琵琶湖の湖底に流れ着いたバスフィッシング関係のいろんな情報をお届けします。中にはヘド
ロの底からすくい上げた情報もあります。このコーナーの情報はすべて信頼の置けるニュース
ソースから発信されたものですが、真偽の程は未確認であることをご承知置きください。
琵琶湖の湖底から
(2015/12)
15/12/31
■大津・びわ湖バレイ、やっとオープン 暖冬で(毎日jp滋賀)
比良山系の蓬莱山(ほうらいさん)(標高1174メートル)にある「びわ湖バレイスキー場」(大津市)が30日、営業を開始した。暖冬の影響で、記録のある2008年以降最も遅いオープン。この日は時折晴れ間ものぞくスキー日和となり、約2000人の客でにぎわった。
びわ湖バレイによると、蓬莱山は例年、11月中旬に初冠雪を迎え、12月初旬にコースを整備している。だが、今年は12月17日にようやく雪が降り始め、27日に人工雪が溶けない湿度・気温になったことから準備を開始。予定より12日遅いスキー場開きにこぎつけた。
家族と訪れ、スノーボードを楽しんだ大阪府八尾市の高校1年、石井仁さんは「琵琶湖を見ながら滑れたのがよかった」と話していた。当面は8コースのうち2コースのみ滑走可能。問い合わせは、びわ湖バレイ(077・592・1155)。【竹下理子】
■高速道渋滞ピーク2、3日(YomiuriOnLine滋賀)
県警交通規制課は、年始の高速道交通渋滞予測を発表した。ピークは上り(東京方面)、下り(大阪方面)ともに2、3日。最長で20キロの渋滞を予測している。同課は「最新の道路状況を参考に、余裕のある計画を」と呼びかけている。
詳しい情報は、日本道路交通情報センターの大津センター(050・3369・6625)で提供している。
10キロを超える主な渋滞予測は次の通り(ICはインターチェンジ、JCTはジャンクション。距離はピーク時)。
【名神高速道路】
◆上り▽2日 大津IC〜大山崎JCT(午前10時〜午後8時、20キロ)、関ヶ原IC〜八日市IC(午後2〜8時、15キロ)
▽3日 大津IC〜大山崎JCT(午前9時〜午後9時、20キロ)、関ヶ原IC〜八日市IC(午後2〜8時、15キロ)
◆下り▽2日 大津IC〜草津JCT(午前10時〜午後2時、午後3〜6時、10キロ)、栗東IC〜彦根IC(午後4〜9時、20キロ)
▽3日 大津IC〜草津JCT(午後3〜6時、10キロ)、栗東IC〜彦根IC(午後4〜10時、20キロ)
【新名神高速道路】
◆上り▽2日 亀山JCT〜甲賀土山IC(正午〜3日午前0時、15キロ)
▽3日 亀山JCT〜甲賀土山IC(正午〜4日午前0時、15キロ)(松久高広)
15/12/30
■千曲市の千曲川中流域、魚の4割コクチバス(信毎Web)
千曲市の千曲川中流域にすむ魚の4割余を肉食性の外来魚「コクチバス」が占めていることが、大学研究者らでつくる「千曲川河川生態学術研究会」(会長・平林公男信州大教授)の30日までの捕獲調査で分かった。学術調査として千曲川のコクチバスの占有率を明らかにしたのは初めてという。調査では一定の水深がある流れの緩い場所で多く捕獲されており、地元漁協は観光資源のアユやウグイを捕食するコクチバスを駆除する手掛かりになる、と期待している。
調査は5〜7月に計6日間、冠着橋(千曲市)の上下流約1キロの範囲で実施。「入り江」(ワンド)や白波が立つほど流れが速い「早瀬」など環境が異なる6カ所の流れで、たも網や投網、定置網で魚を捕獲した。
網にかかったのは17種、計574匹で、コクチバスが246匹(42・9%)と最も多かった。ほかは漁協がやな漁で狙うウグイ109匹(19・0%)、ニゴイ62匹(10・8%)、オイカワ48匹(8・4%)などだった。
調査を担当した研究会員の北野聡・県環境保全研究所主任研究員は「一帯の魚種の割合を正確に調べるため、調査方法や場所を決めた。ウグイが一番多いと思っていたので驚いている」と話す。
同研究会や県水産試験場(安曇野市)によると、千曲川中流域のコクチバスは人為的に放流された可能性がある。コクチバスが生息する木崎湖(大町市)から犀川の支流や犀川を経て、千曲川に到達したとの見方もある。
国土交通省千曲川河川事務所は、千曲川の中流域、下流域で5年ごとに「河川水辺の国勢調査」を実施しており、2002年に中流域で初めてコクチバス2匹を捕獲。下流域では07年に初めて1匹捕まえ、直近の12年は中流域で17匹、下流域で24匹と増加を確認していた。
一方、更埴漁業協同組合(千曲市)によると、12月から翌年2月にかけて漁期を迎えるウグイの漁獲量は、13年度1・8トン、14年度0・45トンと大きく減少。魚を大量に捕食するカワウの駆除が近年進んでいるのに漁獲量が減っているため、吉池富夫組合長(67)は「コクチバスによる食害が一因」と話す。
昨年、同研究会が冠着橋付近で捕獲されたコクチバス15匹の胃の内容物を調べたところ、ウグイなどとみられる稚魚が見つかり、漁協の見方を裏付けた。
更埴漁協は網でコクチバスの駆除を試みているが、生息場所を特定できなかったり、水草などの障害物に阻まれたりして、1回数匹しか捕獲できなかったという。同研究会の今回の捕獲数は「ふち」や、流れが緩く水深もある「トロ」などで多く、早瀬や流れのない大きな入り江は少ないことから、コクチバスがどんな場所を好むかがおおよそ判明した。
千曲川中流域最上部に当たる上小漁協(上田市)の富岡道雄組合長(68)は、川幅が広い本流は生息範囲が広く、「効率の良い駆除が難しかった」と説明。季節ごとの生息場所や習性の分析がさらに進めば、「駆除の手掛かりになり得る」と話している。
15/12/29
■Uターンラッシュで最大20キロ 県警が混雑予想(ChunichiWeb滋賀)
県警は年末年始の県内道路の混雑予想を発表した。年末のピークはすでに過ぎたが、Uターンラッシュは一月二〜三日にピークを迎え、名神高速道路で上下で最大二十キロ、新名神高速道路でも上りで最大十五キロの渋滞が予想される。
県警は、事故や雪の影響で予想外の混雑が起きる場合もあるとして、余裕のある運転計画を立て、出発前に最新の交通情報を確認するよう呼び掛けている。
(問)日本道路交通情報センター大津センター=050(3369)6625
15/12/28
■大津の国道161号、「中央線変移」を一部廃止(産経ニュース)
大津市浜大津〜際川間の国道161号で、交通量の多い時間帯に合わせて中央線が変わる「中央線変移」の規制の一部が廃止されることになった。歩道整備に伴い道路の幅が狭まることや交通量の減少から、国土交通省滋賀国道事務所と県警は、30年以上続けた規制を廃止する。廃止は来年1月18日正午から。
県内でもこの場所だけの特別な規制で、県警交通規制課は「慣れている人も多く、廃止後の交通に気をつけてほしい」としている。
同課によると、国道161号の大津港口交差点(浜大津)〜自衛隊北交差点(際川)の3・5キロの間で、昭和58年から中央線が時間帯によって変わる規制を開始。この区間は主に3車線で、浜大津方面への交通量が増える午前7〜9時と午後3〜5時は中央線を移動させて2車線にし、高島方面への車線を1車線にしている。
今回変移が廃止される区間は、自衛隊北交差点〜柳が崎交差点の約1・5キロ。高島方向を2車線、浜大津方向が1車線で中央線を固定し、運用を開始する。
同区間は、西大津バイパスの整備などで、1日の交通量が最も多かったときより平均約3千台減少。また平成29年度までに予定されている歩道の整備で今後2車線に減ることから、前もって中央線の変移を廃止することにしたという。
同課の塚田豊美次席は「この辺りの道路は、付近の住民など中央線変移に慣れている人が多い。廃止後は十分に注意して走行してほしい」と話していた。
■65歳以上のアイドル「ふなずしの娘たち」 米原で活動開始(ChunichiWeb滋賀)
大阪のおばちゃんたちに負けない−。そんな気概を胸に、米原市内の六十五歳以上の女性たちが集まり、今月、アイドルグループ「ふなずしの娘たち」を結成した。周囲の人を笑顔にさせようと、精力的に活動していく。
同市顔戸の近江公民館で館長を務める山田裕美さん(60)が、お年寄りや地域の人に喜んでもらおうと考案し、公民館の利用者やボランティアからメンバーを募った。
青少年の健全育成に力を入れる住民団体「どろんこの会」を中心に、参加者が徐々に集まり、メンバーは十五人となった。滋賀を代表する珍味「ふなずし」の名をグループに入れ、周知を図る。
“娘たち”は、ひょっとこの面をかぶり、しっぽを付け、リクエストに応じて踊りや歌などを披露する。お化け(OBAKE)のアルファベットの頭文字を取って、人気アイドルグループ「AKB48」の名にちなんだ「OBK65」という創作ダンスも見せる。
二十三日には近江公民館でお披露目があり、華麗な踊りで観客を魅了した。山田さんは「滋賀のおばちゃんたちにもパワーがあることを知らしめたい」と話している。
グループは随時、出演の場を募集している。
(問)近江公民館=0749(52)3483(木造康博)
15/12/25
■下げ幅が全国最大 和歌山のガソリン価格(紀伊民報AGARA)
和歌山県内のガソリン平均小売価格が、全国都道府県で最も大きな下げ幅となった。経済産業省資源エネルギー庁が24日発表した21日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの県内平均小売価格は125円60銭で、前週(14日)よりも7円70銭値下がりした。田辺地方の価格競争が影響しているとみられる。
資源エネルギー庁によると21日時点の全国平均小売価格は、14日の前回調査より2円70銭安い123円50銭。値下がりは9週連続で2009年6月以来6年半ぶりの安値。
和歌山県の平均価格は14日時点が133円30銭で、全国で3番目に高かったが、21日時点では16番目の価格になった。
田辺地方では、その間価格が急落。今月上旬はフルサービス店で146円前後、セルフサービス店で142〜144円の店が多かったが、半年ぶりに値下げした16日以降、競争が激しく、30円程度値下げして100円台で販売する店が出ている。
■161号バイパスに大型矢印 逆走防止へ滋賀国道事務所(ChunichiWeb滋賀)
自動車専用道路などでの誤進入による逆走事故を防ごうと、国土交通省滋賀国道事務所が路面標示の改良工事に取り組んでいる。すでに対策が進んでいる高速道路に続き、一般道でも取り組みが本格化している。
大津、高島市と福井県敦賀市を結ぶ国道161号の各バイパスでは、インターチェンジなどの合流地点の路面に従来より大型の矢印を標示。本線と流入車線を分けるポールを増設し、進行方向を明確化した。国道1、8号の高架区間も含め、三十七カ所の出入り口すべてで本年度中に対策を完了させる。
三月には、大津市の国道1号京滋バイパスで、軽トラックで反対車線に進入した米原市の男性(82)が対向車と正面衝突して死亡。大津署によると、男性が進路を誤った地点は上下車線が離れた変則的な交差点で、事故後「進入禁止」の看板を増設して対応している。(野瀬井寛)
15/12/24
■ガソリン、6年半ぶり安値=年末年始の家計に朗報(jiji.com)
資源エネルギー庁が24日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭価格(21日時点)は、全国平均で前週比2.7円安の123.5円だった。記録的な原油安を受けて9週連続で下落し、2009年6月以来、約6年半ぶりの安値となった。年末年始に車での帰省や旅行を計画している人にとっては朗報といえそうだ。
ガソリンは4週連続で47都道府県全ての価格が下落した。下げ幅が大きかったのは和歌山(7.7円)、高知(5.0円)、鳥取(3.6円)、滋賀(3.5円)など。調査を担当する石油情報センターは、来年1月6日に発表予定の次回調査でも「引き続き値下がりする見通しだ」としている。
また、灯油の全国平均価格は18リットル当たり1271円と前週より39円値下がりし、過去最長に並ぶ24週連続の下落となった。北海道など寒冷地に住む人や、「今年は寝正月」と決め込んでいる人にも恩恵がありそうだ。
■レギュラーガソリン123.5円に、6年半ぶり低水準(Responce)
資源エネルギー庁が12月24日に発表した石油製品の店頭小売価格週次調査によると、12月21日時点でのレギュラーガソリンの全国平均価格は前週の調査から2.7円値下がりし、1リットル当たり123.5円となった。
レギュラーガソリンの小売価格は4週連続で値下がりしたあと、横ばいをはさみ、9週連続で値下がり。2009年6月29日の調査以来、6年6か月ぶりの低水準となった。
地域別では、中国で3.1円、近畿で3.0円、東北で2.9円、関東で2.7円、北海道と四国で2.6円、九州・沖縄で2.4円、中部で2.3円、全エリアで値下がりした。
ハイオクガソリンは前週比2.7円安の134.3円、軽油は1.8円安の106.3円だった。
60万人の会員を持つガソリン価格投稿/愛車燃費管理サービス「e燃費」によると、12月24日のレギュラーガソリンの全国平均購入価格は110.6円/リットル(前週比−2.9円)、ハイオクは120.9円/リットル(同−3.4円)、軽油は91.9円/リットル(同−2.1円)だった。
なお資源エネルギー庁による平均値は「販売」価格の平均であるのに対し、e燃費は「購入」価格の平均。現実の購入でユーザーは安い価格を指向するので、購入価格平均は販売価格平均より安くなる。
全国のガソリン価格平均推移、価格ランキングなどを「e燃費」で確認することができる。
e燃費 URL http://e-nenpi.com/
15/12/20
■ピエリ守山「再び廃墟にさせぬ」 再生から1年(京都新聞電子版)
滋賀県守山市今浜町の大型商業施設「ピエリ守山」が、リニューアルオープンから17日で丸1年を迎えた。かつてはテナントの相次ぐ撤退で「明るい廃墟」とも呼ばれた施設には今、外資系衣料店や飲食店など約110店が入居し、多くの買い物客でにぎわう。施設の管理運営を担う双日商業開発(東京都港区)の山崎和義総支配人は、今後の飛躍のポイントに「地域密着」を掲げる。
−新生「ピエリ」の1年は。
「リニューアル当初は外資系店舗が話題を集めたが、フットサルコートやアスレチック、バーベキュー施設など順次整備した体験型施設も好評を得ている。ライブ型のイベントには毎回3千人近い来場がある。施設を充実させながら、手づくりのイベントでも集客を図るという、走りながら手応えをつかむ1年だった」
−今後の店舗構成や集客のプランは。
「来年2月27日にはインテリア家具と美容室、3月には地元野菜の産直店のオープンを予定している。この3店はいずれも地元滋賀の企業だ。今年の11、12月にはドラッグストアと全国の食材が買える物販店を誘致したが、お客様の要望が多い業種だった。こうした地域のニーズに耳を傾け、店舗導入を進めていく」
「集客面では、外国人観光客の需要獲得にも力を入れる。来年2、3月には外国人観光客を対象にした観光船が運航され、ピエリ守山港にも寄港する。食品から衣料品、雑貨とあらゆるものが揃うピエリで買い物を楽しんでもらうための態勢づくりを進めたい」
−旧「ピエリ」は5年あまりで休館した。滋賀での商業施設運営に難しさを感じることは。
