)は利用客減少による営業不振が理由としているが、利用客からは閉鎖を惜しむ声も聞かれた。
 ドライブインは1974年4月に開業。琵琶湖北端から臨む美しい眺望が人気を集め、北陸や丹後方面への観光客や長距離トラック運転手らの休憩所としてにぎわった。
 しかし、1980年の北陸自動車道開通後は利用者が急減。国道8号のトンネル整備でドライブインとしての立地が悪化したのも響いた。92年度に12万3000人だった利用客は、昨年度は4万3000人に減少し、売り上げもピーク時の半分以下に落ち込んだ。
 営業停止を知らずに小浜市から夫婦で訪れた無職男性(72)は「ドライブで彦根方面に行く途中に利用していた。風景がきれいな場所だったのに」と残念がった
 近江鉄道は「時代とともに観光形態が変わってきたこともあり、集客が難しくなった」(管理部)と説明する。跡地利用については検討中という。

■「琵琶湖レジャー利用税」導入 白紙に 嘉田知事、公約を再検討 07/10/02 京都新聞電子版
 滋賀県の嘉田由紀子知事は2日、6月定例県議会の一般質問の答弁で、昨年の知事選のマニフェスト(公約集)に掲げていた「琵琶湖レジャー利用税」の導入について、「税方式で負担を求めることは難しい」と述べ、公約を白紙に戻して再検討する方針を明らかにした。
 琵琶湖レジャー利用税は、エンジン付きプレジャーボートの発着を指定施設で行うことを義務づけ、発着回数に応じて徴収するとの内容で、県が2009年4月の導入を目指して検討を進めていた。
 しかし、プレジャーボートは琵琶湖のどこからでも発着できるため、課税対象の把握が難しく、平等な徴収が求められる税方式の導入は困難と判断した。
 今後はプレジャーボート利用の適正化など幅広い視点から、使用料方式など別の費用負担の在り方などについて検討する。県琵琶湖レジャー対策室は「検討次第では、費用負担という形にならないかもしれない」としている
 嘉田知事は答弁で「マニフェスト(の評価)については、その目的と達成状況で判断をお願いしたい」と述べた。

■琵琶湖レジャー利用税:嘉知事「導入は困難」 選挙マニフェスト明記 07/10/03 毎日jp滋賀
 県議会は2日、一般質問の4日目があり、嘉田由紀子知事は昨年の知事選マニフェストで明記した「琵琶湖レジャー利用税」について「現状では税方式で負担を求めることは技術的にも難しい」と、導入が困難であるとの認識を示した。野田藤雄議員(自民党・湖翔クラブ)の質問に答えた。
 マニフェストでは、エンジン付きプレジャーボートの発着を指定マリーナに限定したうえ、琵琶湖レジャー利用適正化条例を改正。発着1回につき500〜1000円のレジャー利用税を課し、09年4月の施行を目指していた。
 知事は、導入が困難な理由として、水上バイクなどが琵琶湖のどこからでも発着が可能で、課税客体の把握が困難であることを挙げた。そのうえで海外の先進事例を調べ、税以外の方式でも検証しているとし、「一層の検討が必要。マニフェストの関係は、その目的と達成状況で判断をお願いしたい」と述べた。
 一方、新幹線新駅(栗東市)問題は、今月末までに建設推進で地元合意ができなければ「中止」となるが、森茂樹議員(共産)の質問に対し、知事は「最終結論がさらに延びることはないと認識しており、延ばすつもりはない」と期限延長の可能性を改めて否定した。【服部正法、蒔田備憲】

■外来魚駆除釣り大会まとめ 諏訪湖漁協 07/10/03 長野日報ネット版
 諏訪湖漁協は2日、外来魚の駆除を目的に今年度、諏訪湖と流入河川で開いた釣り大会の結果をまとめた。雨で中止した第4回(9月30日)を除く第1─3回大会の参加者数は延べ229人で、ブラックバスとブルーギル計128キロを釣り上げて駆除につなげた。
 このうち9割がブルーギルだったといい、漁協は「ブルーギルは刺し網に引っ掛かりにくく駆除が難しい。釣りは非常に有効」と分析。来年度も継続し、4回ほど開く方針でいる。
 諏訪湖では2001年から外来魚が目立ち始めており、漁協は「釣りも駆除の有効な手段」として昨年秋に釣り大会をスタート。今年度は6月3日を皮切りに夏、秋に各2回開いた。釣った外来魚の総重量を競う形式で実施し、諏訪地方をはじめ、上伊那や中信、北信地方からの参加者が、ミミズなどを餌に外来魚を狙った。
 漁協では常時、諏訪湖と流入河川で捕獲された外来魚を1キロ500円で買い上げており、「外来魚を釣ったりした場合は死んだ状態にして持ち込んでほしい」と、引き続き協力を呼び掛けている。
 今年度は組合員が捕獲した分を含め、8月末までにブラックバス約2700匹、稚魚約34万2000匹、ブルーギル約5400匹を駆除したという。

■ウシモツゴ:絶滅危険度最高ランク 関・下有知中の生徒ら飼育、繁殖に挑戦へ 07/10/03 毎日jp岐阜
◇「自然の大切さ知って」 関の下有知中に「守る会」が贈る
 環境省のレッドデータブックで最も絶滅の危険度が高い「絶滅危惧(きぐ)1A種」に指定されている希少魚・ウシモツゴを育成、繁殖している「ウシモツゴを守る会」がこのほど、自然の大切さを知ってもらおうと関市立下有知中学校の生徒に稚魚を贈った。今後、生徒らが飼育し繁殖にも挑戦する。
 ウシモツゴはコイ科モツゴ属の淡水魚。かつては県内に広く分布していたが、環境悪化や増え続けるブラックバス、ブルーギルの捕食により減少し、現在、野生で生存が確認されているのは県内では4カ所のみだ。03年11月、県の指定希少野生動物になった。
 同会は希少魚を守ろうと関、美濃両市、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふや、市民団体「岐阜・美濃生態系研究会」などと保全活動に取り組んでいる。
 同会は、1年生59人に飼育方法などを指導した後、会員の加藤元春さんが5センチほどに育てた稚魚約50匹を手渡した。生徒たちは「人間の手でいなくなる生物をなくしたい」などと話していた。
 同会の三輪芳明さん(56)は「子どもが生態系の破壊に関心を持ち、原因を考えてもらいたい。昔のような小川や池を取り戻せたらいい」と話していた。【稲垣衆史】

■ブラックバス300匹死ぬ−綾川町の濁池 07/10/03 SHIKOKU NEWS
 香川県綾歌郡綾川町滝宮の濁池で2日、ブラックバス約300匹が死んでいるのが見つかった。県が解剖や水質検査などを行い、原因を調べている。
 高松西署を通して住民の通報があり、県環境管理課と中讃保健福祉事務所の職員が正午ごろに確認した。魚の大きさは主に20―30センチ。県によると、数日前からアオコが発生していたことから、「(アオコの)大量発生で水中の酸素が不足したのが原因では」と話している。

■もっと広めたい高級魚「ホンモロコ」 生産戸数全国一の鳥取で「シンポ」 07/10/04 msn.産経ニュース
 絶滅が心配される琵琶湖の固有種で、関西では高級魚として知られる「ホンモロコ」の養殖法などを紹介する「第1回全国ホンモロコシンポジウム」が4日、鳥取市の県民文化会館で開かれた。全国一の養殖生産戸数を誇る鳥取県の生産組合が、食材として全国にPRしようと計画。午後には千葉や新潟、石川県などの研究者らが養殖の取り組みなどを報告。最終日の5日は参加者が鳥取市内などの養殖場を見学する。
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≪休耕田利用し養殖≫
 ホンモロコ全国一の生産戸数を誇る鳥取県内では、米の減反政策や農家の高齢化などに伴い増加した中山間地の休耕田の活用策として各地で養殖が普及。高齢農家や異業種参入の建設業者が鳥取産のブランド化に取り組んでいる。
 普及の牽引(けんいん)役は元鳥取大学助教授で、大学発のベンチャー企業「内水面隼研究所」の社長に転じた七條喜一郎さん(65)。在職中、湖山池(鳥取市)のフナの分類研究などを手掛け、ワカサギの減った同池の新しい養殖魚を探すなかで漁獲量が激減し養殖対象として有望視されていたホンモロコに目を付けた。
 2年間の試験養殖の後、湖山池への放流は生態系を崩すことが懸念されることから、休耕田を利用して平成15年から4戸で養殖事業を開始。17年に退官すると、「中山間地の活性化や高齢農家の生きがいにつながる」と、県などと技術指導や普及に取り組み、養殖農家が急速に増えた。
 もともと琵琶湖固有種のため県内での知名度は低いが、県ホンモロコ生産組合がスーパーでつくだ煮や空揚げなどの試食会を開催してPRしているほか、最近は学校給食に取り入れられるようになった。また県栄養士会も一般家庭用の料理集を発行するなど、食材としての普及に向けた取り組みも広がっている。
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 ホンモロコはコイ科の淡水魚。春から夏にかけて産卵し、孵化(ふか)から約半年で体長10センチほどになる。味は淡泊で、川魚特有の臭みが少ないのが特徴。特に琵琶湖の100メートル近い深みにいる2、3月は骨が軟らかく、焼いて食べるとおいしい。
 琵琶湖では昭和49年に372トンの漁獲高を誇ったが、ブラックバスなどの外来魚による食害で平成16年には5トンにまで激減。同じく琵琶湖の当たり前の魚だったニゴロブナと並んで高級魚に位置するように。滋賀県は稚魚の放流や外来魚の駆除に力を入れるなど資源回復に懸命となっている。
 一方で、農家の後継者不足などで増えている休耕田を利用する養殖方法が注目され、全国に広がりつつある。休耕田を掘って水深約30〜50センチの水をためれば養殖場が出来上がり、設備の経費がさほど掛からない。
 鳥取県によると、県内では15年から休耕田での養殖が始まり、18年度には生産戸数が54戸と埼玉県を抜き全国一に。18年度の生産量は6トンに上っている。