「まったくない。むしろ、地元のみなさんが『いっしょに地域を盛り上げていこう』と手を挙げてくれる。首都圏や九州ではなかったことだ。非常に大きな可能性を感じている」
「1年を経て、再び廃墟になっていないかと見に来られる方もいる。地元のみなさんの応援も、短期で休館した旧施設の苦い記憶があるからかもしれない。店舗の充実はもちろん、サービス面でも『ピエリに行けば何か楽しいことがある』と感じてもらえる施設として歩んでいきたい」
■大溝城に船着き場か 琵琶湖岸、信長が関与の可能性(ChunichiWeb滋賀)
高島市教委は、織田信長のおい信澄(のぶずみ)が築いた同市勝野の大溝城跡の発掘調査で、船着き場らしき石垣の遺構が見つかったと発表した。琵琶湖岸の同時期の城郭では初めての発見となる可能性もあり、琵琶湖の水運を軍事的にも経済的にも重視した信長の関与も強くうかがえそうだ。
発掘調査は本丸の広さを確定させる目的で十一月下旬から実施。一九八三(昭和五十八)年には東側を発掘しており、今回は西側と北側の二カ所、百八十平方メートルを調査した。本丸の範囲は東西五十八メートルと分かり、古い絵図と一致した。
発見された石垣と堀の跡は天正期の築城当時のものとみられる。一五九五年ごろ廃城の際に石垣を崩した跡はあるが、土台部分の保存状態は良好だった。
北側では、石垣が二度直角に曲がるクランク状になっており、階段状に並んだ石も見つかった。市教委文化財課の宮崎雅充主任は「位置からして、琵琶湖から城に上がるための船着き場だった可能性もある」と話す。
大溝城は一五七八年から築城され、安土城、長浜城、坂本城とともに信長の琵琶湖掌握に重要な役割を担った。調査では「三巴文軒丸瓦(みつともえもんのきまるかわら)」など安土城と同じ文様の瓦が多数出土。石垣の積み方も安土城と同じく自然石を多用した野面(のづら)積みで、信長の強い影響下で築城されたと考えられる。
県立大の中井均教授(日本考古学)は「城郭に石垣が使われ始めたころの遺構が、当時のままの姿で見つかった意義は大きい。日本の城郭の発展過程を示す貴重な資料になる」と言う。
二十三日午前十時半から現地説明会がある。(野瀬井寛)
■大溝城跡 本丸の遺構(YomiuriOnLine滋賀)
◇東西の幅58メートル 「水城」示す船着き場も
16世紀後半に、織田信長による琵琶湖掌握の一拠点として築かれた大溝城の遺跡(高島市勝野)で、本丸の石垣や掘割の一部が出土し、城の本来の姿が明らかになったと、高島市教委が19日発表した。自然石を積む工法や出土した瓦が安土城と酷似しており、専門家は、築城には信長の強い関与があったとみている。石垣の北辺では、船着き場のような構造が見つかり、本丸から直接湖上に出られる「水城」の特徴もうかがえるという。(宮明敬)
大溝城は、信長の甥、織田信澄を城主に、安土城築城直後の1578年に築かれたとされる。だが、その後20年足らずのうちに廃城となり、解体された。一部は移築されたが、本丸の石垣や堀は埋め立てられ、地上に残るのは、本丸南東部の天守台だけとなっていた。
大溝城跡とその周辺が国の重要文化的景観に選ばれたのを機に、市教委は遺跡の構造を明らかにしようと、11月から2か所計180平方メートルの発掘調査を開始。その結果、本丸の北辺と西辺の石垣の一部、本丸を囲む堀が見つかり、1983年の調査と併せて、本丸の東西幅が約58メートルとわかった。
石垣は、安土城同様、自然の石を積み上げた「野面積み」で、出土した瓦には、安土城と同じ文様が刻まれていた。
中近世城郭史が専門の中井均・県立大教授は「石垣や軒丸瓦の普請に、信長配下の工人が動員されたと考えられる」と指摘。今回の発見は「石垣の発展過程や城郭の変遷を知る上で、貴重な史料」と評価している。
また、石垣の北端部では、90度に右折、左折しながら入り込む構造があり、脇に、本丸へ上がる階段のような石積みも見つかった。
市教委文化財課の宮崎雅充主任は「湖上から直接本丸に上がることができる船着き場と推測できる」としている。
県内の中世城郭に詳しい郷土史家の石田敏氏(69)は「16世紀以前の城で、水城の特徴を示す遺構が出土したのは、県内では初めてだと思う」と話している。
現地説明会は23日午前10時30分から、発掘現場(JR近江高島駅より東へ徒歩約5分)で開かれる。
15/12/19
■大溝城に船着き場か 琵琶湖から本丸へ、石垣に階段(京都新聞電子版)
織田信長のおい信澄(のぶすみ)が1578(天正6)年に築城した滋賀県高島市勝野の大溝城遺跡で19日、本丸築城時の北と西の石垣が見つかり、東西規模が58メートルと分かったと市教育委員会が発表した。石垣には階段状の施設が付随し、琵琶湖内湖から直接本丸に上がれる船着き場の可能性があるという。
11月中旬から、現在も残る天守台の北側と西側を幅3メートルの帯状に調査した。
石垣は現在残る天守台から34メートル西と23メートル北で見つけた。過去の調査で本丸東端の石垣が見つかっていたが、本丸の他の外郭ラインにも残っていたことで、地下に良好な遺構が残っていることが分かったという。石垣は崩され堀に落ち込み、埋めた土に天正期の瓦が多いことや自然石を積む工法から、築城当初と判断した。中井均・滋賀県立大教授(城郭史)は「配下の工人が動員されるなど、信長の強い関与があったと考えられる」と指摘する。
船着き場とみられる施設は北側調査区で見つかり、面を加工した石が整然とクランク状に屈曲し、一部が階段状に積まれていた。
城郭に詳しい木戸雅寿滋賀県教委文化財保護課参事は「天守につながる本丸に直接上がれることから、城主の出入りが想定できる。琵琶湖の移動を強く意識した構造であることが鮮明になった」と話す。
大溝城を描いた江戸時代の絵図には、方形の本丸を取り巻く堀が描かれており、石垣は絵図の通り見つかったが、船着き場は描かれておらず、中井教授は「階段かどうかも含め慎重な検討が必要」としている。
現地説明会は23日午前10時半から。問い合わせは市教委TEL0740(32)4467。
<大溝城> 1578(天正6)年造営。明智光秀の設計と伝えられる。琵琶湖内湖の乙女ケ池を堀に活用した水城とされ、同様の水城の安土、長浜、坂本の計4城が等間隔に並ぶことから、織田信長が琵琶湖掌握のため、組織的に配置したことが指摘されている。城主の信澄は光秀の娘婿で、本能寺の変後に織田勢に攻められ大坂で自害した。
■やっと冬が来た 比良山系で初冠雪(ChunichiWeb滋賀)
彦根地方気象台は十八日、比良山系で初冠雪を観測したと発表した。
平年より二十九日、昨年より十六日遅く、一九五四年の観測以来最も遅かった。
同気象台によると、近畿地方は冬型の気圧配置で上空に寒気が入った。この日の最低気温は大津市で三・三度と十二月上旬並み、彦根市では三・四度と平年並みだった。
守山市の会社員杉谷真理さん(55)は「やっと冬が来たって感じです。空気が澄んでいい季節になりますね」と話していた。
週末は高気圧に覆われて寒さは緩み、天気は曇りや晴れになるという。(中村千春)
15/12/18
■指定外来種に12種 北海道選定、来年6月から罰則(どうしんウエブ)
道は18日、生物多様性保全条例に基づき、生態系保護のために自然界に放つことなどを禁じる「指定外来種」に、チョウセンシマリスやアメリカザリガニなど12種を指定した。罰則が適用される施行日は、6カ月の周知期間を経た6月19日とした。
12種は、道内で既に定着していて、希少な動植物を圧迫するなど緊急性がある種と、今後道内に入れば生態系に影響を及ぼすことが懸念される種。自然界に放つことが禁止され、違反者には30万円以下の罰金も科せられる。観光資源や地域振興に利用されているニジマス...
■滋賀・比良山系、やっと初冠雪(京都新聞電子版)
冬型の気圧配置が強まった18日、滋賀県の比良山系で初冠雪が観測された。彦根地方気象台によると、1954年の観測史上で最も遅い。琵琶湖をはさんだ大津市の湖岸沿いからうっすらと雪化粧した景色が見られた。
蓬莱山(標高1174メートル)のびわ湖バレイスキー場のゲレンデでは20センチの積雪があった。同気象台によると、最低気温は大津市で3・3度、彦根市で3・4度を記録。週末にかけて寒さは緩むという。
大津市打出浜の湖岸沿いを毎朝散歩しているアルバイト佐藤一條さん(51)=同市朝日が丘=は「前日の寒さで初めてロングコートを着ました。夕飯は暖まる献立にしようと思います」と話していた。
■琵琶湖の水草、数日で肥料に 大津の水処理技術会社が装置開発(産経ニュース)
琵琶湖で大量に繁茂して水質悪化や固有種の魚などへの悪影響を招く水草を、短期間で肥料へ加工する装置を大津市の水処理技術会社「アオヤマエコシステム」が開発した。活性酸素を使うことで、これまで数年かかっていた加工期間が数日と大幅に短縮されるという。
県琵琶湖政策課によると、琵琶湖では約20年前から水草が増え始め、外来種の「コカナダモ」などが大量に湖底に繁茂している。流れが悪くなり、汚濁や低酸素化が生じ、固有種の魚や植物に影響が出ているほか、船舶の運航にも支障が生じる。県は定期的に刈り取り、水草を自然発酵で土壌肥料にし、利用してきた。昨年は約5千トンを処理した。しかし水草は水を多く含み、堆肥化に2〜3年もかかり、管理場所などが課題になっていた。
アオヤマエコシステムが開発した装置「α−Gaia」は、活性酸素を含んだ空気を水草とまぜ合わせて肥料にする。活性酸素が水草の細胞壁を分解して脱水することで、1〜2日で肥料にできる。試験運用では約300キロの水草が約6キロの肥料になった。今後は試験データを集め、実用化を目指す。
■中央線変移区間を来月18日正午から短縮 大津の国道161号(ChunichiWeb滋賀)
道路の中央線(センターライン)の位置を動かし、上下線の車線数を交通量に応じて変動させる大津市の国道161号の「中央線変移」(リバーシブルレーン)区間が一月十八日正午から短縮される。歩道設置の必要性や交通量の減少を踏まえ、県警が決めた。
中央線変移は大津港口交差点(同市浜大津)−自衛隊北交差点(際川)の三・五キロで実施しているが、柳が崎交差点(柳が崎)より北の一・五キロを廃止する。
同区間は三車線あり、中央車線の進行方向を時間帯により切り替えている。少ない車線を有効に活用でき、同路線では一九七九年以降に導入された。
現在の交通量は一日に上下線計二万二千台。バイパス道路の整備もあり、三十年で一割ほど減少した。滋賀国道事務所によると、一部に歩道がない箇所があるため、上下線とも一車線にした上で二〇一七年度までに幅三メートルの歩道を両側に整備する。
北の一・五キロでは、工事本格化までは北向き二車線、南向き一車線で暫定的に運用する。県警交通規制課によると、中央線変移区間は県内ではここだけだという。(野瀬井寛)
15/12/17
■滋賀に冬の珍客、オオハクチョウ飛来(京都新聞電子版)
冬の訪れを告げる渡り鳥オオハクチョウがこのほど、滋賀県東近江市の伊庭内湖に飛来した。県内への飛来は数年に一度と珍しく、日本野鳥の会滋賀支部によると、伊庭内湖で確認されたのは初めて。
同支部と「伊庭内湖の自然を守る会」に所属する古坂伸行さん(74)=同市長勝寺町=が、11月30日に飛来を確認。12月6日までに成鳥3羽、幼鳥5羽の計8羽を確認した。
高島市の新旭水鳥観察センターによると、12日には同市内で9羽のオオハクチョウが確認された。琵琶湖には例年、湖北地域を中心に数百羽のコハクチョウが飛来するが、オオハクチョウは数羽程度で、群れでの飛来は珍しいという。
古坂さんは「自然を守る会で、ヨシ刈りやごみ拾いなど地道に活動してきた成果では。また来てくれるように頑張りたい」と話している。
■緑区版 竹山池活性推進委員会「生き物捕獲大作戦」実施(タウンニュース)
「竹山池周辺活性化推進委員会」(町田史郎会長)は12月5日、竹山団地内にある竹山池の水位を下げて、池に生息する外来種の駆除を行う「生き物捕獲大作戦」を実施した。当日は地域住民らが協力し、多数の魚を捕獲した。
当日は、町内から集まった約60人のボランティアが5日かけて水位を下げた池に入り、声を出し合いながら外来種を網の中に追い込んだ。午前と午後の2回の作業でブルーギル98匹や真鯉37匹、ミシシッピアカミミガメ7匹、さらには1m近い草魚1匹などが捕獲された。また、スクーターや自転車、立て看板などの不法投棄も数多く引き上げられ、作業を見守る人たちからは「こんなに大きな魚がいたのか」「ゴミが捨てられない環境を整備したい」といった声があがっていた。
竹山池は1970年、竹山団地設立に合わせてつくられた人工池だが、特定の管理者がいないことなどから、外来種の増加やヘドロの臭気などが問題視されていた。問題を危惧した竹山連合自治会が昨年、「竹山池周辺活性化推進委員会」を立ち上げ、区の「平成27年度地域課題チャレンジ提案事業」の補助のもと、池の美化に努めてきた。今回は池の中の生態調査と特定外来種の駆除を目的に企画された。
美化計画を継続
同委員会は、これまでも池の美化を目的とした浮島の設置などを実施。11月23日に近隣住民と行った「ブルーギル駆除釣り大会」では親子連れを中心に約50人がブルーギル61匹を釣り上げた。
今後も継続して浮島の設置や水草の苗の育成、プランターの設置をするなどして水質の改善と近隣環境の美化を図っていく。今回のイベントを通して町田会長は「釣り大会などを今後も継続することで、住民が一体となって美化に励むことができる環境を整備したい」と話した。
15/12/16
■バス駆除下流守る 貝抜沢2号ため池(河北新報ONLINE NEWS)
宮城県大崎市鹿島台の貝抜沢2号ため池で5日、外来魚のブラックバスの駆除作業があった。池の水を干し、地域住民ら約80人が623匹を駆除した。
県のため池改修工事に伴い実施した。ため池の広さは4000平方メートル。池の底の排水口から水を抜き、地元のNPO法人シナイモツゴ郷の会、伊豆沼・内沼ドジョウ・ナマズ研究会の会員らが次々と捕まえた。
駆除したブラックバスには体長38センチの大物も。一緒に捕獲されたフナやコイ約60匹は工事終了まで民家の池で保護する。郷の会の高橋清孝副理事長(64)は「貝抜沢では駆除の機会がなかった。下流の沼に流れ込む外来魚を減らすことができる」と期待した。
貝抜沢ため池は3万7000平方メートルの1号ため池もあり、1934年に完成した。県は2017年4月にかけて堤体の改修工事を進めている。1号ため池の外来魚駆除も近く実施する。
■ガソリン、5年11カ月ぶりの安値水準 全国平均リッター126円20銭(産経ニュース)
経済産業省資源エネルギー庁が16日発表した14日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、7日の前回調査よりも1円60銭安い126円20銭と、約5年11カ月ぶりの安値水準だった。原油安を反映し、8週連続の値下がりとなった。
調査した石油情報センターの担当者は「来週もガソリン価格は下落する」と予測している。
地域別では47都道府県すべてで値下がりした。下落幅は高知県の4円50銭が最も大きく、次いで宮城県の2円70銭、広島県と愛媛県がそれぞれ2円50銭で続いた。
■レギュラーガソリン、続落で126円台突入(Responce)
資源エネルギー庁が12月16日に発表した石油製品の店頭小売価格週次調査によると、12月14日時点でのレギュラーガソリンの全国平均価格は前週の調査から1.6円値下がりし、1リットル当たり126.2円となった。
レギュラーガソリンの小売価格は4週連続で値下がりしたあと、横ばいをはさみ、8週連続で値下がり。2010年1月12日の調査以来、5年11か月ぶりの低水準となった。
地域別では、四国で2.7円、東北で1.8円、中部で1.7円、関東で1.5円、近畿と中国、九州・沖縄で1.4円、北海道で1.1円、全エリアで値下がりした。
ハイオクガソリンは前週比1.6円安の137.0円、軽油は0.9円安の108.1円だった。
60万人の会員を持つガソリン価格投稿/愛車燃費管理サービス「e燃費」によると、12月16日のレギュラーガソリンの全国平均購入価格は113.5円/リットル(前週比−2.1円)、ハイオクは124.3円/リットル(同−2.1円)、軽油は94.0円/リットル(同−0.9円)だった。
なお資源エネルギー庁による平均値は「販売」価格の平均であるのに対し、e燃費は「購入」価格の平均。現実の購入でユーザーは安い価格を指向するので、購入価格平均は販売価格平均より安くなる。
全国のガソリン価格平均推移、価格ランキングなどを「e燃費」で確認することができる。
e燃費 URL http://e-nenpi.com/
15/12/15
■琵琶湖クルーズ船でハートつかめ 県が独身男女交流パーティー(産経ニュース)
船の上で愛を見つけませんか−。県内の独身男女に出会いの場を提供しようと、県は19日、大津市浜大津の大津港発着の「ビアンカ」船上で交流パーティーを開く。県が男女の交流パーティーを開くのは初めて。
県子ども・青少年局によると、県内の千人あたりの婚姻率は平成21年度は5・6%だったが、25年度は5・3%、26年度は5・0%と減少傾向。「結婚したいが、なかなか出会いの場がない」という声も上がっているという。
県はこうしたパーティーを開くことで、少子化に歯止めをかけ、地域活性化につなげる狙いだ。
当日は、婚活コンサルタントらを講師に招き、「異性のハートのつかみ方」や自己PR術についてセミナーを開催。その後、立食形式のパーティーを開き、参加者らに自由に交流してもらう。
滋賀県住みます芸人のコンビ「ファミリーレストラン」が司会として出演し、軽妙なトークで盛り上げるほか、ミュージシャン「Lefa」によるミニライブも開かれる。
対象は県内在住か県内に通勤している独身男女で、定員120人。参加費は食事代込みで6千円。時間は午後5時〜8時で、申し込みは16日まで。
担当者は「人と人との出会いや学びから、地域が元気になってほしい」と話している。問い合わせは、県子ども・青少年局(電)077・528・3561、県の委託事業先の「びわ湖放送」(電)077・524・0153。
15/12/12
■Oh!白鳥の湖 東近江(YomiuriOnLine滋賀)
東近江市の伊庭内湖で、オオハクチョウの飛来が初めて確認された。日本野鳥の会滋賀によると、国内では主に北海道・東北に飛来し、琵琶湖では数年に一度、見られる程度という。
11月30日に、会のメンバーが琵琶湖から約3キロ東の伊庭内湖で初確認。今月6日までに成鳥3羽、幼鳥5羽が見られたという。
2日に撮影した会のメンバーで同市の古坂伸行さん(74)は「琵琶湖ではこれまでコハクチョウの群れに混ざって数羽が来ることはあったが、今回は家族で飛来したようで驚いている」と話していた。
市教委歴史文化振興課は「伊庭内湖ではヨシ刈りなど環境整備が継続して行われており、近年ではホンモロコが繁殖するようになっている。良好な環境が飛来につながったのではないか」とみている。
■日本遺産「琵琶湖とその水辺景観」(滋賀報知新聞ネット版)
=23日 湖上クルーズで 魅力を再発見 =
「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産」が文化庁の日本遺産に認定されたことを記念して、エコツーリズム・セミナー&エコツアー「湖上水辺景観クルーズ〜冬の沖島の食を訪ねる〜」(エコツーリズム協会しが主催)が二十三日開催される。
冬ならではの味・沖島の湖魚料理も
同ツアーは、琵琶湖を取り囲む湖辺の景観(大津港〜沖島〜竹生島沖〜大津港)を眺めながら、日本遺産のストーリーとなっている「水の文化」を再発見し、地域の暮らしぶりなどの魅力に触れるもの。
セミナーと交流では、総合コーディネーターの元県立安土城考古博物館副館長の大沼芳幸氏が、「近江の歴史文化は琵琶湖と水を抜いて語れない」と熱く語る。
このほか、琵琶湖を知り尽くした面々が、県内各地の日本遺産を語る。パネリストは、北村裕明氏(滋賀大学副学長)、藤井絢子氏(NPО菜の花ネットワーク代表)、井阪尚司氏(県議)、川戸良幸氏(琵琶湖汽船代表取締役)、清水宗治氏(県職、安曇川流域・森と家づくりの会幹事)。
昼食は、沖島に上陸し、島内を見学したあと、冬ならではの沖島の湖魚料理(ふなの刺身・じょき、ゴリの鍋料理・じゅんじゅんやフライなど)を堪能する。
集合は大津港午前八時四十五分、解散は同港で午後五時四十五分の予定。参加費は消費税込で七千円(食事代、船代、交流会の菓子・飲み物、保険代)。定員四十人。
申し込みは、氏名、住所、電話番号、ファックス番号をエコツーリズム協会しが(077−532−7286)の吉見精二さんへ。
■新宮で23・1メートルの強風 休校措置の学校も 冬の嵐(紀南新聞ONLINE)
前線を伴った低気圧が発達しながら日本列島を西から東に進んだ影響で、紀南地方でも10日夜から11日明け方にかけて風雨が強まった。
新宮・東牟婁地方には11日未明に暴風・波浪警報が発令され、新宮市では、11日午前4時36分に最大瞬間風速23・1メートルを観測した。10日午後2時の降り始めからの雨量は11日午前10時まで71ミリ。田辺市本宮町の総雨量は125・5ミリだった。
強風の影響で、那智勝浦町浦神の国道42号沿いにある小屋のトタン壁がはがれ、道路に倒れかけていた。太地町内では海沿いの道路でバス停が倒れていた。新宮市内でも店舗の案内看板が倒れたり、ごみ容器が飛ばされたりしていたほか、細かな木々や枯れ葉が道路に散乱し、朝から後片付けに追われていた。
新宮市消防本部によると、風雨に関する被害報告や出動はなかった。和歌山地方気象台によると、12日明け方まで強風や高波に注意が必要という。
学校の対応
新宮市の小中学校では自宅待機の措置が取られたが、警報解除に伴い午後から登校した。同市内の幼稚園は休園となった。那智勝浦町では、勝浦小と市野々小は休校となったが、その他の学校は午後から登校。太地町は警報解除された時刻の関係で小中学校ともに休校となった。県立新宮高校、同新翔高校も休校となった。
鉄道への影響
鉄道では、熊野大橋で規制が掛かり、11日午前9時13分発の名古屋行き南紀4号に大幅な遅れが出た。新宮〜白浜間でも、那智勝浦長狗子ノ川などで規制が掛かり、同日午前10時29分発新大阪行きのくろしお18号が運転を見合わせた。
南郡・熊野市
三重県側は、紀宝町、御浜町、熊野市の各防災担当課によると、今回の風雨による被害やけが人などの情報は入っていない。学校関係は、警報解除に伴い熊野市の1校(飛鳥小)を除いて授業を行った。
15/12/11
■風速20メートル超の強風と9月中旬の暖かさ 和歌山県南部(紀伊民報AGARA)
和歌山県南部で10日から11日にかけて、最大瞬間風速が20メートルを超える強風が吹き、まとまった雨が降った。最低気温も高くなり、9月中旬〜10月上旬の暖かさとなった。前線を伴った低気圧が西日本を発達しながら東北東へ進んだ影響という。
和歌山地方気象台によると、県南部の最大瞬間風速は南紀白浜(白浜町)と潮岬(串本町)で26・7メートルを観測。次いで龍神(田辺市)24・9メートル、新宮23・1メートル、栗栖川(田辺市)20メートルとなった。白浜、龍神、新宮で12月の観測史上最大だった。
10日の降り始めから11日午前10時までの積算雨量は、色川(那智勝浦町)158・5ミリ、西川(古座川町)135ミリ、本宮(田辺市)125ミリなどを記録した。
前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、11日午前の最低気温も高くなり、潮岬20・6度、新宮20・0度、南紀白浜19・5度、西川17・9度、栗栖川17・6度など多くの地点で平年を大きく上回った。
また、落雷や風雨の影響で送電線が切れるなど電気設備が故障したため、紀南各地で停電が発生した。関西電力和歌山支社によると、10日夜から11日朝にかけて、みなべ町1230戸、串本町940戸、田辺市180戸など県内で約8270戸が停電した。大半が間もなく復旧した。
■ポスター公募 来夏公開予定「マザーレイク」PR(毎日jp滋賀)
琵琶湖を舞台に夢を追うことの素晴らしさを伝える映画「マザーレイク」(来夏公開予定)で、映画の宣伝用ポスターが公募されることになった。映画監督の瀬木直貴さんらが1日に県庁で記者会見し、「県民参加の映画。ポスター制作にも参加してほしい」と呼び掛け...
■国内最古の構造船、滋賀・塩津港遺跡で板が出土(YomiuriOnLine関西発)
琵琶湖の最北端にあり、北陸から京への物流拠点として栄えた塩津港遺跡(滋賀県長浜市)で、平安時代後期(12世紀)の大型船の部材に使われた板が出土したと、滋賀県文化財保護協会が10日、発表した。釘を使って板を組み合わせた構造船としては国内最古で、専門家は「日本の造船史を塗り替える成果」として注目している。
部材は針葉樹の板(長さ205センチ、幅58センチ、厚さ11センチ)。部材をつなぐ「縫い釘」を斜めに打った跡とみられる長さ12センチ、幅3センチの穴が三つあった。地下約3メートルの地層で、港町に立ち並んでいた屋敷跡の側溝の踏み板として見つかっており、廃船後に転用されたとみられる。同じ地層からはこれまで、構造船の模型5個(7〜15センチ)、長さ20センチ以上の釘、ノミやタガネなどの工具も出土している。
板の大きさや厚みは、江戸時代に湖上運搬に使われた船(約17メートル)の板を超えており、同協会は20メートル級の大型船の側面か底面に使われたとみている。
日本国内の船は、鎌倉時代までは、木をくりぬいた丸木舟をベースに一部は板を組み合わせた「準構造船」が主流で、より高い技術が必要な構造船はその後登場した、というのが通説。神戸市の二葉町遺跡(13世紀)などで準構造船の部材が見つかっているが、構造船の出土例は少なく、14世紀のものが最古だった。
琵琶湖の湖上交通に詳しい県立琵琶湖博物館の用田政晴・上席総括学芸員は「準構造船の時代を100年近くさかのぼる平安後期に、琵琶湖では最先端の構造船がすでに登場していたことを示しており、塩津港の繁栄ぶりがうかがえる」と話している。
現地説明会は12日午後1時30分から行われる。
■平安後期の構造船部材が出土 滋賀・塩津港遺跡、琵琶湖水運で活用か(産経ニュースWEST)
滋賀県長浜市の塩津港遺跡で、琵琶湖の水運に活用されていた木造運搬船「丸子船」の祖型とみられる平安時代後期(12世紀前半)の大型構造船の部材が出土し、県文化財保護協会が10日発表した。板造りの「構造船」の部材としては国内最古級。室町時代までは木をくりぬいただけの丸木舟に近い「準構造船」が主流とされてきたが、琵琶湖では平安後期には既に本格的な大型構造船が登場していたことを裏付けるという。
部材は、同時に発見された道路跡と建物の敷地跡の間の側溝にかけられた踏板として使われていた。長方形で長さ205センチ、幅58センチ、厚さ11センチ。針葉樹を加工している。板同士を固定するためのくぎ穴が3カ所あり、船の部材と判断した。
丸子船は平底の胴体に短冊状の側板をつなぎ合わせた構造で、大波には破損しやすいが、海に比べて波が静かな琵琶湖では古くから使用されてきた。
近世の丸子船(百石船)は長さ17メートル、幅2・4メートル。出土した板の厚みは丸子船の2倍あることから、長さ20メートル超の大規模船と推定されるという。また、遺跡からは造船に使うノミやカンナなどの工具、船板に打ち付ける鉄釘なども出土した。
古代の塩津港は北陸の物資を琵琶湖の水運を利用して京都へ運ぶ重要拠点だった。これまでに岸壁や桟橋など埋立て造成による人工的な港の遺構が見つかっており、平安後期には本格的な港として整備されていたことが分かっている。
琵琶湖の湖上交通に詳しい県立琵琶湖博物館の用田政晴上席総括学芸員は「古代から中世の日本の船の実態はほとんど知られておらず、造船史上、大変な発見だ。板材の厚みから25メートル程度の大型船を思わせる」と話している。
現地説明会は12日午後1時半から。問い合わせは同協会((電)077・548・9780)。
■バイカル湖の魚到着(YomiuriOnLine滋賀)
◇来年7月 琵琶湖博物館で公開
ロシアにある世界最古の古代湖・バイカル湖から、5種計62匹の魚類が草津市の県立琵琶湖博物館に到着した。来年7月の新装開館時に公開を予定。国内でバイカル湖の魚を生きた状態で見られるのは同館のみという。
バイカル湖は約3000万年前にできたとされ、固有種も多いため、「生物進化の博物館」とも称される。
魚類はロシアのバイカル博物館が湖で集めたバイカルオームリ(サケ科)やブリーム(コイ科)など。
5日夜(日本時間)に現地を出発し、7日朝に厳重に梱包された箱に入って到着した。一部は酸欠状態になっていたが、応急措置が行われた。
ニゴロブナなど琵琶湖の魚が中心だった水族展示コーナーに加える。
今後もバイカルアザラシなどが輸送される予定。
同館の桑原雅之総括学芸員は「状態が悪い魚もいたが、何とか持ちこたえてくれた。工事が終わったらぜひ足を運んでほしい」と話していた。
15/12/10
■滋賀塩津港遺跡 大型構造船の部材発掘 厚さ11センチ(毎日jp)
琵琶湖北端にある滋賀県長浜市の塩津港遺跡で、板を組み合わせた「大型構造船」の部材が見つかり、県文化財保護協会が10日、発表した。平安時代後期(12世紀)の船の一部とみられ、国内最古級という。構造船は鎌倉時代後期から使われたと考えられていたが、専門家は「100年以上前の平安時代の琵琶湖で、既に就航していたことを裏付ける。日本造船史上、貴重な史料」としている。
部材は長さ205センチ、幅58センチ、厚さ11センチ。船の側面か底に使われたとみられ、板をつなぐ「縫いくぎ」が打たれた跡が3カ所あった。部材の厚さなどから、船は長さ20メートル以上あったとみられ、主に江戸時代に使われた琵琶湖の運搬船「丸子船」(長さ約17メートル)よりも大型だった。部材は側溝に橋のように架けられた状態で見つかっており、廃船後に側溝の踏み板に転用されたらしい。
塩津港は北陸の物資を京都に運ぶ中継地として栄え、12世紀には埋め立て造成で本格的な港が築かれたことが分かっている。今回は、荷物を船に運ぶ道路(長さ約10メートル、幅3.7メートル)や、道路東側に築いたとみられる塀の大きな柱も複数確認された。また船の模型や船くぎ、船底の水をすくう道具「あかすくい」も多数出土した。
船の発掘ではこれまでに、1本の木をくりぬいた「丸木舟」の胴部に船首と船尾を継ぎ足した鎌倉前期の「準構造船」の板が兵庫県や静岡県で見つかっている。また、広島県福山市の鎌倉後期の遺跡では「構造船」のものとみられる板が出土した。