■白鳥の足にルアー 相川小が救出作戦 甲府・武田神社の堀 07/10/04 Miljan 山梨日日新聞
 甲府市古府中町の武田神社の堀で、白鳥の足にルアーが引っ掛かったままになっている。白鳥に餌を与えている相川小が餌の場所を陸地に変えるなど、救出作戦を行っている。
 同校によると九月、地元住民が左足にルアーが絡まっている白鳥を発見。同校が甲府署の協力を受けて捕獲しようとしたが失敗した。
 獣医と相談した結果、水上での保護は困難と判断し、白鳥を引き寄せるため餌の場所を堀西側の陸地に変更した。しかし白鳥は警戒している様子で陸に上がってこないという。
 武田神社の堀では今年に入って、くちばしにルアーの掛かったカモなどが確認されている。同校は「堀での釣りは禁止されているが、釣り人が後を絶たない。最低限のマナーを守ってほしい」と呼び掛けている。

■大阪城公園の堀でフナやコイなど300匹死ぬ 大阪市 07/10/04 asahi.com関西
 大阪城公園(大阪市中央区)の南外堀に、数匹の魚が浮いているのを3日夕、公園を利用していた人が見つけ、管理する市東部方面公園事務所に連絡した。同事務所の職員が4日午前10時ごろに確認すると、フナやコイ、ブラックバスなど約300匹が浮いていた。市は酸欠の可能性もあるとみて、水質調査を実施し、原因を調べている。
 同事務所によると、長さ約70メートル、幅5メートルにわたって水面に魚が大量に浮き、悪臭が漂っていたという。この日は外堀に船を浮かべ、職員約20人が金網で魚をすくい上げた。作業は5日も続く見込み。

■ブルーギルなどの外来魚を一斉捕獲へ/厚木 07/10/06 神奈川新聞ニュースカナロコ
 厚木市は五日までに、ブルーギルなどの外来魚が繁殖している同市所有の森の里地区B貯水池(同市上古沢緑地内)の水をすべて抜き、外来魚を一斉捕獲することを決めた。外来魚が流れ出ることで下流部の生態系が破壊される懸念を解消するのが目的。貯水池は立ち入り禁止で、釣りを楽しむ人を一掃する効果も期待している。
 貯水池は約三千平方メートルで周囲約二百五十メートル。水害を防ぎ、たまった水を農業用水として利用するため一九九一年に完成した。全面コンクリートに覆われ、もともと生き物はいなかったが、愛好家が外来魚やコイを放したとみられている。
 同市河川課の担当者は「貯水池をのぞき込むだけで、かなりの数のブルーギルを確認できる」と話す。流れ出た水は恩曽川を経て相模川へ流れ込むため、近くのため池や沼などで外来魚が繁殖する恐れがあるという。
 また、貯水池周辺は急な増水があるために立ち入りは禁止されている。高さ約二メートルのフェンスに囲まれているが、ことし六月ごろからルアーフィッシングを楽しむ釣り人の侵入が目立ってきた。
 このため、市は農業用水としての使用が減る秋から冬にかけて、すべての水を抜いて外来魚を捕獲、数日かけて内部を清掃する。
 同市河川課の担当者は「貯水池での釣りは危険。生態系を守るためにも外来魚は放さないでほしい」と話している。

■カワバタモロコ稚魚展示…神戸で今月末まで 07/10/07 Yomiuri On Line関西発
絶滅危惧種、須磨水族園で繁殖
 環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されているコイ科のカワバタモロコの保全に取り組んでいる神戸市立須磨海浜水族園(神戸市須磨区)は、同園で繁殖した稚魚を展示している。31日まで。
 コイ科で最も小さく、成魚でも体長約4センチという。かつては神戸市内のため池や用水路で見られたが、護岸工事の影響で産卵場が減り、外来魚に食べられるなどしたため、現在は同市北、西両区の計4か所でしか確認できていないという。
 以前から繁殖を成功させている同園は、今年も7月上旬から孵化(ふか)した体長わずか3ミリの稚魚など計55匹を展示。訪れた親子連れは水槽に顔を近づけて、「ちっちゃーい」「目がかわいい」などと声を上げていた。

■淀川水系河川、大洪水に対応へ 国交省近畿整備局が計画原案 07/10/08 京都新聞電子版
 国土交通省近畿地方整備局が今後2、30年で進める河川整備の内容を示す淀川水系河川整備計画の原案に、天ケ瀬ダム(宇治市)再開発と瀬田川洗堰(大津市)の放流能力を増大させる計画が盛り込まれた。戦後最大の洪水に対応するため、洗堰から淀川の合流点(大阪府枚方市)まで毎秒1500トンの水が流せる整備を目指している。
 原案では宇治川で毎秒1500トンの流下能力を確保するために河道掘削を進めるとともに、上流の天ケ瀬ダムの放流量も増やすため、ダムの貯水池と下流の宇治川をトンネルでつなぐ放流施設を設けることとした。
 ダムに新たな開口部を設けることが構造上困難なため、ダム左岸に長さ約600メートルのトンネルを掘って毎秒約600トンの水を流し、天ケ瀬ダムの放流量約900トンと合わせて計1500トンを確保する。
 また、大戸川ダム建設後の大戸川の流量を毎秒約300トンと見込み、将来的な瀬田川洗堰の改築も検討する。放流能力を現行の毎秒約1000トンから約1200トンに引き上げ、計1500トンを瀬田川に流すことにしている。
 こうした整備の進み具合も踏まえ、「原則として全閉操作は行わない」とした瀬田川洗堰の操作規則の見直しも進める。

■こんにちは:「ウシモツゴを守る会」会長・三輪芳明さん 07/10/08 毎日jp岐阜
◇まちに小川の復活を
 関市内の中学校へ今月、絶滅が心配されているコイ科の淡水魚「ウシモツゴ」を贈った。既に同市内の小学校3校へウシモツゴを渡しており、今後も順次、他の学校へ贈る予定だ。「ウシモツゴの飼育・繁殖を通して環境問題を考えてほしい。子どもを巻き込むことが、環境保全につながっていく」と笑みを浮かべた。
 かつて県内で広く生息していた野生のウシモツゴ。だが外来魚による捕食などで現在は関、美濃両市内の4カ所でしか確認されていない。
 市民活動にかかわるきっかけは、91年の関市下有知の産廃処理場建設問題だった。以来、「先人から受け継いだ土地を、そのまま次の世代に渡すのが私たちの責務」と、生まれ育った関の自然を大事にしてきた。
 魚や自然好きの仲間との間で02年、悪化する地元の自然が話題になった。「何か行動を起こさなければ」と自然保護の方法を調査、研究し、行政に提言する市民グループ「岐阜・美濃生態系研究会」を設立、会長となった。
 ウシモツゴの存在を知ったのはそのころだった。同会は05年に関、美濃両市や県博物館、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふなどに呼びかけ、新たに官や企業を巻き込んだ保護団体「ウシモツゴを守る会」を作った。「環境保護の活動は行政や民間企業などとの連携が重要」という。「一団体だけでは間違いも起こる」と、専門家などの意見を聞くことも重要視する。
 同会は現在、川で殖えた外来種のブルーギルやブラックバスの駆除へ積極的に取り組む。「人工繁殖させて放流しても、外来種がいると自然繁殖できない」と、ため池の水をすべて抜き、数千〜数万匹いる外来種を一気に駆除する。同会は05年、この方法で元の環境に戻した関市内のため池に、ウシモツゴ1200匹を放流。半年後の観察会では、元気に泳ぎ回る姿から自然繁殖を確認した。「全国でも例はないと思う」という。
 最近では新たな試みも始めた。関市内に400平方メートルの敷地を借り、小川の脇にため池、たんぼのあるビオトープを作った。コンクリートで舗装された川から、田と川を魚が行き来して産卵する本来の川に戻すのが目的という。「ウシモツゴだけの保護にとどまらず、生物が生息できる場所の保全が目標。人間にとって『心のふるさと』である小川を、まちに復活させたい」【稲垣衆史、写真も】
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人物略歴
◇みわ・よしあき
 関市下有知在住。32歳で団体職員から美術商に転進。現在は同市内で骨董品店「アンティークあん」を経営し、美術品に造詣が深い。趣味は昆虫採集にアユ釣り。母、妻、長男、長女の5人家族。56歳。

■外来魚駆除…伊自良湖でワカサギ釣り解禁 07/10/08 岐阜新聞Web
 山県市長滝の伊自良湖のワカサギ釣りが7日、解禁された。昨年行われた外来魚の駆除作業後、初の解禁となり、今春ふ化したワカサギを求めて、釣り人らがさっそく釣り糸を垂らした。
 同湖では2年前、外来魚のブラックバスの一種のコクチバスが見つかって問題化。地域の水系の生態を崩す恐れがあることから、昨年11月から12月にかけて水を抜き、一斉駆除を行った。駆除が完了したことから、今年4月にワカサギの卵2500万粒を放卵。ふ化した稚魚は半年で体長5―7センチに育った。
 この日は午前6時すぎから愛好者らがボートを浮かべた。80匹ほど釣った人もいたという。管理人の藤田力弥さん(46)は「今年放卵したばかりでまだ小さく、水温も高い。例年ほどの勢いとはいかないが、11月中旬を過ぎると水温が下がってワカサギも成長する」と話していた。ワカサギ釣りは来年3月末まで。

■ボタンウキクサの分布把握へ 琵琶博が初調査、在来魚減を懸念 07/10/09 京都新聞電子版
 琵琶湖の生態系に影響を及ぼす可能性のある特定外来生物「ボタンウキクサ」の分布調査に、滋賀県立琵琶湖博物館(草津市下物町)が乗り出している。湖のほか、池や水路などを対象としており、博物館では「分布場所を把握し、在来の生物への被害を未然に防ぎたい」としている。
 ボタンウキクサはアフリカ原産の水草。園芸品種として販売されていたが、池や水路の水面を覆うなど繁殖力が強く、生態系に影響する可能性があるため、国が昨年2月に販売や栽培を禁止する特定外来生物に指定した。琵琶湖でも守山市や堅田内湖(大津市)などで確認されている。
 県内全域での分布調査は初めて。12月までに河川や水路を含む全水域を対象に、繁茂状況や面積などを調べ、来年3月に結果をまとめる。今月初めから、博物館活動に協力する市民らで構成する「フィールドレポーター」約100人が行っているほか、調査希望者を募っている。
 琵琶湖の水草に詳しい同博物館の芳賀裕樹主任学芸員(42)は「淀川ではボタンウキクサが繁茂している地点でタナゴ類などの在来魚が減少しているケースがあるという。琵琶湖でも、在来種が多い湖岸近くなどの水路で増えると影響が大きいのでは」と危機感を募らせている。
 調査希望の問い合わせは同博物館TEL077(568)4811。

■ラニーニャ来春まで継続か 気象庁が予測 07/10/11 京都新聞電子版
 気象庁は11日、南米ペルー沖の海面水温が下がり世界的な異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」が、来年春まで続く可能性が高いとの監視速報をまとめた。
 ペルー沖の監視海域では9月の平均海面水温が基準値(過去30年の平均)より1・3度低く、8月より0・3度下がった。赤道域上空ではラニーニャの一因となる東風の強い貿易風が吹き、気象庁は「8月よりもラニーニャの特徴が顕著になった」としている。
 ラニーニャ発生時の日本の冬は厳冬になることが多く、各地で積雪の過去最多を記録した2005−06年の豪雪の一因とされる。春は近年では高温傾向があるという。(共同通信)

■県議会:琵琶湖水系対策特別委 首長の意見「最も重い」−−国交省河川部長 07/10/11 毎日jp滋賀
◇計画原案説明で認識
 県議会の琵琶湖淀川水系問題対策特別委員会が10日行われ、国交省近畿地方整備局の谷本光司・河川部長と井上智夫・河川調査官が参考人として出席。8月に同整備局が公表した淀川水系河川整備計画原案について説明した。今年度末をめどに計画を策定するため、国は自治体の首長や地元住民、学識者の意見を聞くことになっているが、谷本部長は首長の意見が「最も重い」との認識を示した。
 同局は05年7月、大戸川ダム(大津市)を「凍結」、丹生ダム(余呉町)を「縮小」などとする「淀川水系5ダムについての方針」を発表。しかし、同案では大戸川ダムは一転、平常時は水を貯めず、大雨時に貯水する治水専用の「穴あき」ダムとして建設推進する方針が示された。丹生ダムは貯水型か「穴あき」かのダム型式を今後2、3年検討するとされた。
 この日、谷本部長らは、淀川水系の中上流部で河川改修の見通しができた▽中上流部の改修により、流量が増える下流部の洪水リスクを減らすため、さらに上流部での洪水調節機能が必要−−などと大戸川ダムを復活させた理由を改めて説明。
 また、同局の専門家会議「淀川水系流域委員会」の意見が計画策定にどの程度反映されるかとの質問に対して、同部長は「意見を聞くのは自治体の長、地元住民、学識者の三つだが、市町村長が最も重たいと考えている」と答弁。これまで「ダムは原則として建設しない」と提言してきた同委へのけん制とも取れる発言をした。【服部正法】

■皇室:天皇、皇后両陛下が来県 来月10、11日の「海づくり大会」 07/10/11 毎日jp滋賀
 来月10、11日に大津市のびわ湖ホールなどで開催される「第27回全国豊かな海づくり大会」への天皇皇后両陛下のご出席が正式に決まり、宮内庁や県が10日、3泊4日の日程を発表した。両陛下の来県は94年以来、13年ぶり。
 両陛下は同大会の出席のほか、大津市内の特別養護老人ホームや県立琵琶湖博物館(草津市)、県立陶芸の森(甲賀市)、延暦寺(大津市)などを訪問される予定。
 両陛下に随行する嘉田由紀子知事は、この日の会見で「両陛下の行幸啓がつつがないよう万全を期してまいりたい」と話した。【服部正法】

■諏訪湖のワカサギ、3季連続禁漁 採卵資源保護目的で 07/10/11 Chunichi Web長野
 諏訪湖のワカサギは十二月から三季連続で禁漁となることが十日、関係機関・団体による連絡会議で決まった。採卵資源の保護が目的で、来年一月から採卵事業終了までは全面禁漁する。連絡会議は併せて、諏訪湖でワカサギの不安定な資源状況が続く原因究明を県に求める方針を決めた。
 決まった禁漁措置は、十二月は毎週金・土・日曜日の釣りは解禁、投網漁も週二日は行う。年明け一月以降は釣り、漁とも全面禁止する。一昨季の禁漁措置と同内容。諏訪市の県諏訪合同庁舎で開いた連絡会議で提案した諏訪湖漁協の藤森直章組合長は「禁漁期間を短縮した昨季は採卵量が減少した。資源保護に考えられる効果的な方法」と説明した。
 連絡会議は禁漁に伴う利害調整の場として県諏訪地方事務所が設置。諏訪湖釣船組合は「ワカサギ釣りブームに諏訪湖は乗れず、危機感が強い。禁漁以外の資源保護策はないのか」と異議を唱えた。川魚組合などは禁漁に理解を示し、漁協の方針を確認。禁漁の向こう三季継続を求めた漁協提案は認めなかった。
 一方、諏訪湖温泉旅館組合は「今後も禁漁だけでやっていくのか」と、禁漁措置だけの資源保護に疑問を呈した。連絡会議座長の山田隆諏訪地方事務所長も「専門家を含めた検討組織で徹底的な原因究明をすべきとの考えはある」と発言。連絡会議として県に原因究明の組織設置を求めるとまとめた。
 会議では、県水産試験場諏訪支場の魚群探知機によるワカサギ資源量推定が、九月に入っても引き続き低い水準で推移していると報告。また同支場は、ワカサギの補食が指摘されている渡り鳥カワアイサについて、捕獲による食性調査を実施すると明らかにした。(福沢幸光)

■永源寺第2ダム巡る住民訴訟、最高裁が国側の上告退ける 07/10/11 Yomiuri On Line
 農林水産省が滋賀県東近江市に計画している「永源寺第2ダム」を巡り、住民らが、「不要なダムだ」として行った異議申し立てを認めなかった国の決定を取り消すよう求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は11日、国側の上告を退ける決定をした。
 「事業計画にはダムの規模を誤って設計した重大な欠陥があり、違法」として、国側逆転敗訴とした2審・大阪高裁判決が確定した。