滋賀県文化財保護協会の横田洋三主幹は「古代から中世(鎌倉、室町時代)にかけての船の実物史料はほとんどないが、絵巻などから日本では中世まで『準構造船』が主流と考えられていた。100年以上も前に、より進化した『構造船』が使われていたのは驚きだ」と話している。
現地説明会は12日午後1時半から。【若本和夫】
■琵琶湖に国内最古級の構造船 滋賀・長浜の塩津港遺跡(京都新聞電子版)
滋賀県文化財保護協会は10日、長浜市西浅井町塩津浜の塩津港遺跡から、平安時代後期(12世紀)の木造船の部材が出土した、と発表した。複数の板をつなぎ合わせてつくる「構造船」の部材としては国内最古級。近世以降に琵琶湖水運を担った100石積みの丸子船(全長17メートル)を超える大きさだった可能性もあり、同協会は「12世紀の琵琶湖では構造船が主流となり、輸送にあたっていたことが分かる貴重な資料」としている。
日本海と京都の物流担う
部材は12世紀の地層から出土し、長さ205センチ、幅58センチ、厚さ11センチ。木の種類は分からないが、針葉樹とみられる。
遺構として発掘された道路と建物跡の間にある側溝に架かった踏み板として出土したが、構造船をつくる場合に板と板をつなぎ合わせる「縫いくぎ」を打ったとみられる穴(長さ12センチ、幅3センチ)が3カ所あったことや、遺跡から穴にちょうど合う大きさのくぎのほか、のみなどの工具が出土していることを踏まえ、踏み板はもともと構造船の側面または底で使われていた部材と推定している。丸子船との比較から、復元した場合、全長17メートル以上、幅約2・4メートルの大型船だったのではないかとみている。
室町時代までの船は、木材をくりぬいて胴体にし、船首や船尾を継ぎ足した「準構造船」が主流だったとこれまで考えられており、平安後期の構造船は国内最古級という。
当時、塩津港は日本海側の物資を京都に運ぶ重要拠点で調査では、福井県の敦賀と塩津港を結んだ「古代塩津海道」とみられる道路も見つかった。発掘に携わった同協会の横田洋三主幹は「大きな輸送力が必要だったため、大型船をつくりやすい構造船が必要だったのではないか。塩津港は日本の物流を支える重要な港だったことがさらに裏付けられた」と話している。
調査は国道8号塩津バイパスの工事に伴い、今年7月から実施した。現地説明会は12日午後1時半から。問い合わせは同協会TEL077(548)9780。
日本造船史上の大発見
用田政晴・琵琶湖博物館上席総括学芸員(考古学)の話 分厚い板材や大きな船くぎが出土したことで、国内最古級の構造船だったと思われる。古代から中世にかけての日本の船の実態はほとんど知られておらず、日本造船史上大変な発見だ。
船板との判断は尚早か
出口晶子・甲南大教授(民俗地理学)の話 出土した踏み板が船板から転用されたのであれば、構造船の可能性もある。ただ、踏み板の穴の間隔がふぞろいで、強度を要する船板の接合方法としてはやや不自然だろう。今後は板と板がつぎ合わされた状態での出土に期待したい。
■琵琶湖の水辺、船で巡る 初回は23日に沖島ツアー(京都新聞電子版)
エコツーリズム協会しが(大津市)は、「琵琶湖とその水辺景観」の日本遺産認定を記念し、水辺景観の地を船で巡って現地の暮らしに触れるツアーを始める。年数回の開催を計画しており、初回は23日に国内唯一の湖上の有人島・沖島(近江八幡市)を訪ねる。
日本遺産認定を観光に生かし、「水の文化」の再発見につなげようと企画した。23日は午前9時に大津港を出発。沖島で島内を見学し、フナの「じょき」(皮付きで刻んだ刺し身)やゴリの「じゅんじゅん」(鍋料理)など地元の冬の食を楽しむ。竹生島(長浜市)や今津港(高島市)を船から展望し、午後5時45分ごろ大津港で解散する。
船上では、滋賀大の北村裕明副学長やNPO法人菜の花プロジェクトネットワークの藤井絢子代表ら同協会の役員、県立安土城考古博物館の大沼芳幸元副館長らが日本遺産について語るほか、地元自慢で交流する。
参加費7千円。定員40人。申し込みは地域観光プロデュースセンターTEL077(532)7286。
■気象庁サイト、天気図をカラーで公開(ITmediaニュース)
気象庁は12月9日、Webサイトで公開している天気図について、従来の白黒版に加え、カラー版の提供を始めた。
気圧配置などを示す「実況天気図」(1日4回発表)と、24時間後・48時間後を示す「予想天気図」(1日2回発表)の2種類。低気圧や温暖前線を赤、高気圧や寒冷前線を青――などと色分けし、視認性を高めた。
対象地域は日本周辺域とアジア太平洋周辺域。提供開始に合わせ、過去3日分をさかのぼって閲覧できるようにした。
同庁は、天気図をより身近なものとし「防災機関や船舶関係者の関係者に限らず、広く国民に活用してもらいたい」としている。
15/12/09
■ガソリン価格、5年11カ月ぶりの安値水準(産経ニュース)
経済産業省資源エネルギー庁が9日発表した7日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、11月30日の前回調査よりも1円30銭安い127円80銭と、約5年11カ月ぶりの安値水準だった。原油安を反映し、7週連続の値下がりとなった。
調査した石油情報センターの担当者は「原油安の影響で、来週もガソリン価格は下落するだろう」と予測している。
地域別では47都道府県すべてで値下がりした。下落幅は高知県の6円90銭が最も大きく、次いで京都府の2円20銭、徳島県の2円10銭が続いた。
■レギュラーガソリン、さらに下落…5年11か月ぶりの127円台(Responce)
資源エネルギー庁が12月9日に発表した石油製品の店頭小売価格週次調査によると、12月7日時点でのレギュラーガソリンの全国平均価格は前週の調査から1.3円値下がりし、1リットル当たり127.8円となった。
レギュラーガソリンの小売価格は4週連続で値下がりしたあと、横ばいをはさみ、7週連続で値下がり。2010年1月18日の調査以来、5年11か月ぶりの127円台となった。
地域別では、四国で2.6円、近畿で1.5円、中部で1.6円、北海道で1.4円、関東で1.3円、中国と九州・沖縄で1.1円、東北で1.0円、全エリアで値下がりした。
ハイオクガソリンは前週比1.4円安の138.6円、軽油は0.6円安の109.0円だった。
60万人の会員を持つガソリン価格投稿/愛車燃費管理サービス「e燃費」によると、12月9日のレギュラーガソリンの全国平均購入価格は115.6円/リットル(前週比−2.5円)、ハイオクは126.5円/リットル(同−1.5円)、軽油は94.9円/リットル(同−0.5円)だった。
なお資源エネルギー庁による平均値は「販売」価格の平均であるのに対し、e燃費は「購入」価格の平均。現実の購入でユーザーは安い価格を指向するので、購入価格平均は販売価格平均より安くなる。
全国のガソリン価格平均推移、価格ランキングなどを「e燃費」で確認することができる。
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■御嶽山 | 琵琶湖はるかに 守山から160キロ、山頂噴煙流れ(毎日jp滋賀)
8日の県内は寒気が流れ込んだ影響で空気が澄み渡った。守山市の琵琶湖岸からは、約160キロ離れた長野・岐阜県境にある御嶽山(3067メートル)が見えた。大阪管区気象台によると、高気圧に覆われて晴れ間が広...
■なるほドリ コハクチョウの初飛来、なぜ早かった?(毎日jp滋賀)
生息分布の拡大や天候が影響か 餌を求めて飛来数も増、降雪量に注目
なるほドリ 12月に入って寒さが厳しくなり、冬の使者・コハクチョウが琵琶湖岸にたくさん飛来しているね。今年は琵琶湖への初飛来が早かったみたいだけど、どうして?
記者 今年の初飛来は10月7日。湖北野鳥センター(長浜市湖北町今西)が確認を始めた1982年度以来、最も早くなりました。飛行ルートの天候が比較的安定していたことなどが影響したと推測されていますが、センターの担当者にも決定的な理由は分からないそうです。
Q 初飛来は年々、早まっていると聞いたけど。
A 82年度から91年度までの10年間をみると、初飛来は10月上旬が0回、中旬が4回、下旬が6回でした。2006年度から今年度までの10年間は10月上旬が4回、中旬が6回。下旬は0回。確かに早まっています。最も遅かったのは85年度の10月28日です。
Q どんな理由が考えられるの。
A 一つは、個体数が増えたことによる生息分布の拡大です。国が69年度から毎年実施している生息数調査でも、年によって増減はあるものの、日本への飛来数は次第に増加。ただ、ここ数年は3万5000〜4万羽あたりで増減しています。
Q 琵琶湖への飛来数に変化はあるの。
A 増えています。82年度から91年度までの最高羽数の平均は131羽、05年度から昨年度は平均560羽です。北海道や東北が大雪の年は、餌を求めて琵琶湖に飛来するので、増えるといわれています。東北や北陸が大雪に見舞われた05年度は過去最多の905羽でした。
Q 他に考えられる理由は?
A 鳥インフルエンザを懸念し、数年前から全国の飛来地で餌付けの自粛や禁止が広がったことも要因の一つと考えられます。そのため、餌を求めて早めに南に下ってくるのではないかといわれています。
また、コハクチョウは家族単位の群れで移動することが多いのですが、早く飛来する個体は、ペアや家族ではなく1羽であることが多いのも特徴です。今年も初飛来は1羽だけ。その後、群れが飛来したのは約10日後でした。1羽なら群れに縛られず自由に動けますからね。
ほかにもいろいろ推測できますが、同じ渡り鳥のオオヒシクイの琵琶湖への初飛来は9月23日で、例年に比べて特に早かったわけではありません。なぜ、コハクチョウだけ早いのかも分かっていません。
Q 渡り鳥と気候には何か関係があるの。
A 短期的にみれば、台風や爆弾低気圧などに影響を受けます。渡り鳥は毎年、本格的な寒波の訪れとともにやってくるといわれ、1月から2月にかけて飛来数はピークを迎えます。また渡り鳥が早く来る年は大雪に見舞われるという説もあるそうです。今冬の降雪量が注目されるところです。<回答・若本和夫(長浜通信部)>
あなたの質問をお寄せください。〒520−0806(大津市打出浜3の16)毎日新聞大津支局「質問なるほドリ」係(ootu@mainichi.co.jp)
■琵琶湖の真珠「琵琶パール」復活へ? 京都の企業&大学がタッグ(産経ニュースWEST)
琵琶湖産の真珠「琵琶パール」を復活させようと、京都の企業や大学がタッグを組み、アクセサリーとして製作し9日から高島屋京都店(京都市下京区)で限定販売を始めた。琵琶パールの生産・出荷は約20年ぶりで、国内産の淡水真珠がアクセサリーとして商品化されるのは珍しいという。琵琶パールのビジネス化に向け、関係者らの挑戦が始まった。
商品化を進めるのは、京都市左京区の真珠販売企業「カムデン」と京都造形芸術大の学生ら。授業の一環として、学生15人がアクセサリーのデザインを考案し、手作業で商品を製作した。大粒で、白だけでなく多彩な色合いを持つ琵琶パールの特徴が引き立つようにシンプルなデザインに仕上げた。
琵琶パールは「滋賀県真珠養殖漁業協同組合」(同県近江八幡市)が養殖生産。11月下旬に、カムデンの岡村暢一郎取締役COO(最高執行責任者)が同組合から琵琶パール約100粒を仕入れた。
1回生の勝田千尋さん(19)は「真珠は冠婚葬祭でのイメージが根強いが、若い世代が普段着に使えるよう、デザインなどにも苦労した」と話す。同じく1回生の永田愛夏さん(19)も「絶対売れると思う。粒ごとに色も形も違い、同じものはふたつとない」と自信をみせる。
学生らが製作した「琵琶パール」のアクセサリーは9〜15日の約1週間、高島屋京都店で限定販売。平均価格は2万5千円前後で、期間中の売り上げ目標は約100万円だという。
琵琶パールは、中国産などの安価な淡水真珠が出回ったことが影響し、生産量は1980年代のバブル期をピークに生産が激減している。滋賀県真珠養殖漁業協同組合は平成21年ごろから淡水真珠の養殖を再開。今年は再開後、初めての出荷で、漁協としては20年ぶりになるという。
カムデンは、来年1月にも高島屋京都店に常設店を出店し、琵琶パールのアクセサリーを常時販売する計画も進めている。
岡村COOは「アクセサリーとして付加価値を付けることで、琵琶パールをビジネスとして成り立つ方向につなげていけたら」と話している。
琵琶パール 滋賀県の琵琶湖で養殖されたイケチョウガイから取り出した淡水真珠。海の真珠と比べ、養殖期間が約2倍の3〜4年と長いため、直径が約9〜10ミリと大きめの粒に育つのが特徴。真珠の色も一般的な白だけでなく、貝の生育状況などが影響し、オレンジや紫、ピンクの粒もできる。
■オオワシ、長浜に初飛来 昨年より10日早く(産経ニュースWEST)
長浜市湖北野鳥センターは8日、同市内の山本山で今冬初めてオオワシ1羽の飛来が確認されたと発表した。昨年と同じメスの個体で、ロシア・カムチャツカ半島方面から飛来したとみられる。
オオワシの飛来は18シーズン連続。昨年より10日、平年より2週間以上遅い。
同センターによると、今年は琵琶湖までの中継地となっている北海道の天候が不安定で、飛来が遅れたとみられるという。例年、2月末ごろまで越冬する。
■越冬オオワシ、羽休め 長浜に飛来(ChunichiWeb)
国の天然記念物オオワシが八日、ロシアから越冬のため滋賀県長浜市の山本山に今季初めて飛来した。同市の湖北野鳥センターが確認した。
オオワシは猛きん類で国内最大。黒い体に羽の一部が白く、黄色いくちばしが特徴で、翼を広げると二・四メートルにもなる。
この日は多くの愛鳥家が訪れ、枯れ木の枝で羽を休めたり、獲物を捕りに琵琶湖へ飛び立つ姿にしきりにシャッターを切っていた。
岐阜市の無職梶浦敬一さん(73)は「今日来るような気がしていました。かっこいい姿が見られてよかった」と満足そうだった。
オオワシは一九九一年から毎年飛来し、今季は観測史上最も遅かった。
15/12/08
■各メーカー自信の新製品展示!フィッシングショーOSAKA2016(スポーツ報知ネット版)
今回で53回目を迎える釣りの一大イベント「フィッシングショーOSAKA2016」=写真はポスター=は来年2月6、7日に大阪市住之江区南港のインテックス大阪で開催される。国内外から149社が出展。がまかつ、オーナーばり、マルキユーなどの各メーカーが自信の新製品を展示、さまざまな釣り用品や関連商品も幅広く紹介される。
イベントも充実。毎年人気を集める釣り具の即売会、お楽しみ大抽選会をはじめ、子供向けにはゲームコーナーやスタンプラリー、マニアには各ジャンルの有名アングラーによるフィッシングスクールや救命胴衣の無料点検など。ジュニア&レディース体験マス釣りや魚拓教室など手軽に体験できるコーナーもある。
また、全国のご当地グルメを集めた「まんぷく屋台村」は19店舗が出店予定。マグロの解体ショーもあり、ベテランの釣り人からファミリーまで一日たっぷり楽しめる。両日とも午前9時〜午後5時。入場料は一般1400円(前売り1200円)。中学生以下は無料。公式ホームページ、公式フェイスブックでイベント情報など最新ニュースを公開している。