■ボタンウキクサ繁殖状況の報告を 水域保全へ県民サポーター募る 07/10/12 Chunichi Web滋賀
 琵琶湖岸や内湖で繁殖が懸念される特定外来生物の水草「ボタンウキクサ」の実態を明らかにしようと、県立琵琶湖博物館(草津市)が今月から調査を進めている。県内全域で分布状況を把握するため、協力してくれる県民を募集している。
 博物館によると、調査期間は十二月末まで。湖や河川など全水域が対象で、繁殖場所や規模を把握する。
 県民は「フィールドリポーター」として登録。アンケート形式の調査票を基に、自宅周辺の状況を報告し、博物館がまとめる。
 ボタンウキクサはサトイモ科の多年草。熱帯や亜熱帯に分布する。葉がレタスに似ていることから、ウオーターレタスとも呼ばれる。水面を覆い、生態系に影響する恐れがある。
 観賞用として輸入され、琵琶湖では二〇〇〇年ごろから、堅田内湖や赤野井湾などで確認され始めた。〇六年二月、国の特定外来生物に指定されている。
 フィールドリポーターの問い合わせは、博物館「係」=電077(568)4811=へ。

■琵琶湖の生態調査へ 地引き網に挑戦 近江八幡で 保全委メンバーら 07/10/12 京都新聞電子版
 琵琶湖について学術的な見地から県に提言する琵琶湖総合保全学術委員会のメンバーや中央官庁の職員らが12日、滋賀県近江八幡市沖島町の休暇村近江八幡で生態系調査のため地引き網を行った。
 委員16人をはじめ、環境、農林水産などの省庁や県職員など約60人が参加した。船上から琵琶湖の透明度や、伊崎半島(近江八幡市)のカワウ被害などを調査した後、沖島の漁師に教わって地引き網に挑戦した。
 ネクタイ姿の参加者らが綱を引くと、浜に上がった魚がピチピチと跳ねた。かかった魚約6キロのうち、ブラックバスやブルーギルなど外来魚が5・5キロを占め、在来種はヒガイやオイカワなどわずかだった。その場でブラックバスを解剖し、胃の内容物も確認した。
 同委員会の川那部浩哉委員長は「10月はホンモロコが捕れる時期だが、外来魚ばかりだった。今夏の猛暑の影響もあるかも」と話していた。
 かかった魚は彦根市の県水産試験場で詳しく調べ、今後の議論に生かす。

■琵琶湖透明度改善で金利2倍に びわこ銀行「エコ預金」 07/10/12 京都新聞電子版
 びわこ銀行は12日、昨年10月から今年9月まで預け入れを受け付けていた環境保全型定期預金「エコ・クリスタル定期預金」で、今年1月預け入れ受け付け分の金利を2倍に引き上げると発表した。今年10月の琵琶湖の透明度が前年同月より改善したため。
 環境保全への関心を高める目的の独自商品で、預け入れた月の3カ月前とその1年後の琵琶湖の透明度を比較し、改善していれば、基準金利の年0・25%を年0・5%に引き上げる仕組み。預金130億円を集めた。同預金の金利が上がるのは今回が初めて。
 昨年10−12月の預け入れ分は、今年7−9月の透明度がそれぞれ前年同月比で悪化したため通常金利のままだった。

■船上や湖岸から水草引き上げ 琵琶湖・南湖で“藻刈りまっか大会” 07/10/13 京都新聞電子版
 水草の異常繁茂が続く琵琶湖・南湖の水草を、昔ながらの手法で刈る「びわ湖・藻刈りまっか大会」が13日、大津市の大津なぎさ公園で開かれた。参加者が船上や湖岸で、湖面まで盛り上がった水草を、独特の竹ざおで引き上げた。
 琵琶湖では昭和30年代ごろまで、農家が水草を刈り取り、畑の肥料に使っていたという。当時の作業を体験し、琵琶湖の水草をめぐる問題に関心を抱いてもらおうと、滋賀県と淡海環境保全財団が昨年に続いて開催し、嘉田由紀子知事をはじめ約150人が参加した。
 参加者らは、湖岸の岩場から身を乗り出し、先に枝を付けた竹ざおで藻を引き上げた。外来種のオオカナダモや在来種のマツモなど、さまざまな種類の水草が大きなひとかたまりとなって現れ、驚いていた。また、船3隻が運航し、2本を途中をくくってはさみ状にした竹ざおを使って湖上からも作業にあたった。

■園児、本番さながら演奏 大津で“海づくり大会”リハーサル 07/10/13 京都新聞電子版
 11月10、11日に大津市で開かれる「全国豊かな海づくり大会」(同実行委主催)のリハーサルが13日、同市打出浜のびわ湖ホールで始まり、大会2日目に予定されている式典行事の段取りを確認した。
 県職員らが天皇皇后両陛下や滋賀県知事役を務め、琵琶湖の漁業に功績のあった団体代表者らへの表彰状授与やあいさつなどを行った。
 天皇皇后両陛下の入場を想定した場面では、実行委のメンバーがオーケストラの始まるタイミングを入念にチェックしていた。大会旗入場時には、地元の保育園児によるマーチングバンドの演奏が本番さながらの迫力で繰り広げられた。
 14日はびわ湖ホール前の琵琶湖岸で、ニゴロブナなどの放流行事のリハーサルを行う。

■琵琶湖:酸素濃度回復実験、水深90メートルで2倍に−−県研究センター 07/10/14 毎日jp滋賀
◇深層部でも有効性確認
 琵琶湖の水を酸素と水素に電気分解し、深い湖底付近の水に溶けている酸素(溶存酸素)の回復と、水素燃料の生成に使う県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)などの構想で、実証実験が13日、琵琶湖北湖(琵琶湖大橋以北)の深層部で初めて実施された。水深約90メートルの湖底直上で行われた実験では、30分程度で溶存酸素濃度が約2倍に。深い場所でも実験の有効性が確認される結果となった。【服部正法】
 最大水深約104メートルの北湖では、温暖化の影響とみられる湖水の循環の鈍化などによって、近年深層部の湖底付近の溶存酸素濃度の低下が問題化。同センターの熊谷道夫・研究情報統括員らが04年、湖水の電気分解構想を考案し、同センターや京都大、同志社大、信州大などの研究者らが加わってチームを作り、実験に着手した。
 当初は水槽での実験だったが、昨秋には比較的浅い琵琶湖南湖で実験を実施。人為的にできたくぼ地(水深約13メートル)で行い、1時間程度で酸素濃度が7倍近くになる結果を得た。
 今回行った北湖の水深約90メートル地点での実験では、大がかりな実験が難しいため電極の数を南湖での実験の3分の1にしして行ったが、湖底付近で電気を流すと、当初1リットルあたり1・3ミリグラムだった酸素濃度が、30分程度で約2・5ミリグラムになったという。
 熊谷統括員は「深いところでも酸素濃度が上がることが確認できて、良かった」と評価している。

■「藻〜たくさん!」 07/10/15 asahi.com滋賀
【市民ら150人琵琶湖で除去】
 琵琶湖で大量に繁茂する藻や水草を刈り取る体験から、環境改善や藻の有効活用について考える「びわ湖・藻刈(もーか)りまっか大会」が13日、大津市のなぎさ公園であった。昨年に続いて2回目で、発案者の嘉田由紀子知事や市民ら約150人が参加した。
 琵琶湖の藻はかつて、肥料として利用されていた。しかし、最近は増えすぎて湖面を覆い、景観を損ねたり腐敗によって悪臭が発生したりするだけでなく、船舶の航行に差し障るなどの影響が出ている。県は、毎年7〜11月に専用船2隻などで刈り取り作業をし、昨年は約2900トンを刈り取った。
 大会で嘉田知事は「藻は資源として大事にされていた。刈り取りに年間8千万円の予算をかけるのはもったいない。有効な活用手段を募集しています」とあいさつ。参加者らは、先端が熊手のようになった竹を使い、湖岸に打ち寄せられた藻や水草を引き揚げた。
 船上から刈り取った県立大津高校ボート部の西村奈那子さん(2年)は、練習中に藻がオールに絡まって艇が転覆し、湖に落ちた苦い経験があるという。「藻は重かったけど、力を込めた。大漁でした」と話した。

■潜水ロボット「淡探」での湖底調査続けて 滋賀の研究者らが応援の会 07/10/15 京都新聞電子版
 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の自律型潜水ロボット「淡探(たんたん)」を使った琵琶湖の湖底調査が、県の財政難で中止されるのでは、と危ぐする研究者やNPO関係者らが、継続を応援する「淡探の会」を15日までに発足した。「温暖化が深刻になる中、目に見えない湖底の変化を撮影できる淡探の必要性はさらに増す」と、調査継続を広く訴えていくという。
 県は来年度予算編成に向け、経費の大幅削減を打ち出しており、事業の選別を進めている。「淡探」による湖底調査は、人件費や維持、運用で年間約1000万円かかり、母船も必要なため、「予算に盛り込まれないのでは」との懸念が市民レベルで広がっている。
 このため、環境問題などの紙芝居を創作している山内陽子さん(50)=高島市=が呼び掛け、14日に大津市内で約20人が出席して会を立ち上げた。淡探が撮影した湖底の映像を市民に広くアピールし、淡探を広く知ってもらうなどの提案が検討された。
 会には、淡探の開発に携わった関係者も多数参加した。設計を手掛け、「淡探の父」を自認する東京大生産技術研究所の浦環教授(59)は「湖底を三次元でとらえ、広域的に観測できるのは淡探だけ。観測は続けないと意味がない」と訴えた。
 設計時の検討委員だった滋賀女子短期大の板倉安正学長(67)は「有効なデータを取るノウハウが蓄積され、今後調査の幅が広がるはず。淡探ファンとして応援したい」と話した。
 淡探による調査は年3回、各1週間程度行っている。低酸素化が懸念される湖底監視に役立てているほか、水温などに左右される琵琶湖固有種のイサザやヨコエビの分布を映像で調べている。赤潮発生の元となる植物プランクトンの分布層も計測している。