■古代湖の生物、琵琶湖博に到着 バイカル湖の魚やエビ62匹(京都新聞電子版)
世界最古の湖、バイカル湖(ロシア)に生息する魚やエビが7日、賀県草津市の県立琵琶湖博物館に運び込まれた。同館のリニューアルオープン後に常設展示される予定で、生きた状態で展示されるのは同館が国内唯一となるという。
同館は来年7月のリニューアルに向けて現在改装を進めている。改装後に古代湖をテーマにしたコーナーが設けられ、バイカル湖の魚などは、タンガニーカ湖(タンザニア)など世界の四つの湖の魚とともに展示される。
バイカル湖はロシア南東部に位置し、3千万年前にできたとされる。今回納入されたのは、サケ科のバイカルオームリなど固有種3種類を含む5種類62匹。5日夜にロシアのバイカル博物館を出発し、2日かけて到着した。
午前8時半ごろ、魚を積んだトラックが到着すると、学芸員らは中の箱や袋を開け、長旅で弱った魚が死なないよう水中に酸素を入れた。同館の桑原雅之総括学芸員は「古代湖の中には外来種が原因で固有種が激減した湖もある。展示を通じて、琵琶湖と人との関わりを考えるきっかけになれば」と話している。
■琵琶パール、アクセサリーに 芸大生製作、京都高島屋で販売(京都新聞電子版)
京都造形芸術大(京都市左京区)の学生と真珠販売のカムデン(同)が、琵琶湖での養殖が復活した淡水真珠「琵琶パール」を使ってアクセサリーを製作した。9〜15日に京都高島屋(下京区)1階で販売する。
カムデンが進める産学連携プロジェクトで、滋賀県真珠養殖漁業協同組合(近江八幡市)の協力を受けた。学生15人が色彩や形の美しさなどを基準に真珠を選び、カムデンの工房で穴開けなどの加工を施し、指輪や耳飾り、ペンダントなどに仕上げた。金具には18金を使うなど素材の高級感にこだわった。
空間演出デザイン学科1年の篠奈津美さん(19)は「美しい色やさまざまな形を生かした。若い人も興味を持っていただければうれしい」と話す。
琵琶湖の淡水真珠は、同組合が2009年から本格的な養殖を再開し、今年から「琵琶パール」として出荷を始めた。養殖期間が3〜4年と長く、層が厚くなるため色に深みが出るという。
80点を販売する。価格は1万5千円〜4万円。
■母なる湖のために 琵琶湖再生法成立〈8〉知事に聞く 恵みと危機、再認識を(YomiuriOnLine滋賀)
琵琶湖再生法では、国が保全再生の基本方針、県が施策計画を定めるとしている。ただ、国は方針を示す時期を明らかにしておらず、計画作りは2016年度になるとみられる。先月下旬に上京した三日月知事らは、保全再生基本方針の早期策定などを総務、文部科学、農林水産、国土交通、環境各省に要望。条文ごとに課題と取り組みをまとめた冊子も手渡した。今後の展望を三日月知事に聞いた。
――採決が厳しかった「安保国会」での成立。成因をどう見るか
世紀の大法案「安全保障関連法案」がかかり、衆参与野党激突の局面で成立したのは、奇跡的だと思う。県内外選出の国会議員の方々が懸命に動いて下さり、県も立法府の調査活動などをしっかり支援し、それらがうまく回って「天の時、地の利、人の和」がそろった結果だ。
私も民主党の国会議員時代、国会議員連盟を作って議員立法を目指し、関係各省のヒアリングをした時、「琵琶湖政策とはこんなに幅広いんだな」と実感した。結果的に我々の力不足や、東日本大震災もあって成立の機を熟せなかったが、ここに来て、琵琶湖への思いが醸成されてきたんじゃないかな。今回、与野党の違いをすり合わせて成立させることに重きを置いてほしいと思い、自民、民主双方の方々から考えを聞かれて、「違いを乗り越え、のみこんで成立を最優先してほしい」と申し上げた。
――参議院で成立した瞬間を目の当たりにされたが
私自身、国会議員の時に何度も経験したが、議員立法を通すのは難しい。文言を調整し、しかるべき手続きを踏み、容易でないと分かっているので、成立の瞬間はきちんと目と心に焼き付けておきたかった。感慨深い瞬間で、うれしかったが、同時にすごく責任を感じた。いろんなことをこれから作ったり、乗り越えたりしていかなければならないが、成立の瞬間をエネルギー源にしたいと思う。
――法律の意義をどう評価する
私も法案作りに携わったが、琵琶湖を国民的資産と位置づけ、その保全と再生が困難な状況ではあるが、全国の湖沼の先駆け事例となり得ると明記した。そういう大きな問題認識と、行うべき具体的項目を列挙したことに意義がある。
――最も優先して着手すべきは
まずは現状認識。世界有数の古代湖で、固有種がいて、水の恵みを各地にもたらす、かけがえのない湖。同時に水質の問題、水草・外来魚の脅威、在来種減少など、非常に厳しい状況にある。この二つをしっかり再認識することが大切だ。
――琵琶湖への原風景的な記憶は
私は京都で生まれ、8歳の時に大津に引っ越してきた。小学校の時、母が「滋賀県では琵琶湖のために粉せっけんを使う。すごいやろ」と諭してくれた。中学校くらいまで友達とよく魚釣りに行き、ちょっと糸を垂らせば、ウグイやフナ、コイが釣れた。でも、当時はすごく汚くて、南湖では泳げない、泳ぐなら、近江舞子とか北の方というイメージだった。
――現状をどうとらえるか
大津に住んでほぼ毎日、琵琶湖畔を散歩しているが、以前と比べ非常にきれいになった。湖岸のごみも減った。ただ、03年に国会議員になった後、毎年必ず1回、アユ漁やエリ(小型定置網)漁などに連れていってもらうが、漁獲量が減ったと聞いたり、外来種のオオバナミズキンバイを一緒に刈ったりし、「新しい課題があるんだな」と感じる。揚げた網にはヌメヌメした汚れがあった。あれは忘れない。難分解性で、洗濯しても取れなくて。
――1972年度から25年間、約1兆9000億円が投じられた琵琶湖総合開発をどう評価するか
功罪あり、どちらかというと開発優先だったのは時代の要請として仕方ない面もある。当時は治水や利水に非常に強いニーズがあり、治水設備や農業用のかんがいなどは良くなった。
ただ、都市化の中で進んだ各施策が生態系に悪影響を及ぼした。魚の産卵場所が減り、内湖が埋め立てられて川から直接汚れが入った。それらを顧みて、これから保全と再生のプロセスに入るのは、時代の移り変わりだと受け止めている。今、保全と再生を始めなければ、将来また取り返しのつかない問題になる可能性がある。
――県民に伝えたいことは
琵琶湖の良さ、魅力と同時に課題を知ってほしい。今春、「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産」が日本遺産第1陣に選ばれ、水資源や水辺景観の貴重さが再認識され始めた中、今後もあらゆる機会に琵琶湖の価値、そして問題を発信したい。そのために、琵琶湖を守り、きれいにする活動を共に頑張りましょう。(おわり)
(この連載は、藤井浩が担当しました)
■琵琶湖博物館にバイカル湖の魚到着 「古代湖」共通点、比べて知って(産経ニュース)
来年7月14日の県立琵琶湖博物館(草津市)のリニューアルオープンに向け、目玉展示の一つであるロシア・バイカル湖の魚たちが7日、同館へ搬入された。バイカル湖の魚が生きた状態で展示されるのは、国内では同館のみ。琵琶湖とバイカル湖は、ともに10万年以上の歴史を持つ「古代湖」であることなど共通点も多く、同館の担当者は「バイカル湖の魚の展示を通じて、琵琶湖がどんな湖かということを改めて考える機会になれば」としている。
今回搬入されたのは、バイカル湖の固有種であるサケ科のバイカルオームリやヨコエビの一種のガマルス、カジカの仲間のコッタス・ケセレリなど5種62匹。5日午後にロシアのバイカル博物館を出発し、7日午前8時半ごろ琵琶湖博物館へ到着した。
リニューアルに先立ち、両館は昨年9月、展示に関する協力や技術の情報交換などを行う協力協定を締結。搬入するにあたって、琵琶湖博物館の職員がバイカル博物館に赴き、酸素パックを入れて魚を輸送する技術を指導した。
琵琶湖博物館では、今後さらにバイカルアザラシなども搬入し、アフリカのビクトリア湖やマラウイ湖などの生物と合わせて、新展示コーナー「古代湖の世界」で紹介する予定だ。
バイカル湖は、ロシア南東部に位置し、約3千万年前から存在する世界最古の湖。南北約640キロ、東西は最大約80キロの大きさで、地球上の淡水量の20%をたたえているとされている。カジカやヨコエビなど数千種以上の固有種が生息するとされ「生物進化の博物館」とも呼ばれている。
しかし近年は湖岸の観光地化に伴い、ホテルの建設などの開発が活発化。生活排水が直接流され、水質悪化の懸念などの環境問題も取り沙汰されているという。
総括学芸員の桑原雅之さん(56)は「琵琶湖とバイカル湖は共通点がたくさんあるし、ちがう点もある。他の湖と比べることで、琵琶湖がどういう湖かということを考えるきっかけになってほしい」と話している。
■バイカル湖から魚たち 琵琶湖博物館、来夏に一般公開(ChunichiWeb滋賀)
草津市下物町の県立琵琶湖博物館にロシア・バイカル湖に生息する魚たちが展示されることになり、七日に搬入作業があった。来年七月の水族展示室の新装オープンに合わせて一般公開される。博物館によると、同湖で捕獲された魚が生きた状態で展示されるのは、国内で同館だけという。
バイカル湖は広さ約三万千五百平方キロメートルで、琵琶湖の四十七倍。琵琶湖は約四百万年前にできたとされているが、バイカル湖はさらに古い三千万年前に誕生し「世界最古の湖」といわれている。
搬入されたのは、バイカルオームリなど固有種三種類を含む五種類計六十二匹。ロシアを五日夜に出発し成田空港に到着後、トラックで運ばれた。琵琶湖博物館では一九九七年の企画展でバイカル湖の魚を展示したことがあるが、常設展示は初めて。
トラックから運び出され、木枠に覆われ厳重に梱包(こんぽう)された箱を開けると、ビニール袋に包まれた魚が姿を現した。動きが悪いものもいたが酸素を入れると元気になり、水温七度に設定された水槽を泳ぎ回った。
同館では現在、水族展示室を閉鎖し改装作業をしており、バイカル湖の魚は新たに設ける古代湖コーナーの展示の一環。このほかアフリカのヴィクトリア湖やマラウイ湖、タンガニーカ湖も取り上げるという。
桑原雅之総括学芸員は「バイカル湖は琵琶湖と比べものにならないくらい歴史が古い。固有種などを見てもらうことで、琵琶湖についても視点が変わるような展示になるようにしたい」と話した。(鈴木啓紀)
■世界最古の湖から62匹 琵琶湖博物館で展示へ(asahi.com滋賀)
来年7月のリニューアルオープンに向けて改装中の県立琵琶湖博物館(草津市下物町)に7日、ロシア・バイカル湖から、同湖の固有種サケ科のオームリ28匹など5種62匹が到着した。水温などの飼育条件を模索しながら水槽の環境に慣らしていくという。
バイカル湖は面積約3万1500平方キロで琵琶湖の約47倍。水深約1700メートルと世界の湖で最も深い。2500万年前に誕生したとみられ、世界で最古の湖でもある。400万年前に起源をもつ琵琶湖同様、古代湖と呼ばれ、湖の中で独自の進化を遂げた固有種が多い。
15/12/07
■氷魚、寒風にキラキラ 琵琶湖で水揚げ本格化(京都新聞電子版)
琵琶湖の冬の風物詩、氷魚(ひうお)漁が定置網「えり」で本格化している。夜明け前のうす暗い早朝の港では、えりから捕ってきたばかりのキラキラと輝く銀鱗(ぎんりん)が次々と水揚げされている。
氷魚は、秋に川でふ化して琵琶湖に下った体長3〜5センチのアユの稚魚。体が氷のように透き通っていることからそう呼ばれる。
大津市本堅田2丁目の堅田漁港では、身を突き刺すような冷たい風が吹く中、漁を終えた漁船が戻り、養殖業者が氷魚を船の水槽からざるですくい上げ、いけすに移していた。
今年は漁が解禁された12月1日から豊漁続きといい、堅田漁業協同組合の今井政治副組合長(66)は「解禁してすぐに、これだけ取れるのは初めてだ。寒いこの時季の琵琶湖の滋味を、釜揚げやつくだ煮などで味わってほしい」と話していた。漁は来年の3月末まで続くという。
■冬の琵琶湖、ご神体清める 兵主大社、神霊の再生祈る(京都新聞電子版)
滋賀県野洲市五条の兵主大社の伝統行事「八ケ崎神事」が6日、野洲市吉川のマイアミ浜で営まれた。宮司が琵琶湖に入り、神霊の再生を祈念した。
同大社の祭神が、琵琶湖の西岸から亀に乗って渡ってきたという古事にのっとり、毎年12月初旬に斎行している。
井口昌宏宮司(57)や氏子が、ご神体とともに船に乗り、同市野田の新川からマイアミ浜へ向かった。井口宮司は浜辺で拝礼を行った後、ゆっくりと琵琶湖に入り、布に包まれたご神体を湖水で清めた。
厳かな雰囲気の神事を、氏子らが浜辺から見守った。氏子の木村定八さん(69)は、「神さまのお迎えとともに、地域の安全や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。昔からの伝統を今後もつないでいきたい」と話した。
■〈7〉芽生え 水質悪化 若者も危惧(YomiuriOnLine滋賀)
ハスの葉がまだ大きく茂っていた9月下旬の赤野井湾(守山市)。市立守山南中3年の平松萌(15)は、同世代の生徒らと小舟に揺られていた。同月の琵琶湖再生法成立を受け、地元の近江守山ライオンズクラブが、一緒に環境への知識と交流を深めようと初めて企画した取り組み。湖岸から500メートルほど離れただけなのに、一帯で活動する「夢・びわ湖」のメンバーが長い鍬のような道具で水深2メートル弱の湖底をさらうと、わき上がった泥で群青の湖面はたちまち灰色に染まり、真っ黒いヘドロがごっそり取れた。
「えっ、この水、飲んでるの? ちょっと嫌かな……」
汚れた湖面に触れ、臭いをかいでみる。「濁った川のような、雨の後の土のような」、とにかく不快な臭いがした。
ハスの葉をかき分けて群生地へ入り、すくったヘドロから、腐ったハスの茎や汚水でも生きられるタニシがいるのを確認した。湖岸では特定外来生物のオオバナミズキンバイや流れついたごみを取り除いた。小学生の頃、県の環境学習船「うみのこ」に乗ったし、班長を務めるボーイスカウトのキャンプで湖畔を訪れたが、これほど厳しい現実と相対したことはなかった。
「身近な琵琶湖がここまで汚いとは思わなくて……」。ショックだった。
でも、「行ってみてよかった」と今は思う。琵琶湖の今を肌で感じることができたからだ。あれから、自宅近くの新守山川のごみが、より気になるようになった。雨の後は、上流から洗面器などが流れてきて、草むらにごみの塊ができる。末は琵琶湖へ流れ着く。だから自分がいる場所で、できれば止めたいと思う。
◇
これに先立つ8月19日。守山市の立命館守山高の研究クラブ「サイテック部」で生物班の生徒らは、京都、千葉、静岡3府県から訪れた高校生と琵琶湖で調査活動を行い、結果を21日、校内で発表した。
琵琶湖大橋から南の南湖で砂浜と人工湖岸の水質や生物を調べ、研究の面白さを知る「水環境探求ワークショップ」。底生動物と水草について発表した生物班1年の君付龍佑(15)、前川銀太朗(16)は、砂浜の方が貝やミミズ類、水草が数、種類とも多く、「種の一様化が進む人工湖岸は構造に問題があり、改善する必要がある」と結論づけた。
プランクトンの違いを担当した杉浦快(16)も、砂浜に動物・植物プランクトンが数、種類とも多い反面、人工湖岸ではアオコの元となり、餌になりにくいラン藻が多く、他のプランクトンは生きにくいと指摘した。