■コハクチョウ 琵琶湖に今季初飛来 「冬近し」告げる 07/10/15 京都新聞電子版
 滋賀県湖北町延勝寺沖の琵琶湖で15日、冬の訪れを告げるコハクチョウの飛来が今季初めて確認された。湖北野鳥センター(同町今西)によると、飛来は昨年と同じ日で、例年に比べ5日ほど早いという。
 コハクチョウは同日午後1時過ぎ、成鳥とみられる5羽が中州で羽を休めているのを野鳥センターの職員が見つけた。約4500キロ離れたシベリアからの長旅を終え、ゆったりとくつろぐように過ごしている。
 同センターは「土曜からの冷え込みで経由地の北海道から移動したのだろう」とみている。ピークの1月には400羽を超えるといい、琵琶湖では来年3月初旬ごろまで純白の優雅な姿が楽しめる。

■平尾の溜池:整備の完成祝い、稚魚放流−−東近江 07/10/16 毎日jp滋賀
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 県が東近江市平尾町で進めていた平尾の溜(ため)池整備工事がこのほど終わり、親水水路や東屋なども設けられた下溜の親水広場で14日、完成式が行われた。
 この溜池は60軒の集落のすぐ上に上溜(貯水量6100トン)、中溜(同5200トン)、下溜(同2800トン)と三つが連なり、農業用水源となっている。中溜は91年に老朽化工事を終えており、今回は上溜と下溜を04年から1億6500万円をかけ全面改修していた。
 この日は、式典に先立ち、地元の子ども会や幼稚園児が下溜にニゴロブナやホンモロコなどの稚魚150匹を放流。式典では、久田元一郎副市長らが祝辞を述べ、能登川水車太鼓演奏などで完成を祝った。
 同地区では、溜池整備を機に、周辺の里山の保全活動にも取り組み、伐採した木材チップでカブトムシの寝床を作ったり、防災訓練もしている。【斎藤和夫】

■長旅終えコハクチョウ飛来 守山市の琵琶湖 07/10/16 京都新聞電子版
 守山市木浜町沖の琵琶湖に16日、コハクチョウが飛来した。南湖では今シーズン初めてで、5羽のコハクチョウが水中に頭を入れて水草を旺盛に食べ、シベリアから約4500キロの長旅の疲れを癒やしている。
 守山市や草津市の湖岸に飛来するコハクチョウの観察を毎年続けている「琵琶湖草津湖岸コハクチョウを愛する会」の会員が正午ごろ、飛来を確認した。同会によると、成鳥3羽と幼鳥2羽とみられ、飛来は例年11月中旬くらいで、今年は1カ月ほど早いという。北湖では湖北町で15日にコハクチョウの飛来が確認されている。
 同会の横川栄仁理事長(69)=草津市野路町=は「観察を始めて以来、こんなに早く飛来するのは初めてで驚いている。釣り針や糸に絡まず、無事に過ごしてほしい」と話している。

■9割がブラックバス 菖蒲沢ダムため池学校 本吉住民ら生物調査 07/10/16 三陸河北新報社リアスの風
 本吉町の菖蒲沢ダムため池で十四日、三年に一度の池干しの機会を利用した「ため池学校」が開かれ、地元の子どもや住民がため池の生き物調査や機能、役割を学んだ。
 水辺環境を保全する二つの市民グループ「菖蒲沢地区ふるさと水・土保全隊」(気仙沼市)と「上郷地区ふるさと水・土保全隊」(本吉町)が主催。県気仙沼地方振興事務所の協力で初めて企画。子ども二十人、大人四十五人が参加した。
 参加者は菖蒲沢のため池の四百年以上にわたる歴史、最近の親水空間としての整備について関係者から説明を受けた。ダムの二十万トンの水は設備点検などのため数日前から抜かれており、水門前に残った水たまりに集まった魚などの生き物をタモ網ですくい取った。
 水門を全開すると外来魚のブラックバスが次々と網に入り、その数は数百匹に。池に残った水には大きなニシキゴイ数十匹がとどまっていた。子どもたちは魚を触ったり持ち上げたりして感触を楽しんだ。
 ブラックバスは畑の肥料用として持ち帰り、ニシギゴイは上の池に放流された。生物はほかにザリガニ、ヌマエビ、ヨシノボリ、シナイモツゴが数匹見つかっただけで、在来の生物に対するブラックバスの影響が深刻であることが分かった。
 子どもたちは振興事務所の花輪正一技術次長(水産担当)からブラックバスの生態を教わり、解体したブラックバスの胃の中から、食べた小魚や水生昆虫が出てきたのを見て驚きの声を上げた。
 「上郷地区ふるさと水・土保全隊」の隊長で上郷地域振興会の小野武久会長は「池干しで駆除しているのに、魚の九割がブラックバスだったのは残念。池での釣りは禁止されており、勝手な放流はやめてほしい」と話していた。

■入館者増へ多彩な自主事業 県立琵琶湖文化館 07/10/18 Chunichi Web滋賀
 来館者数を回復させようと、大津市打出浜の「県立琵琶湖文化館」で、指定管理者の「県文化財保護協会」がさまざまな取り組みを進めている。老朽化や来館者の減少を理由に、県教育委員会が休館や廃止を検討する中、協会は「実績を示し、良い方向に話し合いを進めたい」としている。
 協会は、指定管理者となった二〇〇六年四月以降、自主事業を増強。美術品を題材に、学芸員が解説する講座「湖国“モノ”語り」を開講した。
 「ガラス越しでなく、鑑賞できる機会」として評判を呼び、昨年度は全六回の講座に、延べ七十八人が参加した。
 来館者から「おもしろくない」「暗い」との指摘を受け、四階のパネル展示を四月にリニューアルした。子ども向けに、琵琶湖の歴史や展示品の鑑賞の仕方を、イラストや写真を交えて説明。クイズを解きながら、鑑賞できるよう工夫した。
 その結果、本年度の九月末までの小中学生の入館者数は、前年同月比五百八人増の千五百四十三人となった。
 廃止について、学芸員の一人は「建物が老朽化し、入館者数が減少するなど現状は厳しい」としながらも、「これまで担ってきた役割や実績を示し、少しでも良い方向に進めたい」としている。
 文化館について、斎藤俊信教育長は先の県議会に続いて、十七日の定例会見でも「廃止や休館を含めて検討する必要がある」と発言。本年度中にも方針を決めるとしている。(勝山友紀)

■透明ボールで琵琶湖をのぞくと… 大津の市民団体、20日に環境学習 07/10/18 京都新聞電子版
 巨大なビーチボールに入り、湖面から琵琶湖をのぞくという一風変わった環境学習を、大津市の市民グループが計画している。近く市教委の催しでボールが初登場する。関係者は「水面に浮かび、繁殖した藻やごみを目の当たりにすれば、環境問題への意識を高めるきっかけになるのでは」と話している。
 計画しているのは「まほまほプロジェクト実行委員会」。イタリアで開発された直径2メートルのビニール製「ウォーターボール」を使う。主に人が入って広告やイベントに用いられるが、会長の御舩泰秀さん(46)=大津市木の岡町=は、ボールを使った水上歩行コンテスト開催を目指す別の団体の長も務めており、ボールが環境学習にも転用できると思いついた。
 20日に柳が崎湖畔公園で催される「生涯学習フェスティバル」で、市内在住の小学生40人がボールの中に入る。数分間、うつぶせになって水の透明度や魚が泳ぐ様子を観察したり、仰向けに寝ころんで水の揺れを体で感じるという。
 安全面に配慮して、ボールの中で転倒したり、ボールが流されないよう、コースロープを張った上で、補助員2人が支える。
 体験を終えた子どもたちは、龍谷大の学生ボランティアの指導を受けながら、感じたことを塗り絵で表現する。今後は、市内の企業と学習プログラムを共同でつくるほか、教育委員会や大学と協力して学習を広めていくという。

■富士見湖で魚大量死/鶴田 取水塔工事で水位下げ酸欠起こす 07/10/18 陸奥新報ネット版
 鶴田町の廻堰大溜池(通称・津軽富士見湖)で、ヘラブナ、ソウギョ、ブラックバスなどが大量死していたことが17日までに分かった。池を管理している廻堰大溜池土地改良区によると、取水塔の補修工事に備え、池の水位を低くした結果、魚が酸欠状態となったことが原因とみている。同日は同改良区理事らが魚の死骸(しがい)を回収し、土に埋めた。
 同改良区は、池に設置している取水塔が老朽化したため、東北農政局津軽農業水利事務所に補修工事を依頼。工事は11月に行う予定だが、徐々に水位を下げる必要があり、放水を続けていた。
 魚の死骸が発見された場所は、池の東側にある取水塔の近く。10日ごろから池に浮かぶ魚が増え始め、日に日に異臭を放つようになった。
 同池は農業用水確保のほか、全国へら鮒(ぶな)釣り大会を開催するなど、親水公園としての知名度も高い。
 同改良区は「子供たちが放流してきた魚が死んでしまい残念。埋めた魚の数は把握していないが、大会への影響がないことを祈りたい」と話した。
 また、同水利事務所は「池全体の水位をこれ以上下げず、土のうなどを活用しながら工事に対応したい」と述べた。

■市町、交付税活用を提案 琵琶湖上の境界画定で 07/10/18 京都新聞電子版
 琵琶湖上の周辺市町境界が画定したのに伴い、増額される交付税の活用法を検討する会議が18日、大津市で開かれ、琵琶湖に面する14市町を含む17市町の担当者が出席し、それぞれの事業案を示した。
 交付税の増額分約2億8000万円のうち、半額は県市町村振興協会に拠出し、琵琶湖保全に活用することが決まっている。
 事業案は県内26市町すべてから提案され、湖岸・湖底清掃やごみ対策など16分野にわたった。水草刈り取り船の購入や学校でのビオトープ設置や、湖上への油の流出に備えて湖岸の危険物取り扱い施設に中和剤を配布する案もあった。
 また、「事業は単年度の拠出金でなく基金を設置して実施すべき」「財政難のため各市町の既存事業に充当する方向で考えてほしい」などの意見も紹介された。
 交付税の活用法は、年度内に決定することにしており、来月にもう1度会議を開いたうえ、同協会の理事会で確定する。

■ホンモロコ普及へ生産組合設立 草津の農家ら、養殖技術向上へ 07/10/19 京都新聞電子版
 琵琶湖の固有種「ホンモロコ」の養殖に取り組んでいる滋賀県草津市内の農家や生産者などが19日、「草津ホンモロコ生産組合」を設立した。県内では初めてで、今後は普及を目指した養殖技術の向上や、市内の公民館や小学校で試食会を行うなど、PR活動を進める。
 市内の休耕田などを活用して養殖に取り組んでいる生産者8人ら計16人が任意組合として立ち上げた。この日、草津市役所で設立総会を開き、同市志那町で昨年から生産に取り組んでいる松浦敏夫さん(57)を代表に選出したほか、本年度の事業計画や組合規約などを決めた。
 草津市は、特産品作りと休耕田活用を狙って、昨年度から農家など生産者に稚魚を提供している。昨年は3軒が計約150キロを出荷した。今年は全体で1トン近い生産を見込むなど軌道に乗りつつあることから、食材としてのホンモロコ普及や、価格の安定などのため組合を設立した。
 今後は、研修などを行って養殖技術を向上させるほか、市内の公民館で市民を対象にした試食会の開催や、定期的な販売に取り組む。
 松浦代表は「品質のよいホンモロコを売るためには、安定供給が欠かせない。とにかく養殖技術を上げたい」と話している。11月18日午前10時半から、同市下物町の道の駅草津でホンモロコの初出荷、直売を行う。

■モロコ釣り 新スポット…滋賀・高島市今津の運動公園 07/10/20 Yomiuri On Line関西発
 滋賀県高島市今津町の市立今津総合運動公園内の調整池で、観光客や公園利用客らが、琵琶湖の固有種・ホンモロコ釣りを楽しんでいる。
 公園を運営する財団法人「ひばり」が6月、周囲約500メートルの調整池の活用のため、町内で養殖しているホンモロコの稚魚(約5センチ)約100キロを放流。10〜15センチに成長したことから、釣り池をオープンさせた。
 池のそばにはグラウンドゴルフ場があり、緑の芝生が目に鮮やか。釣り客らは自然豊かな景色の中で、設置された桟橋から、のんびりと釣り糸を垂れ、70匹釣り上げる人も。
 料金は、貸しサオと餌代も含めて2時間2000円で、釣り放題。近くのレストランでは無料の調理サービスも。同法人は「ホンモロコ釣りの名所にしたい」と張り切っている。問い合わせは公園(0740・22・5555)。

■八幡堀釣り大会:入れ食いでも釣果は外来魚−−近江八幡 07/10/24 毎日jp
 近江八幡市の八幡堀でこのほど、恒例の八幡堀さかな釣り大会が開かれ、晴れ上がった秋空の下で市民らは釣りを楽しんだ。
 同堀にイケチョウガイや竹炭などを設置し、堀の浄化に取り組んでいる八幡堀を守る会(白井貞夫会長)が開催。家族連れなど約80人が参加し、八幡堀の本町橋から幸円橋の間に釣り糸を垂れ、釣果を競った。
 中には“入れ食い”のように次々に釣り上げる参加者もいたが、かかるのは大半がブルーギルなどの外来魚。主催した同会のメンバーらも「水質は良くなっているが、もっと浄化し、ホンモロコなど琵琶湖の固有種が釣れる堀にしたい」と話していた。【斎藤和夫】

■ミヤコタナゴ:6年連続で確認ゼロ 環境省、繁殖計画策定へ−−大田原で調査 07/10/25 毎日jp栃木
 大田原市羽田のミヤコタナゴ(国天然記念物、絶滅危惧(きぐ)種)保護区で環境省は24日、ミヤコタナゴの生息状況調査を行った。しかし、1匹も確認できず、確認ゼロは6年連続となった。事態を受け同省は、種の系統保存として養殖しているミヤコタナゴを放流する、再導入計画の策定を進める方針だ。【柴田光二】
 調査に当たった環境省野生生物課の小石宗明・環境専門員は「(保護区水路の)水質は悪化しているが、ミヤコタナゴの生息が不可能な状態ではない」との見方を示した。今年度中に有識者による分科会で再導入計画をまとめ、水質を改善するなど、生息環境を整えたうえで再導入を図る、との見通しを説明した。
 調査では、生息地の用水路(750メートル)に、餌で魚を誘い込む筒状の罠(わな)計54個を仕掛けた。結果、▽タモロコ45匹▽ドジョウ29匹▽フナ6匹▽ザリガニ2匹を採取。ミヤコタナゴの外敵となる外来魚の▽ブルーギル6匹▽大口バス3匹もかかったがミヤコタナゴは0匹だった。
 95年の同調査では、184匹を数えたが、その後は減少傾向が続いた。00年には95匹が見付かり、持ち直すと期待されたが、翌01年の14匹を最後に、1匹も確認されない状態が続いている。
 要因としては、生息水路の上流にある羽田沼に、数百羽のハクチョウと数千羽のカモが飛来し、フンや給餌の食べ残しで水質悪化が拡大したためと見られている。地元ではこのため、昨冬から給餌制限に乗り出した。「羽田白鳥を守る会」の給餌量を従来の半分にしたほか、一般見物人にも餌やりの自粛を呼びかけてきた。
 「市羽田ミヤコタナゴ保存会」の副会長で同タナゴ保護区監視員の小泉信義さん(80)は「ミヤコタナゴは6年も姿が見えないのだからできるだけ早く養魚を放流し、復活させてほしい」と話している。

■気温高め、降雪量は平年並み 11月〜1月予報 07/10/25 asahi.com
 気象庁は25日、最新の3カ月予報(11〜1月)を発表した。気温は高め傾向だが、北日本日本海側の降雪量は平年並み。1月は太平洋側では雨や雪が多めの予想となっている。
 同庁によると、異常気象を起こしやすいラニーニャ現象が冬の間も続く見込みだが、今のところ日本への影響は少ないとみている。
 北日本日本海側の降雪量は「平年並み」となる確率が40%で最も高い。太平洋側は1月に南岸を通る低気圧が発達する恐れがある。低気圧が八丈島と三宅島の間付近を通ると太平洋側は大雪になりやすい。

■宇治川の整備計画案を報告 国交省が諮問機関に 07/10/25 京都新聞電子版
 国土交通省淀川河川事務所は「淀川水系河川整備計画原案」の報告会を25日に宇治市内で開いた。宇治川・塔の島地区(宇治市宇治)をめぐる学者や市民の諮問機関「塔の島地区河川整備に関する検討委員会」に同地区の河床掘削計画を説明し、各委員が計画や奇岩「亀石」などの景観への影響について意見を述べた。
 河川整備計画は、淀川流域の今後20−30年間の整備を具体的に定める。国交省近畿地方整備局策定の原案は、大規模洪水時に琵琶湖岸の浸水を防げるよう、川幅が狭い塔の島地区で河床掘削と河岸改修を行い、毎秒1500トンの流量を確保する、としている。報告会で同事務所は、塔の島が水没しない点や費用面から、他の4案に比べ、掘削案を「優位」と説明した。
 質疑では、委員が流量1500トンの内訳について質問した。同事務所は、上流の天ケ瀬ダムからの1140トン、宇治発電所からの60トンと説明したが、残り300トンは「残留域」としか述べず、志津川など支流の流入量の詳細に触れず、別の委員が「ずいぶんアバウト」と疑問を示した。
 また、河床掘削で干上がる亀石の対策について「何か手だてがあれば、市民も納得しやすい」とする委員がいた一方、「長い歴史の中での景観変化ととらえるべき」と不要論もあった。
 淀川河川事務所は同日午後7時から、原案について市民の意見を聞く「淀川を考える会」も市内で開いた。意見をふまえて12月に計画案を作り、来年3月に計画を策定する。