ワークショップで指導した県琵琶湖環境科学研究センターの主任研究員・井上栄壮(42)は、発表を聞いて舌を巻いた。「新鮮な発見が我々にもあった。既に分かっている知見も踏まえながら、今後、新たな視点を見つけてほしい」
◇
サイテック部は、野洲川の改修工事を機に水質が悪化した市内北部の大川を、「里川」として再生する取り組みも続けている。水質調査のほか、川底にたまったヘドロを分析。ヘドロからリンや窒素を取り出して肥料として使う方策や、それを水草に与えて育ち方の違いなどを検証しようとしている。
生き物が好きな杉浦は、水草が席巻し、外来魚のブルーギルくらいしか見られない南湖の現状に、「やっぱり、さみしい。生物の多様性がある、本来の自然に戻すのが人の役目では」と訴える。
身近な環境に注目し、関わる姿勢に、老若男女の差はない。(敬称略)
◎琵琶湖再生法第21条 国及び関係地方公共団体は、農業体験、魚を学ぶ体験学習、自然観察会その他の自然を観察する機会の充実、エコツーリズムの推進等を通じて、国民に対する琵琶湖の自然環境に関する教育を充実させるために必要な措置を講ずるよう努める。
■環境保全、取り組み発表 大津でフェス(産経ニュース)
大津市が主催する、環境情報合同交流会「おおつ環境フェスティバル」が6日、同市におの浜のピアザ淡海で開かれた。県内の企業やNPO法人などが参加し、日頃の環境保全への取り組みや成果について発表した。
環境保全活動を行っている団体同士で情報交換してもらおうと、同市が平成25年から開催。参加団体がネットワークを作ったり、訪れた市民に環境について考えてもらったりすることを目的にしている。今年は、県内のNPO法人や企業など31団体が参加した。
全国各地の大学生が参加するNPO法人「国際ボランティア学生協会」は、琵琶湖の水質や生態系に悪影響を及ぼす特定外来植物「オオバナミズキンバイ」の除去活動について発表。今年9月に約400人で3日間作業し、計約40トンを抜き取ったという。立命館大4年で同協会のメンバー、高木駿さん(22)は「琵琶湖南部だけでなく、北部にもオオバナミズキンバイが増えていると聞いた。これからも活動を継続していきたい」と話していた。
ほかにも、ペットボトルのキャップを植物のプランターに再利用する取り組みの発表や、琵琶湖岸に生えているヨシの根で作った笛の演奏会などが行われた。
市環境政策課の大西襟梨子主任は、「各団体がお互いの環境保全活動について理解を深め、今後の事業で連携するきっかけの場になってほしい」と話していた。
■身近な環境の大切さ訴え 大津のフェスに30団体(asahi.com滋賀)
県内で環境問題に取り組む企業や市民団体、大学サークルなど約30団体が日頃の活動を発表する「おおつ環境フェスティバル」が6日、大津市におの浜1丁目のピアザ淡海であった。エネルギーや廃棄物、湖の保全など多様なテーマについてパネル展示や壇上での発表があり、来場した約300人に環境保全の大切さを訴えた。
団体間の交流や一般への発表の場として同市が主催。参加団体はポスターやパンフレット、製品などを展示し、それぞれの活動の重要性や楽しさをアピールした。
琵琶湖畔のヨシでつくられた笛で演奏しているサークル「よし笛トゥッティ」によるコンサートもあり、「琵琶湖周航の歌」など9曲の素朴で優しい音色を披露。同サークルは、演奏を通じて水辺の環境に思いをはせて欲しいと市内を拠点に活動しており、小田陽子代表は「ヨシは水質浄化作用があり、一番太い一節が笛としてよみがえる」と解説した。
館内では県が後援する「三方よしエコフェア」も同時に開かれ、環境に関わる35事業者が製品を販売するなどした。
15/12/06
■琵琶湖で猛威の水草除去 学生と漁協、手作業で5トン(京都新聞電子版)
全国の学生でつくるNPO法人「国際ボランティア学生協会」(本部・東京都)は5日、滋賀県守山市赤野井町の赤野井湾や河川で、地元の玉津小津漁協とともに、猛威を振るう外来種の水草オオバナミズキンバイを除去した。
今年で3年目の取り組み。定期的に活動しており、これまでに計26回、約250トンを除去したという。
同協会で活動する龍谷大、立命館大、同志社大、関西大の学生約50人と漁協組合員約20人の計約70人が参加した。小船10隻を使い、三反田川河口を中心に、機械で除去できない岸辺の入り組んだ場所で作業。船から身を乗りだし、辺りを覆う水草を手作業で引き抜いた。
小船がいっぱいになるたび、近くの玉津小津漁協の漁港や事務所へ搬送。軽トラックに積み込み、約5トンを除去した。
田中善秋漁協組合長(68)=同市=は「機械では除去できない所があり、手作業でしてもらって助かる」と喜んでいた。
除去リーダーの龍谷大2年西出侑生(ゆうせい)さん(20)=同=は「残ると繁殖するので小群落を取り切りたい」と話していた。
■<伊豆沼>バス侵入許さぬ ため池で駆除(河北新報ONLINE NEWS)
宮城県栗原市一迫柳目の農家らで組織する大館環境保全会は、県伊豆沼・内沼環境保全財団などの協力を受け、地元の「葉の木沢上ため池」で特定外来生物の魚オオクチバス(ブラックバス)を駆除した。川を介してバスが下流の伊豆沼へ侵入するのを防ぐ。保全会は「伊豆沼だけでなく、水系全体の生態系を守りたい」と話す。
池は幅約150メートル、奥行き約400メートルあり、最深約10メートル。池の水はあらかじめ2週間かけて抜いた。駆除は11月30日に行われ、保全会員や財団職員、栗原市築館の環境保全団体「ナマズのがっこう」のメンバーら23人が参加した。胴長姿の参加者は、ぬかるむ泥に脚を取られながら、タモ網を手に水たまりの魚を追い掛けた。
駆除されたバスは267匹。最大は生後約5年ほどで体長38センチだった。成長途上の個体が多く、放流後の年数はたっていないとみられる。在来種のコイやフナも約500キロ捕れた。
駆除はことしで3回目。保全会の佐藤則明代表は「バスが意外に少なくて幸いだった。あと1、2年たつと爆発的に増えるところだった」と胸をなで下ろした。かつては年齢問わず付近の住民が釣りをする憩いの池だったが、最近は小ブナが姿を消していたという。
保全会は近く、ため池の入り口にバス放流を禁止する看板などを設置する。
■東近江で市民ボランティアらヨシ刈りで琵琶湖再生へ(産経ニュース)
琵琶湖のヨシを手入れし再生を図ろうと5日、東近江市伊庭町の伊庭内湖周辺で、市民ボランティアらによるヨシ刈り作業が行われた。約250人が刈り取りに汗を流した。
ヨシは水辺に生える多年草植物で、水質浄化のほか、魚や水鳥のすみかとして生態系の保全に役立っている。
かつて同地域では新芽の成長を促すよう、冬から春にかけてヨシ刈りやヨシ焼きがさかんに行われていたが、生活様式の変化などで近年行われなくなっていた。地域住民らでつくる保全団体が呼びかけて平成21年に復活させ、毎年実施している。
参加者は手際よく作業を進め、約1時間半で約1.5ヘクタールのヨシ群落を刈り取った。主催した伊庭の里湖づくり協議会の田中信弘会長は「自然環境を守っていくという心意気で活動を続け、琵琶湖の固有種『ニゴロブナ』などを育てていきたい」などと話した。
■ビワイチの新たな魅力を体験 漁船タクシー試験運航(ChunichiWeb滋賀)
三日月大造知事と守山市の宮本和宏市長らは五日、同市が先月から試験運航中で、自転車を湖上輸送する「漁船タクシー」に乗船した。三日月知事は乗船後、「値打ちのある魅力的な事業だ」と感想を述べた。
◆陸と湖上から満喫
自転車で琵琶湖一周約二百キロを走る「ビワイチ」は人気で、市内にも多くのサイクリストが立ち寄っている。漁船タクシーは体力や時間などの問題で一周することができない人たちを対象に、同市の木浜漁港を主要な起点とし、県内五カ所の港に運ぶ計画。国の地方創生交付金を使って実施する。
この日は知事や市長のほか、大手自転車メーカー「ジャイアント」社長の中村晃さんも参加。発着点の守山市のホテルから自転車を走らせ、近江八幡市の長命寺港で漁船に乗船。約五十分で高島市の大溝港に到着し、再び自転車を走らせてホテルへ戻った。自転車の総走行距離は約五十七キロという。
漁船タクシーでは途中、湖上から白鬚神社の湖中大鳥居を望んだ。宮本市長は「大鳥居を湖上からも陸からも楽しめる。しまなみ海道のような自転車の聖地になるよう頑張っていきたい」と意気込んだ。琵琶湖は初めてという中村さんは「サイクリング道路も広く、大きな潜在力を秘めている」と笑顔で話した。
今年の一般向けの試験運航は終了したが、来年三月にも三回予定している。事前申し込みが必要。参加費一人三千円。(問)市地域振興課=077(582)1165(鈴木啓紀)
■母なる湖のために 琵琶湖再生法成立<6>協働 再び魚影を 清掃調査(YomiuriOnLine滋賀)
「4年前のあの時ね、魚たち、帰ってきたんですよ、ここへ。でも、また、いなくなって……」
11月16日午後、琵琶湖で特に汚濁が進んでいるとされる守山市の赤野井湾(1・4平方キロ、水深約2メートル)。市民グループ「夢・びわ湖」のメンバー6人が、特定外来生物のオオバナミズキンバイやごみを取り終わり、古参の小宮山一二三(78)が作ったおでんを囲んで一息ついていた時だ。箸を伸ばす手を休め、グループ代表の辻ひとみ(68)が懐かしむような目を湾に向けた。
元々の内湾が周辺の埋め立てで閉鎖性が強まり、1994年の大渇水を機に水質が悪化。アオコが水面を覆った。さらに隣の草津市の水域から伸びたハスの群落が水の流れを阻害し、汚泥を沈殿させた。
県は2011年秋、両市境の堺川河口部約1・6ヘクタールで、初めてハスを根こそぎ除去した。すると、水質に良い変化があったのか、体長10センチほどの魚が群れをなして岸辺に現れた。珍しくフナやコイを夜通し狙う釣り客もいた。
だが、それも長続きはしなかった。
◇
「夢・びわ湖」は05年、守山市内の主婦や元会社員、漁業関係者ら10人で結成された。代表の辻は結成後、学校や地域で環境問題の解決に取り組む「環境学習支援士」の資格を取るため、滋賀大教育学部の社会人コースで学んだ。
小宮山は近くの浜辺で生まれ育ち、琵琶湖が夏の遊び場だった。砂浜でシジミ取りをした後、現在の琵琶湖大橋がある辺りのエリ(小型定置網)まで遠泳。泳ぎながら当たり前のように水を飲めた。
他のメンバーにも似たような思い出がある。50年ほど前までは見えていた岸辺の砂地にシジミが隠れ、タナゴやアユが泳ぎ、春先にはモロコが川を上った。
「そんな湾に戻したい」と湖岸の清掃活動を進めるうち、夏に茂っては湖底に沈むハスが水質に影響を与えているのではと考えた。陸上と湖上のそれぞれ3地点を選び、ハスの群生地とそうでない場所の表層と湖底の水質、環境を調査。その結果、表層ではハスが水の流れを停滞させ、湖底では沈んだ残骸がヘドロとなって堆積し、酸素量が低いと分かった。水質の悪化を示す有機物の値も高かった。
「ハスの群生地は生物にとって好ましくない。異常繁茂したハスや湖底の堆積物を除去すべきだ」。そう考えた辻は11年、データを携えて市に訴えた。
市もかねてから湾の環境改善を要望し、県は08年度から3年連続で河口部のハスの表層を刈り取った。そして、辻らの要望を機に、初の根こそぎ除去が実現。以来、湾内の水流改善のために作業が続いている。
ただ、河口部の根こそぎ除去からは4年がたった。「またぞろ湖底で伸びていないか」。陸上からは見えない動きに、メンバーは気をもむ。
◇
昨年5月からは、ハスの群生地とそうでない湖中に、イケチョウガイを沈めて成長度合いを記録し始めた。かつて真珠の母貝として養殖され、水質浄化作用を持つ二枚貝だ。
個体にばらつきはあるが、群生地内のイケチョウガイは成長しにくいことが分かってきた。餌が少なく、栄養失調気味になると考えられる。
4年前、湖岸に現れた魚影は、一時の「幻」だったのか――。毎月第3月曜の活動日、小宮山は黙々と外来植物を刈り、ごみを拾いながら、いつも思う。
「私には日常的にふれ合えた遊び場だが、今は違う。子どもたちが訪ねた際、せめて魚や貝でもいれば、興味を持ってもらえるのに」(敬称略)
◇琵琶湖再生法第22条
国及び関係地方公共団体は、個人、事業者、特定非営利活動法人等の多様な主体が協働して琵琶湖保全再生施策に取り組むことを促進するため、これらの者が琵琶湖保全再生施策に参画することができる機会の提供、(中略)交流の促進その他必要な措置を積極的に講ずる。
■厄介者の水草、学生と漁師が駆除 守山(asahi.com滋賀)
繁殖力が非常に強く、異常繁茂による琵琶湖の生態系への影響が心配されている外来の水生植物・オオバナミズキンバイの駆除作業が5日、守山市赤野井町の赤野井漁港の周辺であった。
大学生らでつくるNPO法人「国際ボランティア学生協会」と、地元の玉津小津漁業協同組合の漁師の計70人が参加した。県内や京都、大阪などから駆けつけた学生たちは、2、3人のグループに分かれて漁師と一緒に船に乗り、岸辺などに茂った水草を手作業で取り除いた。集めた水草は乾かした後、焼却するという。
同協会は、琵琶湖の南湖を中心に、水草などを駆除する活動を続けている。兵庫県尼崎市から参加した関西大学2年の吉田陽哉さん(20)は「水面から見えにくい所にも茂っているうえに、重くて大変だった。取り残しがあるとまた増えてしまうので、ていねいな作業を心がけた」と話した。
15/12/05
■母なる湖のために 琵琶湖再生法成立<5>模索 生態系の謎、解明挑む(YomiuriOnLine滋賀)
湖底から持ち帰った泥や砂の中から生き物を選別し、女性スタッフがピンセットで慎重に取り出す。砂地に潜む水生ミミズ、水草に付着するトビケラやユスリカの幼虫で、どれも大きさは数ミリほど。大津市の琵琶湖畔に立つ県琵琶湖環境科学研究センターの研究室で、主任研究員の井上栄壮(42)は、こうした湖底の底生動物や貝類を研究し、琵琶湖の豊かな生態系を取り戻したいと模索している。
昨冬には琵琶湖大橋南の南湖沿岸で、自然の砂浜と人工湖岸から採取した水生ミミズ類などの生息密度を調べた。砂浜の方が人工湖岸の泥地より約5倍高く、底生動物の種類も多いことが分かってきた。
◇
井上は、魚介類の漁獲が減り続ける現状を「生態系と循環のバランスが崩れている」とみて最大の課題に挙げる。だが例えば、シジミの激減理由も様々考えられる。昔は植物プランクトンのケイ藻が多くて良い餌になったが、今はアオコの元になり、餌にならないラン藻ばかり、とか。沿岸の砂地が埋め立てられ、治山や植林が進んで森林から土砂が流れなくなった、とか。
これまで個別の課題に対処しようと研究や事業が進んできたが、それだけでは解決しない。「全ては複雑に絡み、つながり合っている。もっと大きな視点で捉えなければ、琵琶湖は分からない。ここに来てようやく、そういう認識が必要と分かってきたんです」と明かす。
さらに生態系は刻々と変化し、変動を予測するのは難しい。井上は広島大生だった1994年、70年代から南湖岸に大発生し、問題となったユスリカの成虫を採取して調べた。洗濯物や食品に付着するため、「びわこ虫」と嫌われたが、2000年代に入ると見なくなった。ちょうど、南湖に水草が繁茂し始めた頃だった。井上は、水草が増える代わりに植物プランクトンが減り、餌がなくなったためだろうと推測する。だが、その水草の量も一定ではない。
◇