■バス人工産卵床を改良 駆除効率大幅アップ期待 大崎 07/10/25 河北新報社Kolnet
 宮城県大崎市鹿島台のNPO法人「シナイモツゴ郷(さと)の会」は、伊豆沼・内沼(栗原市、登米市)で使用されているブラックバス駆除用の人工産卵床を改良し、ふ化後の稚魚も駆除できるよう作り直した。旧型の産卵床は卵と親バスには対応できたが、小さな稚魚までは駆除しきれなかった。改良により、駆除効率が大きく向上するものと期待を集めている。
 改良型産卵床は、これまで1枚だった園芸用トレイ(縦・横各63センチ)を2枚に増やした。上のトレイに産卵用の石を敷き、下のトレイには、目の大きさが約0.8ミリと非常に細かい網を取り付けた。旧型同様、水面下に沈めて、バスの産卵を待ち受ける。
 旧型は、石を敷いたトレイに産み付けられた卵と、卵を守る親バスを駆除する方式だった。改良型はふ化した稚魚が石の下に潜るバスの習性を利用し、下のトレイで一網打尽にする仕組みだ。
 卵がふ化までに要するのは3、4日。これまでは週2回、産卵床を引き上げ、卵の状態での駆除を目指したが、ふ化を完全に防ぐことはできなかった。ふ化した稚魚は1週間ほど石の下で過ごすため、改良型では、週に1回産卵床を引き上げれば、卵、稚魚、親バスを一挙に駆除できる。
 旧型の人工産卵床は、郷の会と県伊豆沼・内沼環境保全財団が1994年に共同開発した。伊豆沼・内沼には400基を設置し、ボランティア組織「バス・バスターズ」が中心となって、4月―6月末の産卵期に駆除に当たっている。郷の会は、今年5―6月に改良型の実験を行い、卵や稚魚の全量回収に成功した。
 産卵床を考案した水産学博士の高橋清孝・郷の会副理事長(55)は「来年度から伊豆沼で利用を開始したい。改良によって労力を半減でき、駆除能力も上がる」と期待している。
 郷の会は27日、大崎市古川の宮城誠真短大講堂で主催するシンポジウム「水辺の自然再生をめざす市民活動」で改良型産卵床を紹介する。シンポジウムは当日参加も可能。参加料1000円。連絡先は大崎市鹿島台公民館内郷の会事務局0229(56)2150。

■湖保全にヨシ紙文具で貢献 コクヨ工業滋賀が来月発売 07/10/26 Chunichi Web滋賀
 事務用品大手のコクヨグループ傘下のコクヨ工業滋賀(愛荘町)は十一月一日から、琵琶湖や淀川水系のヨシを使った紙製品を、京都府と滋賀県内で発売する。売り上げの0・2%を、ヨシ群落の保全や環境学習を進める市民団体に寄付する。
 発売するのは、ヨシパルプを1−50%を配合したノートやメモ帳、コピー用紙をはじめ、受注商品の賞状やヨシパルプ100%の名刺など全八種類。琵琶湖を楽園(エデン)として再生させる意味を込めて「ReEDEN(リエデン)」シリーズと名付けた。
 発売にあたって、東京都や福井県の製紙会社と共同で開発。ヨシ繊維の硬さやコスト高などの課題を克服し、コピー用紙を除くすべての商品で、既製品と同程度の価格を実現した。
 コクヨグループ広報担当は「琵琶湖を守り、環境保護への意識を高めたい」としている。(勝山友紀)

■ビワマス遡上渇水でピンチ 水温上昇、卵も成熟遅れ 07/10/26 京都新聞電子版
 渇水のため川の水位が下がり、産卵期を迎えた琵琶湖固有種のビワマスが遡上(そじょう)できなくなっている。滋賀県各地で養殖のための採卵が15日から始まったが、今のところ採卵数は昨年の3分の1にとどまっており、漁業者らは天気の行方に気をもんでいる。
 高島市安曇川町の北船木漁協が仕掛ける網やなには、19日の降雨後、2日間に約300匹がかかった。しかし、その後は1日に数匹程度。駒井順一組合長(72)は「とにかく雨が降らないことには、水位も上がらず、遡上もない」と話す。
 彦根地方気象台によると、県内で15日から25日までの間に0・5ミリ以上の雨が降ったのは19日の1回だけ。そのため、県河港課の計測では安曇川の常安橋での水位が昨年同時期と比べ約16センチ低くなっている。
 ビワマスは10−11月が禁漁期だが、10月15日から11月25日まで、特別採捕許可を得て県内の漁業者が捕獲し、養殖用に採卵している。しかし、採卵数は平年ペースだった昨年同時期と比べ、およそ3分の1の約20万1500個(25日現在)にとどまっている。
 低水位のため水温が上がり、ビワマスの排卵に適した水温まで下がらないのも、卵が採れない一因という。
 採卵を担当する県漁連の高島事業場(同市マキノ町)は「卵の成熟も遅れている。あと1カ月の期間内に、目標の150万個に届くだろうか」と心配している。
 ビワマスは産卵期になると、琵琶湖から上流の川へ、サケのように遡上する。体をよじらせ水面を跳ね上がるさまが秋の風物詩にもなっている。

■台風20号が発生 27日に関東地方に接近の恐れ 07/10/26 asahi.com
 気象庁によると、26日午前9時、南大東島の南海上に台風20号が発生した。1時間に約30キロの速さで北北西に進んでいる。中心の気圧は998ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートルとなっている。
 同日夕方に大東島地方に接近したあと、27日には伊豆諸島から関東地方に接近する恐れがあるという。

■琵琶湖北湖の酸素濃度、観測史上最低に 滋賀県、水質悪化を警戒 07/10/26 京都新聞電子版
 湖底の低酸素化が懸念される琵琶湖北湖で、酸素濃度が22日の調査で観測史上、最低の水準を記録したと26日、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターが発表した。低酸素化が進めば魚が住めなくなるほか、富栄養化で水質悪化にもつながる恐れがあるとして、同センターは警戒を強めている。
 北湖では毎冬、外気で冷やされて比重が重くなった表層の水や雪解け水が湖底の水と対流する「全循環」により、湖底に酸素が供給される。しかし今年1−3月が暖冬だったため、全循環が大幅に遅れ、不十分だった。
 このため、秋に酸素濃度が大きく低下するのではないかと見て、同センターは定点調査している今津沖約8キロの地点(水深約90メートル)とは別に、約2キロ離れた2地点を補足して計測した。
 その結果、2地点の酸素濃度は1リットルあたり0・3−0・4ミリグラムを記録した。定点地の過去最低0・9ミリグラムを下回ったほか、県のほかの調査結果と比較しても最も低いという。
 国の指針では、コイやフナ類の生息には酸素濃度が最低でも3ミリグラム必要とされるため、低酸素化が進行すると、生態系に悪影響を与える恐れがある。また、湖底の動物プランクトンの死がいなどからリンや窒素が溶け出し、富栄養化が進んで水質悪化につながる可能性もある。
 同センター環境監視研究部門の石黒寛部門長は「今後も酸素濃度を注視していく。琵琶湖の水質と気候との関係も調査していきたい」と話している。

■琵琶湖底で極端な酸素不足 地球温暖化の影響も 07/10/26 Chunichi Web
 琵琶湖北部の湖底近くで今月下旬、水中の酸素濃度が平年の半分以下と極端に低くなる現象が起きたことが26日、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターが発表した調査結果で分かった。
 昨年から今年にかけての暖冬で湖水の循環が悪くなったのが直接原因らしい。過去10年にこうした現象が4度起きるなど頻度が増えており、研究者は「地球温暖化の影響も考えられる」としている。
 酸素不足が続くと、湖底の泥からリンや窒素が放出され、水質が悪化する懸念がある。センターは調査態勢を強化して監視を強める方針。
 センターによると、1979年度以降、毎月定期的に調査している琵琶湖北部の湖底で、10月22日に1リットル当たりの酸素量が1・7ミリグラムと平年の半分以下に落ち込んだ。周囲も調べたところ、0・3−0・4ミリグラムと過去に例のない低酸素状態が起きていた。(共同)