大津市の対岸、草津市の県立琵琶湖博物館。統括学芸員の芳賀裕樹(49)は今も南湖の水草増減の謎に挑むが、「琵琶湖は、まだまだ未研究の分野が多い。県内外の研究者と力を合わせることが必要なんです」と話す。
芳賀らが昨秋、湖底52地点で採取したサンプルから推測した南湖の水草現存量は1万8173トン。群落の平均高は約1・6メートル、空間占有率は40%以上に及び、植物プランクトンが減るレベルとされる30%を優に超える。
水中カメラの湖底映像を見ると、大小の水草が所狭しと林立している。魚がほとんどいない姿は、まるで水中の「原始の藪」。陸では想像できないおぞましさだ。
水草は魚の産卵場所で「ゆりかご」でもあるが、「過ぎたるは及ばざるがごとし、が現在の南湖。植物プランクトンが減り、二枚貝は砂地に潜れずに生きにくい」と芳賀は言う。
異常繁茂は、1994年の大渇水による水位低下を機に光が届くようになり、透明度が上がったため、ともされる。だが透明度自体は、水草量が現在の約5分の1と望ましかった36年とあまり変わらない。それなのに当時は少なかった在来種のセンニンモやクロモなどが爆発的に伸びたのはなぜか。透明度が一因でないなら、琵琶湖の富栄養化が問題になった70〜80年代より減ったリンや窒素などの栄養塩がまだまだ多いということか。あるいは湖底にたまった栄養塩を水草が吸収しているのか……。
「それなら、そもそも水草がどの程度の栄養塩で、どれだけ育つかが解明されないと、どこまでも繁茂し続けることも考えられる」
見えない、分からない「何か」に対峙して、研究者たちのもがきは続く。(敬称略)
◇琵琶湖再生法第9条
国は、琵琶湖の自然環境の状況を適切に把握し、琵琶湖保全再生施策の実施の基礎とするため、琵琶湖の自然環境に関する調査を行うとともに、その結果を公表する(中略)国及び関係地方公共団体は、調査の結果を踏まえ、水質の汚濁の防止及び改善、生態系の保全及び再生等の(中略)研究開発の推進並びにその成果の普及等の措置を講ずるよう努める。
15/12/04
■大津プリンス改称、愛称は「びわプリ」 琵琶湖を前面に(京都新聞電子版)
大津プリンスホテル(大津市におの浜4丁目)は4日、ホテルの名称を来年4月1日から「びわ湖大津プリンスホテル」に改称すると発表した。滋賀を象徴する琵琶湖を冠することで、地元色を前面に出して国内外から滋賀・大津への集客を図る。
同ホテルは1989年4月に琵琶湖畔に開業した。地上38階建てで、客室数(520室)と宴会場の規模はともに県内最大。近年は外国人宿泊者数が伸びており、2015年度上期(4〜9月)は外国人客が前年同期比9・4ポイント増の29・7%を占めた。4月に「琵琶湖とその水辺景観〜祈りと暮らしの水遺産」が日本遺産に認定され、今後も国内外からの観光客増が期待できるという。
滋賀の食材を使った食を充実させるなど、地元と連携した観光誘客を進める。湯谷昌生総支配人は「琵琶湖を目指して訪れるお客さんを増やし、滋賀や大津の認知度を高めたい。『びわプリ』の愛称で親しんでもらえれば」と話している。
■「くさい」「高い」二重苦のふなずし、東南アジアに好感触…海外へ活路 滋賀県が本腰(産経ニュースWEST)
「失神するほどくさい」とも称され、好き嫌いが分かれる滋賀特産の発酵食品「ふなずし」が、海外に飛躍しようとしている。滋賀県や県内の製造者が東南アジアでセールスに乗り出したところ、意外に好評だった。県はこれを受け、来年以降、トップセールスを行うなどして売り込み、本格的な輸出を目指す。
「食べやすい」「酸味があって酒のさかなにちょうどいい」。10月末、マレーシア・クアラルンプールで地元のバイヤーらを集めて開かれた県主催の商談会。ウナギの茶漬けなどとともに、人気を集めたのがふなずしだ。続くタイでの商談会でも好評だった。
これを受け、県は年明けにマレーシアやタイの旅行業者を招き、ふなずし作りの見学や試食を企画する予定だという。さらに来年度以降も東南アジアを軸に、ふなずしなどのトップセールスを検討。将来は、同じ発酵食品で独特のにおいを持つ製品もあるチーズになじむヨーロッパにも販路を拡大したい考えだ。
ふなずしは、主に琵琶湖の固有種「ニゴロブナ」を塩や飯などに漬け込んで発酵させた滋賀に伝わる伝統食。食べ物の臭さを5段階で評価する小泉武夫・東京農業大名誉教授(発酵学)の著書「くさい食べもの大全」(東京堂出版)では「失神するほどくさい。ときには命の危険も」とする五つ星を獲得している。
その独特のにおいと1匹数千円という値段の高さで、観光客からは敬遠されがちだ。県が3月に行ったアンケートでは「食べたことがある」と答えた人は首都圏で10・6%、京阪神で16・0%にとどまっている。
県主催の海外の商談会でも、ふなずしが提供されるのは初の試みだった。タイには淡水魚を塩に漬け込んだ「パー・ソム」というふなずしに似た食べ物があり、東南アジアでは調味料「ナンプラー」など発酵食品が日常的に食卓にのぼる。ひょっとしたらと、“冒険”を試みた結果の大当たり。県の担当者は「まさかここまで受けるとは」と驚く。
魚を塩と米飯で乳酸発酵させた、ふなずしを含む「なれずし」の発祥は東南アジアとされる。商談会に参加したふなずしの製造元「竜王ふなずし工房」(同県竜王町)の辻澤孝行さん(42)は「東南アジアへの進出は“里帰り”のようなもの。十分に通用すると思う」と話す。
輸出では輸送コストが上乗せされ、割高になるが、元から単価の高いふなずしにとっては、より付加価値の高い「高級品」として海外に売り出しやすい。
小泉名誉教授は「ふなずしは、チーズと同じ乳酸菌で発酵した『ジャパニーズ・チーズ』だ。ヨーロッパでも受けるだろうし、発酵文化のさかんな東南アジアでも受け入れられるだろう」と話している。
■氷魚:漁解禁、水揚げ好調 産卵状況回復 2日間で設定の6割(毎日jp滋賀)
琵琶湖で1日に解禁された、アユの稚魚「氷魚(ひうお)」漁が好調だ。県漁連が養殖業者の注文を受けて設定する活魚漁獲量約23トンに対し、2日間で6割の約14トンが取れ、近年では2013年12月1、2日の合計約15トンに迫る。水産課は秋のアユの産卵状況が平年値の86%にまで回復したことが大きいとみている。
氷魚は透き通った魚体で、美味な釜揚げが珍重されることから「琵琶湖のダイヤ」とも呼ばれる。高島市マキノ町の百瀬漁協でも1日から、えり漁で氷魚を取り始めた。3日朝も水揚げは順調。沖のえりにかかった氷魚を、酸素を注入した水槽に入れて生きたまま港に運ぶ作業を繰り返した。岸壁には酸素ボンベ付き水槽を備えたトラックが横付けし、数分で氷魚を積み替えた。
同市安曇川町の駒井淡水経営、駒井博一さん(45)は「今年の氷魚は体長4〜6センチ、重さ0・7〜1グラムと大きめ。河川放流用や食用の大アユに養殖する」と話していた。百瀬漁協によると、取引価格は昨年並みという。
県水産試験場のアユ資源調査では、秋の産卵数は平年値約113億粒の86%、約97億粒と良好。10月と11月の氷魚生息状況調査では数量、1匹の平均体重ともに平年値を上回っている。【塚原和俊】
■母なる湖のために 琵琶湖再生法成立<4>明暗 固有種増加、一条の光(YomiuriOnLine滋賀)
1日、琵琶湖で小型定置網(エリ)漁が解禁された。守山漁協の戸田直弘(54)は午前4時過ぎ、守山市の琵琶湖大橋たもとから出港し、大橋を挟んだ南北2か所のエリへ向かう。
水深8・5メートルと、深い北のエリを徐々に絞ると、体が半透明で「氷魚」とも呼ばれる稚アユが、エリいっぱいにピチピチとはねていた。体長5センチ前後と爪楊枝ほどの大きさ。慎重にタモですくい、船の水槽に移す。琵琶湖の豊かな恵みを感じる瞬間。初日の漁獲は昨年の倍の約260キロで、全てを養殖業者に引き渡した。
◇
琵琶湖の漁獲量は減り続けている。県によると、1955年の1万616トンをピークに右肩下がりで、2013年は10分の1以下の1021トン。特にシジミが顕著で、6000トンを超えた57年から11年は22トンと1%にも満たない激減ぶりだ。一方、固有種のニゴロブナやホンモロコは近年、産卵場の造成や放流などで増加の兆しを見せている。
かつてエリ漁で小アユをとっていた県漁連副会長で中主漁協(野洲市)組合長の望月幸三(68)は、4年ほど前に漁を辞め、今は湖魚の加工・販売業に専念している。後継者はいない。だが、野洲市内の店舗にはふなずしのほか、アユ、ホンモロコ、イサザ、ゴリなどのつくだ煮やエビ豆などが並び、近所の主婦らでにぎわう。昔ながらの滋賀の食の光景が、ここにはある。
望月が湖で異変を感じ始めたのは20年ほど前だ。網にヌルヌルした植物プランクトンが付着し、ドロドロに汚れた。湖底はヘドロ化して水質は悪化、加えて「下水のカルキ処理によって湖岸に塩素が回り、魚が寄りつかない」と指摘する。
40〜50年前まで約3000人いた琵琶湖の漁業従事者は13年度、700人を切った。そのうち高齢者が6割近い現状に、「5年先の漁業が維持できるか心配だ」と語る。
琵琶湖再生法成立を受け、望月は11月13日、県漁連会長・鳥塚五十三らと知事の三日月大造を訪ねた。保全再生計画の早期策定をはじめ、▽琵琶湖水位操作の是正▽下水処理法の再検討▽農業濁水の削減▽南湖の水草の根こそぎ除去拡充などによる生態系保全――などを要望。望月は「スピード感を持って当たってほしい」とクギを刺した。
別の懸念もある。県漁連は国と県の補助を受け、生態系を脅かす外来魚のオオクチバスやブルーギルを毎年300〜500トン駆除。推定生息量は06年の1914トンから13年は916トンへと半減した。
しかし、13、14年度の駆除量は160トン前後にとどまった。特に昨年は、南湖の水草繁茂で船が走れなかったためといい、ここにも悪影響が見て取れる。そのため国は15年度の補助を減額。11月上旬から駆除できない事態に陥っている。
◇
守山漁協の戸田は、閉鎖性水域のために琵琶湖でも特に水質が悪いとされる南湖・赤野井湾の近くのエリにも行く。外来魚の捕獲が主な目的だが、絞り込むと、そこにも数は大橋の北側の北湖に到底及ばないものの、稚アユが群れていた。「琵琶湖も捨てたもんじゃない」
漁業環境が厳しいことに変わりはない。だが、戸田は、最近の明るい兆しを伝えずにはいられない。そこには、これからも琵琶湖で生きていく決意も見える。11月7日に県立琵琶湖博物館で開かれた生物多様性を考える討論のパネリストに招かれ、こう語った。
「外来魚が減って在来魚はどうなったか? 記録がある訳ではないんですが、ニゴロブナやホンモロコが琵琶湖に戻ってきてる。ほんまです」(敬称略)
◇琵琶湖再生法第16条
国及び関係地方公共団体は、琵琶湖における水産資源を回復し、その漁業の振興を図るため、水産動物の種苗の放流、漁場の整備及び保全(中略)等の必要な措置を講ずるよう努める。
15/12/03
■コハクチョウ:湖上でピクニック 高島(毎日jp滋賀)
高島市今津町の北仰(きとげ)浜で11月30日、コハクチョウ15羽の姿が目撃された。半数近くは羽の色がグレーの幼鳥。竹生島を望む湖面で、コハクチョウはゆっくり泳いだり羽づくろいしたりしていた。
コハクチョウは湖岸に近寄っては水中に長い首を突っ込み、逆立ちするようにお尻を水面に出す愛らしい姿を繰り返し見せていた。観察していた「環境を守るいまづの会」の深田源蔵さん(68)は「湖底に生えた水草を食べている。琵琶湖の水位が低いので、浅くなって食べやすいのだろう」と話していた。
湖北野鳥センター(長浜市)によると、県内へのコハクチョウの飛来は11月末で144羽を確認。11月初めに100羽を超え、例年にない早いペースだったが、その後はあまり増えていない。米原市から長浜市にかけての東岸と高島市北部の湖岸で見られるという。【塚原和俊】
■長旅の疲れを癒やすコハクチョウ…今年も師走(YomiuriOnLine)
滋賀県長浜市で、ロシア・シベリアから飛来したコハクチョウ約100羽が羽を休め、住民らが師走の訪れを感じながら見守っている。
カモ科の鳥で、成鳥は羽を広げると1・8メートルになる。毎年10月中旬に越冬のため飛来し、翌年3月頃まで400〜600羽が琵琶湖や周辺で過ごす。
同市湖北町山本では3、4日前から見られるようになり、朝に田んぼでエサを食べたり、羽を大きく広げたりして、長旅の疲れを癒やしている。成鳥と幼鳥がいて、夕方には飛び立つ。
農作業中の女性は「伊吹山が冠雪すると、毎年たくさん姿を見せてくれます。かわいくて、時間を忘れて観察しています」と、手を休めていた。(黒川武士)
■母なる湖のために 琵琶湖再生法成立<3>繁茂 水草の山死んだ漁場(YomiuriOnLine滋賀)
湖面にひしめく漁船は、魚介を取っているのではない。
11月24日、琵琶湖大橋(大津市―守山市)の南に広がる南湖。堅田漁協(大津市)の副組合長・今井政治(66)が、「マンガン」と呼ばれる幅広の鍬のような漁具を水深4メートルの湖底へ沈める。かつてはそれで固有種の二枚貝・イケチョウガイやダブガイをさらったものだが、取れなくなって長年、倉庫で眠っていた。しばらく漁船を走らせ、ワイヤで巻き上げると、びっしりと絡みついた水草の塊。わずかにイシガイも揚がるが、湖底の酸素不足で窒息死しているようだ。水草を引きはがしては積み上げ、また沈める。
「これの繰り返し。ここ2年ほどは特に多い。昔はこの辺りも、つくだ煮がおいしいダブガイの好漁場だったのに……」
今井は嘆息をつきながら草津市の山田漁港へ戻り、多い時は1回1・5トンをクレーンで陸に引き揚げてもらう。在来種のセンニンモや外来種のオオカナダモが多い。ヘドロをまとって黒ずんだ塊もある。
この日は堅田漁協の29隻、山田漁協(草津市)の13隻が操業。漁港には見る間に、湖底から根こそぎ除去された水草の山ができた。活用策として、近江八幡市で堆肥にされるが、漁業者には複雑な思いが募る。
◇
南湖は琵琶湖全体の約13分の1(52・5平方キロ)と狭いが、1990年代後半から水草が異常に増え、近年、ほぼ湖底全域を覆うように広がった。県立琵琶湖博物館によると、南湖の現存量は、湖底52地点から採取したサンプルの推測値で2014年に1万8173トン(乾燥重量)。望ましい繁茂状態だったとされる36年の4・6倍に上る。
きっかけは94年の大渇水を機に水位が下がり、流入濁水も減って透明度が上がったことで光が湖底に届くようになったため、ともいわれるが、急増の真の原因は、はっきりしない。
水をよどませ、湖底でヘドロ化し、悪臭を放つ一方、漁業や漁船航行に支障が出るため、県は専用船による表層刈り取りに加え、11年度から根こそぎ刈り取りを県漁連に委託。14年度は4028トンを除去し、今年度も両漁協が中心となって春秋冬の計47日間、4平方キロで操業している。
1日5時間以上、2回の陸揚げで1隻あたり3万円前後が支給され、県は今年度、県漁連への委託費7660万円を含め水草対策に約2億4000万円を投じた。そのほぼ全ては、県費でまかなわれる。
◇
だが、人力ではとても追いつかない。水草の繁茂で南湖東岸の漁場を奪われた山田漁協の苦境は深刻だ。
「漁に出たくても魚も貝もいない。琵琶湖大橋から北側の北湖には魚がいるが、それ専用の漁具が要る。情けないが、今や根こそぎ刈り取りが貴重な生活の糧だ」と、副組合長の横江久吉(71)が話す。
漁場はかつて魚が産卵のために北湖から回遊し、15年ほど前まではコイやフナ、ホンモロコのほか、ダブガイやシジミなどもよく取れた。しかし、長く伸びた水草に回遊ルートが遮られて魚が南下できず、外来植物が湖底に沈んで繁殖を繰り返す悪循環で、貝類も姿を消したのだという。