■強風で運転見合わせ 大津のJR湖西線 07/10/27 京都新聞電子版
 27日午後4時45分ごろ、大津市南小松のJR湖西線で、運行規制値の風速25メートルを記録した。JR西日本は同線の堅田−近江今津駅間の運転を見合わせ、風が弱まった約30分後に再開した。
 同社によると、上下計9本が部分運休、計8本が最大65分遅れ、約4000人に影響が出た。

■ビワマス遡上、ほっと一息 姉川河口で数週間遅れ 07/10/28 Chunichi Web滋賀
 産卵期を迎えた琵琶湖固有種のビワマスの遡上(そじょう)が二十七日、長浜市の姉川河口付近で始まった。
 南浜漁協によると、例年は十月上旬に始まるが、今年は少雨による水量不足で遅れていた。
 二十六日に降った雨で水位が上昇したことから、「数週間遅れでようやく」と組合員は胸をなで下ろした。
 河口では、やなを飛び超えようと、盛んに跳びはねている。体長は六十−七十センチで、雌の腹部は産卵期を示す朱色を帯びている。遡上は来月上旬まで続くという。(多園尚樹)

■泥の中 外来魚捕まえた 加賀 ため池で親子体験会 07/10/28 Chunichi Web石川
バスやブルーギル駆除
 加賀市宮地町の農業用ため池で二十八日、外来魚の駆除を兼ねた親子の魚つかみ体験会があった。水辺の生態系を守ろうと、地元の農業者らでつくる「みずほの会」が主催した。(林勝)
 農家や婦人会、子ども会などの約六十人が参加。参加者は事前に水を抜いたため池に網を手に入り、水たまりに集まった魚を次々とすくい上げた。
 三〇センチ超のオオクチバスなどの大物もいて、子どもたちは泥だらけになって捕まえていた。外来魚ではブルーギルが圧倒的に多く、ため池の排水口の網では無数の稚魚が捕らえられた。
 捕獲後に同市の鴨池観察館のレンジャー松本潤慶さんが子どもたちに外来魚問題を説明。「特にブルーギルは在来種の魚など何でも食べて、繁殖力が強い。他の池や川に持ち出さないように」と話していた。
 ナマズやフナ、コイなどの在来魚は放流した。参加者は外来魚による身近な生態系の変化に驚いていた。

■釣りで琵琶湖などの在来魚を保護 親子連れら外来魚を“大漁” 07/10/29 Chunichi Web滋賀
 琵琶湖や余呉湖の外来魚を駆除するための魚釣り大会が二十八日、県内五カ所で一斉に開かれた。十一月十日から始まる「第二十七回全国豊かな海づくり大会」を前に、湖の環境や生態系について考えてもらおうと県などが企画。この日、釣り上げられたブルーギルやブラックバスの総量は二百キロ以上に達し、飼料や堆肥(たいひ)に処理されるという。(冨田伸生、岩田忠士、札木良)
〇…彦根市尾末町の旧港湾では、汗ばむ陽気の中、親子連れなど三十九人が参加して水面に糸を垂らした。米原市市場の堀田尚弘君(8つ)の足元では、バケツいっぱいのブルーギルが跳ねていた。「たくさん釣れるのは楽しいけど、フナを食べちゃう魚は減らさないとね」と話していた。
〇…大津市では、会場のなぎさ公園に約二百人が集まった。参加者は釣り糸を投げ入れ、ブラックバスやブルーギルを次々に釣り上げていた。同市逢坂、市立逢坂小学校四年の杉本健剛君(9つ)は「琵琶湖にもともといた魚が戻ってきてほしい」と感想を述べていた。
〇…余呉町の余呉湖では、県の取り組みに合わせて湖北土地改良区が実施。余呉町民ら約七十人がワカサギ釣り用の桟橋から釣り糸を垂らした。
 琵琶湖産スジエビと魚肉ソーセージを餌に、ブラックバスやブルーギルを狙った。三時間で計約十五キロの釣果があった。

■池の水抜きフナなど“救出” 海津の株池で住民ら外来魚駆除 07/10/29 Chunichi Web岐阜
 海津市南濃町の株池で二十八日、地元の人たちが池の水を抜いて、ブラックバスなどの外来魚を駆除する作業に取り組んだ。
 津屋川近くにある株池には、かつてヘラブナやメダカなどが多く生息し、同町の釣り愛好家団体「下多度へら倶楽部」主催の体験講座「子どもへら道場」のホームグラウンドとして親しまれてきた。しかし、一帯のため池や排水路には外来種のブラックバスやブルーギルが繁殖し、フナやメダカの姿は減った。
 このため、地元の志津新田自治会や同倶楽部などが「昔の池を取り戻そう」と大がかりな駆除作業を計画。地元農業団体も協力し、自然保護団体や京都大、岐阜大などの若手研究者も在来種の生態調査に加わった。
 作業には地元の関係者やへら道場の子どもたち計約六十人が参加。ポンプで水を抜いた池の中へ入り、網やたもで魚や貝をすくい上げた。フナやメダカ、ナマズ、ウナギはもとより、タナゴ類や淡水の二枚貝など十数種類の在来種が確認できた。ブルーギルや約四〇センチのブラックバスなど多数の外来種も見つかった。
 今後は池を一週間ほど干した後、近くに避難させていた在来種を放流する予定。
(後藤厚三)

■びわ湖外来魚駆除釣り大会:「大漁」環境保全に貢献 4市で670人参加 07/10/29 毎日jp滋賀
 琵琶湖に異常繁殖しているブラックバスなどの外来魚を減らそうと、「びわ湖外来魚駆除釣り大会&びわ湖岸清掃」(湖づくりキャンペーン委員会など主催)が28日、大津、彦根、東近江、草津の4市で開かれ、計約670人が参加した。
 11月10、11両日に大津市をメーン会場に開かれる「第27回全国豊かな海づくり大会〜びわ湖大会」を前にした「湖づくりキャンペーン」の一環。この内、草津市志那中町の会場では、県内外から約300人の家族連れらが訪れ、釣りを楽しみながら、琵琶湖の環境保全に貢献した。中には、20匹以上釣り上げた家族もあり、会場は盛り上がりを見せた。
 家族や友人と参加した加藤俊輔さん(29)=京都市=は「以前、琵琶湖博物館に行った時、日本の魚が少なくなっているのを知り、『外来魚を減らせるなら』と思って来ました」と話していた。
 4会場で釣り上げられた外来魚はブラックバス87キロ、ブルーギル131キロの計約218キロで、今後、飼料として利用されるという。【金志尚】

■「冬の使者」舞い降りる 07/10/29 asahi.com滋賀
【高島、昨年より5日早め】
 高島市新旭町饗庭の市新旭水鳥観察センターで28日朝、湖岸近くにコハクチョウ6羽が飛来しているのを同センターの村尾嘉彦館長(29)が見つけ、うち1羽の写真撮影に成功した。今年初の確認で、昨年より5日早いという。
 発見したのは、日の出直後の午前7時ごろ。センターの沖合約500メートルで、6羽が長い首を湖の中につけてえさを探しているのを見つけた。
 昨年はセンター周辺に、計約100羽のコハクチョウが舞い降り、2月末ごろまで湖や田んぼなどで越冬した。
 問い合わせは、同センター(0740・25・5803)へ。

■保全へ湖国の取り組み報告 世界湖沼会議 59カ国、将来像を説明 07/10/30 京都新聞電子版
【ジャイプール(インド)29日】「将来に向けての湖沼と湿地の保全」をテーマに、第12回世界湖沼会議の開会式が29日、インド北部の都市ジャイプールであり、各国の参加者による議論がスタートした。滋賀県や京都府から参加した研究者、市民らも琵琶湖での取り組みを報告した。
 国際湖沼環境委員会(ILEC、本部・草津市)とインド政府環境森林省の主催で、59カ国から約500人が参加した。開会式に出席したインドのプラティバ・パティル大統領は、「琵琶湖では家庭排水で水質が悪化したが、県民の偉大な努力で水質を改善した」と滋賀県の取り組みを評価し、「発展途上国では人間活動により水環境が悪化している。先進国の技術や資金を途上国に移転することが重要だ」と述べた。
 最初の全体会議では、各国から湖沼の保全において目指すべき将来像「世界湖沼ビジョン」の説明があったほか、松井三郎京都大名誉教授が1984年に大津市で始まった湖沼会議の歴史や意義を振り返った。
 分科会では、守山市のNPO法人(特定非営利活動法人)「豊穣の郷」の市民らが環境教育をテーマに活動報告するなど、各分野で活発な議論が展開された。

■企画展で外来生物に警鐘 07/10/31 中國新聞ネット版
 生態系を乱す恐れのある外来生物の捕獲が、広島県内で後を絶たない。法で飼育や栽培が原則禁止の「特定外来生物」は13種が確認されている。広島市森林公園こんちゅう館(東区)は、捕獲された外来生物の企画展を4日まで開き、注意を促している。企画展では、県内で生息しているオオクチバスやブルーギル、カミツキガメ、アルゼンチンアリなど6種類の生きた特定外来生物を展示している。

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