「もはや南湖はほぼ『死の湖』と呼ばれても仕方ない。でも、漁師である以上、何とか元に戻したい。このままでは高齢化が進む組合員は廃業に追い込まれるだけだ」。横江は断腸の思いを隠さない。(敬称略)
◇琵琶湖再生法第15条
国及び関係地方公共団体は、琵琶湖における湖底の底質の保全及び改善、悪臭の防止等による生活環境の改善、漁業環境の改善並びに船舶の航行の安全の確保のため、水草の除去、湖岸に漂着したごみ等の処理、湖底の耕うん、湖底における砂地の造成(中略)その他必要な措置を講ずるよう努める。
15/12/02
■ガソリン、130円割れ 原油安、6週連続値下がり(産経ニュース)
経済産業省資源エネルギー庁が2日発表した11月30日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、24日の前回調査より1円20銭安い129円10銭となった。2010年3月以来、約5年9カ月ぶりに130円を割り込んだ。原油安傾向が続き、6週連続で値下がりした。
調査した石油情報センターは「値下がり基調が続いてきたが、シリア情勢をめぐる懸念も浮上。来週は小幅な値動きになりそうだ」と分析している。
地域別では47都道府県すべてで価格が下がった。下落幅が最大だったのが高知の4円60銭。2円10銭の徳島、1円80銭の石川、1円70銭の北海道が続いた。
ハイオクは1円10銭の値下がりで140円ちょうど、軽油は50銭下がって109円60銭。灯油は18リットル(一般的なタンク1個分)当たり12円下落し1343円となった。
■レギュラーガソリン、5年8か月ぶりの120円台突入(Responce)
資源エネルギー庁が12月2日に発表した石油製品の店頭小売価格週次調査によると、11月30日時点でのレギュラーガソリンの全国平均価格は前週の調査から1.2円値下がりし、1リットル当たり129.1円となった。
レギュラーガソリンの小売価格は4週連続で値下がりしたあと、横ばいをはさみ、6週連続で値下がり。2010年3月8日の調査以来5年8か月ぶりの120円台突入となった。
地域別では、四国で2.4円、北海道で1.7円、関東と中部で1.2円、東北で1.1円、中国と近畿で0.9円、九州・沖縄で0.8円、全エリアで値下がりした。
ハイオクガソリンは前週比1.1円安の140.0円、軽油は0.5円安の109.6円だった。
60万人の会員を持つガソリン価格投稿/愛車燃費管理サービス「e燃費」によると、12月2日のレギュラーガソリンの全国平均購入価格は118.1円/リットル(前週比−1.8円)、ハイオクは128.0円/リットル(同−1.6円)、軽油は95.4円/リットル(同−0.9円)だった。
なお資源エネルギー庁による平均値は「販売」価格の平均であるのに対し、e燃費は「購入」価格の平均。現実の購入でユーザーは安い価格を指向するので、購入価格平均は販売価格平均より安くなる。
全国のガソリン価格平均推移、価格ランキングなどを「e燃費」で確認することができる。
e燃費 URL http://e-nenpi.com/
■母なる湖のために 琵琶湖再生法成立<2>誤算 政調の壁野党と共闘(YomiuriOnLine滋賀)
「琵琶湖だけを取り上げる恒久法が、なぜ今、必要なんだ?」
「湖沼法で、カバーできるだろ」
7月14日、衆議院本館第20控室。琵琶湖再生法案をいよいよ国会へ提案するための自民党政務調査審議会で、衆院議員の武村展英(43)(滋賀3区・2期)は出席議員から集中砲火を浴びていた。既に前段の党内6部会で了承をもらっている。この政調審議会も通例通りすんなりいくと思っていた。
「我が国最大の湖で、近畿圏1450万人を支える水資源で、生態系も含まれますので……」
お題目のように繰り返しても、政策通でならす面々には通じない。さらに幹部が放った一言で大勢が決した。「この『琵琶湖の日』って何? 特定地域の日を法律で設けるなら、『富士山の日』も要るよな」
後席に居並ぶ環境省幹部らからは、もはや援護射撃もない。根回しを重ねて手応えを覚えた法案は了承されず、党内では異例の「差し戻し」を食らった。「衝撃的だね、琵琶湖(再生法)、沈んだんだって?」。先輩議員からそう揶揄された。
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琵琶湖再生法は、自民、民主両党がそれぞれ国会議員連盟を作り、議員立法による成立を目指して法案を練ってきた。発足は自民が2008年と13年、民主が11年。自民は与党時、法案提出を2度の衆院解散で阻まれた。
一方の民主は野党時の昨年6月と今年3月、「琵琶湖の保全と再生に関する特別措置法案」を提出。だが、野党の議員立法案は通常、与党が取り合わないため、委員会にも付託されず、未審議のまま廃案になることが多い。特措法案も、「つるし」と呼ばれるこの措置で宙に浮いていた。
今回は違った。与党・自民党が確実な成立のために立てた戦略は、衆院環境委員会の全会一致で起草案を委員長から提案するというシナリオだ。武村は党内審議前の5月から、委員会の野党筆頭理事で3月に民主党の特措法案を出した田島一成(53)(比例近畿・4期)と、法案すり合わせの協議を始めた。
田島は委員長提案ができるなら、民主の特措法案を取り下げると応じた。彦根市出身で、子どもの頃から泳いできた琵琶湖に水草が茂り、ニゴロブナが取れずにふなずしが縁遠くなっている現状に心を痛めてきた。「私が受けた恵みや楽しみを子や孫も味わってほしい。今こそ琵琶湖に恩返しするつもりで力を傾けたい」
思いは武村と同じ。だが、野党の立場上、直接会わず電話でやり取りした。譲るべきは譲り、主張すべきは押した案に、環境教育の充実、船上交通活性化のほか、「琵琶湖の日を7月1日とする」という一文があった。
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県条例では既に7月1日を「びわ湖の日」と定めている。武村と衆院環境委員長の北川知克(64)らは、躊躇なく法案から削った。田島も成立を優先して了承し、野党委員の根回しに当たった。7月28日に再度開かれた政調審議会と、続く総務会では、武村に代わって北川が説明し、ようやく党内手続きをパスした。
差し戻しから2週間の間に、再び根回しをしたのは言うまでもない。「琵琶湖での取り組みがうまくいけば、全ての湖沼に生かせる」。訴えへの理解が広がった。
法案が9月3日に衆院で可決された際、武村はフェイスブックに「党内での根回しや他党との協議で不手際もあり、(中略)時間がかかった」と記した。真意を聞くと、こう応じた。「先生方への回答が当を得ず、根回しも全体を見通してもっと早く動けたはず。1本の法律を作ることがこれほど大変とは」(敬称略)
■琵琶湖のヨシ群落回復、20年前の1.5倍 保全活動実る(産経ニュース)
高度経済成長期の開発で激減した琵琶湖岸のヨシ群落が回復傾向にある。平成26年度の群落面積は、約20年前の約1・5倍に増えた。ヨシは琵琶湖の多様な生態系の保全に役立つことから、県は地元のボランティアらの協力を得て植栽などの活動を行っており、県琵琶湖政策課は「こうした取り組みが実を結んでいるのではないか」と分析している。
ヨシは、水辺に生えるイネ科の多年草植物。琵琶湖岸の景観を形成するだけではなく、魚や水鳥のすみかとして多様な生態系の保全に役立っている。また、かつてはヨシはすだれや屋根の材料などにも使われ、人々の生活にも密接に結びついていた。
ところが、高度経済成長期に内湖の干拓など湖岸の開発が進み、ヨシは激減。昭和28年度に260・8ヘクタールあった湖岸のヨシ群落面積は、平成3年度にはほぼ半減の127・5ヘクタールにまで落ち込んだ。
こうした状況を受け、県は4年度に「琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例」を制定し、「昭和30年代の湖辺のヨシ群落の形状」に戻す目標を設定。保全地域内の伐採や建設物の新築などに規制を設ける一方で、地元ボランティアらと協力しながら、ヨシを植栽したり、成育しやすいよう枯れたヨシを刈り取ったりしている。
さらに、群落内に繁殖しているオオバナミズキンバイなどの外来植物の駆除も実施。これらの取り組みが功を奏したとみられ、26年度の湖岸のヨシ群落面積は182・6ヘクタールまで回復した。
生活様式の変化に伴い、ヨシが屋根の材料などに使われることが少なくなったが、近年はヨシを身近なものに感じてもらおうと、ヨシを利用したさまざまな製品が生み出されている。公益財団法人「淡海環境保全財団」(草津市)は刈り取ったヨシを腐らせて「腐葉土」を開発。また、コクヨグループ「コクヨ工業滋賀」(愛荘町)は、ヨシ製の紙を使ったノートなどを販売している。
ただ、刈り取ったヨシの全てが再利用されるわけではなく、残りは焼却されている。刈り取った後のヨシの処理に困るため、中には刈り取りを断念するボランティアグループも出ているという。
県琵琶湖政策課の担当者は「ヨシの製品を使ってもらうことで、環境の循環が良くなるとともに人々の保全への意識が高まる。こうした仕組みを確立していくことが今後の課題だ」と話している。
15/12/01
■開通1カ月、平日の交通量8700台 紀勢道「白浜―すさみ」(紀伊民報AGARA)
紀南河川国道事務所(和歌山県)は、開通して1カ月がたった紀勢自動車道南紀白浜インターチェンジ(IC)―すさみ南IC間(24キロ)の整備効果をまとめた。一日の交通量は平日8700台、休日1万1100台。一方で、並行する国道42号の交通量は6〜8割減少した。
紀勢道南紀白浜IC―すさみ南IC間は8月30日に開通した。区間別の交通量は、南紀白浜IC―日置川IC間(9キロ)が平日8700台、休日1万1100台。日置川IC―すさみIC間(6キロ)が平日6千台、休日8500台。すさみIC―すさみ南IC間(9キロ)が平日4800台、休日7200台だった。
一方、国道42号の交通量は、南紀白浜IC―日置川IC間が平日、休日ともに約8割減少した。同区間で平日は開通前が7900台だったのが開通後は1400台に減り、休日は7千台から1500台に減った。日置川IC―すさみIC間は平日、休日ともに約6割減。すさみIC―すさみ南IC間が平日約8割、休日約6割減少した。
7月12日に南紀田辺IC―南紀白浜IC間が先行開通した白浜地域では、8月の観光客が約1割増加し、白良浜で開かれた花火大会の人出も約2割増加した。紀南河川国道事務所は、紀勢道の開通が観光活性化に貢献したとしている。
■母なる湖のために 琵琶湖再生法成立<1>綱渡り 安保国会、届いた熱意(YomiuriOnLine滋賀)
準備を重ねた法案も、成立目前に何が起きるか分からない。それが国会という場所だ。
9月、東京・永田町。琵琶湖再生法は1日の衆院環境委員会、3日の衆院本会議でいずれも全会一致で可決し、16日の参院本会議で成立する手はずだった。ところがそこへ「暗雲」が立ちこめた。最大の懸案・安全保障関連法案が事もあろうに同じ16日、参院特別委員会で採決される見通しが浮上。採決を巡って与野党の対立は激化し、国会は反対デモに取り囲まれた。結局、特別委は安保法案の採決に至らず、琵琶湖再生法は同日午前10時過ぎ、参院本会議で「全会一致」で可決、成立。参院が空転する数時間前だった。
「闇夜に針の穴を通すようだった。奇跡的ですよ。あと半日遅かったら、ダメだった」と自民党衆院議員の武村展英(43)(滋賀3区・2期)は振り返る。
2012年12月の初当選、昨年12月の再選時に公約に掲げ、自身初の議員立法で実現した琵琶湖再生法。テレビで見届けた衆院第1議員会館の自室は、いつものように陳情や要望の来客続きで、喜びをかみしめる暇もない。国会議員の活動は決してパフォーマンスではない、そう考える武村は「やっとスタート地点。これからが真の勝負」と心に言い聞かせた。
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議員自ら法案を起草し、国会に提案する議員立法は、そもそも成立が難しい。通常国会は150日間で、まず予算関連法案、次に内閣提出法案が優先され、議員立法の審議時間は会期末までのわずかしかない。それが今年は、通常国会が安保法案のために95日間延長、9月27日までの戦後最長となり、時間確保のめどがついた。
それに加え、審議の場となる衆院環境委員会は既に法案3本を通し、新しい法案を待っていたことも幸いした。しかも委員長は、自民党の「琵琶湖の環境改善を促進する議員連盟」会長で元環境副大臣の北川知克(64)(大阪12区・5期)。父も環境庁長官を務めた北川は、環境問題への思いがひときわ強い、またとないリーダーだった。
武村が事務局次長を務める議員連盟が、法案をまとめたのは昨年6月。2人は成立のために最も大切な、国会議員への事前説明に二人三脚で臨んだ。相手は、党内を中心に衆参両議員の幹部ら約80人。法案の目的や意義をねばり強く説いて回った。
武村はその間も、故郷の草津市に帰っては、水草が覆い茂る琵琶湖を視察した。幼い頃から釣り好きで、小学校低学年頃まではニゴロブナやタナゴなどの在来魚が普通に釣れた。
「あの頃の琵琶湖に戻して次代に残したい」。政治家を志したのも、その思いが常にあったからだ。県内各地で漁師の船に乗り、革靴を泥だらけにしながら環境保護のNPO法人と外来植物の除去にも加わった。再生を望む地元の声も活動の源だった。
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「成立の秘訣? そりゃ、やっぱり足しげく通い、先生方に丁寧に説明するのみですよ」と北川が笑えば、「日本の社会って、そうやって泥臭く話し合い、分かり合うものでは」と武村は続ける。
熱意と行動が終盤の綱渡りを乗り切らせた琵琶湖再生法。だが、全会一致での成立に至るまでには、思わぬ「試練」が、ほかならぬ党内に潜んでいた。(敬称略)
◇メモ
琵琶湖の保全及び再生に関する法律 9月28日に公布・施行。特定の湖沼を対象とした初の恒久法で24条からなる。琵琶湖を「国民的資産」と位置づけ、保全と再生に国が財政支援する。県は、国の基本方針に沿って保全再生計画をつくり、水質汚濁防止や外来動植物の被害防止、水産資源の保存管理などに努める。1972年施行の時限立法「琵琶湖総合開発特別措置法」が97年に失効後、新たな課題に備える法案が望まれていた。
■師走と聞いて飛んで来ました 長浜(YomiuriOnLine滋賀)
長浜市で、ロシア・シベリアから飛来したコハクチョウ約100羽が羽を休め、住民らが師走の訪れを感じながら見守っている。
カモ科の鳥で、成鳥は羽を広げると1.8メートルになる。毎年10月中旬に越冬のため飛来し、翌年3月頃まで400〜600羽が琵琶湖や周辺で過ごす。
同市湖北町山本では3、4日前から見られるようになり、朝に田んぼでエサを食べたり、羽を大きく広げたりして、長旅の疲れを癒やしている。成鳥と幼鳥がいて、夕方には飛び立つ。
農作業中の女性は「伊吹山が冠雪すると、毎年たくさん姿を見せてくれます。かわいくて、時間を忘れて観察しています」と、手を休めていた。